Visitor (来生たかおのアルバム)

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Visitor
来生たかおスタジオ・アルバム
リリース
録音 1983年9月13日 - 10月21日
(KRSレコーディングスタジオ、CBS/SONY六本木スタジオ〈リミックス〉)
ジャンル ニューミュージック
時間
レーベル キティレコード
プロデュース 多賀英典
チャート最高順位
来生たかお アルバム 年表
来生たかお
(1980年)
Visitor
(1983年)
LABYRINTH
(1984年)
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Visitor』(ビジター)は、1983年にリリースされた来生たかおの企画アルバム(LP規格品番:28MS-0048〉/CT〈規格品番:33CS-0048〉/CD〈規格品番:3133-9〉)である。

概要[編集]

原則的に、来生たかおは“来生”に省略、来生えつこは“来生えつこ”と表記。

提供曲のカヴァーで構成されたアルバムで、髙橋真梨子のアルバム『Monologue』(1980年8月21日リリース)に収録された「デイブレイク」は、ファンからセルフカヴァーの要望もあり、収録候補だったが、結局同企画の第2弾である『LABYRINTH』まで見送られた[1]

CTは、LPとは収録曲数が異なる(下記「収録曲」参照)。また、1984年4月1日にリリースされたCDはLPに準じた曲目である。

2004年6月2日には、本アルバムを基調に収録曲を入れ替えたベスト・アルバム『GOLDEN☆BEST 来生たかお VISITORS』がリリースされている。

復刻盤[編集]

パッケージの体裁[編集]

アルバムタイトル[編集]

※初出のジャケット表記“Visitor”以外のもの

ケースの側面部
  • LP:?
  • CT:“ビジター”
  • オリジナル版CD・1991年版CD:“VISITOR”“ビジター”の併用
  • LP・オリジナル版CD:“VISITOR”
  • 1991年版CD:“ビジター”

なお、各種ディスコグラフィーによっても表記は片仮名やアルファベットになっている。

ディスクジャケット[編集]

  • オリジナル版CD:ジュエルケースに2つ折りのカード(及び、歌詞カード)を挿入
  • 1991年版CD:ジュエルケースに2つ折りのカード(及び、オリジナル版CDのものを基調とした歌詞カード)を挿入
  • 2007年版CD:ジュエルケースに2つ折りのカード(及び、オリジナル版CDのものを基調とした歌詞カード)を挿入(及び厚紙製ケース付き)

帯のコピー[編集]

  • LP:メロディーメイカー来生たかお 待望のヴォーカル・アルバム セカンド・ラブ シルエット・ロマンス(新録)収録 ほらきこえない? ふたりのメロディー 来生ヴォーカルは夢心地
  • オリジナル版CD:メロディーメイカー 来生たかお待望のヴォーカル・アルバム セカンド・ラブ シルエット・ロマンス(新録)収録 ほらきこえない? ふたりのメロディー 来生ヴォーカルは夢心地(帯は、シール仕様・ジャケットとの一体型仕様がある)
  • 1991年版CD:記載なし

収録曲[編集]

CD版は省略

※各曲の収録時間はLPの記載に準拠(CTのみの収録曲は各初出収録アルバムの記載に準拠)

CT版[編集]

SIDE 1
  1. マイ・ラグジュアリー・ナイト(4:48)
    作詞:来生えつこ/作曲:来生たかお/編曲:福井峻
  2. シングル・ナイト(4:17)
    作詞:来生えつこ/作曲:来生たかお/編曲:星勝萩田光雄
    • 桃井かおりとのデュエットで1982年7月21日リリースされた「ねじれたハートで」のB面に収められ、桃井のアルバム『SHOW?』(1982年11月1日リリース)には来生がコーラスで参加したヴァージョンが収録されている。ちなみに、『SHOW?』は全曲来生たかお作品で構成されている。
    • 歌詞が先に書かれた楽曲で、来生は同時期に作った「ねじれたハートで」と全く異なる曲調を意図したという[2]
  3. セカンド・ラブ(3:58)
    作詞:来生えつこ/作曲:来生たかお/編曲:星勝
    • 中森明菜のシングル曲として、1982年11月10日にリリースされた。来生は本曲で第3回日本作曲大賞を受賞しており、多くの歌手によってカヴァーされている(来生たかお関連作品「被カヴァー曲」参照)。
    • 本アルバムの1991年版の帯・ジャケットの裏面・CD盤面では「セカンド・ラヴ」との表記になっている。
    • 来生えつこによる同名小説が、短編集『エピソード』(角川書店 1988年)に収められている。
  4. おだやかな構図(4:53)
    作詞:来生えつこ/作曲:来生たかお/編曲:松井忠重
  5. 試練(4:59)
    作詞:来生えつこ/作曲:来生たかお/編曲:萩田光雄
    • 西郷輝彦のシングルとして1978年6月25日にリリースされた。
    • 楽曲の詳細はベスト・アルバム『BIOGRAPHY』を参照。
  6. 終止符(4:07)
    作詞:来生えつこ/作曲:来生たかお/編曲:萩田光雄
    • 高田真樹子のシングルとして1975年10月21日にリリースされ、高田のアルバム『不機嫌な天使』(1977年5月1日リリース)には小椋佳がコーラスで参加したヴァージョンが収録されている。
    • 楽曲の詳細はオリジナル・アルバム『Natural Menu』を参照。
  7. 甘い言葉で…(4:38)
    作詞:来生えつこ/作曲:来生たかお/編曲:星勝
    • 中村雅俊のアルバム『BORN NEW』(1983年3月21日リリース)に収録されている。
    • 渡辺徹のシングル「灼けつくメモリー」(1983年5月21日リリース)は、本曲のタイトル・歌詞を改変したものである。
    • 来生は、先方の“色っぽい曲を”という要望に合わせて作ったと述べている[2]
  8. シルエット・ロマンス(5:29)
    作詞:来生えつこ/作曲:来生たかお/編曲:星勝・萩田光雄
SIDE 2
  1. 燃えつきてディザイア(5:18)
    作詞:来生えつこ/作曲:来生たかお/編曲:星勝
    • 豊島たづみのシングル曲として1982年11月にリリースされ、サンリオ出版「シルエットディザイア」のCFイメージソングとして使用された。
    • LP・CD(オリジナル版・1991年版)のタイトル表記は「燃えつきて、ディザイア」となっている。
    • 来生は、CFイメージソングとして使用されるためが決まっていたためサビから作り、カヴァーに際して編曲はポップな雰囲気を意図したと述べている[2]
  2. スローモーション(4:25)
    作詞:来生えつこ/作曲:来生たかお/編曲:星勝・萩田光雄
    • 中森明菜のデビュー・シングルとして1982年5月1日にリリースされた。
    • 元々“山口百恵のデビュー曲を書くとしたらどのような感じになるか”という仮定があり、来生はそれに沿った感じになったことを明かしている[2]。また、詞が少々幼いと思いつつ自ら歌っているという[3]
    • 多くの歌手によってカヴァーされている(来生たかお関連作品「被カヴァー曲」参照)。
    • 来生えつこによる同名小説が短編集『エピソード』に収められている。
  3. 美しい女(5:03)
    作詞:山川啓介/作曲:来生たかお/編曲:星勝
    • 町田義人のシングル曲として1979年5月10日にリリースされた。
    • 楽曲の詳細は企画アルバム『来生たかお』を参照。
  4. ほほえみの扉(4:17)
    作詞:来生えつこ/作曲:来生たかお/編曲:萩田光雄
    • 三浦友和のシングル曲として1978年11月1日にリリースされた。
    • 楽曲の詳細はベスト・アルバム『BIOGRAPHY』を参照。
  5. とめどなく(4:58)
    作詞:来生えつこ/作曲:来生たかお/編曲:星勝・萩田光雄
    • 石川セリのアルバム『メビウス』(1982年10月5日リリース)に収録された。
    • CFイメージソングの話が持ち上がるなど各方面からラブコールがあった楽曲で、来生も自信作と述べている。また、石川には自作品をシングルとしても使ってほしかったという[2]
  6. ジグザグ-酔いどれ天使のポルカ-(3:53)
    作詞:来生えつこ/作曲:来生たかお/編曲:星勝
    • 亀渕友香のアルバム『Touch Me, Yuka』(1974年3月21日リリース)に「酔いどれ天使のポルカ」というタイトルで収録された。オリジナルタイトルの表記は、JASRACへの登録ミスにより「ジグザグ―酔いどれ天使―」となっている。
    • 楽曲の詳細はオリジナル・アルバム『ジグザグ』を参照。
  7. ねじれたハートで(4:21)
    作詞:来生えつこ/作曲:来生たかお/編曲:星勝・萩田光雄
    • 桃井かおりとデュエットでリリースされたシングルを、本アルバムではソロでカヴァーしている。
    • 来生は桃井の雰囲気をかなり意識し、デュエット曲として良い出来になったと自負している。また、桑田佳祐が歌詞を気に入っていることを聞かされたという[2]
    • 来生えつこによる同名小説が、短編集『エピソード』に収められている。
  8. トワイライト -夕暮れ便り-(5:06)
    作詞:来生えつこ / 作曲:来生たかお / 編曲:星勝・萩田光雄
    • 中森明菜のシングル曲として1983年6月1日にリリースされた。
    • LP・CDでは、サブタイトルの表記が“〜夕暮れ便り〜”になっている。
    • 来生えつこはあるファンから、歌詞にある“絵葉書をポストへ落とす”という表現(ポストへ“入れる”ではない点)に感心したと聞かされたが、特に拘ったものではなく自然に生まれたフレーズなので面映かったという[4]
    • 来生は、旅をテーマにしたアウトドアの歌詞やサビから始まる構成も、自分の作品の中では珍しいと述べている[2]
    • 来生えつこによる同名小説が、短編集『エピソード』に収められている。

LP版[編集]

  • 全曲、作詞:来生えつこ 作曲:来生たかお
SIDE 1
  1. マイ・ラグジュアリー・ナイト
    編曲:福井峻
  2. シングル・ナイト
    編曲:星勝・萩田光雄
  3. セカンド・ラブ
    編曲:星勝
  4. 甘い言葉で…
    編曲:星勝
  5. シルエット・ロマンス
    編曲:星勝・萩田光雄
SIDE 2
  1. 燃えつきて、ディザイア
    編曲:星勝
  2. スローモーション
    編曲:星勝・萩田光雄
  3. とめどなく
    編曲:星勝・萩田光雄
  4. ねじれたハートで
    編曲:星勝・萩田光雄
  5. トワイライト〜夕暮れ便り〜
    編曲:星勝・萩田光雄

参加スタッフ[編集]

脚注[編集]

  1. ^ ファンクラブ会報のダイジェスト誌『DECADE』
  2. ^ a b c d e f g オフィシャルファンクラブ「TAKAO CLUB」の会報「HEAD ROCK」
  3. ^ 日本テレビ系音楽番組『FAN』(1995年[要出典]
  4. ^ 来生えつこ著『夢の途中に』(リクルート出版 1990年)