THE WINDS OF GOD

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THE WINDS OF GOD
作者 今井雅之
日本
言語 日本語
ジャンル 戯曲
初演 1988年 池袋パモス青芸館
受賞 平成3年度(第46回)文化庁芸術祭賞 演劇部門
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THE WINDS OF GOD』(ザ・ウインズ・オブ・ゴッド)は、神風特別攻撃隊をテーマとした今井雅之作の戯曲。1988年より国内外で上演され、1995年に小説化ならびに最初の映画化が行われた。2005年にはテレビドラマ化、2006年には全編英語で再び映画化されている。そして21周年目の2009年に今井雅之演出、オール新キャスト版が調布市せんがわ劇場にて上演された。

あらすじ[編集]

売れないお笑い芸人の誠と金太は、ある日交通事故に遭う。気がついたときには第二次世界大戦終戦間際の神風特攻隊基地へとタイムスリップしており、2人の体は岸田・福本という特攻隊隊員と入れ替わっていた…。

舞台劇[編集]

上演記録[編集]

1988年(初演)
  • THE WINDS OF GODの前身である「リーインカーネーション」が、パモス青芸館にて上演。
1991年
1992年
1993年
1995年
1996年
  • 12月に関西と九州地方でツアー公演。
1997年
1998年
1999年
2000年
  • 5 - 11月に「2000 JAPAN TOUR」として全国17カ所で36公演が上演。
袋金太 / 福本貴士海軍少尉:宮川大輔
  • 9月にハワイのMamiya Theaterで上演。
2001年
  • 5月にロンドンのThe Drill Hall Theaterで上演。
  • 6 - 9月に「2001 JAPAN TOUR」として全国23カ所で58公演が上演。
2002年
2005年
  • 7 - 10月に「2005 JAPAN TOUR」として全国34カ所で51公演が上演。
2006年
  • 8 - 11月に「2006 JAPAN TOUR」として全国28カ所で43公演が上演。
2008年
  • 8 - 11月に「2008 JAPAN TOUR」として全国20カ所で40公演が上演。
2011年
  • 11 - 12月に「がんばれ日本 2011 JAPAN TOUR」として全国12カ所で20公演が上演。
袋金太 / 福本貴士海軍少尉:陣内智則
2012年
  • 10 - 1月に「2012 JAPAN TOUR」として全国11カ所で21公演が上演。
袋金太 / 福本貴士海軍少尉:なだぎ武ザ・プラン9
2013年
  • 11月に「2013 JAPAN TOUR」として全国5カ所で8公演が上演。
袋金太 / 福本貴士海軍少尉:井戸田潤スピードワゴン
2015年
  • 5月に新国立劇場ほか全国16か所で、今井のファイナル公演として上演予定だった[1]
  • 4月21日、今井の大腸がんによる舞台降板が発表される。代役は重松隆志が務め、全国ツアーのうち3公演は公演中止となった[2]。その後、翌月28日に今井の訃報が正式に公表された。

登場人物[編集]

  • 田代誠 / 岸田守中尉
主人公。「キンタマーチャンズ」という少々危ない名前のお笑いコンビのツッコミ担当で「お笑い名人大賞」を獲る事を夢見ており、相方の袋金太と一緒にストリップ劇場で幕間に漫才をやっていた。コンビで大阪から上京して3年たつが未だに芽が出ていない。
コンビの力関係では彼の方が圧倒的に上で、弟分の金太を引っ張る。
彼の前世は、帝国海軍の神風特別攻撃隊員の岸田守。
  • 袋金太 / 福本貴士少尉
キンタマーチャンズのボケ担当。相方である誠のことを「アニキ」と呼び慕っている。
漢字の読み書きもまともにできないほど頭が悪く、喋りも舌足らず。彼が漫才のセリフを忘れて言葉を詰まらせてしまったため、コンビは劇場をクビになった。その後気晴らしに2人でナンパに出かけ、そこで事故に遭う。
彼の前世は、岸田と同じ特攻隊員の福本貴士。
  • 神父
誠が駅のホームで出会った老いた神父。聖書を手に持ちキリスト教の神父を名乗るが、誠には輪廻転生を説く。
誠とは前世からの因縁がある。
  • 妊婦
誠が駅のホームで出会った若い妊婦。福本少尉の婚約者・千穂と生き写しである。
  • 寺川隆二中尉
岸田らと同じ部隊に所属する特攻隊員で、岸田とは海軍の同期。
父親と因縁を持ったまま海軍に入り、以後全く会わなくなったことを心残りにしている。
  • 松島聖少尉
同じく特攻隊員。クリスチャンで、聖書を大事に持っている。
敵国の宗教を信じているということで、特に分隊長からはそのことについて厳しい態度を取られる。
  • 山本勉少尉
同じく特攻隊員。東京帝国大学の学生だったが、学徒出陣で海軍に入る。
学生時代は輪廻転生を研究しており、出撃の直前まで研究を続ける。
  • 山田貴文分隊長
岸田らの分隊を指揮する分隊長。隊員らを厳しく指導する。
  • 宮下千穂
福本少尉の婚約者。

劇中で使用される楽曲[編集]

劇の終わりで使用される。
分隊の訓練 - 山本少尉出撃の場面で使用される。
2009年版舞台の終わりで使用される。

CMで使用された楽曲[編集]

劇の特徴[編集]

舞台のセットは木製の椅子と机を用いた簡素なもの。これを組み合わせることで分隊詰所や駅のホーム、戦闘機内部などを表現する。小道具としてこれに自転車、骨壷、位牌、軍刀などが加わる。

劇の前半はキンタマーチャンズの漫才や、金太とアニキの漫才のような掛け合いが多くあるが、その中には上演をするご当地のネタや時事ネタを多数盛り込む。例えば2人がナンパをするために自転車で出かけようとする場面では、福岡公演では「中洲に行く」、札幌公演では「大通に行く」などと言う。アドリブも多く、上演回によっては遅れてきた観客を場内に入れるあたりでフリートークを始めたり、今井らが客席に下りて席まで誘導するといったこともある。

評価[編集]

NHK教育テレビで劇の模様が放送された際、放送された今井雅之のインタビューでは、この作品を上演し始めた当初は、「右翼」「戦争賛美」といった非難を受けたことを述べている。現在では、声高に反戦を主張するものではないが、戦争の悲惨さを感じさせ、また人の生き方について考えさせられる作品として評価されることが多い。

小説[編集]

ウインズ・オブ・ゴッド―零のかなたへ
著者 今井雅之
発行日 1995年6月
発行元 角川書店
ジャンル 小説
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 上製本
ページ数 248
コード ISBN 978-4048728768
ISBN 978-4043579013文庫本
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1995年に『ウインズ・オブ・ゴッド―零のかなたへ』と題して角川書店より小説化、2001年には『THE WINDS OF GOD―零のかなたへ』と題して角川文庫より文庫化された。

映画[編集]

WINDS OF GOD (1995年版)[編集]

最初の映画化作品は『WINDS OF GOD』というタイトルで、1995年6月3日に公開。松竹配給。奈良橋陽子監督作品。内容としては、舞台版に比較的忠実である。

製作経緯[編集]

「THE WINDS OF GOD」は最初は映画として企画された[3]。最初に今井雅之からストーリーを聞いた奈良橋陽子は「すごく面白い」と思い、いくつかの場面を稽古し「これは国際的な映画になる」と直感した[3]。すぐに松竹の奥山和由に企画書を提出したが、なかなかゴーサインが出ず、それならばと先に舞台作品として世に出た[3]

最初に映画が製作されかけたのは1989年[4][5]1987年に奥山和由が製作した『ハチ公物語』で、岡田茂東映社長に世話になったことから[4][6]、奥山が「岡田社長の元で映画をプロデュースして恩返ししたい」と東映の岡田に本作の映画化を持ち込んだ[4][5]。この時のタイトルは『KAMIKAZE』で[4][5]、製作は五味武が社長を務めるGMプロモーションと伊藤萬の共同製作[5]。製作総指揮は五味、企画が奥山和由、脚本・今井雅之、監督・奈良橋陽子、主演は今井雅之と本木雅弘[4][5]、配給は松竹洋画系[5]1989年9月にクランクイン、1990年春公開と具体的なところまで進んでいたが[4][5]、映画化されず。

1992年にローバジェット作品として松竹での製作が決定し[3]、同年8月クランクイン[3]静岡県下田市近郊で1ヵ月ロケ[3]。舞台で看護婦役だった藤田朋子が「どんな小さい役でもいいから出して欲しい」と訴え、テレビの仕事の後、ロケ地へ遊びに来て、そのまま2ショット出演した[3]。9月のニューヨーク公演の後、テキサスで空中シーンの撮影を終え、映画はここで完成した[3]1993年ゆうばり国際ファンタスティック映画祭で上映され、審査員特別賞を受賞したが一般公開はならず、お蔵入りした[3][7][8]

配給経緯[編集]

1995年が戦後50年にあたることから、邦画メジャー3社で戦争映画大作を競作しようと準備を始め[9][10]、東映が『きけ、わだつみの声 Last Friends』、東宝が『ひめゆりの塔』の戦争大作の製作を早くに決め、会社の意地を見せ万全の体勢を敷いた[9]。しかし松竹はこれに乗らず[8]。このため東映と東宝の二社で『戦後50年記念共同プロジェクト』を実施し、二作品の予告編を反対の劇場で流す、二作品の予告編を一緒にしてお互いの劇場で流すなどという史上初の試みを行うなどで盛り上げた[7][11]。松竹はこの二社の盛り上がりに便乗し、二年前にお蔵入りさせた『WINDS OF GOD』をこの年公開した[7][8]。 

キャスト[編集]

THE WINDS OF GOD -KAMIKAZE- (2006年版)[編集]

ロケ地の一つ・布計小学校跡(鹿児島県伊佐市)

THE WINDS OF GOD -KAMIKAZE-』というタイトルで2006年8月26日に公開。国際映画として上映するため、現代を演じる場面の舞台はアメリカへと変更され、タイムスリップする人間もニューヨーク在住のアメリカ人コメディアンという設定になっている。

キャスト[編集]

マイクはドイツ系白人。
キンタは日米ハーフ。

テレビドラマ[編集]

朝日放送(ABCテレビ)とThe iconの制作により、脚本を一部改訂して、『零のかなたへ〜THE WINDS OF GOD〜』というタイトルにて、2005年9月10日の21時00分 - 22時51分にテレビ朝日系列で放映された。撮影に当たっては零戦のレプリカを2機製作しており(製作費は1機あたり600万円)、戦闘シーンにはCG合成を駆使し、同局で放送されていたバラエティ番組『笑いの金メダル』メンバーであるくりぃむしちゅーヒロシが出演していることも話題になった。

平成17年度文化庁芸術祭テレビ部門優秀賞受賞作品。

キャスト[編集]

お笑いコンビ「てんこ盛り」のツッコミ役。芸名は大森。
前世の人間と体が入れ替わり、タイムスリップ後は岸田という海軍中尉になる。
舞台劇版でのコンビ名が放送禁止用語に引っかかるものであったためドラマ版では変更されている。
  • 袋金太 / 福本貴志海軍少尉森田剛V6
お笑いコンビ「てんこ盛り」のボケ役。芸名は小森。誠のことを「アニキ」と慕う。
前世の人間と体が入れ替わり、タイムスリップ後は金太の伯父に当たる海軍少尉・福本となる。
ドラマ版オリジナルの登場人物。
共に本人役で登場。てんこ盛りの2人が見ている舞台でネタを披露していた。
美咲はドラマ版オリジナルの登場人物で金太の幼馴染みの短大生(舞台劇版で誠が出会う妊婦に相当するキャラクター)、千穂は福本少尉の婚約者。ドラマ版では、誠と金太は帰阪する彼女を見送りに行く途中で事故に遭ったという設定になっている。
  • 福本貴子:小山希来々
福本少尉の妹で後に金太の母親になる人物でもあり、彼女の持つがま口財布は物語のキーアイテムである。なお舞台劇版では名前と写真のみでの登場だった。

ほか

スタッフ[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ 今井雅之 病気で20キロ減も舞台に熱”. デイリースポーツ (2015年2月23日). 2015年4月23日閲覧。
  2. ^ 今井雅之、大腸がん告白 5月からの主演舞台降板”. 日刊スポーツ (2015年4月21日). 2015年4月23日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i 小藤田千栄子「インタビュー奈良橋陽子 映画『ウィンズ・オブ・ゴッド』が出来るまで」、『キネマ旬報』、キネマ旬報社、1995年11月上旬号、 74-75頁。
  4. ^ a b c d e f 脇田巧彦・川端靖男・斎藤明・黒井和男「映画トピックジャーナル 松竹富士の奥山和由プロデューサーが東映作品を製作。そこに至るまでの経緯、そしてその背景には。」、『キネマ旬報』、キネマ旬報社、1989年7月下旬号、 156-157頁。
  5. ^ a b c d e f g 文化通信社編 『映画界のドン 岡田茂の活動屋人生』 ヤマハミュージックメディア2012年、243-244頁。ISBN 978-4-636-88519-4
  6. ^ 田中千世子「特集(2)『ハチ公物語』 評論&製作者インタビュー」、『キネマ旬報』、キネマ旬報社、1987年8月上旬号、 49頁。脇田巧彦・川端靖男・斎藤明・黒井和男「映画トピックジャーナルワイド版 特別ゲスト・奥山融氏」、『キネマ旬報』、キネマ旬報社、1987年10月上旬号、 76-77頁。面澤淳一「現代日本人からのメッセージ 奥山和由インタビュー」、『実業の日本』、実業之日本社、1993年2月号、 50-51頁。大高宏雄 『日本映画逆転のシナリオ』 WAVE出版2000年、33-34頁。ISBN 4-87290-073-1
  7. ^ a b c 脇田巧彦・川端靖男・斎藤明・黒井和男「映画トピックジャーナル 東映と東宝が『戦後50年記念共同プロジェクト』を実施」、『キネマ旬報』、キネマ旬報社、1995年5月上旬号、 150-151頁。
  8. ^ a b c 脇田巧彦・川端靖男・斎藤明・黒井和男『キネマ旬報』、キネマ旬報社、1995年7月下旬号、 154-155頁。
  9. ^ a b 大高宏雄「映画戦線異状なし 戦争と"戦い得た"企画であったのか」、『キネマ旬報』、キネマ旬報社、1995年7月下旬号、 158-159頁。
  10. ^ 竹入栄二郎「映画街 興行短信 不良感度と生真面目」、『キネマ旬報』、キネマ旬報社、1995年7月下旬号、 156頁。
  11. ^ 脇田巧彦・川端靖男・斎藤明・黒井和男「映画トピックジャーナル」、『キネマ旬報』、キネマ旬報社、1995年8月下旬号、 185頁。

外部リンク[編集]