Wikipedia:専門的な記事も分かり易く

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ウィキペディアの記事では、その記事を読もうとする可能性のある潜在的で幅広い読者を視野に入れて、記事の内容が理解しやすく書かれるべきです。大抵の記事で潜在的な読者には一般的な人々を含むでしょうから、ほとんどの記事で一般的な読者を視野に入れて内容が分かりやすく書かれるべきです。

記事に加筆したり、新規作成したりするとき、記事の文体三人称常体の百科事典的な書き言葉で書かれます。エッセイ的であったり、変に理屈ぽっかったり、読者を煽ったりする文章ではなく、事実を率直に示していく書き方がウィキペディアの記事では望ましいでしょう。しかし一方で、平均的な読者も記事から知識を吸収できるようにするべきです。編集者は一般的な語彙や非専門用語を使って記事を書くべきで、記事から有益な情報を得たいと思っている読者が、別の辞書や用語辞典に逐次頼らなければ読み進めることもできないような、大量の専門的な言い回しの文章を記載するべきではありません。全ての記事で、内容を可能な範囲で分かりやすくする書き方が試みられるべきです。もし、ある記事が現在とても専門的に書かれていたとしても、改善の余地があれば、分かりやすく書き直す試みは大いに奨励されます。

想定される読者[編集]

ウィキペディアには様々な読者が訪れるでしょうが、大まかに以下のような3つの特徴で分けられます。

  • 記事の主題に対する理解度。これをもとに、本文書中ではさらに3つに読者を分類しています。
    • 一般的な読者とは、その主題に関連する分野の専門的な教育を受けていない人たちであり、その主題についてもよく知らない人たちです。主題が何なのか読み始めるまで見当もつかないかもしれません。
    • 予備知識を持つ読者とは、その主題に関連する分野の教育を受けてきているが、その主題については新たに学びたいと考えている人たちです。
    • 専門家の読者とは、その主題について既に熟知しているが、さらに新しいことを発見しようとしたり、何かを思い出そうとして記事を読む人たちです。あるいは、ウィキペディアがどこまでの内容を包括をしているかについて興味があって記事を読む人たちです。
  • 基礎的な読書に関するスキル、読書力
  • 記事の主題を学ぶ意欲の程度

高い水準の教育を受けており学習の意欲もあるような予備知識を持つ読者は、数万字に及ぶような秀逸な記事を最初から最後まで楽に読み切るかもしれません。一方で、他の読者は文章を読み通し、画像を読み解くのに苦戦するかもしれません。よく出来た記事は全ての読者の興味を引き、読者の意欲に比例して主題についての多くの理解を与えます。読者の読解力を超えて書かれている記事や、読者はその主題や分野に馴染みがあると仮定しているような記事は期待を裏切るかもしれません。あるいは、主題に関連する広い内容が無く、極めて基礎的なことのみしか書かれていない記事も同様に期待を裏切るものかもしれません。

例えば、特別:おまかせ表示をクリックして、ランダムに発見した記事を読んでみようとする読者はいます。一方で、もっと自然な興味から記事に読者をたどり着かせるような題材もあります。しかしながら、勉強したり議論したりする前に数年に及ぶ専門的な教育や訓練を必要とするような題材は、読者を限定してしまうものです。例えば、高等数学、専門的な法律、産業水準の技術に関する記事などは、予備知識を持つ読者しか理解できないような題材を含んでしまうかもしれません。しかし、学術的に高度なレベルで研究されるような題材であっても、幅広い読者にとっても興味深いものである題材もあります。例えば、太陽は天文学者以外の人にとっても興味のあるものですし、病気は医者以外の人にとっても興味のあるものです。

平均的な読書力と学ぶ意欲を持つ一般的な読者にとっても内容が理解できるようにすることは、ウィキペディアの記事のほとんどで可能なはずです。いくつかの記事では、その主題の本質上、専門的な書き方にならざるえないものもあります。あるいは、主題に専門的な側面があり、記事中に専門的な内容のを持たざる得ないものもあります。そのような記事の多くも、幅広い読者に向けて分かりやすく書くことは可能です。いくつかの記事では、説明が難解になることや数年に及ぶ高等教育や訓練で得られるような予備知識を要求することが、主題の本質上、仕方がないものもあります。そのような記事にまで全ての読者にとって分かりやすいこと望むのはさすがに不合理です。しかし、例えば導入部で注目すべき点を強調するなどをして、可能なかぎり理解しやすくする努力はなされていくべきです。

専門的内容[編集]

ウィキペディアは本格的な参照情報源の1つになることを目指しています。ですから、高度に専門的な題材もウィキペディアの記事として収められるべきものです。専門的内容の難解さを下げることは、予備知識のない読者にも恩恵を与える記事の改善の1つです。ただし、これによって専門的な知識を既に持っている読者にとっての価値を下げたりしないようにする注意も必要です。

より理解しやすい記事を作成することは、専門的で詳細な内容を取り除いてしまうことを必ずしも意味するわけではありません。例えば一般的な読者にとって分かりにくいような化合物の特性の話でも、その化合物についての記事であればその特性について当然書かれるべきです。しかし、高度に専門的で詳細な記述については要約を記事中の所々に入れることで、一般的な読者にとっても専門家の読者にとっても読みやすさを向上させることができます。例えば、ある事柄の事細かい起源や導出は、一般的な読者にとっても専門家の読者にとっても読みたいものではないかもしれません。しかし起源や導出の手短な要約を記事に挟むことは、専門家の読者にとっての有益さを減少させることなく、一般的な読者にとっても理解を与えることができるかもしれません。記事が含む専門的で詳細な内容の適度な量を決める際には、その専門分野の標準的な参考文献と比較するのが助けになるでしょう。

導入部[編集]

とりわけ重要なことは、導入部を幅広い読者層にとって分かりやすくすることです。記事の題材の詳細を知らない読者であっても、何のついての記事なのか・読みたいと思っていた記事なのかを、見分けれるようにしてください。要約や大まかな定義だけ知りたい読者は導入部を読み終えた時点で読むのを止めるかもしれません。分かりやすい導入部は読者が記事本体まで読み進めようとすることを後押しします。

これらの理由から、導入部では記事の分かりやすい概説を提供するべきです。導入部では主題の重要な側面に触れるようにしてください。ただし分かりやすさを確保するために、導入部では内容の要約に留め、詳細は記事の本体に書くようにしてください。導入部では一般的な読者に向けて、その主題が研究される分野、その研究が行われている場所、その主題が何のためのものであるか、記事の内容を理解するために最初に学ぶべきことなどが書かれると良いでしょう。

一般的に、導入部での説明は読者がその主題に慣れ親しんでいると前提すべきではありません。ただし、一般的な読者が理解ができるような要約を作ることすら困難な専門的題材では、記事を理解するにあたって必須となる事柄や用語に内部リンクをしつつ、ある程度の関連知識を読者が持っていると前提する書き方になるのは妥当な場合もあるでしょう。

改善のための経験則[編集]

専門的な題材を分かりやすく改善する方法として、いくつかのアイデアがあります。中級的なものから高度に専門的なものまでを対象に、以下のようなやり方が有効かもしれません。

最も理解し易い部分を記事の最初に置く[編集]

記事中の後の方になるほど、必要に応じて、内容が高度になっていくのは妥当なことです。しかし詳細な内容に興味が持てない読者はある時点で読むのを止めるでしょう。そのため、そのような読者が興味を持つ内容は記事の最初の方にあったほうが望ましいです。導入部に分かりやすい要約ができたら、その要約に関係する各々の節でも、導入部と同じような分かりやすいレベルの説明から始めるのが望ましいでしょう。また、専門的で詳細な内容を説明する節でも、詳細に移る前に、主要な部分の要約が最初の段落で説明されるとより良くなるでしょう。

1つ手前の読者を想定する[編集]

読み易さを上げる一般的な方法は、その題材が実際に学ばれる教育段階(高校、大学、大学院など)の1つ手前の段階の読者に向けて書くことです。例えば、大学で学ばれるような項目であれば高校卒業程度の知識の読者に向けて書き、大学院で学ばれるような項目であれば大学卒業程度の知識の読者に向けて書きましょう。上記の節では、記事の導入部は特に分かりやすくあるべきと説明しましたが、この1つ手前の読者を想定した書き方は記事全体に適用可能です。ウィキペディアのゴールは、その主題について他の書籍や資料で学ぼうとする前に読めるような、三次資料を提供することです。1つ手前の読者を想定した書き方は、このような目標にも合致します。

具体例を追加する[編集]

多くの記事が説明が抽象的であるというだけで分かりにくいものになっています。そのような抽象的な説明は、専門家の読者すらも混乱させるかもしれません。抽象的な説明だけでなく具体的な例が備わっていれば、たくさんの読者が文脈をつかむことができます。例えば「動詞」の記事では、以下のように動詞を説明しています。

動詞は名詞とならんでほぼ全ての自然言語が持つとされる基本的な品詞である。「走る」「消える」のように動作や変化を表すほか、「ある」「違う」「匹敵する」のように存在や状態を表すものも含まれる。

たたし、具体例を示すときは、独自研究にならないように注意が必要です。

数式を文章で説明する[編集]

数式の「意味」を説明することは、読者が説明についていくのを助けます。その数式がある特徴を持っていることや、何故そのような形式で書き表すのかなどを日本語の文章でも説明することは、専門家の読者にとってさえも手助けになるものです。

画像を追加する[編集]

画像を追加して視覚的な説明を与えることは、多くの人々にとって、学習を助ける有効な手法です。画像なら、専門的な概念を簡潔で明快に伝えることもできます。略図や概念図を追加するときは、使用されている記号を記事本文中のものと関連付けたり、言葉による説明で関連を補うことを必要に応じて行ってください。以下のようなテンプレートが役に立つかもしれません。

専門用語の過度な使用を避ける[編集]

  • 専門用語や業界用語、略語は思慮分別をもって使いましょう。このような言葉が最初に登場するときは、意味の説明を加えたり、何の略語かを説明したりしましょう。特に新しい用語が登場するときは、親しみやすい平易な言葉で意味を説明すれば、混乱を与えずに済むでしょう。ただし、説明の正確性が犠牲にならない範囲で平易な言葉を採用する必要があります。
  • もし正確性が失われないならば、専門的な言葉よりも一般的な言葉を用いてみましょう。どちらも意味としては同等であれば、一般的な言葉を優先して用いてください。
  • 長々と繋げた形容詞や修飾語を無くしてみましょう。特に専門的な言葉でそのようにするのは注意が必要です。
  • 短い文で書いてみましょう。一般的に、一文が長ければ長いほど読みづらくなっていきます。長文は2つの文に分けるなど工夫してみてください。ただし、短文をあまり多用すると単調な印象を与えます。読者を飽きさせないように文の長さを適度に変化させながら書いていくと良いでしょう。
  • 読みやすくするために述語に動詞を用いた表現をしてみましょう。専門的な形容詞で「○○は××的である。」という文章よりも、「○○は××である。」や「○○は△△する。」という文章で表現することで分かりやすく出来る場合もあります。
  • 普段の会話で使うような言葉で説明をしてみましょう。学術的な会議、発表、文章作成などの際には、多くの人たちも専門的な言葉を使うでしょう。しかし、そのような人たちも普段の会話で説明しようとするときは、もっと分かりやすく簡単な言葉で説明しようとするはずです。
  • 日常的な事柄を例にした類推的な説明を加えましょう。ただし見当外れな説明にならないように注意が必要です。素晴らしい類推は、全く意味が掴めないような状態から合点がいく状態に一変させたりもします。しかしながら、ウィキペディアは教科書ではありませんので、類推的な説明は百科事典的な文体で書かれる必要がありますし、信頼できる情報源によって検証可能な説明でなければなりません。出典なく類推的な説明を広げていくと、編集者自身の独自研究不適切な情報の合成に陥りますので注意してください。

簡略化し過ぎない[編集]

今まで記事を分かりやすくすることの重要性を説明してきましたが、もう一つ重要なことがあります。分かりやすくしようとするあまり、説明を簡略化し過ぎないようにしてください。百科事典の記事とは、分かりやすくする便宜のために間違っている説明を許容するものではありません。

改善の呼びかけ[編集]

記事が専門家以外には分かりにくい状態になっているとき、改善を呼びかけるテンプレートが利用可能です。記事の記述が専門的過ぎて分かりづらくなっているとき、{{専門的}}テンプレートを記事に張ることができます。このテンプレートを含んでいる記事は、Category:専門的な内容の修正が必要な項目に収められます。

ただし{{専門的}}テンプレートを張る場合は、その記事のノートページにあなたが記述が専門的過ぎると思った理由や改善案を書き残してください。このような説明無しに単にテンプレートを張った場合、無視されるか除去されても仕方がないと言えます。また、上記で説明したような改善方法の適用の余地がまだあるような記事のみに、このテンプレートは使用されるべきです。

入門記事[編集]

専門的であることが避けられないが、専門的でない読者にとっても非常に興味深い主題の場合、入門的な記事を分割記事として作成することは1つの解決策になり得ます。英語版記事の「Introduction to viruses」はこのような例の1つです。ウィキペディア日本語版では、2015年現在、このような分割記事は今のところ存在していません(特に禁止されている訳でもありません)。"Introduction to..."の題名で始まる入門記事の現在の完全なリストはCategory:Introduction articlesで確認できます。元記事のリストはCategory:Articles with separate introductionsで確認できます。

ただし、Wikipedia:ウィキペディアは何ではないかWikipedia:スタイルマニュアル (導入部)の考え方を順守するようにして、入門記事の作成は最小限に抑制してください。作成前に次のようなことを考えてください。

  • これまで説明してきた記事を分かりやすくする助言などを実行していけば、記事を全体にわたって分かりやすくできる余地はまだあるか?
  • 一般的な関心の程度を配慮して、記事の導入部をもっと上手に書ける余地はあるか?

もし上記の問いに対する答えがいずれも「いいえ」であれば、入門記事の作成を考えてもいいかもしれません。

関連項目[編集]

(日本語版にはない英語版の関連項目)

(メタ)

外部リンク[編集]