Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀

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Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀
ジャンル 人形劇霹靂布袋劇
放送時間 TOKYO MX 金曜 23:00 -
BS11 金曜 23:30 -
放送期間 2016年7月 -2016年10月
放送国 日本の旗 日本
制作局 霹靂國際多媒體
監督 王嘉祥
脚本 虚淵玄
出演者 鳥海浩輔
諏訪部順一
中原麻衣
外部リンク Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀
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Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』(サンダーボルトファンタジー トウリケンユウキ)は、日本台湾共同制作によるテレビ人形劇(パペット・エンターテインメント)である[1]

概要[編集]

台湾の伝統ある人形劇・布袋劇を現代的な感覚でアレンジした霹靂布袋劇をベースにしている。

脚本家・虚淵玄が仕事で台湾に赴いた際、その場の近くで偶然にも霹靂布袋劇の展覧イベントが開催されていたのを見て強烈な刺激を受ける。これが日本では一部にしか知られていないことを知った虚淵は「もったいない」と感じ、なんとか日本に紹介できないかと[2]、各方面へ働きかけたのがきっかけとなっている。

その結果、最終的には原案・脚本を虚淵、キャラクターデザインを彼の所属会社・ニトロプラスの社員や関係の深いクリエイターたちが手がけ、人形の実制作・操演を霹靂布袋劇の本家・「霹靂國際多媒體股份有限公司」(以下、霹靂〈ピーリー〉社)が行う「日台合同映像作品」として、世に出ることとなった[1]

内容的には、古代中華的世界観をベースにしたオリエンタル色の強い「武侠ファンタジー」作品になっている。講談社の『週刊モーニング』でも、2016年7月に虚淵の脚本で佐久間結衣によるコミカライズがされている。

最終回及び公式HPにて続編の制作が発表された。

物語[編集]

遙かなる昔、「魔界」と「人間界」が全力で衝突し戦ったことがあった。人間たちは強大な魔の物に対抗するため、全知全霊を結集し、「神誨魔械」と呼ばれる強力すぎる武器を造り、立ち向かった。
幾星霜の時が流れ、殆どの人間は神誨魔械の事を忘れ去ったが、「護印師」と呼ばれる者はこれを秘蔵し続けていた。その中でも最強の武器「天刑劍」を代々護る兄と妹がいた。その名は「丹衡」と「丹翡」。
天刑劍は刃・鍔・柄の3つに分けて封印されていたが、ある時兄妹は「蔑天骸」なる悪漢率いる徒党「玄鬼宗」に襲われ、丹衡は命を落とし柄を奪われてしまう。
一方、雨に濡れた「殤不患」は雨ざらしの石仏から傘を拝借しようと手を伸ばす。すると木陰から、まさかその傘を奪うつもりではあるまいな、神仏を敬う心はないのか、との言葉が投げかけられる。煙管を手にする美丈夫「鬼鳥」は、お前は御仏に傘1本という借りを作った、この先の旅路、誰であれ最初に出会った人に御仏に成り代わって慈悲をかけてやれ、という。殤不患は訝しがりながらも最初に出会った丹翡を玄鬼宗から助けてしまう。だが、ことはそこで収まらず、「蔑天骸」から柄を取り戻す旅に出ることに。
蔑天骸が居る地は遥か彼方の「七罪塔」。一行の行く手には数々の強敵たちが立ち塞がる。
鬼鳥は傀儡の谷を抜けるために「狩雲霄」を、亡者の谷を抜けるために「刑亥」を呼び集め、闇の迷宮で正しい道を選ぶための道具・迴靈笛をもつ「殺無生」を仲間に加える。
果たして彼らは本懐を遂げる事が出来るのであろうか。
狩雲霄と刑亥は、鬼鳥とどのように知り合い、どのように仲間にしたか分からぬ殤不患を警戒する。そして殤の実力を見極めようとわざと敵陣へ放り出す。亡者の谷、傀儡の谷と散々な目にあった殤は、鬱憤たまって鬼鳥たちと仲違いをし別行動をとることに。丹翡もわざと窮地に落としていたと知り、怒って殤を探しに行ってしまう。そして鬼鳥も殤不患が最後まで必要だと訴え追いかけて行く。
三人が去った後、刑亥は殤をいてもいなくてもよいと言い、殺無生は剣の技が無様と侮る。狩雲霄は内勁は大したものだが一流ではないと評し、どうして剣士を装っているのか、と訝しがる。
だが、ここで殤不患を切り捨てないと言うことは、鬼鳥はまだ何か企んでいると考え、三人は闇の迷宮へ歩を進める。
先に蔑天骸のもとへ辿り着いた殤不患らは、鬼鳥の策略により玄鬼宗に囚われ、外の牢屋へ監禁されてしまう。そこへ狩雲霄らが訪れ、鬼鳥が大盗賊「凜雪鴉」で狩雲霄と刑亥は天刑劍を盗むべく集められたと知る。狩雲霄らは、凜雪鴉が自分たちを出し抜こうとしていると考え一計を案じ先を急ぐ。
怒った殤不患は牢屋を破壊して脱出。牢に残す丹翡に、正しくあろうとしたことは悔やむんじゃないと呟くと凜雪鴉を斬りに向かう。
その頃、凜雪鴉は蔑天骸にもてなされ、部屋に案内されると押収された剣を見て驚く。そして、凜を切ろうと剣を構え近づく殤不患に気づくと、鋭眼穿楊も泣宵も筋金入りの悪党で、お前が亡者の谷や傀儡の谷を一人で潜り抜けられるほどの腕前だと明かしてくれれば呼ぶ必要はなかったと愚痴をこぼす。凜は天刑劍には興味がなく、興味があるのは蔑天骸だと言う。正直者は簡単すぎてつまらない、騙すなら悪党というのが盗賊の矜恃だと言い、二人で手分けすれば柄を取り戻せると提案してきた。
狩雲霄が丹翡の鍔を狙う悪党であることを知った捲殘雲は、師と袂を分かち丹翡を牢から救う。そして、丹翡から真の鍔は凜雪鴉によってすり替えられ、無垠寺の石灯籠の中に隠されていることを聞き急ぎ確保に向かう。しかし、それは罠であり、後からつけてきた狩雲霄と刑亥に鍔を奪われ、捲は右目を失う。
その頃、蔑天骸と共に地上に降りた偽の凜雪鴉(殤不患)は、黄金の量を見切れなかったことで正体がばれてしまう。這う這うの体で逃げ出す殤不患は、牢から逃げ出した丹翡と捲殘雲に出会う。天刑劍をまっとうな方法で取り戻せばいいと元気づけるが、鍔を奪われ焦る捲殘雲が反発する。必死な自分たちに飄々とした態度で接する殤に憤り、「刃無鋒」という二つ名を付け、お似合いだと今までの鬱憤をぶつける。だが、殤はその切れない刃・刃無鋒という名を気に入ってしまい、自分の二つ名とする。
しばしの閑談もすぐに終わりを告げ、凋命率いる玄鬼宗に追いつかれ襲撃される。右目を失い、槍もない捲殘雲は、数人はしのぎ切るもののすぐに劣勢に立たされてしまう。玄鬼宗の刃が捲殘雲を斬ろうとした瞬間、飛んできた剣によって命を救われる。起き上がった捲殘雲は、急ぎ刀を殤不患へ届けようと手に取った瞬間、驚嘆する。その剣は刃がなく鉄ですらない、銀色に塗った、ただの木の棒であった。殤不患は近くにあった木の枝を拾うと玄鬼宗を殲滅。迫りくる凋命をも一撃で仕留める。圧倒される捲殘雲は、なぜ難儀な真似をすると問う。人を斬るのはいつだって難儀だ、と答える。続けて、どんなに技を極めようと剣を軽々しく振うようになっては駄目だ、だが自分のような俗物は戒めるのも面倒だから刃のない剣の方がいいと殤はいう。
ついに心服した捲殘雲は、殤不患は西幽では英雄で、東離に名が響いてないだけでは、と考える。
聖域ではついには蔑天骸が天刑劍を手に入れていた。だが、そこには滅せられたはずの妖荼黎の姿が…。妖荼黎は倒されてはおらず、天刑劍によって封印されていただけだったのだ。これはいかんと狩雲霄は矢を突き付け、蔑天骸に天刑劍を戻すよう迫る。だが、高笑いする刑亥によって殺され、我がことなれりと歓喜する。刑亥の目的は天刑劍ではなく妖荼黎復活だったのだ。蔑天骸と刑亥は、お互いに次ぎ会うときまで手を出さぬ盟約を結ぶ。しかし、聖域を降りてこようとする蔑天骸に凜雪鴉が立ちふさがる。始めは侮っていた蔑天骸も、すべての技を見切られるとついには奥義を放ち勝負へ出る。凜雪鴉も奥義で応えると、軍配は刃を収め煙管を首に突き付けた凜に上がった。ここにきてようやく蔑天骸は、全てのことが自身に屈辱を与えるためだけのものだったと気づき、屈辱と絶望に塗れる。最期に凜雪鴉にも絶望を与えようと「天刑劍」を破壊。妖荼黎を封印する術をなくし、驕慢と傲岸の魂を砕かれながらも悔恨の涙ひとつ流すことなく笑いながら果てた。
妖荼黎を封印する術のなくなった凜は、聖域を急ぎ降りようとすると殤不患らに出会う。天刑劍破壊が凜に原因があることを感じ取った殤は落とし前のつけ方を詰め寄る。近くの祠にある別の神誨魔械を護印師から盗んで来よう、だが、他の魔神が封印されていては笑い話にもならないと危機感のない会話をする殤と凜に捲殘雲は怒り出す。しかし、殤は笑って万策尽きるまでは冗談を言ってる方がいいという。初めてお前に褒められたと喜ぶ凜をしり目に、殤は万策尽きる手前まではやってみるというと、一人妖荼黎へ挑む。
天刑劍がなくなって恐れるものは何もないと暴れる妖荼黎。そこへ、剣は爪楊枝とかわらんと嘯く殤不患が現れる。西幽を巡り歩いて集めに集めた36振りの魔剣から須彌天幻・劫荒剣を選ぶと妖荼黎へ洪荒禁窮獄を繰り出した。宇宙の彼方・時空の狭間へ続く「底なしの闇」があらわれると劫荒剣の刃によって傷を負った妖荼黎だけがその凄まじい吸引力に飲み込まれ、ついには封印されてしまう。
魔神を封じ込め、事後を丹翡と捲殘雲に託し別れも言わずに去ろうとする殤不患を凜雪鴉が呼び止める。餞別に傘を渡された殤は、これくらいの報酬があってもいいかといい、凜は安上がりなことだと別れを惜しむ。旅立つ殤を見送った後、彼を追って旅立つ凜。やがて空に暗雲が立ちこめ稲光とともに嵐がやってこようとすると、殤は傘を荒れ寺へ投げ入れる。開いた傘が吹きざらしの石仏のもとへと舞い降り、「雨傘の義理」を果たしたところで物語の幕が下りる。

登場人物[編集]

主要人物[編集]

凜雪鴉(リンセツア / Lǐn Xuě Yā / リン・シュエヤー)
声 - 鳥海浩輔
本作の主人公。「掠風竊塵(リョウフウセツジン / Lüè Fēng Qiè Chén /ルゥエフェンチエチェン)」 の通り名を持つ眉目秀麗な男性。人を食った飄々とした性格で、博識かつ狡知に長け、立ち振る舞いは常に優雅。キセルを愛用している。普段は「鬼鳥(キチョウ)」という偽名を名乗っている。顔が広い(本人曰く「唯一の取り柄」)一方、他人を扇動して平然と利用することから恨みを買う事も多い。刑亥曰く、「この男を殺したがる人間なら、呼び集めただけで行列ができる」との事。
その正体は「月明かりを浴びて影を落とさず、雪道を踏んで足跡を残さず、天地の理さえも欺いて奇計妙策を巡らす」と謳われる悪名高き盗賊。蔑天骸をして「10秒見て、5秒触れば寸分違わぬ贋作を作り上げられる」と言わしめる精巧な贋作の作り手にして、魔術の使い手。
狡猾な悪党を欺き、踊らせ、陥れ、その覇者の気風、即ち誇りの拠り所を盗み、屈辱のどん底に叩き落すことを何よりの悦びとしている。刑亥や殺無生も彼の被害に遭ったようで、二人から憎悪を抱かれている。
かつては剣の道を極めるべく鍛錬を重ねたが、剣の道を侮らないがゆえに、遂には嫌気がさしてしまう。蔑天骸にはこの道がたどり着く先は山の頂きなどではなく無辺の海原のようなもの、極める程に果てが見えなくなると諭したが聞き入れられず奥義の激突へ移行。ついには寸止めで天刑劍を使う蔑天骸を屈服させたが、その行為が蔑天骸を「天刑劍」を破壊し妖荼黎を封ずることができなくする凶行に走らせる。
その後、落ち着きを取り戻した聖域から旅立つ殤不患を見送り、彼を狙い現れるであろう悪党・奸物を求め、追って旅立った。
殤不患(ショウフカン / Shāng Bù Huàn / シャン・ブーファン)
声 - 諏訪部順一
本作のもうひとりの主人公。流浪の剣客。西幽の地の生まれ。捲殘雲によって「刃無鋒(ジンムホウ / Rèn Wú Fēng /レンウーフェン。「斬れない刃(=なまくら)」の意)」の二つ名を付けられ、以後名乗る。厭世的な皮肉屋を装い、常に憎まれ口ばかり叩いているが、内実は義に篤い人情家で、侠客でありながら名声や沽券を顧みない、凜雪鴉とは違った意味で飄々とした性格の持ち主。武器は刀身を銀色に塗っただけの木刀。
狩雲霄や刑亥が悪巧みを働かせないよう凜雪鴉に強引に仲間に引き入れられた。だが西幽の地出身という出自を法螺話と片付けられその正体を訝しがられる。その為、狩雲霄や刑亥らにわざと敵の真っただ中へ放逐され正体を探られる。それを凜雪鴉も興が乗ったと止めはせず、散々な目に遭うことに。そのことが原因で屈辱と怒りが爆発して離反した。紆余曲折の末、凜雪鴉にまたしても嵌められ、丹翡と共に七罪塔の牢に入れられてしまう。
刑亥や狩雲霄、殺無生には、剣は無様でそれなりの達人でしかないと散々に評されるが、実像は木の棒を以って鋼刃を凌駕する気功術の遣い手。自身曰く、軽々しく剣を振るうものではなく、かと言って自身を常時戒めるのも面倒との理由で木刀を携えている。その木刀をもって亡者の谷や傀儡の谷を突破した事実に気づいた凜雪鴉からはその実力を改めて評価された。なお、西幽出身であるため盗賊と名高い凜雪鴉を知らなかった唯一のメンバーである。
西幽において人心を惑わし天下を乱した魔剣・妖剣・聖剣・邪剣を36振りも封印しており、その魔剣目録を狙う悪党たちから逃れどこかに安全に捨てられる場所はないかと捜し歩いた結果、気が付けば鬼歿之地を超え東離へ流れ着いた。最終決戦で妖荼黎をその36振りの一つ「須彌天幻・劫荒劍」を発現させた後、最終形態「洪荒禁窮獄」を発動させ時空の彼方に吹き飛ばし再び封印、鍔と柄を封印として丹翡に託した。
一本目の魔剣を収めることができた殤不患は、丹翡と捲殘雲に別れも言わずひっそりと旅立った。
丹翡(タンヒ / Dān Fěi / ダン・フェイ)
声 - 中原麻衣
「神誨魔械・天刑劍」を祀る「鍛劍祠」の守護者の一族の末裔。兄・丹衡と共に務めを果たしてきた女性で「天刑劍」の鍔を所持している。武器は霊力を帯びた翠晶鉄によって鍛造された丹家伝来の宝刀、「翠輝劍」
伝統と責任を背負ってきた自負ゆえにプライドが高く、生真面目で強情だが世間知らずでお人好しという純朴な側面も持つ。他人の悪意に疎く、性善説を信じ込んでいる。また、現状の改善、適応よりも丹家の伝統や風習の維持に固執するほど頭が固く、融通が利かない。
己の実力が蔑天骸に遠く及ばないことは悟っており、せめて一矢報いようという思いから七罪塔への旅を決意した。しかし「掠風竊塵」としての本性を露わにした凜雪鴉に嵌められ、殤不患と共に七罪塔の牢に入れられてしまう。
妖荼黎が再び封じられた後は、封印となる鍔と柄を殤不患から託され、その守護を護印師としての新たな使命とする傍ら、夫に迎えた捲殘雲への丹輝劍訣の伝授に勤しんでいる。
狩雲霄(シュウンショウ / Shòu Yún Xiāo / ショウ・ユンシァオ)
声 - 小山力也
東離において弓の名手として名前が知れ渡る隻眼の豪傑。「鋭眼穿楊(エイガンセンヨウ / Ruì Yǎn Chuān Yáng / ルイイェンチュアンヤン)」の通り名を持つ。凜雪鴉とは古い馴染みであり、彼の頼みにより仲間に加わる。武器は鋼の弓箭、「銀牙」。
表向きは世に名高い英雄として称えられているが、その内実は仁義なき悪漢である。凜雪鴉の呼び出しに応じ、丹翡に手を貸した理由も「天刑劍」を奪い個人的な利益を得るためであった。
一方で弟子に対する面倒見は良く、捲殘雲には期待を寄せていた。本性を明らかにした後は刑亥と組み、かつての弟子・捲殘雲を退け「天刑劍」の鍔を奪取、蔑天骸に引き渡す。「天刑劍」完成の代償が妖荼黎の復活であると知り、阻止に動くも最期は逆に復活を望む刑亥によって絞殺された。
捲殘雲(ケンサンウン / Juǎn Cán Yún / ジュエン・ツァンユン)
声 - 鈴村健一
狩雲霄の舎弟。自称・「寒赫(カンカク / Hán Hè / ハンハー)」。元々喰うに困らない農家の末っ子で、グレて出奔し、無頼漢になった[3]。金髪碧眼で軽薄な優男であるが、誇りのために命をかけることも厭わない好漢でもある。槍(鉾)の使い手。丹翡に一目惚れし彼女にアプローチをかける。武器は長槍「騰雷槍」。
まだ江湖(中国の大衆小説の中で大きな位置を占める武侠小説の中において、武術を身につけて結束、団体化した人々が所属する一般社会とは異なる特殊な社会のこと。日本語でいうなら「渡世」、「裏社会」とほぼ同義)では名が売れていないため、名声を手に入れようと躍起になっている。
師・狩雲霄からは鬼鳥(凜雪鴉)の正体も旅の本当の目的も知らされておらず、後に本性を現した師に幻滅し、離反。丹翡のために鍔をかけて狩雲霄と戦うが、力及ばず右目を射抜かれ敗北。
殤不患に対してはその飄々とした態度に反感を抱いており、皮肉のつもりで「刃無鋒」の二つ名をつけた。しかし、本人はそれを気に入って受け入れてしまい驚く。その後、凋命率いる玄鬼宗に切られそうになるところを、殤の投げた剣に助けられると、すぐさま刀を渡さねばと拾い上げた時、剣が木刀であることに驚愕。木の枝片手に玄鬼宗を殲滅する姿を見て圧倒され、心服する。殤は西幽では名の知れた英雄・好漢で、東離には伝わっていないだけではないのか、と考える。
妖荼黎が封印された後、殤から託された鍔と柄を護るべく丹翡と結婚し丹家の一員となる。丹翡の厳しい指導の下、丹輝劍訣の習得を目指して修行の日々を送る。
刑亥(ケイガイ / Xíng Hài / シン・ハイ)
声 - 大原さやか
「夜魔の森」に棲む、冥界生まれで死霊術・呪術の使い手。子供の生き肝から若返りの仙薬を作り、理想の生き人形を作るために美男子100人を切り刻んだと噂される邪悪な女性の妖魔。「泣宵(キュウショウ / Qì Xiāo / チーシァオ)」の通り名を持つ。武器は鞭「吊命棘」。
人と世を嫌い、とりわけ凜雪鴉に対して「顔を見ただけで臓腑を炙られるよう」「金輪際関わり合いになるのは御免」など、蛇蝎のごとく嫌っている。しかし、「天刑劍」が関わっていると知るや、掌を返して協力を申し出る。旅の真の目的は魔神・妖荼黎の復活であり、「天刑劍」による封印を蔑天骸に解かせることで悲願を成就し、歓喜する中、祠の崩落に巻き込まれ姿を消す。
殺無生(セツムショウ / Shā Wú Shēng / シャ・ウーション)
声 - 檜山修之
冷酷非情の殺し屋にして無双の剣の達人。「鳴鳳決殺(メイホウケッサツ / Míng Fèng Jué Shā / ミンフォンジュエシャ)」の通り名を持つ。
殺し屋として名を馳せるが暗殺の類を請け負う凶手ではない。剣術を極めてから名門流派に道場破りを行うが強すぎたため金子を積んで他の流派を先に襲うよう頼まれる。やがていずこかの武門に恨みを持つものが献金を募り、一定額に達すると道場破りを行い師範門弟を皆殺しにする道場破り代行業を営む[4]
過去に凜雪鴉に命より重い屈辱を味わわされたために執拗に付け狙う。武器は双剣「鳳啼雙聲」。
凜雪鴉の首を担保に、奪った「迴靈笛」を持って一行に加わる。人を斬る事しか頭にない常軌を逸した殺人鬼ではあるが、逗留している酒楼に自分が居座ったことで客に逃げられた損害分の貸し切り料を払うなど、気前のいい面もある。ただ、巧みに人を扇動したり、利用する点は凜雪鴉と似た者同士。
凜雪鴉の首を取るべく七罪塔に踏み込んだが退路を失くした凜よりも、力量を計り負けると分かった蔑天骸へ勝負を挑み敗死する。

玄鬼宗[編集]

蔑天骸(ベツテンガイ / Miè Tiān Hái / ミエ・ティエンハイ)
声 - 関智一
本作の敵役。七罪塔に拠点を構える「玄鬼宗(ゲンキシュウ / Xuán Guǐ Zōng / シュアングイヅォン)」の頭目。「森羅枯骨(シンラココツ / Sēn Luó Kū Gǔ / センルゥオクーグー)」の通り名を持つ。宝剣魔剣の蒐集家であり、「剣こそは力の証」を信条とする。殺無生すら凌駕する無双の剣術と、死霊を操る法術を扱う。強大な力に裏打ちされた己の価値観を絶対の法と信じて疑わない尊大な性格だが、一方で大変なカリスマ性の持ち主であり、彼の配下は彼のために命を投げ捨てる。
かつては七罪塔の前主である強大な力を持つ魔術師の衛兵だったが、剣の道への執着心と己の覇道を進むために主である魔術師を殺害、魔術師の書庫から法術を学び、七罪塔を拠点にして活動をするに至った。
「天刑劍」を至高の剣と見定め、「鍛劍祠」を襲撃、丹衡を殺害し柄を奪取する。七罪塔に乗り込んできた凜雪鴉の素性を知った上で歓待し、鍔を手に入れるために舌戦を繰り広げる。その最中に乗り込んで来た殺無生と戦い、これを撃破。狩雲霄らとの取引によって「天刑劍」を入手する。刑亥から妖荼黎復活を聞くも、乱世による覇道を望み、世の破滅間際での再会を約束し立ち去ろうとした所で凜雪鴉と対峙、剣を交える。しかし、凜に終始攻撃を完全に受け流され屈辱と怒りを覚える。凜から、覚悟と情熱が結果とはならない理不尽さとそれへの憤りこそが武の本質から遠ざけているものの正体と諭される。それでもなお、自分こそが無双と信じ全身全霊を賭けた奥義を放つが凜雪鴉に届かず、逆に寸止めで殺されずに済まされてしまう。この時になりようやく凛雪鴉の目的が自分に屈辱を与えるためだけに行ったことと気づき、屈辱と絶望に塗れる。最期に凜雪鴉にも絶望を与えようと「天刑劍」を破壊。妖荼黎を封印する術をなくし、驕慢と傲岸の魂を砕かれながらも悔恨の涙ひとつ流すことなく笑いながら果てた。
殘凶(ザンキョウ / Cán Xiōng / ツァン・シォン)
声 - 安元洋貴
蔑天骸の部下。玄鬼宗の幹部格。武器は剣「貪狼刀」。
殤不患と剣を交えるも敗北。自ら首を斬り落とし絶命したが、今際の際に焼き付けた「殤不患」と「掠風竊塵(凜雪鴉)」の名と姿は首と共に蔑天骸に伝わり、玄鬼宗の敵として認知される事となる。普段は片手分の武器しか持たず、敵の武器を奪って使う手癖の悪い男であり[5]、本編では丹翡から奪った翠輝劍を携えていた。
獵魅(リョウミ / Liè Mèi / リエ・メイ)
声 - 戸松遥
蔑天骸の部下。玄鬼宗の幹部格。冷酷非情かつ居丈高な女性。蔑天骸を「宗主様」と呼び従い、彼の寵愛を得るために戦う。武器は鴛鴦鉞。
凜雪たちを待ち伏せし乱戦となるが、殺無生の攻撃を受け蔑天骸を想いながら息絶えた。
凋命(チョウメイ / Diāo Mìng / ディアオ・ミン)
声 - 大川透
蔑天骸の部下。玄鬼宗の幹部格。冷静沈着な男性にして剣の使い手。
蔑天骸の命により殤不患らを追撃していたが、部下は木の枝で立ち回る殤不患に駆逐され、本人も剣技を繰り出すが届かず、一撃で絶命する。

その他[編集]

丹衡(タンコウ / Dān Héng / ダン・ハン)
声 - 平川大輔
丹翡の兄。妹と共に鍛劍祠の守護者「護印師」を代々務めてきた一族の末裔。「天刑劍」の柄を所持している。「丹輝劍訣・飛霞行月」を得意とし、武器は剣「穆輝劍」。
殘凶率いる玄鬼宗の軍勢相手に善戦するも蔑天骸には適わず、身を挺して丹翡を逃がし自ら気を振り絞って結界を張ったことで命尽き、「天刑劍」の柄を奪われる。
廉耆(レンキ / Lián Qí / リエン・チー)
声 - 山路和弘
マジックアイテムの錬成を専門とする魔術師。武道にも精通している[6]
凜雪鴉の盟友にして師の一人だが、師というより必要に応じて依頼をこなす契約者との側面が強い[6]。魔笛「迴靈笛」の作成者であり所有者。凜の持つ魔道具・煙管も廉耆の教えによって造ることができた。凜雪鴉の元に合流しようとしていたところを殺無生によって殺害され「迴靈笛」を奪われる。
妖荼黎(ようじゃれい / Yāo Tú Lí)
声 - 田中敦子
窮暮之戰において人間界に攻め入った魔神たちの一柱。丹輝劍訣を編み出した丹家の開祖が、天刑劍をもってこれを討滅したと伝えられている。
しかし、魔神の前には封印が関の山であり、天刑劍の置かれている鍛劔祠の地下に封じられており、様々な人々の思惑でよみがえってしまうが、殤不患によって時空の彼方に吹き飛ばされ再び封じられた。
ナレーション
声 - 田中敦子

用語[編集]

役魔陣えきまじん
蔑天骸は役魔陣と枯骨という2種の剣術を編み出し、自身のためだけの秘剣を役魔陣とした[7]
枯骨ここつ
蔑天骸が玄鬼宗に伝授する剣技。免許皆伝を授かった者だけが仮面を外すことが許される[7]
武器群
神誨魔械しんかいまかい
窮暮之戰きゅうぼのせんと呼ばれる「魔」と「人」との大戦の折、人知を超えた魔神に対抗するため人類が仙人より知恵を拝借して究極的技術で造り上げた武器群。
今では殆どが時の流れの中に消え去り、たまに世に出てくるモノの殆どは後世に作られた紛い物である。
天刑劍てんぎょうけん
ごく僅かに現存する真物の神誨魔械の中でもひときわ危険な力を秘めた剣。他の神誨魔械が精々魔神を追い払うことに留まったのに対し、唯一天刑劍のみが魔神を討滅したとされる。
柄と鍔を鍵として刀身(本身)を封じ、丹衡が刀の柄を、丹翡が鍔を取り外し保有していた。
実際には魔神・妖荼黎を滅ぼすに至っておらず、鍛劔祠の地中深くに封印することが関の山であった。
最終的に蔑天骸に奪われて、妖荼黎も復活。凛雪鴉によって屈辱と絶望のどん底に叩き落とされた蔑天骸の最期の足掻きによって破壊されてしまった。
須彌天幻・劫荒劍すみてんげん・ごうこうけん
星空の彼方より訪れた剣匠が鍛えたとされる異形の魔剣であり殤不患が封じた36振りの一つ。
これを制御し得るには尋常ならざる氣功の練度が要求され、その特性故、氣功の遣い手である殤不患を以てしても扱い兼ねていた業物であり、蔑天骸に破壊されて失われた天刑劍の代わりとして妖荼黎の封印に用いた。
洪荒禁窮獄こうこうきんきゅうごく
須彌天幻・劫荒劍の固有技にして最終形態。宇宙の彼方、時空の果てへと続く穴を開け、劫荒劍の刃によって傷を負った者のみを引き込み、封印する。一度開いた時空の穴が閉じきるまでには百年ほどかかるとの事。
風土
鬼歿之地きぼつのち
窮暮之戰で呪いをかけられた荒野で、西幽と東離を隔てている。窮暮之戰から二百年、踏破した者はいないとされ、殺無生をして、「(鬼歿之地を越えてきたというくらいなら)冥府の河を遡ってきたとでもいう方がまだ冗談としては笑える」、「(鬼歿之地を歩いて渡るなど)人間業ではない」と言わしめるほど。
魑翼みよく
魔界より持ち込まれ人間界に適応した外来種の猛禽。知能も高く魔術師の使い魔として重用されたが、使役を行うには風笛を必要であるのと思念にも配慮を要する。
その他
念白ねんぱく
布袋劇では重要な登場人物が舞台に現れた際、口白師(講談師のような人)が、その人物固有の詩吟を唄う(詳しくは布袋劇#出場詩を参照)。本作では声優が人形に声を当てているが、この念白に関しては布袋劇のテイストを視聴者に体感してほしいというスタッフの意向により、本場の口白師が台湾語で唄っている[8]
各人物の念白は公式サイト>「Keyword」に日本語訳と共に記載されているので、そちらを参照。

スタッフ[編集]

  • 原作・制作 - Thunderbolt Fantasy Project
  • 原案・脚本・総監修 - 虚淵玄
  • 操演・撮影 - 霹靂國際多媒體股份有限公司
  • キャラクターデザイン - ニトロプラス(三杜シノヴ、源覚、Niθ中央東口
  • 武器デザイン - 霹靂國際多媒體股份有限公司、石渡マコト
  • 造形アドバイザー - グッドスマイルカンパニー
  • 音楽 - 澤野弘之
  • 音楽プロデューサー - 堀口泰史
  • 音楽制作 - アニプレックス
  • 美術監督 - 林芷蔚
  • 音響監督 - 岩浪美和
  • エグゼクティブプロデューサー - 黄亮勛、でじたろう安藝貴範
  • プロデューサー - 陳義方、西本有里、北岡功、中原広絵、山田香穂
  • 日本語版制作プロデューサー - 里見哲朗
  • アートディレクター - 宇佐義大
  • アソシエイトプロデューサー - 宇佐義大、沢野麻由美
  • 助監督 - 鄭保品
  • 監督 - 王嘉祥
  • 総監督 - 黄強華
  • 製作 - 霹靂國際多媒體股份有限公司、ニトロプラス、グッドスマイルカンパニー

主題歌[編集]

RAIMEI
作詞 - 井上秋緒 / 作曲 - 浅倉大介 / 歌 - T.M.Revolution

各話リスト[編集]

話数 サブタイトル
第一話 雨傘の義理
第二話 襲来!玄鬼宗
第三話 夜魔の森の女
第四話 迴靈笛かいれいてきのゆくえ
第五話 剣鬼、殺無生
第六話 七人同舟
第七話 魔脊山ませきさん
第八話 掠風竊塵りょうふうせつじん
第九話 剣の神髄
第十話 盗賊の矜恃
第十一話 誇り高き命
第十二話 切れざる刃
最終話 新たなる使命

放送局・配信[編集]

日本国内 テレビ / 放送期間および放送時間[9]
放送期間 放送時間 放送局 対象地域 [10] 備考
2016年7月8日 - 9月30日 金曜 23:00 - 23:30 TOKYO MX 東京都
金曜 23:30 -土曜 0:00 BS11 日本全域 BS放送/『ANIME+』枠
2016年7月9日 - 10月1日 土曜 0:00 - 0:30(金曜深夜) AT-X 日本全域 CS放送/リピート放送あり

※ 各局とも、放送前週には特別番組を放送。

書誌情報[編集]

講談社の週刊コミック誌「モーニング」にて連載、漫画版「Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀」佐久間結衣、原案:虚淵玄。

外伝小説「Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀 外伝」。

備考[編集]

  • エイプリルフールでの企画ではあるが2017年4月1日に、『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』と『刀剣乱舞』のコラボ映像が公開。凜雪鴉(声 - 鳥海浩輔)と三日月宗近(声 - 鳥海浩輔)が共演している。

脚注[編集]

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  1. ^ a b 「Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀」、『宇宙船』vol.153(SUMMER 2016.夏)、ホビージャパン2016年7月1日、 pp.94-95、 ISBN 978-4-7986-1261-4
  2. ^ 虚淵玄の挑戦「Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀」ステージでは声優アフレコも- アニメ!アニメ!(株式会社イード)” (2016年3月27日). 2016年6月3日閲覧。
  3. ^ キャラクターデザイン画集, p. 11.
  4. ^ キャラクターデザイン画集, p. 15.
  5. ^ キャラクターデザイン画集, p. 23.
  6. ^ a b キャラクターデザイン画集, p. 19.
  7. ^ a b キャラクターデザイン画集, p. 27.
  8. ^ 『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』虚淵玄氏(ニトロプラス)が衝撃を受けた布袋劇のすごみとは? 放送開始記念ロングインタビュー”. ファミ通.com (2016年7月7日). 2015年7月13日閲覧。
  9. ^ Introduction プロジェクト概要”. 『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』公式サイト. 2016年6月3日閲覧。
  10. ^ テレビ放送対象地域の出典: 放送分野の動向及び規制・制度(資料2)”. 政府規制等と競争政策に関する研究会通信・放送の融合の進展下における放送分野の競争政策の在り方. 公正取引委員会. p. 2 (2009年10月9日). 2016年8月12日閲覧。 基幹放送普及計画”. 郵政省告示第六百六十号 (1988年10月1日). 2016年8月12日閲覧。 地デジ放送局情報”. 一般社団法人デジタル放送推進協会. 2016年8月12日閲覧。

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]