U.S.S.エンタープライズE

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U.S.S.エンタープライズE(U.S.S.Enterprise-E)はSFドラマ『スタートレック』シリーズの映画である『スタートレック ファーストコンタクト』(Star Trek: First Contact)、『スタートレック 叛乱』(Star Trek: Insurrection)、『ネメシス/S.T.X』 (Star Trek: Nemesis)に登場する架空の宇宙船である。本来の艦名はU.S.S.エンタープライズ(U.S.S.Enterprise)だが、同名の艦と区別するために登録番号の末尾記号をつけて呼ばれることが多い。

ソヴェリン級の強襲探査艦で、登録番号はNCC-1701-E。艦長はジャン=リュック・ピカード大佐。

概要[編集]

全長:685m 重量:320万5千トン デッキ数:24 乗員:854名

2371年にベリディアン三号星にて大破したU.S.S.エンタープライズDに代わり2372年より任務に就いた最新鋭艦で、伝説の名艦『エンタープライズ』の名を冠する6番目の艦である。優美な巨大さが特徴であった先代艦とは対照的に、スピードを感じさせる流線型をした船体デザインが特徴である。

ソヴェリン級宇宙艦は対ボーグ、カーデシア連邦、ドミニオンらとの戦闘を前提に開発されており、火力・推力・防御力が格段に強化されている。その高い戦闘能力は戦術護衛艦U.S.S.ディファイアントNX-74205のノウハウ[1]が活かされている。U.S.S.エンタープライズDよりも全長が44m大きくなったにもかかわらず全幅と全高は小型化されており、船体の規模は先々代のU.S.S.エンタープライズCよりも小さくなった。エンタープライズDに比べて重量が179万5千トン、乗員が約350名ほど、デッキ数は18階分減っているが、これは戦闘力、防御力強化のためにクルーの家族が乗船しない等、余剰スペースに制限を設けているためである。

ワープ・ナセルの形状は先代のU.S.S.エンタープライズD、先々代のU.S.S.エンタープライズC(アンバサダー級)などと比較すると、船体に対してかなり長大なものになっており、発光部分がナセル上部に位置していることもあって、むしろさらに前の型であるU.S.S.エンタープライズB(エクセルシオール級)に近い。U.S.S.ヴォイジャーの可変静翼ワープナセルで開発された技術を応用、発展させているようで、ワープナセルが固定式であるにもかかわらずワープ5以上の速度でワープドライブを行っても時空連続体に悪影響を与えないようになっている。

U.S.S.ヴォイジャーのノウハウも活かされ、コンピューターにはバイオ神経回路が組み込まれている。従来のアイソリニアオプティカルチップだけのコンピューターに比べて、情報処理速度はかなり高速化されている。またこの艦にもU.S.S.ヴォイジャーより採用された緊急用医療ホログラム(EMH)が搭載されている。これはU.S.S.ヴォイジャーに搭載されていたものと同じ「EMH TYPE-1」型(ルイス・ジマーマン博士の外見を持つ初期型)である。

推進システム[編集]

エンタープライズEは従来の物と比較し長大なものとなった新型ワープナセルによって、時空連続体にワープ痕跡によるダメージを与えずに高速ワープを出すことが可能である。通常はワープ5からワープ8の速度で巡航する。さらに最高速度はワープ9.985(スタートレック関連の資料により諸説あり)とされており、U.S.S.ヴォイジャーやU.S.S.プロメテウスと並び連邦艦の中でも最速の部類に入る。

インパルスドライブ(通常エンジン)において、操舵席には従来のタッチパネルオペレーションの他にジョイスティック状の手動ステアリングコラムが用意されており、微妙な操縦が求められる場合、操舵士の希望によって使用される場合がある(これは一部の他の艦にも装置されている)。

攻撃および防御システム[編集]

主な攻撃システムは、反物質弾頭・光子魚雷を数百発搭載。魚雷ランチャーが3門あり、一度に12発の発射可能。素粒子ビーム兵器・フェイザーは連邦最強の出力を誇るタイプXIIを装備し、D型と比較して大幅に火力が向上している。フェイザー・アレイが第1船体上面に7ヶ所、下面に5ヶ所あり死角はない。また通常の連邦艦には装備されない真空エネルギー弾頭・量子魚雷をも搭載しており、U.S.S.エンタープライズDとは比較にならない戦闘能力を色濃く示している。

防御シールドはコンピューターにより最適な防御効果を得る再生式シールドを採用している他、船体外部隔壁には断熱被膜塗装(アブレーティブ装甲)がされている。

また地球暦2378年の時点では改修を受けており、第1船体上面(メインブリッジとシャトル格納庫の中間辺り)と第2船体下面(メインディフレクター盤の下部後方)に連装光子魚雷ランチャー、左右ワープナセル・パイロンの上下両面にフェイザー・アレイが増設され、主に船尾方向への攻撃力が格段に増強されている。武装以外にもナセル・パイロン角度が変更され全長がわずかに短くなり、第2船体腹部船尾の傾斜角変更、第1船体背面後部に構造物が追加され第2船体との繋ぎ目が太くなっているなどの改修が加えられている。これは映画『ネメシス/S.T.X』でCGI担当が、それより前のインダストリアル・ライト&マジックからデジタル・ドメインに変わった際に、デザイナーのジョン・イーブスらが手直ししたかったという部分を修正したためである。

なお量子魚雷は、エンタープライズEの就役と前後して宇宙ステーション・ディープ・スペース・ナインに配備されていたU.S.S.ディファイアントや、一部の大型航宙艦などに装備されるようになり、ボーグの2回目の地球侵攻時やドミニオン戦争時などに使用された。

デッキ構成[編集]

  • 第1デッキ:メインブリッジ、艦長作戦室、観察ラウンジ
  • 第11デッキ:ディフレクター制御室、水耕栽培室、星図作成室
  • 第16デッキ:機関室

艦載機[編集]

  • クストー - 艦長専用シャトル(captain's yacht)。シャトルベイではなく量子魚雷ランチャー下に装着されている。
  • 名称不明 - 惑星バクーでデータ捕捉に使用された。
  • シャトルクラフトアルゴ - 全地形対応車搭載

同型艦[編集]

  • U.S.S.ソヴェリン(U.S.S.Sovereign)
ソヴェリン級の一番艦。
  • U.S.S.ボズマンA(U.S.S.Bozeman-A、NCC-1941-A)
モーガン・ベイトソン大佐の指揮。『Star Trek:TNG -Ship of the Line-』などに登場。
  • U.S.S.ベレロフォン(U.S.S.Bellerophon)
地球暦2409年にドレイロン星系に侵攻して来たウンディーネ艦隊を迎撃した宇宙艦隊の1隻。『Star Trek Online』に登場。同名の艦がネビュラ級(NCC-62048)およびイントレピッド級(NCC-74705)に存在した。

補足[編集]

ピカード大佐は2代目の艦長で、進宙から処女航海まではモーガン・ベイトソン大佐が艦長を務めていた(『Star Trek:TNG -Ship of the Line-』)。2408年時点で現役配備されている(『Star Trek Online』)。

メイキング[編集]

エンタープライズEのデザインはジョン・イーブスによるもの。それまでのエンタープライズDのデザインは豪華客船を思わせる優雅なものだったが映画『ファーストコンタクト』の内容が「ボーグ」との戦いだったため、シャープで戦闘的なデザインとなった。イーブスが参考としたのはU.S.S.エクセルシオールだという。戦闘向けの艦ゆえに構造的な強度が重視され、ドーサルネックが無く、第1船体と第2船体が直結した形態になった。この特徴は同時期にデザインされたU.S.S.ヴォイジャーと同じだが、両艦は別々のデザインチームが担当しており、偶然の類似だという。スタートレックシリーズの美術スタッフだったリック・スターンバックは艦隊船デザインの新しい流れとして悪くないと思ったという。スターンバックは艦の構造やどこに何があるかといった考証を担当した[2]。デザインの特徴として従来より小型のデフレクター盤があるが、これはデフレクター盤でのアクションシーンの撮影で実物大のデフレクター盤のセットが必要であり、大きなものにできなかったためである[3]。『ファーストコンタクト』では撮影用の模型がILMにより製作されたが『叛乱』ではパラマウント社の方針(予算の削減)のため、模型は使用されず、サンタバーバラスタジオによるCGIとなった[4]。さらに前述されているように『ネメシス/S.T.X』ではCGIがデジタル・ドメイン社の担当となったことをきっかけにイーブスがデザインをリファインし、外観も変化した。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ ディファイアントは、惑星連邦初の純粋な戦闘艦として建造された。
  2. ^ バンダイ製1/1700プラモデル「U.S.S.エンタープライズE」組立説明書より
  3. ^ ぶんか社「スタートレックメカニクス」p56~p65より
  4. ^ 『スタートレック叛乱』パンフレットp28より