Wikipedia:査読依頼/ゾング号事件 20180608

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ゾング号事件 - ノート[編集]

英語版FAより翻訳した記事です。冒頭部と概要節は本文の記述を要約してリライト、日本語出典を追加するなど加筆修正しています。GAまたはFAに自薦したいと考えておりますので、GAまたはFAとして問題がないか査読をお願いいたします。--SilverSpeech会話) 2018年6月8日 (金) 12:21 (UTC)

【査読】 ──専門家の方による審査結果。
【検証】 ──参考文献などと照合しつつ正確性を評価。
翻訳お疲れ様です。翻訳の正確性については能力が及ばないので見ていませんが、ゾング号事件について記載のある手元の書籍と対照してみました。良質な記事として問題があるような、記述の齟齬というレベルの問題は見つかりませんでした。以下、細かいことですがいくつか気付いた事を書きます。
  • 「積み荷」である奴隷の総数について
本文に「1781年8月18日、ゾング号は奴隷442人を乗せてアクラを出航したが、」とあり、英語版でもそうなっているのを確認しました。一方、マーカス・レディカー『奴隷船の歴史』(みすず書房)p. 220 の記述では「乗組員十七名と、四七〇名というすし詰めの『貨物』とともに」、と言う記述があり、出港時の奴隷総数は470名となっています。両方の数字を使ってGoogle検索をかけたところ、次のような記述を見つけました「Upon arrival, the ship contained 420 gallons of water. Of the 470 or 442 or 440 slaves, either 150, 133, 132, or 123 were thrown in the at Atlantic.The Johns Hopkins University Press、「The number of slaves according to the writers in The Journal of Legal Historyis 442 (see Webster 289 and Lewis 368); Baucom refers to 440 (11); Philip uses the number 470 (“Notanda” 189), basing her numbers, it seems, off of Walvin’s account in Black Ivory: Slavery in the British Empire (14).St Jerome’s University
以上から推測すると、出港時の奴隷の総数は諸説あり、442名というのは確実ではなさそうです。Webで発見できる日本語情報は442名を使っているので何かこの数字を選ぶ根拠があるのかもしれませんが、人数について異説があることに明確に触れておくのがより正確かもしれません。
  • 児島秀樹氏の所感について
児島秀樹いわく、中間航路であまり死者が出なかったのが不思議なほどの相当厳しい環境であった」という記述について、確かに出典にそうあるのを確認しました。しかし本文にある通り「カリブ海海域に到達するまでに、ゾング号では奴隷60人以上」が死亡しており、どの奴隷の初期数想定でも中間航路での死亡率は10%を越えます。『奴隷船の歴史』では、奴隷60名、船員7名の死亡の結果「航海の破綻」を恐れたコリングウッドらが奴隷の海洋投棄を決断したような話の展開になっています。感想レベルの話ではあるのですが「あまり死者が出なかった」はかなり違和感があります。Wikipedia:奴隷貿易の記述では輸送中の奴隷死亡率は平均13%、ジェームス・M・バーダマン『アメリカ黒人の歴史』(NHKブックス)p. 31の記述では12%(ただ、これは300年間の平均ですが)ということなので、あくまで当時の平均死亡率との比較で大きくは違わなかった、と言う意味で「あまり死者が出なかった」という形で触れた方が良いように思います。
  • 海洋投棄の動機について
『奴隷船の歴史』の記述では上記の通り病気の蔓延で死者が増加するのを恐れ、コリングウッドは「自然死の奴隷は船主の損失になる。しかし、生きたまま海に投げ込めば、保険会社の損失になる。」と主張して、明確に損失を保険会社に転嫁する意図を持って虐殺を実行したことになっています。児島秀樹氏の記述でも「病気と衰弱で弱った」奴隷を処分したという記述になっています(こちらは金銭的損失について上記のような意図をコリングウッドが持っていたかは言及していないようです)。水不足は裁判でそう主張されていたようですが、『奴隷船の歴史』はこれを明確に虚偽と言い切っています。この本の記述が正しいかどうかはわかりませんが、現状の記述だとコリングウッドや船員たちがなぜ奴隷を海に投げ捨てたのか、という動機の記述が弱いように見え、水不足(船員たちの主張)以外に特に理由が見当たらないように見えるため、若干修正した方が良いように思います。
  • 確認した書籍のうち、直接ゾング号事件に言及があるのは『奴隷船の歴史』だけで、それも裁判の経過部分については言及がありませんし、特別詳細というわけでもないですが、全体として大きな問題は見つかりませんでした。一応、もしも良質な記事の選考で確認するとすれば、上に書いた点がやや引っかかった所になります。--TEN会話) 2018年6月14日 (木) 15:50 (UTC)
  • 返信 検証ありがとうございます。ひとまず、以下のとおり対応させていただきました。
    • 奴隷の総数について
      おそらく航海日誌の紛失などにより不明瞭になってしまっている部分かと思われます。ひとまず紹介していただいた出典を元に、本文中に注釈の形で加筆しました。
    • 児島秀樹氏の所感について
      ごもっともな指摘でしたので、出典を要約する形で表現を修正いたしました。
    • 海洋投棄の動機について
      「衰弱した奴隷」を処分した動機についてゾング号側は水不足が原因だと主張しているのですが、翻訳や概要のリライトが分かりにくかったようですので修正しました。「病気と衰弱で弱った奴隷を処分した」というのは英語版では「投荷」の一言で済まされている記述が多いので、このあたりの説明をどうするかはもう少し考えてみたいと思います。また、船長が保険会社に負担させようとしたというのは保険会社側の主張のようです。USIによれば、一般的には船長が主犯とされているようですが、病に倒れてジャマイカ到着後すぐに亡くなっていることから疑問視する意見もあるようです。こちらについても加筆できないか資料を探してみたいと思います。
  • 以上、返信いたしました。ご意見ありがとうございました。--SilverSpeech会話) 2018年6月18日 (月) 04:19 (UTC)
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