Wikipedia‐ノート:外来語表記法/ロシア語

ページのコンテンツが他言語でサポートされていません。

表記の揺れについて[編集]

二点、提案があります。

1. ロシア語の以下の表記に関して、若干乱れがあるように思います。

  • 語尾「-ий」(「イー」が主だが、他に「イイ」等も)
  • 女性の姓の語尾「-ва」(「ワ」が主だが、他に「ヴァ」等も)

これらのカタカナ表記の指針として、それぞれ「イー」、「ワ」を指定すべきだと思います。

2. 人名「Евгений」「Евгения」の表記に関して、「エフゲニー」「エヴゲニー」「エヴゲーニー」の三つが、後者については「エフゲーニヤ」「エフゲニヤ」「エヴゲーニヤ」「エヴゲニヤ」の四つが入り混じっていますが、「Евгений」「Евгения」中の「в」は「ヴ」の音を表す文字であり、且つ実際の発音も「ヴ」であるため、これを「フ」とするのは根拠の無いまたは誤解に基づいた明確に誤った表記だと言えるでしょう。「в」のカタカナ表記としては「ヴ/ブ/ウ」が混在し、稀に無音もありますが、これを「フ」とするのは他の表記法と比べ著しく妥当性に欠けると思います。既に「フ」を用いた項目名が莫大な数がある一方で、「ヴ」を用いたものはそれらに比べ非常に少ないですが、少しずつでも「ヴ」に変えていくべきでしょう。 指針とすべきカタカナ表記は、現在「エフゲニー」「エフゲーニヤ」が多いことを考慮して、「エヴゲニー」「エヴゲーニヤ」を指定するのが良いと思います。 Syrotyna 2009年7月7日 (火) 15:22 (UTC)[返信]

  • コメントそれぞれの分野で定着している表記というのがありますので、基本的に慎重であるべきというのが小生の意見です。ですが絶対に反対という訳ではありません。2番については殆ど反対せず、賛成寄りです(現時点では最終投票を留保しますが)。1番については反対寄りです。単体で「イイ」は少ないですが、「кий」を「キイ」と表記するのは日本正教会関連出版物に多く、今後出典との齟齬をきたす虞があるからです。なお、Wikipedia:ウィキプロジェクト 東ヨーロッパに、本議論発生を報告させて頂きました。--Kliment A.K. 2009年7月8日 (水) 02:05 (UTC)[返信]
  • 反対 えーと、まず他の言語を仮名によって転写する場合には不可避的に揺れというものが存在することを認識していただきたく思います。この「揺れ」を「乱れ」と認識するのはかなりバイアスのかかった物の見方と言わざるを得ません。語尾の「-ий」を「イイ」ではなく「イー」と表記すべきだという判断は何に基づいているのでしょうか。私の個人的な感触としては、一般にロシア語についてある程度の知識のある人ほど男性の姓の語尾の「-ский」を「-スキイ」や「-スキィ」と表記したがる傾向にあるように思います。いずれにしてもどれが正しくどれが誤りだとは決めることのできない性質のものでしょう。
    女性の姓の語尾の「-ва」には主に「バ」「ワ」「ヴァ」の3通りの表記がありますが、このうち「ワ」を指定するべきだという根拠もわかりません。この3通りの表記はどれもそれなりに妥当なもので、「バ」や「ヴァ」を否定しなければならない事情はないように思います。
    「Евгений」を「エフゲニー」と表記するのは確かにあまり適切ではないのですが、既存の資料でこの表記が用いられたものが極めて多いので、一律にエヴゲニーとあらためるのは混乱の元となると思います。Wikipedia的にいうとむしろ「エヴゲニー」と表記された文献がないのにこれを採用することの方が「独自研究」と見なされかねないと思います。個人的にはなるべく本来の発音に忠実な表記を用いるのが望ましいという立場なのですが、このところ変に表記の統一にばかりこだわる利用者の相手をしていてうんざりさせられているので、この提案には反対しておきます。--sergei 2009年7月8日 (水) 15:36 (UTC)[返信]
  • 反対 「ロシア語の日本語表記法」という問題についての個人的見解としては、賛成する部分もありますし、表記を統一したいという考えもわかります。また、それとは別に私個人の考えというものもあります。ただ、ウィキペディアは「出典主義」ですので、そういう考えを元にすべからく表記を統一しようというのはやや無謀な試みのように思います。
    ご指摘の通り「エフゲニー」は根拠の無いまたは誤解に基づいた明確に誤った表記ですし、実際、例えばプーシキンの『エヴゲーニイ・オネーギン』などはプーシキン全集でも岩波文庫でも「エフゲニー」ではなく「エヴゲーニイ」という表記を使用していますが、だからといって、ほかのすべての「エフゲニー」を「ヴ」に変えるのには、その都度慎重に検証する必要があると思います。(オペラの『エフゲニー・オネーギン』は、NHKなどのせいだと思いますが、「エフゲニー」みたいです(怒)。)
    例えば、確かに「エフゲニー」と書かれているようだが、そんなヘンテコな表記を絶対視しなければならないほど使用例が多いわけではない(WP:NCで想定しているレベルほどに日本語内で定着しているわけではない)等の場合は出典から外れて別の表記(「エヴゲニー」なり「エヴゲーニイ」なり「エヴゲーニー」なり)を採用してもよいと思います。しかし、個々の表記の定着度を測るためには議案ごと検証する必要があり、ここで一括して表記を指定するのは無理だと思います。
    なお、私は「エヴゲニー」という表記が「エヴゲーニイ」よりとりわけ一般的だとは思わないので、それを第一に推すのには賛成できません。それに、「エヴゲニー」だったら「エヴゲーニヤ」ではなく「エヴゲニヤ」のような……?
    例えば、「特に定着しているとみなさなければならないほど定着した表記があるわけではない場合に、どういう表記をウィキペディアでは推奨するか」というような、範例を指定することはありえる話かな、と思います。これだと最終的に表記の統一は望めない可能性がありますが、「ヘンテコな表記で定着してしまった可哀相な例」を除いては、「よりよい表記」に誘導できる可能性があるでしょう。
    変といえば、「エヴゲーニヤ(Evgeniya)」だの「ナターリヤ(Nataliya)」だのというような「ヤ」を「ア」と書きたがる人がいることで、「ヴァ/バ/ワ」よりこっちの方が問題だと個人的には思います。--PRUSAKiN 2009年7月9日 (木) 07:02 (UTC)[返信]
  • コメントご意見をありがとうございます。遅ればせながら見出しをつけました。
    カタカナ表記の指針として指定する、というのは、wikipedia内での表記の完全統一を意図したものではなく、PRUSAKiNさんのコメントにある「特に定着しているとみなさなければならないほど定着した表記があるわけではない場合に、どういう表記をウィキペディアでは推奨するか」というものを意図したものです(誤解を与える表現で申し訳ありません)。例えば現在「Максим Горький」はマクシム・ゴーリキー、「ЦПКиО им. М.Горького」はゴーリキイ公園となっており、この「キー/キイ」の揺れは解消すべきだと思うのですが、どちらに揃えるべきかは私個人では決めかねました。また、日本では無名と(個人的には)思えるЕвгенийさん達の項目まで「エフゲニー」で作られており、これらは(有名人も含め)「ヴ」にすべきだと思うのですが、では「エヴゲニー」か「エヴゲーニー」か他の何かにするかはやはり個人では決めかねました。これらの現在起こっている/今後も起こりうる事態に対処するために、カタカナ表記の指針を決めておくのが良いと思いました。
    なお、例として適切かどうかは分かりませんが、世のЕвгений/Евгенияさんより有名であろう人物として、例えば日本のメディアでは専ら「サダム・フセイン」、通称「フセイン」と呼ばれている人物がwikipedia内では「サッダーム・フセイン」、通称「サッダーム」となっており、「定着」を理由に明確に誤りである「フ」を採用すべき理由はほぼ皆無と思います。
    最初の提案は誤解を与える等の問題があるので、改めて以下のように提案致します。
    • 1. 「Евгений/Евгения」の「в」は、真に止むを得ない事情がある場合を除き、常に「ヴ」とする。
    • 1補. メディア、文献等で専ら「フ」が利用されている場合でも、他に特別な事情がない限り常に「ヴ」とする。
    • 2. 「特に定着しているとみなさなければならないほど定着した表記があるわけではない場合に、どういう表記をウィキペディアでは推奨するか」を提示する。
    • 2具体例. 「-ий→イー」、「女性名の『-ва』→ワ」、「Евгений→エヴゲーニー」「Евгения→エヴゲーニヤ」を提案する。
    (「2具体例」に示したものはあくまでも提案です。当初の「エヴゲニー」は「エヴゲーニー」のほうが何となく良く思えたので変えました。ただし「-ий」については、「イイ/イィ/イー」の表記が原音・原綴に対する表記として見た場合いずれも甲乙付けがたく、且つ一般的な日本語話者は「イイ/イィ/イー」を全て「いー(i:)」と発音するものと思われるので、ロシア語の知識の有無を前提としない自然な(凝っていない)カタカナ表記は「イー」ではないかと思います。)Syrotyna 2009年7月11日 (土) 06:30 (UTC)[返信]
  • コメント お気持ち理解できますが、ただ、それは各案件において個別に検討するより他ないと思います。畢竟、「特別な事情がない限り」というのが条件であれば、個々に「特別な事情」はあるかどうか吟味しないとならないからです。また、いろいろある表記バリエーションの良し悪しというのは、「エフゲニー」のような誰の目から見ても明らかなような変な表記は別として、常識範囲内の表記であればあとは個人の好みの問題という範疇を出ません。例えばですが、「女性名の『-ва』→ワ」にするのでしたら、「Ivana Ivanovna Ivanova」という名前はどうします?「イワナ・イワノウナ・イワノワ」ですか?勿論、それでもいいと思います。ただ、「イワナ・イワノウナ・イワノワ」と表記するか「イヴァーナ・イヴァーノヴナ・イヴァーノヴァ」と表記するかというような話は、個人の判断(もっと言えば好み)の問題であり、ウィキペディア側で指定するようなことではないともいます。それは、個々の案件においてページ作成なり改名提案なりするときにそう思った人がその表記を提案すればよい話です。確かに、ウィキペディア内に無意味に「イヴァン」と「イワン」が混在している現状はどうかとも思いますが、まあどちらでもよいのでは?--PRUSAKiN 2009年7月13日 (月) 08:02 (UTC)[返信]

思うに、「これは絶対変」という表記を排除できればいいのではないでしょうか?とすると、ウィキペディアとして「この表記」を使用するよう指定するのではなく、「この表記」はよほど理由がなければ(それで定着してしまった等)使用しないよう指定する、という方法が考えられます。

私は、「エヴゲニー」か「エヴゲニイ」か「エヴゲーニイ」か「エヴゲーニー」かなどの範囲であれば、執筆者が各々判断して構わない範囲だと思います(あと、「ブ」とか「ウ」も許容すべきかと)。しかし、ご指摘のように「エフゲニー」だとか、そういえば「エヴゲーニ」なんてのもありましたが、こういうのはどう考えても間違えなので、極力排除すべきです。

従って、例えば「推奨しない表記」などという節を設けて、「『エフゲニー』や『エヴゲーニ』は特に使用しなければならない理由がない限り使用しないで下さい」などと書くといったガイドラインは現実的ではないかと思います。そこの節にいわゆる「よくある間違え」を列挙すると、勉強熱心な執筆者(や閲覧者)にとっては多少得るところもあるかもしれません。まあ、作るのたいへんそうですが。--PRUSAKiN 2009年7月16日 (木) 10:33 (UTC)[返信]

「エフゲニー」等を「推奨しない表記」として記載するというPRUSAKiNさんの案が、穏健で現実的な解決法だと思いました。私としても、分野によっても慣習が違うことも多いので、分野ごとの慣習を優先して多少の表記ぶれはあっても良いと思う反面、「エフゲニー」のように「明らかにおかしい」表記には一定の抑制をかけたいところです。--Peccafly 2009年7月17日 (金) 10:22 (UTC)[返信]

比較的「穏健」と言えると期待しますが、ただ、それでも「個人の好み」の激しく対立し得る分野であります。

私などは「エフゲニー」は糞表記好ましくない表記だと思っていますが、多分、この表記が好きでぜひページ名に使いたいと思っている人も世の中にはいます。現に、次々に「エフゲニー」でウィキペディアにページが増えていくところを見ると、「エフゲニー」ファンは少なからずいるんじゃないかと思います。

そういうのは非科学的な個人的好み、「そういうことは個人サイトでやって!」の範疇だと思いますが、そう思うのは私であってそれ自体、個人の主張でしかありません。

正直言えば、私はあまり自分に利害関係のないところまで手を伸ばして害を増やしたくないと思っているのですが、ある表記を「原則禁止」するとなると、その本来あまり自分に関係ない部分まで影響を及ぼさざるを得なくなります。

従いまして、もし仮にそのような「原則禁止」事項を制定するのであれば、個人の力では恐らくボロジノ級かポチョムキン級、あるはウィキプロジェクト 航空(一部)級かスケート級の馬鹿らしい労力と時間・金銭の負担が掛かることが危惧され、正直嫌です。ですので、そこはぜひ、皆様の多大なるご協力とご助力、加えて寛大なるご好意が必要です。

と前振りをした上で。もし「原則禁止」事項をこちらのページに定めるのであれば、具体的な「禁止」候補を思いつくままに列挙し、それぞれ本当に「禁止」相当であるのか、許容できないのか厳密に検討し、「非科学的な個人的好み」以外ではまあ反論しようがないほどがっちり根拠を固めて(根拠とする参考文献は?)いく必要があります。また、その検討(事項の追加・削除)は気付いたときに随時行っていく必要があるでしょう。一発やればOKというのではなく継続的努力が求められるため、結構たいへんだと思います。

もし有志が期待できるようであれば、これからこの下に別途節を設けて具体的検討に入ってもよいと思います。仮に「原則推奨」事項を制定する場合でも「原則禁止」事項の検討は有意義でしょう。

個人的には、こういう根拠が100%とはいえない「規則」は、原則緩めの方がうまく行くと思っています。ただ、あまり緩くすると規則の存在意義がなくなるので、その匙加減が難しそうです。--PRUSAKiN 2009年7月19日 (日) 08:06 (UTC)[返信]

好ましくない表記法の検討[編集]

「原則禁止」事項を制定するかはともかく、あまりよくないと思われる表記を指摘しておくこと自体はやってもよいと思うので、手前味噌ですが少し書いてみます。主観入っていることは、目を瞑って下さい。

いきなり主観ですが、本当はこういう具体的なことを書いていないと、「外来語表記法/ロシア語」なんてページ存在意義ないですよね?初版なんて、「世間で使われている表記を使って下さい」と何か単語帳みたいのしか書かれてなかったなんじゃなかったかな?

  1. 軟音の表記
    1. дитиを「ディ」、「ティ」と表記する。英語知識からの知ったかぶり!
    2. 例えば、ляを「リア」だの「リヤ」だのと分解して表記する(他の子音・母音についても同様。ご推測下さい)。
    3. そもそも、軟音符ьの存在を勝手に無視する。多すぎて制御不能?
  2. 勝手に省略したり、追加したり、変化させたりする
    1. よくある形容詞語尾-скийを「スキ」と書く。(ポーランド語だと逆の問題頻発。)
    2. 「エヴゲーニ」だの「ユーリ」だの「ゲオルギ」だの、語尾のийを勝手にиだけにする。これも英語知識からの知ったかぶり!
    3. Аннаなど、子音が二重になるべきところを、「アナ」のように勝手にひとつに減らす。これも英語!
    4. アクセントのない位置に勝手に長音符を挿入する。「ウラディミール」だの「ジトミール」だの「スターリングラード」だの「インペラトール」だの枚挙に暇なし。根拠のない独自研究!
    5. 無声音にならない音を独自判断で無性化する。「エフゲニー」など。
    6. 無声音になる音を無声化しない。「〜ブルグ」など。ただ、これは許容しないとだめ?
    7. 有声音になる音を有声化しない。これも許容しないとだめ?
    8. 有声音にならない音を有性化する。というのもありそうだけど、さすがにないかな?
    9. 「クレムリン」の「ン」は余計。
  3. 個別の文字
    1. жを「ザ」行で表記する。
    2. хを「カ」行で表記する。
    3. щを「シチャ」行ではなく「シャ」行で表記する。
    4. ыを「イ」とか「ウイ」とかで表記する。それ自体は全面禁止対象にできないと思うが、ほかの文字と著しく紛らわしいという点は考慮されてしかるべき。
  4. その他、雑多な問題(多分、ここでは検討しようのない個々の問題)
    1. 原語綴りからは想像も及ばない、奇想天外な片仮名表記の数々。(ここでは例に挙げるに及ばず。)
    2. 半分訳して半分原語のまま、とか。
  5. 疑問点
    1. このページの本文に「トゥヴョールドゥィ ズナーク」と書かれていますが、単音のтって「ト」じゃなくて「トゥ」と書いた方がいいんですかね?このページだけそれとか「キィ」とか、ほかのページと違う表記が採用されているのはなぜなのでしょう?

ここで挙げた例を全部「原則禁止」事項にしようと計画しているわけではありません。あくまで、実際やるとなるとどんな感じかという最初の例となります。--PRUSAKiN 2009年7月19日 (日) 08:43 (UTC)[返信]

例えばですが、以下のようなことを載せるのは可能でしょうか?

発音する文字を無視したり、発音しない文字を表記したりしないで下さい。
例)Юрийを「ユーリイ」ではなく「ユーリ」と表記する。Счастливыйを「シチャスリーヴイ」ではなく「シチャストリーヴイ」と表記する。
無声化しない文字を清音で表記しないで下さい。
例)Евгенийを「エフゲニー」と表記する。-вичを「〜フィチ」と表記する。
軟音を分解しないで下さい。
例)ля(リャ)を「リア」あるいは「リヤ」と表記する。
ди、тиを「ディ」、「ティ」と表記しないで下さい。
軟音符を無視しないで下さい。
アクセントのない位置に、勝手に長音符を挿入しないで下さい。

ほかの問題については、「文字通り表記して下さい」の範疇に収まると思いますので、特記は無用、もしくは手直し程度で可能かと存じます。--PRUSAKiN 2009年7月28日 (火) 05:35 (UTC)[返信]

遅くなってすみません。何かコメントしなければと思っていたのですが考えをまとめるのに時間がかかってしまいました。結論からいうと、この種の文書に過度の厳格さを求めるのには慎重になった方がいいと思います。
言語によって音韻体系が異なる以上、「正しい」転写の方法を定義することは原理的に不可能で、同様にある種の転写を「誤り」と決めつけるようなことも軽々には行うべきではないと思います。私の認識では、言語学というのは「正しい」とか「誤り」といった決めつけをすることに極めて慎重な態度をとる学問領域だと思っています。まともな言語学者なら「正しい日本語」とか「日本語の乱れ」といったような表現は決してしないはずで、例えばら抜き言葉などは日本国の国語教育で教えられる文法にはない表現なので日本国政府POVに立てば「誤り」かも知れませんが、普通言語学ではこの種の言葉を「誤り」とか「乱れ」とは認識しません。ロシア語の転写に関しても、「正しい」転写の方法というようなものを定義する権限は誰にもないはずで、それはロシア語学の研究者にもないでしょうし、ましてWikipediaがそれを行うのは全く望ましくないことだと思います。
тиに関しては、勝手にお名前を出してしまって大変恐縮なのですが、ノート:コンスタンチン・スタニスラフスキーにおける元諜報員さんのご発言のような見解もあります。私自身いくつか理由があってтиをチと書くのは個人的にあまり好きでないのです。もちろんWikipediaという共同作業の場でそういう個人的な好みを無理に押し通すつもりはありませんが(一応お断りしておくとロシア語のтиが英語のtiとはかなり違う音だということは十分承知していますし、それはおそらく元諜報員さんにしても同じだと思います)。チかティかというのは調音の仕組みを重視するか一般的な日本語話者への聞こえ方を重視するかによって変わってくることで、チが「正しい」と決めつけられるような単純な問題ではないように思います。
щについては少し前にノート:アレクサンドル・グリシチュークで議論させていただいたところですが、これをシチと表記するのが「正しい」といえるのかどうかは私には全くわかりません。むしろ、日本のロシア語教育で標準的とされるモスクワ地方の発音では全く現れないチという音を書き加えるのが妥当なことなのか、私はかなり懐疑的に考えています。シチャストリーヴイのトが誤りだとすれば、同様にチも誤りだということにならないでしょうか?
「この文書は、ロシア語由来の外来語について、表記を決めるための参考資料を提示するものです。特定の表記を強制するものではありません」と冒頭に断ってあるように、この文書は基本的にロシア語の発音や表記についてよく知らない人が転写をする必要に迫られた時に参考にするための資料と位置づけるべきだろうと思います。何が正しくて何が誤りであるのかを定義することはこの文書の役割ではないし、そもそもWikipediaが担うべき役割ではないと思います。
私もWikipediaにおいて外来語の表記がより適切になされることを望むものではありますが、最近本件とは全く別の案件でこの種の文書を厳格に定めることで生じる弊害を痛切に感じたところでもあり、あまり細かい指定をすることには慎重にならざるを得ません。実際問題として、現在WikipediaにはЕвгенийをユージーンとかウジェーヌと表記するようなレベルの不適切なものが結構たくさんあります。最近は面倒なもので見つけてもそのまま放置してしまうことが多いのですが、Wikipediaの品質向上のためにはまずはそういうものを正していくことに優先的に取り組んでいくべきなんだろうと思います。エフゲニーをエヴゲニーに機械的に置き換えたり、マリアをマリヤに直したりすることで果たしてどれだけWikipediaの品質が向上することになるのか、私としてはやや疑問に思うところです。--sergei 2009年7月28日 (火) 15:48 (UTC)[返信]
おや、「コンスタンティン」が原語(ロシア語)に近いという説は初めて見ました。すみませんが、これはどのような外部情報源に基づいた説なのでしょう?なお、私もロシア史関係の専門書で「ディ」、「ティ」の表記は見たことがあります。ただ、それが「原語に近い」という説は見たことがありません(翻訳表記の問題と、原語に近いかは別問題であるため、「ティ」と表記している文献が何を理由にそう書いているのかは自明ではありませんので)。
ウィキペディア上で「正しい」と判断できる方法は二つあります。ひとつは単純明快、外部情報源で「正しい」と指摘されているものです。もうひとつは、少なくとも項目名についてはWP:NCで想定するような「大多数の日本語話者にとって」(つまり出典数の問題。出典の信頼性の問題もありますが)があります。「ти」はNHKの語学教科書をはじめほとんどの解説書で「ティでなくチである」と解説されていますし、「щ」はスポーツと軍事以外の分野では例外なく「シチ」で表記されてきました。
むしろ、日本のロシア語教育で標準的とされるモスクワ地方の発音では全く現れないチという音を書き加えるのが妥当なことなのか、私はかなり懐疑的に考えています。というご指摘には個人的には同意ですが、ただ、それこそ我々の個人的考えの範疇を出ないのではないでしょうか?もし仮にその考えがウィキペディアで尊重に値するほど世間(外部情報源)で認められているのであれば、「シ」という表記がもっと出てきているはずです。しかし、現実は真逆です。我々の個人的感情をウィキペディアのガイドライン策定に反映させるべきではありません。
従って、普通の意味で「ティ」や「シ」が間違えかどうかはご指摘の通りウィキペディアでは判断すべきではありませんが、ウィキペディア上で「正しい」かどうか(誤解のない表現にすれば、「より適切」かどうか)は判断可能だし、判断せねばなりません(ウィキペディア上で「正しい」かどうか考えずにページ作成する人がいるとしたら問題です)。
つまり、「一般に『正しい』という意見が大多数な表記」および「(正しかろうが間違っていようが)一般的な表記」については、ウィキペディア上で「正しい」(というか『より適切な』)表記であるとガイドラインに明記すべきです。
誤解があるようですが、私は日常生活的に(ウィキペディア外に遡及して)言って「正しいか間違っているか」を指定しようとは思っていません。飽くまでロシア語の発音や表記についてよく知らない人が転写をする必要に迫られた時に参考した場合に、このページを見れば世間で認められているような表記がだいたいできるようガイドを策定したいと思っているだけです。何も、わざわざ一般的でない表記に誘導する必要はありませんし、それにですね、今のページの状態、ロシア語の発音や表記についてよく知らない人が転写をする必要に迫られた時に参考して、何か参考になりますか?具体的にどの表記を推奨しますよということが書かれてない表記ガイドって、何の利用価値があるんでしょう?多分、今の状態だとロシア語の方がページ作成の際に参考になります。だったらこのページいらないでしょう。
ウクライナ語のようにあまり例が少なくて推奨表記を指定しがたい場合はWikipedia:外来語表記法/ウクライナ語のように全部の表記例を記載することもいいでしょうが、ロシア語の場合は例が多過ぎて書ききれないこと、例が多いのでどれがだいたい外部で推奨されているか判断可能なことから、ある程度の推奨表記を指定する方がよいでしょう。
しかし、ご指摘の通り少数派の意見を潰すべきではありませんので、「それ以外は使うな」的表現は避けた方がよいかもしれません。また、前述の通り「正しい」という表現は誤解があるかもしれないので、乱用を避けましょう。
尤も、このガイドは大原則「出典に従って下さい」の範疇に入りますので、ここでとやかくしなくても外部情報源で「щ」を「シ」と表記しているのであればそう書けばいいでしょう。実際にはそう書かれていないわけで、本当なら(各執筆者が自分で外部情報源をすべて調べれば)「シチ」をことさら推奨しなくとも自ずと「シチ」になるでしょう。「ти」も外部情報源で「チでなくティが正しい」と解説しているのが多ければそれに従えばいいでしょう。本来ならこうした表記指定は必要のないものです、その都度、ロシア語のわからない執筆者がロシア語を勉強して外部情報源を調べればいいだけですから。それじゃあんまりだっていうのでこのガイドがあるのだと推測しますが、その割にはロシア語の知識がないと利用できない(つまり具体的に何もガイドされていない)状態ですね。この状態を続けた方がよいのでしょうか?
ところで、シチャストリーヴイのトが誤りだとすれば、同様にチも誤りだということにならないでしょうか?の意味がわからないのですが、発音しない「ト」を表記しないで下さい、というのと「チ」とに何か関係があるのでしょうか?
エフゲニーをエヴゲニーに機械的に置き換えたり、マリアをマリヤに直したりすることで果たしてどれだけWikipediaの品質が向上することになるのか、私としてはやや疑問に思うところです。は意見の分かれるところだと思います。「ユージーン」や「オイゲン」を「エヴゲーニイ」に直すのと同じくらい、それらの修正はWikipediaの質の向上に繋がると思いますよ。--PRUSAKiN 2009年7月30日 (木) 06:57 (UTC)[返信]
Wikipediaが誰でも自由に参加できるプロジェクトである以上、普通の意味での「正しさ」を判断するのが困難であるのと同様に、Wikipedia的な「正しさ」を判断するというのも一般にとても困難なことだと思います。Wikipedia:外来語表記法#各表記法の長所・短所には複数の判断基準が優先順位をつけずに列挙されているわけで、このうちどの判断基準を重視するかは利用者によって判断の分かれるところです。フェルマーの定理が正しいということには私たちウィキペディアンが議論する余地はないでしょうが、利用者によって判断の分かれることに関しては何が正しいかをこうした文書で定めるのは望ましいことではないし、事実上不可能なことだと思います。
щについていえば、確実にいえるのは「日本語では一般にシチと表記される」ということだけで、それが「正しい」のかどうかはこの文書には記すべきではないと思います。もし一般的に用いられる表記がWikipedia的に「正しい」のだとすれば、ЕвгенийやМарияのWikipedia的に正しい表記はエフゲニーでありマリアである、ということになってしまいます。
一応お断りしておくと、私は別にщをシと表記する習慣を広めようとか意図しているわけではなくて、シチが「正しい」とは言い切れないことの論拠として述べているだけです。この文書でщについて何の説明もないのが不親切であることは確実なので、実際の発音について簡単に説明した上で(「正しい」とか「誤り」といった決めつけはせずに)「日本語表記では一般にシチと表記される」と述べておくことには賛成です。
ただ、ここでこれまで論じられてきたような、ロシア語についてある程度の知識がある人でないと理解できないような細かい部分を詰めていっても、一般の利用者には益するところは少ないと思います。それに、ウィキというシステムの性質からいって、利用者によって判断が分かれる事柄については基本的に執筆者の裁量に委ねるしかないと思います。それよりも、私たちとしてはむしろ一般論的な部分をもっと充実させていくことに意を砕くべきなのではないでしょうか。
提案なのですが、各文字一つ一つについての一般的な説明を書き加えていくことにしませんか? もし任せていただけるなら私が草案を作っても構いません。少し時間はかかるかも知れませんが、個人的な嗜好のようなものは排しつつそれなりに妥当といえるものを準備できる自負はあります。(今見たらWikipedia:外来語表記法/セルビア・クロアチア語#仮名転写方法が丁寧で参考になりそうですね。)--sergei 2009年7月30日 (木) 15:31 (UTC)[返信]
仰るとおりで、私の表現が不適切であったというよりほかございません。「正しい」という二元論的な表現は誤解を招くので撤回し、以降使用は慎重にします。
щについていえば、確実にいえるのは「日本語では一般にシチと表記される」ということだけでなく、「シ」と表記している例が(スポーツ分野以外では)存在しない、ということです。従って、ウィキペディアでは「実際の発音がどうか」とか「日本でのロシア語教育でどう教えられているか」などといった問題に拘らず、「シチ」を推奨すべきです。(正しいかどうかではなく、要はそれ以外に出典が見つからないのでそれを推奨すべき、という意味。)なお、軍事分野では「スチ」とか「シュチ」の表記例がありますが、ご存知のように、スポーツ分野と軍事分野はこの種の問題について信頼すべき情報源ではありませんので数に入れません。
ただ、もし「シチを推奨」と書くのが問題なのであれば、「シチ以外の表記はほとんど見られません(一般的ではありません)」等、文章表現を変える余地はあるでしょう。
Евгенийの表記が「ウィキペディア的には」エフゲニーが「正しい」可能性はあります。ただ、ウィキペディア的な正しさという尺度は、数の原理だけに基づくものではありません(言うまでもありませんが、ウィキペディアは多数決の原理を原則として推奨していません)。専門書籍にはどう解説してあるでしょうか。まあ、その辺の兼ね合いがいつもぶつかるところですね。
セルビア語等、ある時期Peccaflyさんが作成してくれたいくつかのガイドがあるんですが、私もそれらのページのスタイルが非常に魅力的だと思っています(ウクライナ語のはそれ以前に作ったので残念ながら参考にできませんでしたし、その後も放置状態です……)。ご負担掛けて申し訳ありませんが、もしよかったらいっぺん一度作ってみていただけますか?--PRUSAKiN 2009年7月31日 (金) 05:50 (UTC)[返信]
ご理解ありがとうございます。ちょっと時間がかかると思いますが、文字ごとの説明の草案を作ってみます。
щの件ですが、実は先日カチューシャ (歌曲)の加筆をしていて気がついたのですが、山之内重美さんが『黒い瞳から百万本のバラまで ロシア愛唱歌集』の中でこの歌の初演をしたВалентина Батищеваという歌手の姓をバチシェワと表記しています。PRUSAKiNさんもこの本をお持ちだと思いますので、22ページの記述とロシア語版のru:Катюша (песня)を見比べてみて下さい。ご存知の通り、山之内さんは単にロシア語のできる音楽家であるにとどまらず、ソ連・ロシアの文化の実状の紹介者として日本では第一人者ともいうべき方です。そういう方がこうした表記を用いているという事実は、それなりに尊重しなければならないでしょう。
で、私ははじめこの歌手をバチシチェヴァと表記しようと思ったのですが、原語の発音には日本語のチの子音に該当するものは一切現れないにも関わらず、チという文字が二つも、しかもそれぞれ全く別個の理由によって出現するというのがどうも気に食わなくて、バティシチェヴァと表記することにしました(私がтиやщの表記の習慣が個人的にあまり好きでない理由はこのあたりにあります)。これが果たして妥当な表記といえるのかどうかは自分でもあまり確信が持てないのですが、原語の綴りも併記しておいたので、この歌手の表記として何が相応しいのかは閲覧者に判断してもらえばいいのかな、と思っています(PRUSAKiNさんのお気に召さなければヴァレンチナ・バチシチェヴァ等に直していただいても構いません)。
このように、山之内さんのような方がщをシと表記しているような例もありますので、この文書には「一般にシチと表記される」とか「シチと表記されることがほとんど」といったような書き方にしておくのがいいのではないかと思います。それに加えて「борщ:ボルシチ、Хрющёв:フルシチョフ」のような例を挙げておけば、常識的な分別のある人なら「取り敢えずこれに従っておくのが無難そうだ」と判断してもらえるのではないかと期待しています。--sergei 2009年7月31日 (金) 10:22 (UTC)[返信]
あ、それは貴重な例を発見しましたね!それは表記ガイド(このページ)ないしロシア語の日本語表記で特別に言及する価値があるかもしれません。カチューシャのページでの表記は、出典元に従うのがよいと思います(信頼できる情報源であるため)。
ただ、これがほかに対してどれほど影響力のある現象なのかはやや疑問です。というのは、一般に音楽分野はやや特殊(原音発音を重視)な傾向があるかなという気がするからです。例えば、日本で販売されたロシアのポップス歌手のCDを見ると(ていうかタトゥーくらいしかないですが)、やはりその種の特別な表記が採用されています。最近Peccaflyさんが「トルコ語も歌だと表記が違う」というようなことを仰っていたのですが、ロシア語についてもその傾向があると思います。
ただ、「バチシェワ」という人名表記についてもその範疇に含められるのかについては、何も判断材料がないのでこれ以上のことは言えません。山之内さんは、というかほかのロシア関係の研究者もですが、大なり小なり個人的な好み、表記の傾向がありますので、もしかしたら「シェ」も「音楽分野だから」ではなく「個人の傾向」の範疇での話かもしれません。
ついでなので言うと、信頼できる出典でも筆者(専門家)それぞれに好みの表記があるので、ウィキペディアでスタンダードを作るのはかなり難しいですよね、やっぱり。私の恩師にも、「絶対エイゼンシテインだ(エイゼンシュテインでなく)」という先生もいましたし、「イワン」と書く先生もいれば「イヴァン」の先生もいました……。
私も個人的には「シチ」は好きじゃありませんし、ご指摘ご尤もと思います。というのも、普段ウクライナ訛りで「シュチュ」と発音していているという個人的事情と、それを「シチ」と発音するとウクライナ人に笑われるという経験を思い出すためです(爆)将来的には「シ」ないし「シシ」になればよかろうとも思うのですが、そうなるとси、ши、щиとみっつも「シ」が表れてくるので、おやこれはちょっと……と思ったりもします。
тиを「ティ」と表記するのについては、原語発音と違うこと、ロシア語で日本語の「ち」にтиの表記を宛てていること、ウクライナ語のтиやブルガリア語のтиと区別がつかなくなること、などからよいと思えません。ただ、ここまでくると本当に個人の好みの範疇になってしまうので、あまり言っても仕方ないとは思います(ていうか、ウィキペディアにおいて個人の好みの話は完全無意味)。それをいうと、私は日本語の「ち」にчиを宛てるのがいいと思わないとか、「し」はшиじゃなくてсиだろいうとか、こだわりの分野だけに際限がないですな(苦笑)こうやって「おしゃべり」しているだけならいいんですが……。
ロシア語と日本語は互いに「ない発音」ばかりで困ったものです。私の本名に「は」の音が含まれるのですが、これってどうやってもロシア語で表記できず、私は自分の名前をロシア語で書くことが出来ません(苦笑)ウクライナ語ならгаを使ってどうにかしたいところですが……。ロシア人にхаで呼ばれると自分の名前って認識できないんですよ、困ったことに。ウクライナ人は割りと日本語のハ行上手ですが、ロシア人はどうしてもхですね。
「シチャー」の処理については、ご提案のような方法でよいと思います。このページにはそのように記載し(ほぼ唯一のめぼしい例として山之内さんの表記例を載せるのはやってもよいでしょう。まあ、あまり話が細かすぎるようでしたら省いた方がよいですが)、カチューシャのページには出典どおりの表記を記載するのがよいと思います(私のような「シチ主義者」が、出典確認せずに「シチェ」に直す危険性があるので、コメントアウトで出典根拠書いておくとよいと思います)。
私も以前このページをもう少しいい状態にしよう、それに加えてロシア語の日本語表記というページを作ったら素晴らしかろうと思ったことがあるのですが、ウクライナ語や恐らくセルビア語もですが、それらと違いロシア語をどう日本語表記するのかについては論文や出版物が多数出ていて、それを全部読まないとならないとなると、ページ作成に二の足を踏みました。ついでに、苦労して作ったWikipedia:外来語表記法/ウクライナ語ウクライナ語の日本語表記が実際ほとんど役に立っていないこと、あまり出来も良くなかったことも大いにモチベーションを下げました。今回このページを「どうにか」して下さるとのこと、願ってもない機会ですので、期待してお待ちしております。--PRUSAKiN 2009年8月3日 (月) 13:45 (UTC)[返信]
PRUSAKiNさんのおめがねに適うか心許ないのですが一応作成してみましたので忌憚のないご意見をお願いします。
山之内重美さんがщをつねに一貫してシと表記しているのか、それともこの歌手に限って何らかの事情でバチシェワと表記しているのかは今のところ確認できていません。なのでそのことには草案では触れないでおきました。もし山之内さんがщをつねにシと表記しているのであれば、そのことも注記しておく価値はあるかも知れませんね。それはそうとカチューシャ (歌曲)では山之内さんに敬意を表してワレンチナ・バチシェワと表記しておこうと思います。
шиが日本語のシとはかなり違う音だというのは何となくわかります。でもсиとの比較でいえばやはりшиの方がシに近いと思うんですけどね。チをчиではなくтиと転写する理由は私にはよくわかりません。このあたりは日本とロシアの文化交流の黎明期に英語におけるジェームス・カーティス・ヘボンのような役割を果たした人がロシアにはいなかったせいなのかな、とも思うのですが、まあこれ以上は独自研究になるので追求しても仕方ないですね。
ハ行の子音に類するものは言語によってかなり違うようですね。それでもロシア語には類似したものがあるだけましで、フランス語話者なら省略して母音で発音されてしまいます。ロシア語に関してちょっと不思議なのは、他の言語のこの種の子音をгで転写することですね。横浜がИокогамаになるような例もあるので、Евгенийがエフゲニーとなるのも一概に誤りとはいえないのかな、などと思うところでもあります。--sergei 2009年8月7日 (金) 15:24 (UTC)[返信]
私も詳しいことは知りません(汗)大学の図書館にその手の本・論文がたくさんあったので、きちんと勉強しときゃよかったなあ……。
現象だけ見ますと、ロシア語の日本語表記はだいぶヘボン式よりは日本式(ないし訓令式)に似ているような気がします。歴史的に見ますと(また今日の日常的に見ますと)いろいろな表記がありますが、アカデミックな表記は、特に1950〜60年代にソ連の科学アカデミーで研究が進んだ部分が大きく、そのため、より日本語の言語体系に叶った日本式(ないし訓令式)の表記に近い日本語キリル文字表記が考案されたのかなあ、などと推測しています。
もうひとつの問題は、英語の発音とロシア語の発音が大分違うため、ヘボン式表記(=アメリカ英語式日本語表記)をしても必ずしもロシア人にとって日本語的な発音にならない、ということがあるかもしれません。
歴史的に見た場合、ロシアへ外来語が齎される経路は一般に西からドイツ語、ポーランド語、ウクライナ語を経てきました。そのため、そのあいだの各言語によって表記と発音がずれてしまい、ドイツ語(西欧語)のハ行の音がロシアに来た頃にはガ行になってしまったようです。ドイツ語名「Hanna」のウクライナ語名は「Ганна」で「ハンナ」ですが、同じ表記でロシアに入れたら「ガンナ」になってしまいました。「Иокогама」はウクライナ語で正しく「ヨコハマ」と発音されます。
そのような、いわば伝統的な表記法によれば外来語の「h」の音は「г」で表すことになっていたのですが、最近は「х」で表すことが増えてきたようですね(コンピューター用語や経済用語など)。
同様のことは、「л」と「ль」に言えます。伝統的には西欧語の「l」は「ль」に対応するとされていたのですが(日本で売られている辞書や参考書にもそう書かれていると思います)、最近は「л」が当てられることが増えてきているように見えます(コンピューター用語や経済用語など)。
この辺りの事情について詳しくは知りませんが、どうも最近(1990年代以降)はアカデミックな表記法が廃れつつあるような気がします(ソ連時代は尊敬されていた教職関係の職業や、学術研究に携わる職業が非常に軽視されている風潮と呼応しているようにも思われます)。
残念ながら、どう解釈しても「エフゲニー」に酌量の余地はないと思います。地方によってはロシア語でも「г」をハ行で読む地域がありますが、それでも、その前の音は無声化しません(日本語で書くと同じ表記になってしまいますが、「г」のハ行と「х」のハ行は、前者は有声子音、後者は無声子音という扱いになり、発音も実際異なります)。--PRUSAKiN 2009年8月10日 (月) 05:07 (UTC)[返信]

草案について[編集]

遅くなりましたが草案を作成しました。忌憚のないご意見をお願いします。

作成した立場として不満が残ってしまったのは、вをバ行によって表記するケースは確実にあるにも関わらず、それがヴ表記やワ行よりも一般的である事例が見つけられず、そうした例を紹介できなかったことです。マスメディアでは普通に見かけるのですが、Wikipediaの項目名にはあまり採用されていないようですね。個人的にはバ行で表記するのは好きではないし、Wikipediaでも特にこれを強く推奨する理由はないと思いますが、「バ行で表記することもある」と説明しながらその例示がないというのはあまり望ましくないかも知れません。それから現在の正書法で硬音記号を使用するものが固有名詞としては思いつきませんでした。このあたり、いい知恵があったら教えていただけると助かります。--sergei 2009年8月7日 (金) 14:57 (UTC)[返信]

  • バ行の例示はたくさんできると思います。「ソビエト」、「ボリシェビキ」、「メドベージェフ」、「ボルガ」、「ビリニュス」(最近ノート:ヴィリニュスで話題になりました)などなど。必ずしもウィキペディアのページ名でバ行になっていないものもありますが、地名や国名は探すと見つかるかもしれません。あとは、スポーツ選手の名前はしばしば独特な表記がされていますので、「○○○バ」(ワやヴァでなく)みたいな珍しい例もありそうです。
  • 硬音符ですが、確かにあまり思いつきません……。軍艦の名前が非常にしばしば一般形容詞を用いているので、固有名詞に硬音符が入っている例が見つかりそうな気がしますが、いきなりそれを書くと「なんだただの形容詞じゃないか」と見える気が。
  • 草稿の作成お疲れ様です。きちんと読んでのちほどコメント致します。--PRUSAKiN 2009年8月10日 (月) 04:51 (UTC)[返信]

ガイドラインについてです。

読みましたが、全体に素晴らしいものであると思います。そのため、以下、言葉尻をつかむような、重箱の隅つつきな指摘になりますが、ご了承下さい。

以下、草稿からの引用は斜体で書きます。

  1. 「В」は「フ」の子音の有声音というのはどういう意味でしょうか?日本語の「フ」の有声音ではありませんし、「Ф」のことならそう書くべきです。
  2. водка:ウォッカは「ッカ」の部分がやや特殊な例なのでここには載せない方がよいと思います。
  3. 「Дの軟音」は「ジ」の子音に近い音になる。は現代日本語発音を考える限りその通りですが、一般に「ヂャ・ヂ・ヂュ・ヂェ・ヂョ」で表記されているので「ヂ」と書いた方がよいと思います。その上で、「ウラヂーミル」が「ウラジーミル」と表記されるのが多いのはロシア語の問題ではなく、日本語で「ヂ」を「ジ」と書くことが多いからだと説明すべきでしょう。
  4. 「Ж」は「ジ」または「ジュ」ですね。便宜上「ジャ行」と表現してはわかりにくいでしょうか?
  5. 「Й」は適宜使い分けるというよりはたんに「混在している」という状態だと思います。一部の専門家を除き、きちんと使い分けできていません。
  6. 「Ф」は「フ」の子音ではありません。
  7. 「Ч」は「チ」の子音ではありません。
  8. 「Ш」は「シ」の子音ではありません。
  9. 日本語とロシア語の発音のずれを考えた場合、解説は片仮名だけでなくIPA等の客観的発音記号を用いた方がよいのではないかと思いました。まあ、全部の日本語話者がIPA記号読めるわけではありませんが……。
  10. 常々思っていたのですが、「ロシア語由来の外来語」の節はロシア語辺りに書くべきことであり、表記ガイドには必要ないのではないでしょうか?--PRUSAKiN 2009年8月10日 (月) 05:54 (UTC)[返信]
ご意見ありがとうございます。ご指摘はご尤もと思いつつ、少し釈明させて下さい。
  • この文書は表記についてのガイドラインであり、ロシア語の発音について正確に説明することを目的としたものではありません。なので、発音についての説明は表記の原則を理解するのに必要最小限の解説があれば十分で、正確性を多少犠牲にしてでもわかりやすさを優先することも許容される(というよりむしろその方が望ましい)のではないかと思います。発音についてあまりに詳細な説明をすることはこの文書の趣旨にそぐわないのではないでしょうか。そういう意味もあって「発音・表記」の節の冒頭には「発音についての説明はあくまでも目安です。ここでは表記の原則の理解のために必要な事項のみ記し、詳細な解説は割愛します」ということわり書きを記してあります(まあ私自身の能力不足という問題を回避するためでもあるのは事実ですが)。
  • 今手許にある2003年度のNHKテレビ「ロシア語会話」のテクストではФ、Ч、Шの発音はそれぞれ「ファの子音」「チの子音」「シャの子音」と説明されています。ですので初学者向けの解説としては現状でもそれなりに妥当なものになっていると思います。もし今のままでは問題があるとすれば、発音についての説明を詳しくするのではなく、冒頭のことわり書きをもっと強い表現にする、という方向での改善が望ましいのではないかと思います。IPA等を用いたロシア語の発音についての音声学的に正しい解説は、ここではなく標準名前空間のロシア語に記載するべきなんだろうと思います(正直、作業を進めながら冒頭のことわり書きに「発音についての正確な解説はロシア語を参照して下さい」と書けたらどんなにいいだろうか、と思っていました)。
  • ジとヂの件ですが、現代の日本語ではこの両者は全く同じ音で、しかもヂという文字は原則として用いられないので(なぜか「痔」という漢字には「ぢ」と振り仮名がふられることが多いのですが)、わざわざ一般的でないヂによって説明する意味はあまりないと思います。ロシア語の発音の仮名による説明としてはヂを用いることにそれなりの意義があるでしょうが(NHKのテクストではдедушкаの読みとしてヂェードゥシカと書かれています)、この文書は日本語としての表記を説明することが主眼ですので、「ジの子音に近い音」という説明で十分だと思います(「ヂの子音に近い音」と説明しながら実際の表記ではジとなることを説明するのは二度手間だしわかりにくくなる)。
  • シャ行、チャ行、シチャ行といった言い方を用いていいものかどうかは私も迷いました。こういう言い方はあまり一般的ではないと思うのですが、言語学などではよく用いられるのだとしたら使用しても構わないと思います。一般の人には意味が全くわからないということもないでしょうし。取り敢えずЖの表記を「ジ」または「ジュ」とすることで解決するのならそれでも構わないでしょう。これに関しては個人的に特に「こうしたい」というような意見はありません。
  • водкаの例示を省くこととЙの解説を改めることには異論はありません。
  • 「ロシア語由来の外来語」の節はどういう経緯で導入されたのかわからなかったもので、必要性に疑問を抱きつついくつか情報を補っておきました。それなりに有益な情報が集まってはいますので、ロシア語に転記してもいいかも知れませんね。
  • それからвのバ行による転写ですが、一般にはバ行が用いられるものでもWikipediaの項目名としてはヴやワ行が採用されているものが多いんですよね。アンナ・ベッソノバという新体操選手の項目もあるのですが、この選手はウクライナ人なので例示に使用するのは適切ではありません。ソビエト連邦というのもありますが、これはеの扱いが特殊な例なので、やはり例示に使用するのはためらわれます。曖昧さ回避のメドヴェージェフドミートリー・メドヴェージェフもヴ表記なのですが、現在マスメディアにメドベージェフの表記で頻繁に登場しますので、Медведев:メドベージェフとして例示しておこうかと思います。硬音記号についてはもし艦船名でそういうものがあればぜひご教示下さい。
なお、各文字ごとの説明以外にも、「基本原則」や「注意事項」の節もマークアップの修正がてら文章の加筆や修正を行っていますので、こうした部分についても何かご意見がありましたらお願いします。--sergei 2009年8月10日 (月) 10:15 (UTC)[返信]
  • 私も、「正確さ」と「初心者にとってのわかり易さ」との兼ね合いについて悩みました。そこで、IPA記号を多用することが落としどころではないかと思ったのです(IPA記号が読みにくい等は、ロシア語だけの問題ではないので)。
  • 「ヂ」は書いておいた方がよいと思います。実際そう表記している書籍もあるので(具体的にどの本がというのは忘れましたが、例えば、原書年代記はそうじゃなかったかと)。
  • シャ行、チャ行、シチャ行は、変ですよね?意味はわかると思いますが。「シャ・シ・シュ・シェ・ショ、子音のみの場合はシまたはシュ」のように具体的に書くのが回り道のようで一番わかりやすいかも。
  • すみません、「ロシア語由来の外来語」はロシア語に昔から書いてありますよね?こちらのページを作成した初版執筆者が、無断でコピーペーストした可能性があります。当時のロシア語この版ですが、その節がそっくりです。となると、このページは一旦削除なのか……。
  • アンナ・ベッソノバは、理由は知りませんがロシア語名で記事が立っているので、例に挙げても差し支えないかと(ウクライナ語名なら「ベズソノバ」)。ただ、「ッソ(スソ)」なのか「ソ」なのか、-ss-の発音がしかとわからないため、正確性という点ではあまり例に出したくない気がします(私も彼女を念頭に上のコメントをしたのですが、この事情があるので躊躇しました)。
  • 都市名や人名でバ行表記があるんじゃないかなあと思うのですが、数が多くて調べる気にならないです……。
  • 形容詞由来の艦船名でも良いとの前提でъをウィキペディアのページで探しました。取敢えず、ラズエズノイ号事件はどうでしょう?ただ、この船についてのロシア語の情報を読んだことがないので、実態がよくわからないのですが。
  • 「基本原則」や「注意事項」の節等、何も言及しなかった点は現状でよいと思っている部分です。上記の通り全体的には素晴らしい出来だと思っているので、何も言っていない部分は(少なくとも今のところは)問題のない部分なのだとご解釈下さい。--PRUSAKiN 2009年8月10日 (月) 10:43 (UTC)[返信]
全体にはPRUSAKiNさんのおめがねに適ったようで、取り敢えずほっとしました。
  • IPAを使った説明は自分では正確にできる自信がないのでちょっと気が進まないです。取り敢えず現状のものを(必要な部分は手直しをして)アップロードした上で、PRUSAKiNさんの方でやっていただく、ということであれば反対はしません。ただ、どうせ手をかけるのならロシア語に加筆した方が有益なのではないかとは思います。
  • ヂは私はあまり見たことがなかったのですが、使用例があるんですね。全体の割合からいえば多いわけではないと思いますので、「ジの子音に近い音になる」と説明した上で「(「ヂ」の表記が用いられることもある)」とでも注記する、ということでいかがでしょうか。
  • 「シャ行」に関しては繁雑ですけど「シャ・シ・シュ・シェ・ショ、子音のみの場合はシまたはシュ」みたいな方式でいきましょうかね。
  • 「ロシア語由来の外来語」はロシア語からの転記だったわけですか。情報量が乏しかった当時のこの文書の状況ではこれが有益な情報だったのでしょう。この編集によって加筆されていますが、要約欄に適切な記載があるのでGFDL上の問題はなさそうです。
  • アンナ・ベッソノバはロシア語名だったわけですか。まあ取り敢えずこれは避けておきます。
  • Разъездной号というのがあるんですね。ではこれを利用してみることにしましょう。--sergei 2009年8月10日 (月) 12:54 (UTC)[返信]
  • どうしたらよいかすぐに思いつかないので、考えてみます。私もIPAはキーボード打ちできませんし(いつもウィキペディア等ネット上から記号探してコピペしてます)。
  • 「発音表記としてはヂが使用されているが、翻訳時にはジを用いることが多い」の方がよいと思います。
  • жについても同様にしましょう。
  • コピペについては、私の勘違いです。すみませんでした。ベテランの執筆者なので、おかしいなあとは思いました。
  • ъについて追記です。国境警備艦オリョールの旧名がイーメニXXVIIスエーズダKPSS(Имени XXVII съезда КПСС)で、ウィキペディアにページがありました(ていうか昔自分で作ったらしい)。そのほか7号計画型艦隊水雷艇ラズヤリョーンヌイРазъяренный)、97-P号計画型国境警備艦(砕氷艦)にイーメニXXVスエーズダKPSS(Имени XXV съезда КПСС、現アナードィリ)と(Имени XXVI съезда КПСС、現ムールマンスク)、レヴォリューツィヤ級掃海艇18-イ・パルツエーストVKP(b)18-й партсъезд ВКП(б))がありますが、ウィキペディアに現在ページがありません。ほかにも探せば出てきそうですが、マイナーすぎて手に負えません(苦笑)。しかしまあ、ソ連の艦船はへんてこりんな艦名が多いですな(笑)いや、真面目な名前ですし別に変ではありませんが……。--PRUSAKiN 2009年8月10日 (月) 13:19 (UTC)[返信]
いろいろとご教示ありがとうございます。(できれば)明日にでもご指摘を反映した改訂版を利用者サブページにアップしてみます。(いや、ソ連の艦船名っておもしろいですね。)--sergei 2009年8月10日 (月) 13:34 (UTC)[返信]

よろしくお願い致します。当方ちょっと明日は活動できそうにありませんが、後日きちんと読んでコメント致します。(帝政ロシアの艦名も、なんだか呪術的でおもしろいですよ(笑)。)--PRUSAKiN 2009年8月10日 (月) 13:41 (UTC)[返信]

改訂版をアップしましたのでチェックをお願いします。作成した立場からの注意点は以下の通りです。

  • イワン・パブロフがブ表記だったのでПавлов:パブロフを例示しました。
  • Щを「シチャ」「シチ」「シチュ」…とするのはさすがにあまりに繁雑なのでやめました。
  • ラズヤリョーンヌイはРазъярённыйでいいんですよね?
  • 「ロシア語由来の外来語」の節は削除しました。--sergei 2009年8月11日 (火) 14:44 (UTC)[返信]

お疲れ様です。拝読致しました。

  • そういえば「パブロフの犬」って有名でしたね。すっかり失念。よい例だと思います。
  • わかるのでよいと思います。
  • そうです。表記ガイドで例に出しながらページがないのもなあと思い、何気にラズヤリョーンヌイ_(駆逐艦)を作ってみました。どうせ大した戦歴もないしなどと高を括っていたのですが、思いのほかてこずって1日がかりになってしまい、完全に自爆ネタでした(要目が多分間違っています。別の同型艦のデータしか見つけられなかったのでそれを記載したのですが、ほかの型の駆逐艦を見る限り同型艦でもそれぞれの艦でだいぶ装備が違っているので、こちらも絶対違うはずです)。いろいろ詰めが甘いけど、う〜ん、これ以上やる気がしない(爆)
  • 削除諒解です。

さて、本題です。前述の通り、概ねこれでよいと思います。

  • партсъезд:パルツエースト」は、これ単独で日本語で表記されることはないと思います(普通、党大会とかに訳すでしょう)。使われるとしたら艦船名ですが、さすがにこれほどマイナーな船のページは作る気がしません。あまり一般的ではないので、自分で出しておいてなんですが、例示から外した方がいいかもしれません。
  • Вの「「フ」の子音の有声音。」という説明は、前述の通り「Ф」と書いた方がよいでしょう。
  • 考えたのですが、発音に関する記述は原則として一切消去した方がむしろよいと思います。むろん、NHKの教科書のような初心者向けの「わかりやすい(=誤解も多い)」解説は価値のあるものですが、ウィキペディアは必ずしもそのような初心者だけを念頭に置くメディアではありませんし、誤解のある(というか、実のところ完全に誤りでさえある)「шはシの子音である」等の説明は外すべきです。だからといって、このページで原語発音について、шはシに似てるけど違うのはここがこうだからだ、とかIPA発音記号だとこうだからだ、とか説明するのは、このページの趣旨に反します。このページは、あくまでその文字がどう日本語文字で表記されるかを説明するのが目的ですから、それ以外の、原語発音に関する誤解が多いか、さもなくば誤解を避けるために細かくなりすぎる説明は、書かない方がむしろよいと思います。
    • 具体的には、О、Ы、Е、Яに見られる、原語でアクセントがないとどうなるか等の説明は、ロシア語の日本語表記の際には一切関係ないので書く必要がありません。
    • 例えば、Сの説明は、「サ・シ・ス・セ・ソ」等と具体的に書いた方が親切で誤解もないでしょう(軟音が問題ですが。「スャ」と「シャ」があり得るので、全部書くとかなり煩雑)。
    • Фは「フ」の子音ではありませんし、「ファ・フィ・フ・フェ・フォ」のように書いた方が親切でしょう。
    • Шも「「シャ」「シ」「シュ」「シェ」「ショ」で表記する。後ろに母音を伴わない場合は「シ」もしくは「シュ」。」という説明だけで十分です。
    • Щは、「Шよりも舌を口蓋に近づけて長めに「シ」と発音する。」はこの文字を日本語表記する際に一切必要のない情報です。それならばむしろ「シチャ・シチ・シチュ・シチェ・シチョ」をきちんと書いた方が実用的でしょう。
    • ъ, ьの記号類は説明があってもいいかもしれません。ただ、それでもやはり原語でどう発音するかは必要ありません。この記号があった場合に日本語でどのような表記になるかを説明すべきです。

確かに原語の発音の説明があって、それと日本語での表記法を比較できるページは作る側としても見る側としても魅力的ですが、今回はもっと思い切って編集してみるべきではないかと思います。

もし作業がご負担でしたら、現時点で一旦アップし、私が編集しても構いません。もしくは、お許しがいただければSergeiさんの草稿ページに私が直接手を入れてもいいのですが、さすがにそれは気が引けますね。

ところで、余談かもしれませんが、そういえば「ヂ」という表記は発音表記以外でも結構使われていたような気がしてきました。私はどうせ文学か歴史学の本しか見ませんが、確か、以前図書館で見ていたとき、「〜ヂェフ」のような「ヂ」を用いた表記をいくつもの本で割と普通に見かけたような気がします。ないと思っていたら案外あった、という程度には使用例があるのではと思い、場合によっては文面を変えた方がいいかもしれません(具体的に用例を調べるまでは、今の状態でもいいと思いますが)。--PRUSAKiN 2009年8月15日 (土) 12:11 (UTC)[返信]

ご意見ありがとうございます。もう一度新たな改訂版をアップしましたのでチェックしてみて下さい。主な変更点は以下の通りです。
  • まずラズヤリョーンヌイ_(駆逐艦)の作成お疲れ様でした。せっかくなのでこれにリンクを張って、ついでにほかにも指示対象を一意に確定できるものや適切な曖昧さ回避のページが作られているものにはリンクを張っておきました。姓から特定の個人へのリダイレクトになっているようなものにはリンクしませんでした。
  • партсъездの例示は削除しました。
  • 「発音・表記」の節冒頭のことわり書きを太字強調を使うなどして少し改めました。
  • Вは「Фの有声音」とし、ФЧШЩの説明は断定を避けてやや婉曲な表現にしました。ФЧは少し言葉を補ってあります。
  • ヂは取り敢えず「発音についての説明としては…」ということわり書きを外しておきました。私もちょうど最近チェーホフ作品の古い文庫本を見ていて「アルカーヂナ」みたいな表記があるのを思い出して、以前はヂも普通に用いられていたんだな、などと考えていたところでした。もっともこの本は日本語も歴史的仮名遣いなのであまり参考にはなりませんが。
発音のことですが、やはり最低限必要なことは書いてあった方が親切ではないかと思います。もし私が自分の知らない言語を転写する必要に迫られたとして、ガイドラインに発音の説明が一切なくてただ「こう表記しなさい」という指示しか与えられていなかったとしたら、それにはやはり釈然としないだろうと思います。いずれにしても私の力量ではこのあたりが限界なので、大きな問題がなければそろそろこちらに投稿させていただきたいと思います。ほかの人が後で履歴を追跡するのが面倒になるので、PRUSAKiNさんに修正していただくのはその後、ということにした方がいいかと思います。--sergei 2009年8月15日 (土) 15:37 (UTC)[返信]

遅くなりましてすみません。草案改正版拝読致しました。

  • 諒解です。若干、これもリンクさせていいんじゃないかなという点はありますが、方針としてはそれでよいと思います。
  • 諒解です。それこそ、船のページを作るでもした際に記載してもよいかもしれませんが……(私が作らなければ誰も作らないでしょうが)。
  • 確認しました。
  • 発音が「近い」とか「遠い」(つまり「似ている・ない」)という相対的な表現は、「多い」とか「少ない」といった程度表現と同じで多分に主観的であり、まさしくそう言及している出典でもない限り原則として使用すべきではないと思います。ただ、私個人としては、今回修正なさったような書き方でなんとなく納得がいくので、う〜ん、どうでしょう?このくらいはウィキペディア的にも許容されるのかな?という感じです。たまたな、sergeiさんの「主観」と私の「主観」が一致しただけという可能性が高いですが、ロシア語勉強した人間が誰しもそう思うってのなら、いいかなあと。
  • チェーホフで思い出して(って、あまり関係ないですが)探してみましたが、岩波文庫の『オネーギン』や『スペードの女王』でも、「ヴラヂーミル」はじめいくつか「ヂ」の用例を見つけることができました。今回見ていませんが、ほかのロシア文学翻訳書でも見られたような気がします(記憶だけですが)。また、歴史学関係の本でも「ヂ」が見られることは請合います(どこだったか忘れましたが)。忘れたばかりであまり説得力がありませんが、「ヂ」がないわけではないということは確実です。
  • 発音説明については、諒解です。それでは、お手数をお掛けしましたが、アップお待ちしております。--PRUSAKiN 2009年8月18日 (火) 06:27 (UTC)[返信]
さきほどこちらに投稿しましたのでご確認下さい。
「近い」という表現について。NHKの語学のテクストでは、例えばШについては原音が片仮名表記と異なることを示す×印をつけつつ「[シャ]の子音」と説明しています。同じ音と見なすことはできないにしても、当然遠く懸け離れた音を例示するはずはありませんので、「近い」というのはこの語学テクスト編集者の意図を言い換えたものとしてそれなりに妥当なものといえるのではないかと思っています。「近い」ともいえないとなると、ロシア語をよく知らない人(この文書は対象としてまさにそうした人を想定しているわけですが)にこの音をどうやって説明すればいいのか私にはわかりません。
ヂについては、比較的近年の文献で(取り敢えず日本語部分は現代仮名遣いになっているもので)ジよりもヂと表記されることの方が一般的なものがもしあれば、それは例示した方がいいと思います。--sergei 2009年8月18日 (火) 09:34 (UTC)[返信]
◆取り敢えずФとШは音声学の用語を補っておきました。ШについてはIPAで/ʃ/があてられることもある(私の持っている辞書ではそうなっています)ので「近い」といってもそうおかしくはないのだと思いますが。しかし思うんですがやはりこういう情報はロシア語にもっと詳しく説明されているべきではないでしょうかね。--sergei 2009年8月18日 (火) 09:48 (UTC)[返信]
◆落ち着きがなくてすみません。ロシア語と同様、各文字の項目にリンクしてそれを参照してもらうことにすればいいんだ、ということに気がつきました。取り敢えずこれでどうでしょうかね。--sergei 2009年8月18日 (火) 10:09 (UTC)[返信]
  • 私もどうやって説明すればいいのかわかりません(苦笑)。私が言いたかったのは、Ш(というか例えばши)は「シ」に近いが発音記号が全然違うし、日本におけるロシア語教育でも「シ」とは別の発音だと教育されている、従って、「近い」とも言えるし「近くない」とも言える、従ってどちらを言うかはその人次第(=POV)、ということでした。とはいえ、専門用語による補足説明を加えたいまの状態なら誤解もないと思いますし、私はよいと思います。
  • 傾向は見出せないと思います。昔の本では「ヂ」と表記されていて何の不思議もありませんし(そもそも日本語で「ぢ」が使用されていた時代であればなおさら)、近年もそれらの本を読んで育った世代が相変わらず(?)「ヂ」なる表記を使用しているようです。今後も使われ続けるでしょうし、かといって、衰退したとしてもまあ不思議ではありません。
  • 例えば、日本語の「し」はIPAで[ʃi]ではなく[ɕi]だそうです。発音記号上は、ちょうどポーランド語のŚと同じ発音です(日本語版に説明がないので、英語版のen:Polish orthography参照)し、私は実際そう習いました。これは、モスクワ発音のщに似ています。但し、シシャーの場合は[ɕɕ]なので厳密には異なりますが。[ɕ][ɕɕ]が近いというのは見た目的になんとなく納得が行く気がしますが、[ɕ][ʃ]が近いかどうかは、素人(=私)的にはちょっと微妙かなあ……。
  • Ах! 私もそれは思いました(ウクライナ語の日本語表記でそうしている)。で、草稿の状態でリンクがないのを見落としてました。リンクはあった方がよいと思います。気付いてよかったです。--PRUSAKiN 2009年8月18日 (火) 13:12 (UTC)[返信]
を見ると日本語の「シ」の子音も/ʃ/で表されることがあるみたいです。なので、言語学者からみてもШは「シ」にそれなりに近いとはいえるんじゃないかな、という気がします。まあともかく今回の作業は自分に音声学の知識が欠けているということを自覚するいい機会になりました。これでWikipediaから明らかにおかしな表記が少しでも減ることになるといいですね! --sergei 2009年8月18日 (火) 16:23 (UTC)[返信]

IPAには実はいろいろ表記バリエーションが存在するので、щ[ʃ'ʃ']みたいに表記されることがあります。ただ、ひとつ言えるのは日本語の「し」とロシア語の「си, ши」は別の発音で、ポーランド語の「si」は実質同じ、ウクライナ語では「сі」について[ɕi]のような発音も認められているため、日本語の「し」と同じと考えることもできる(実際は「?」)、ということくらいでしょう。

確かに、私の考えと逆から見れば、「厳密には違うが、にも拘らず、同じ発音記号で表されることがある」ということは、仰るように発音が「似ている」と評価されているとみなすことができると思います。私は逆の見方をしていましたが、言われてみれば、確かにその指摘は正しいと思いました。やはり、他人の意見を聞くことは有益なことです!

ところで、余談ですが、「ъ」は非常にしばしば「ь」みたいに発音されることがあるようです。岩波の辞書にもそう書いてあるし(直接そうは書かれていないが、発音記号上そうなっている)、実際耳で聞いてもそうです。例えば、подъёмникリフト)は「パドヨームニク」と発音するのかと思いきや(それでもいいのですが)、実際には多くの場合「パヂヨームニク」と発音されています。съел(食べちゃった)も「スイェール」ではなく「スィイェール(シイェール)」と発音されるのはごく普通です(どちらでもよい)。じゃあなんで「ъ」なんかあるのか不思議になりますが、「ь」だと絶対軟音で発音しなければならないが、「ъ」ならどちらでもよい、という点に違いがあるのかなあなどと思ったりしています。「ラズヤリョーンヌイ」も、その意味では例に出した「ラズィヤリョーンヌイ」と発音されることは確実なので、本当は本文にもそう書いておいた方がよいのかもしれませんが、やや話が細かすぎるかなと思うので、現時点では割愛しようと思います。--PRUSAKiN 2009年8月22日 (土) 07:23 (UTC)[返信]