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Wikipedia:能力は必要

ウィキペディアは大規模なウェブサイトで、多くの編集者がそれぞれの意見を持ちながら共同作業を行っています。多種多様な意見がある中で共同作業が成立しているのは驚くべきことかもしれませんが、その背景にはいくつかの理由があります。

その一つが、「善意にとる」という基本的な行動原理に基づくガイドラインの存在です。このガイドラインにより、意見が異なる場合でも、議論に関わる利用者同士は、一般的に最善な行動をとっていると互いに信頼しています。ときには、悪意をもってウィキペディアに損害を与えようとする者もいますが、その対処は比較的に簡単です。例えば、必要に応じて投稿ブロックを行うことで、ウィキペディアへの損害を食い止めることができます。このような場合、通常は大きな問題にはなりません。

むしろ扱いに困るのは、悪意がないにもかかわらず、自分でも気づかないうちに妨害的編集をしてしまう利用者です。このような場合、「善意にとる」というガイドラインの副作用が現れることがあります。多くの利用者がこのガイドラインを支持しているため、一部の利用者は善意「だけ」でウィキペディアに貢献できると考えてしまうことがあります。しかし残念ながら、それは誤りです。たとえ誠実で善意からの行為であっても、破壊的な編集は破壊です。ウィキペディアに貢献するためには、ある程度の能力が必要なのです。そのため、特定の利用者が一連の行動でウィキペディアに建設的に貢献できない場合、コミュニティが介入する必要が生じることもあります。

誰でも能力の範囲には限界があります。例えば、原子核物理学を熟知している人でもバレエを踊れないことがあるように、他の面で優れた能力を持つ人物でもウィキペディアを編集するのに必要な能力を持ち合わせていない可能性があります。適性と言い換えてもいいかもしれません。そのため、ウィキペディアと言う共同作業に適性がない方々に対しては、軽蔑的に「無能」とレッテルを貼るのではなく、できるだけ丁寧に、その方の尊厳を損なわないようにウィキペディアのコミュニティからそっと離れるように促すべきです。

「能力は必要」とは何か

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ウィキペディア日本語版に貢献するためには、以下の能力が求められます:

  • 日本語で明瞭な文章を書き、日本語で意思疎通と協調を効果的に行える能力。
  • 文献を読み、その信頼性を評価する能力。編集者はWikipedia:信頼できる情報源を理解し、個々の文献がウィキペディアの出典として使用できるかを判断する能力を備えるべきです。
  • 他の利用者との協調と合意を尊重できる能力。
  • 自身の能力を理解して、能力または知識のない領域における編集を避ける能力。知識や能力が不十分にもかかわらず編集を行うと、誤りが多く生じ、その修正に他の編集者が追われることになります。

「能力は必要」とは何ではないか

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  • 誰かがミスをした場合に、猛烈に怒鳴ることを意味しているわけではありません(en:Wikipedia:Don't come down like a ton of bricks)。特に新規利用者には柔軟に対応し、正しい編集方法を理解できるよう助けましょう。ウィキの編集にはミスがつきものです。
  • 完璧である必要はありません。例えば記事編集の場合、一気に完璧にする必要はなく、少しずつ改善していけば良いのです。
  • 日本語の母語話者である必要はありません。また、編集者には作家のような高い日本語力は求められていません。スペルミスや文法の間違いは他の利用者が修正できます。記事を直接修正できるほどの日本語能力がない場合でも、記事のノートページで修正要望を出すことができます。
  • 他の利用者を無視したり、他の利用者が能力を高めようとする努力をサポートしなくてもよい、ということを意味しているわけではありません。
  • 能力が足りないと他の利用者にレッテルを貼るべきではありません。他の利用者を「無能」などと呼ぶことは個人攻撃であり、事態の改善につながりません。常に利用者本人ではなく行動内容について議論し、人格攻撃は避けてください。また、他の利用者が気後れしないよう言葉を柔らかくしましょう。
  • 必要な能力について議論しているとき、礼儀を守る必要がないことを意味しているわけではありません。失礼な言葉は他人を気落ちさせ、素直にミスを認めたり、学びや能力を高めることを妨げる可能性があります。

能力不足が疑われるときの対処

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特定の利用者の能力不足が疑われているとき、その対処には十分気をつけてください。上記の#「能力は必要」とは何か#「能力は必要」とは何ではないかを心に留めた上、状況を理解してから対処行動に移ってください。

  • ミスの繰り返し - 特定の利用者がミスを繰り返している場合、他人がすでに正しく編集する方法を助言しているかを確認してください。大半の利用者は貢献しようとしており、ただどうすれば貢献できるかを知らないだけかもしれません。だれも助言していない場合、まず助言を行ってください。ミスの解説には直接解説することとより良いやり方を示すことという2つの方法がありますが、どちらも利用者の会話ページで簡単な自己紹介をして、問題を説明するときに差分を示し、さらなる解説ページへのリンクやWikipedia:利用案内へのリンクも提示しましょう。大半の場合、それで十分であり、それ以上の行動は必要ありません。
  • 能力不足と断言すること - 特定の人物かその編集が「能力不足」「無能」などと呼ぶことは推奨されません。問題を直接指摘することはいいですが、他人を侮辱せずに問題を直接指摘することはできます。他人の行動がその能力不足を示すと発言しても改善につながらず、他人を受身にする結果にしかなりません。
  • 手をつくしたが失敗したとき - 投稿ブロックのような制裁は常にほかの手をつくした上での最後の手段です。投稿ブロック依頼を提出する前、必ずその利用者と出来る限りの方法で議論して、その行動の改善を試みてください。例えば、会話ページで問題を解説して、どうすれば正しく行動できるかを示してください。そのような試みが全て失敗する場合は稀にありますが、その場合はウィキペディアへのダメージを最小限にとどめるために、投稿ブロックが唯一の手となります。

関連項目

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