T92軽戦車

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T92 試作軽戦車
T92.jpg
性能諸元
全長 6.287 m
車体長 4.82 m
全幅 3.149 m
全高 2.263 m(最低地上高=0.43 m)
重量
  • 15.061 t(空虚重量)
  • 16.856 t(戦闘重量)
懸架方式 トーシラスティック方式[注釈 1]
前輪駆動
速度 56 km/h
行動距離 340 km
燃料搭載量=567.82 リットル
主砲 T185E1 60口径 76.2mmライフル砲× 1(弾薬60発)
副武装 M2 12.7mm重機関銃×1(弾薬500発)
M37(M1919) 7.62mm機関銃×2(弾薬3,000発)
装甲
  • 砲塔=32-13 mm
  • 車体=25-10 mm
エンジン

コンチネンタル AOI628-1 水平対向8気筒空冷ガソリンエンジン
280 馬力(3,200 回転/分)※NET値
(出力重量比=18.6 hp/t(16.62 hp/t(戦闘重量)

乗員 4名(車長、砲手、砲手補佐(装弾手)、操縦手)
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T92軽戦車(T92 Light Tank/76mm Gun Tank T92)は、アメリカ合衆国の開発した試作軽戦車である。

概要[編集]

M41軽戦車の後継として開発された軽戦車で、C-130輸送機による空輸が可能なものとして設計されており、空中投下が可能な「空挺戦車」として運用することも計画されていた。

フロントエンジン、フロントドライブの駆動方式にトーシラスティック式サスペンション[注釈 1]とし、車体後面に大型のハッチを備えた車体に、半自動装填・自動排莢装置付きの76mm砲をクレフト式[注釈 2]に装備し、指揮官(車長)と砲手用に独立した銃塔を備える低姿勢型の砲塔を搭載した、新機軸を大胆に採用した新型戦車として開発された。

ターレットリング(砲塔搭載部)は2260.6mmという大直径とされており、過去に開発された軽戦車シリーズであるM24、M41の両戦車と同様、砲塔を変更し車体を共用した自走砲型他の各種の派生型を開発することも視野に入れた設計であった。

1953年に開発計画が開始され、1956年に最初の、翌年には2両目の試作車が完成して1956年11月より試験が開始されたが、各種の新機構に問題が多発したことと、偵察任務に用いる車両としては水上航行能力のないことが問題視され、不具合の解消には多大な予算と期間を必要とすること、また水上航行能力と空輸/空挺投下能力を両立させることが困難とされたことから開発は中止され、改めて別の空挺投下可能な軽戦車が開発・設計されることとなり[注釈 3]1959年には本車の開発計画は中止され、試作のみに終わった。

製作された試作車両は現在でもメリーランド州アバディーンアメリカ陸軍兵器博物館(アバディーン戦車博物館)にて保管・展示されている。

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ a b トレーリングアームに接続するバネではなく合成樹脂を用いた捻り棒ばね利用懸架装置の一種。"トーシラスティック(Torsilastic)"とはアメリカのグッドリッチ社(Goodrich Corporation)の開発した合成ゴム製品で、同社の登録商標である
  2. ^ クレフト(cleft.英語で「裂け目」の意)式とは、砲塔のうち砲尾装填部を収めた中央の砲郭部のみが上下に稼動する砲塔形状のことで、「揺動式砲塔」(ようどうしき-ほうとう:砲ではなく砲塔自体が上下動することにより砲の俯角を取る方式)の形式の一つである。
  3. ^ これを受けて発足したものがAR/AAV(Armored Reconnaissance/Airborne Assault Vehicle:装甲偵察/空挺突撃車両)計画であり、その結果開発されたものがM551シェリダン空挺戦車である。

出典[編集]

参照元[編集]

関連項目[編集]