SPECTRUM BRASSBAND CLUB

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SPECTRUM BRASSBAND CLUB
スペクトラムスタジオ・アルバム
リリース
ジャンル J-POP
時間
レーベル ビクター音楽産業
プロデュース 大里洋吉・スペクトラム
スペクトラム アルバム 年表
スペクトラム BEST '81
(1981年)
スペクトラム5 SPECTRUM BRASSBAND CLUB
(1981年)
スペクトラム6 SPECTRUM FINAL
(1981年)
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スペクトラム5 SPECTRUM BRASSBAND CLUB』(スペクトラムファイブ スペクトラム・ブラスバンド・クラブ)は、1981年9月5日ビクター音楽産業から発売されたスペクトラム5作目のオリジナル・アルバム1991年2月21日CD化[1]

概要[編集]

他のアルバムとは全く異質、吹奏楽部を全面的にフィーチャーしたバラエティ系企画アルバム。解散決定後のファンクラブ・ミーティングにおいて、新田自身「これが(ライブ以外での)最後のアルバムになるとは思わなかった」と述べている。

ほぼ同時期に制作された4作目『SECOND NAVIGATION』はリズム隊が中心になり制作されたが、本作はホーン隊が中心になって制作されたため、ホーン隊(兼崎・吉田)を除くメンバーは演奏以外ほとんど参加していない。新田は、(すでに解散が決まっていて)全員が前向きに同じ方向を見つめて作ることが出来ないことから、ファンに向けたスペクトラムらしい笑顔のお別れメッセージとして制作しようと考え、新田いわく「思っいきりふざけました(原文ママ)」。バラエティ色を全面に出した作品になった[2]。そのため、曲の冒頭にメンバー自身が様々な役を演じる寸劇が挿入されたり、曲自体が冗談のようなものもあり、また様々なジャンルの曲をパロディにした楽曲で構成されている。

収録曲[編集]

A面
#タイトル作詞作曲編曲時間
1.「ブラスバンド・クラブのテーマ」兼崎順一兼崎順一兼崎順一
2.「I Love P.T.A.」綾狩一郎新田一郎新田一郎
3.「たじろぎの英語教師(グラマー・ティーチャー)」綾狩一郎兼崎順一兼崎順一
4.「理科室のメロディ」-兼崎順一兼崎順一
5.「小さく前へならえ」兼崎順一兼崎順一兼崎順一
6.「青春とはなんなんだ!」綾狩一郎新田一郎新田一郎
7.「エレガント・レディ(うたたねの境地)」-吉田俊之吉田俊之
8.「ファンキー身体検査」新田一郎、綾狩一郎新田一郎新田一郎
9.「恋の給食タイム」新田一郎新田一郎新田一郎
10.「先生のひとり言」兼崎順一兼崎順一兼崎順一
合計時間:
B面
#タイトル作詞作曲編曲時間
11.「ガンバレ応援団」綾狩一郎新田一郎新田一郎
12.「正調もんぎり節(男女交際篇)」新田一郎新田一郎新田一郎
13.「おちゃめな校長先生」兼崎順一兼崎順一兼崎順一
14.「先生がママにキスをした」綾狩一郎奥慶一奥慶一
15.「遠足ロックン・ロール」綾狩一郎新田一郎新田一郎
16.「もういくつ寝ると18才未満(伊勢佐木町ブルース)」川内康範鈴木庸一新田一郎
17.「コンクールが近いよ」綾狩一郎新田一郎新田一郎
18.「マイ・フレンズ」綾狩一郎新田一郎新田一郎
19.「イン・ザ・スペース」-スペクトラムスペクトラム
20.「1920、アミューズ・カンパニー」-スペクトラムスペクトラム
合計時間:

曲解説[編集]

  1. ブラスバンド・クラブのテーマ
    アルバムのコンセプトを伝える曲。
  2. I Love P.T.A.
    従来のスペクトラムらしいブラス・ロック。タイトルとは裏腹に歌詞の内容はPTAへの痛烈な皮肉である。西城秀樹の「YOUNG MAN (Y.M.C.A.)」のパロディ。
  3. たじろぎの英語教師(グラマー・ティーチャー)
  4. 理科室のメロディ
    楽曲はフランス映画「死刑台のエレベーター」の主題歌のパロディである。
  5. 小さく前へならえ
    グスターヴ・ホルスト「吹奏楽のための第一組曲 第三楽章」のパロディ。
  6. 青春とはなんなんだ!
    一見真面目路線の青春讃歌だが、タイトル、内容とも1965年制作のTVドラマ『青春とはなんだ』を代表とする青春ドラマのパロディである。
  7. エレガント・レディ(うたたねの境地)
  8. ファンキー身体検査
  9. 恋の給食タイム
    給食の時間に流れる校内放送というコンセプト。新田が演じる「新人歌手・松戸聖子」の歌のはずなのだが、冒頭のアナウンスで歌唱者をスペクトラムと紹介しており、冒頭からいきなり設定を無視している(CDでは“今日の放送はスペクトラム”と紹介されている)曲の最後にさくまあきら演じるディレクターと聖子の会話が収録されているが、聖子の「何も考えていない」返答が笑いどころ。
  10. 先生のひとり言
  11. ガンバレ応援団
    メイナード・ファーガソンの「Gonna Fly Now」のパロディ。
  12. 正調もんぎり節(男女交際篇)
    新田演じる「カサブタ評論家・梅村健一」が自分の好きな歌を聞かせるというコンセプトの曲。梅村健一は竹村健一のパロディであり、口癖の「だいたいやね」を連呼する。聞き手役は山田邦子が担当。息の合った掛け合いを見せる。
  13. おちゃめな校長先生
  14. 先生がママにキスをした
  15. 遠足ロックン・ロール
  16. もういくつ寝ると18才未満(伊勢佐木町ブルース)
    青江三奈の大ヒット曲のカバーだが、実際は少しエロティックなコントとなっている。
  17. コンクールが近いよ
    クイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」のパロディ。
    詞はリーダー新田からファンへのラストメッセージとなっている。
  18. マイ・フレンズ
    ロッド・スチュワートの「セイリング」のパロディ。
  19. イン・ザ・スペース
    ブラスバンドバージョンを収録。
  20. 1920、アミューズ・カンパニー
    アルバム『SPECTRUM』の冒頭に収録された、SEとアナウンスが被せられたものを抜粋。そのまま『SPECTRUM』と同様に「アクト・ショー」のイントロが流れるが、その直後に最後のオチが付いてアルバムは終了となる。

スタッフ[編集]

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ スペクトラム/スペクトラム・ブラスバンド・クラブ SPETCRUM5”. tower.jp. 2023年6月1日閲覧。
  2. ^ 『SPECTRUM BRASSBAND CLUB(タワーレコード限定リマスター盤)』(2013年、ビクター)ライナーノーツより。