Wikipedia:秀逸な記事の選考/赤血球 20110503

赤血球[編集]

賛成/条件付賛成/保留/反対 3/0/0/0 この項目は選考基準の賛成のみ3票以上を満たしています。2011年5月21日 (土) 13:36 (UTC)(2011年5月21日 (土) 22:36 (JST))までに異論がなければ、この項目は秀逸な記事となります。

(ノート) 《推薦理由》 先月、GAにしていただいた記事です。GAになった後、さらに加筆しFAの審議をお願いするレベルになったと自負しています。

基本的な構成・内容は、質・量・レベル・権威すべてにおいて日本語での最高の血液学書『三輪血液病学』の要約とすることを心がけ、さらに赤血球膜の世界的権威八幡 義人先生の著作や最新の分子細胞生物学の教科書や人工血液学の知見も加えています。バランス的にはヒトの赤血球に偏っている感がありますが、どうしても赤血球研究はヒトとマウスのものが先を行き、家畜や犬猫小鳥以外つまり獣医があまり見ない生物の赤血球についてはあまり文献も無い現状ですので止むを得ないと思っています。--ぱたごん 2011年5月3日 (火) 04:09 (UTC)[返信]

  • 賛成 基礎医学を題材とする基本的かつ重要なテーマの項目です。赤血球の生理的機能だけでなく、生化・分子生物学の知見やレオロジーにおける議論など、できるだけ偏りのない観点から考察を集めており、大変素晴らしい記事だと思いました。執筆者の方の丹念な作業の成果がよく記事に表れていることはもちろん、長期間の執筆活動に敬意を表しまして、積極的に賛成票を投じさせてください。なお、投票には影響させるつもりはありませんが、現在の版について私が気がついた点を以下に列挙します。--Damena 2011年5月3日 (火) 13:49 (UTC)[返信]
    1. 項目の体裁として、ヒトの赤血球と動物の赤血球の2本立てにしていますが、今後、動物の赤血球の加筆の可能性が少ないのであれば、思い切って#人の赤血球という節を廃止してもよいかもしれません。実際の組織学や生理学あるいは免疫学などでも、実験生物やin vitroにおけるデータもヒトに適用される場面が多く、明確な線引きにあまり意味を見出せないからです。冒頭に「以下、特にことわりのない限り、ヒトの赤血球について解説する。ヒト以外の赤血球については#ヒト以外の赤血球を参照。」などとすれば十分でしょう。
    2. 節の数が少し多い気がします。また、節ごとのサイズもまちまちで読者に雑然とした印象を与える可能性があるかもしれません。以下を検討してみてください。
      1. #赤血球に関する基準値は、臨床検査データとしての正常値ということなので、#赤血球に影響する主な病気と統合して、各項目の異常値とそれぞれに関する病態や症候について簡単な説明を加えれば、見通しがよくなるかもしれません。節名は#赤血球と臨床あたりになるでしょうか。もしかすると、#必要な物質#人工赤血球もこれに含めることができるかもしれません。
      2. #赤血球の形状と構造#細胞膜はどちらも形態学上の解説なので、#形態という節名で統合できるかもしれません。その際は、バランスを考慮して、前者は#外観、後者は#細胞膜#微細構造などのように再構成する必要があるかもしれません。
      3. #血液型は迷うところですが、#微細構造もしくは#赤血球と臨床のいずれかに取り入れることができると思います。あるいは両方の節でうまく言及してもよいかもしれません。
      4. #ヘモグロビンと酸素・二酸化炭素輸送#赤血球の代謝#必要な物質は、#機能あるいは#生理のような形で統合しても、あまり不自然ではないでしょう。また、ヘモグロビンに関する言及が比較的多いので、ヘム代謝・鉄代謝に関することと、物質輸送に関することは節を分けた方が見やすくなるかもしれません。
      5. #赤血球の集合(連銭形成)についてですが、「連銭形成」という言葉については、#赤血球と臨床のほか、#形態でも触れられるかもしれません。また、「ずり応力」云々に関しては、臨床からは遠ざかるので#赤血球とレオロジーという形で独立させてもよいかもしれません。
      6. #エリスロポエチンに関しては、#生理#赤血球と臨床#人の赤血球の一生のどれに入れるか迷いどころですが、エリスロポエチン自体が単独項目として存在しているため、これらに記述を分散させてもよいかもしれません。
    3. 鎌状赤血球、涙滴赤血球、破砕赤血球などの、特殊な赤血球についての言及が少ないです。#形態#赤血球と臨床に加筆できるかもしれません。また、ごく基本的なことですが、#形態の節では、Wright染色やGiemsa染色などの染色法についても簡単に解説したほうが親切でしょう。
    4. 膜浸透圧との関連で、溶血についても触れたほうがよいかもしれません。また、溶血は高カリウム血症による不整脈や、高ビリルビン血症による黄疸などを招くため、臨床的にも重要です。
    5. 外国語版の画像の中には転用可能なものも含まれているかもしれません。
    6. #人の赤血球の一生に関することはまとめます。
      1. 赤血球は、確かに幹細胞から「分化」されて生じますが、節名からは、細胞分裂・分化・成熟が混同される可能性があるかもしれません。「赤血球と造血」「赤血球の発生」「赤血球の産生」など、より包括的な用語があるかもしれません。
      2. 赤芽球のそれぞれの段階がどれくらい続くのか、それらの時間に関する資料はありますでしょうか? もしあれば、参考になると思います。
      3. 造血に関しては、「赤血球」という項目の中であるならば、百科事典的に必要十分な記述がなされていると思いますが、現状で造血en:Haematopoiesis)が赤リンクなのは気になります。幹細胞や造血因子など造血全般に関してもっと踏み入って言及される総論的項目が別途ほしいところです。
      4. 古い概念かもしれませんが、網内系に関する言及はあってもよいかもしれません。
      5. 概要節で寿命について既に触れられていますが、この節でも言及しておいたほうが自然でしょう。
      6. #人の赤血球の一生という節名はネーミングとして決して悪いものではありませんが、現状の版では末梢血における赤血球の動態がこの節で触れられていないため、「造血系と網内系」、「赤血球の生成と破壊」などよりストレートな節名でもよいかもしれません。
    7. 歴史に関して年表のみなのは、ちょっと寂しいです。赤血球が発見された経緯やその名付け親、日本における訳語考案者などについての言及があるとなおよいと思います。
    8. 血液サラサラ千島学説についての言及があってもよいかもしれません。ただ、後者に関しては、ウィキペディア上で論争に発展した経緯があるので、無理に組み込む必要はないかもしれません。
    9. ヒト以外の赤血球については、原始的な生物から高等生物に進化の順に構成するのが、比較解剖学・比較形態学の視点からだと自然でしょう。また、赤血球をもつ生物ともたない生物を比較することで、赤血球の意義について考察を加えることができるかもしれません。
  • 以上です。--Damena 2011年5月3日 (火) 13:49 (UTC)--(下線部追記)--Damena 2011年5月3日 (火) 15:42 (UTC)[返信]
    • コメント ご査読ありがとうございます。構成についてのご指摘ごもっともです。数日中に見直してみたいと思います。ご指摘が主に構成についてなので賛成票についてはそのままありがたく頂いておきますが、構成以外に溶血やその他指摘いただいた点についても加筆してみたいと思います。若干時間をくださいませ。ありがとうございました--ぱたごん 2011年5月3日 (火) 14:30 (UTC)[返信]
    • まずは構成について、Damenaさんのご指摘を参考に見直してみました。今日のところは構成だけで内容については変更していませんが、溶血や特殊な赤血球、染色、幹細胞や造血因子、進化等の内容についてのご指摘の点についてはこれから加筆を考えて行きます。--ぱたごん 2011年5月3日 (火) 16:25 (UTC)[返信]
  • (報告)Damenaさんに指摘された点は、Damenaさんのご協力もあり、また私も見直しましておおよそ修正済みになったと思います。--ぱたごん 2011年5月8日 (日) 16:19 (UTC)[返信]
    • コメントこんにちは、素晴らしい記事と思いますが、できうれば、関与する病気について、簡単でもいいので述べて頂きたい。赤白血病でなくなった人もいますが。--Ichiro Kikuchi 2011年5月9日 (月) 03:54 (UTC)[返信]
      • Ichiro Kikuchiさん、コメントありがとうございます。以前に査読依頼に出したときにも同じコメントが付いたのですが、はっきり言ってキリがないリストになってしまいます。例えば尿毒症は血液疾患ではありませんが、赤血球を変形させます。そういったなんらかで赤血球に関係する疾患一つづつを各1行でまとめるだけでも何百行になることか・・それで仕方なく『三輪血液病学』の目次で赤血球の病気とされているものをリストアップしたのですが、その分類とて『三輪血液病学』の編集の先生方には内心忸怩たる分類だったと思います。赤白血病にしても通常は急性骨髄性白血病の括りの中で説明されるものかとおもいます。疾患について現状より細かくするのであるなら、赤血球項目で扱うより血液疾患の一覧のような記事を作って、そちらに誘導するほうがよろしいのではないでしょうか?--ぱたごん 2011年5月9日 (月) 08:43 (UTC)[返信]
    • コメント鎌状赤血球症とマラリアの関連、空気が希薄なところの多血症、多血症であるとエリスロメラルギーになりますが、皆さんが知りたい所と存じます。--Ichiro Kikuchi 2011年5月10日 (火) 02:23 (UTC)[返信]
  • 賛成 質が良く、秀逸な記事の目安を満たしています。読んでいて、とても良い記事だと思いました。書式については、細かいことですが、Wikipedia:表記ガイド#括弧類に従った方がいいかもしれません。--プログラム会話2011年5月10日 (火) 10:13 (UTC)[返信]
  • 条件付賛成 賛成 日本語の総説的出典に基づき丹念に記述されており、十分に秀逸な記事の域に達しているものだとは考えておりますが、若干気になりました以下の点につき対応・確認あるいは考えをお聞かせください(本来、Wikipedia:査読依頼/赤血球 20110126の中でおたずねすべきだったかもしれない、表記上の問題なども含みますがご容赦ください)。--Tatsundo h 2011年5月14日 (土) 13:36 (UTC)意見を変更します。[返信]
    1. HbA1cについて:本質的にはヘモグロビングリコヘモグロビンヘモグロビンA1cの項目の中で詳細に説明されれば良い内容ではあり、また赤血球の主要な役割ではありませんが、臨床上はHbA1cの値をコントロールすることが糖尿病治療の重要な目安となっています。赤血球中のヘモグロビンが非酵素的反応によって糖化することや赤血球の寿命(120日)とHbA1cの値(長期の血糖コントロール)との関係についても概略的に触れても良いのではないでしょうか。
    2. 検査の基準値の説明中、ヘモグロビン濃度とヘマトクリットに「一般に貧血で数字は小さくなる」と付記されていますが、これらの値が基準値以下である状態を臨床的には「貧血」と定義されているので、説明としては正しくないと考えます。
    3. ヘモグロビン濃度の略語としてHgを採用されていますが、同じ程度の比率でHbとの略語を見受けますし、Hgbなどの略語表記も見る機会があります。注釈などで解説を加えてはいかがでしょう。
    4. #赤血球に影響する主な病気の節ついて3点ほど
      1. 専門的記事である以上「主な病気」ではなく「主な疾患」(あるいは疾病)が適切ではないでしょうか。
      2. 「赤血球に影響する主な…」との表現は、日本語的には違和感があります。例えば「赤血球に影響が表れる主な…」など、より適切な表現をご検討ください。
      3. 表現上の問題ですが、この節だけは箇条書きの繰り返しであるためか可読性が低い印象があります(見出しと事例部分が判別しにくい)。
    5. #赤血球の構造と機能の節の3段落目後半の文は「…と考えられている」としている一方、前半の文章は「…よりも有利である」と言い切りの文になっています。後半の文と同様「考えられている」という程度が適切ではないでしょうか。
    6. 「五炭化リン酸回路」、「五炭糖リン酸化回路」などの記載がありますが、「ペントースリン酸経路」(ペントースリン酸回路とも)と同義と思われますので表記(の統一)を含めご確認ください。
    7. 「ポリフィリン血症」との記載がありますが、「ポルフィリン血症」あるいは「ポルフィリン症」の誤字でしょうか。
    8. 表記のゆれがいくつか見られます。適切な表記に統一ください。「タンパク」と「たんぱく」、「蛋白」。「ヒト」と「人」。「mmHg」と「mmHG」。「脂質二重層」と「脂質2重層」。「nm」だけカタカナ表記(ナノメートル)。
    9. 物質名に化学式(あるいはイオン式)を付記する場合としない場合の基準、また化学式(イオン式)をカッコ内に入れるか否かの基準が不明です(例:「血液中の二酸化炭素のほとんどは赤血球内に取り込まれ、二酸化炭素CO2の約70%…」)。
    10. 出典にあげられている、関『実験動物の血液学』の該当ページ数を明示ください。
    11. 参考文献にあげられている「小川哲平、大島年照、浅野茂隆 編著 『血液学』、中外医学社、1991年」のISBNは9784498025448だと思われます(参照)。ご確認ください。
  • 以上です。--Tatsundo h 2011年5月11日 (水) 17:32 (UTC)[返信]
    • Tatsundo hさん ご査読ありがとうございます。3版使ってしまいましたが4-3以外については見直しました(私のことですから抜けはあるかもしれませんが)。あと残るのは「赤血球と臨床」項の箇条書きについてですが、ご覧のとおり赤血球そのものの説明ではないが関連性が高い事柄として関連項目的にあげているわけですが、箇条書きを廃するのに苦慮しております。いっそ、疾患などは記事中の一節ではなく関連項目欄に移したほうが良いかと思いますがいかがでしょう?--ぱたごん 2011年5月12日 (木) 14:42 (UTC)[返信]
      • 指摘させていただいた内容が対応されたことを確認しました(4-3の箇所は、当方にて箇条書きの方法を若干変更してみました)。このため2011年5月11日 (水) 17:32 (UTC)に表明した意見を賛成に変更します。--Tatsundo h 2011年5月14日 (土) 13:36 (UTC)[返信]