SIREN2

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SIREN2
ジャンル アクション・アドベンチャー
ホラー
ステルス
対応機種 PlayStation 2
開発元 ソニー・コンピュータエンタテインメント
発売元 ソニー・コンピュータエンタテインメント
人数 1人
メディア DVD-ROM1枚
発売日 日本の旗 2006年2月9日
香港の旗 台湾の旗 2006年3月9日
オーストラリアの旗 ニュージーランドの旗 2006年7月7日
欧州連合の旗 2006年8月4日
対象年齢 CEROC(15才以上対象)
USK: 16+
PEGI: 16+
OFLC: MA15+
その他 堤監督による映画と同時公開
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SIREN2』(サイレン ツー)は、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEI)が開発したホラーゲームの『SIREN』の続編である。

日本近海の孤島・夜見島(やみじま)を舞台にした3Dアクションホラーゲーム。前作『SIREN』から約2年後の世界が舞台となる。基本的なゲーム性や「視界ジャック」などのシステムは本作にも引き継がれているほか、新たな敵やアクションなども追加されている(詳細は後述)。

また、ゲーム発売に伴い、映画『サイレン 〜FORBIDDEN SIREN〜』(以下、映画版)の公開や、漫画『サイレン 〜ETERNAL SIREN〜』(以下、漫画版)の短期集中連載などのメディア展開も行われた。いずれの作品も基本的な設定や世界観は本作のものをベースにしているものの、具体的な物語の内容は作品によって異なる。各作品の舞台となる場所も、本作が夜島であることに対し、映画版は夜島、漫画版は夜島と、それぞれ違う名前が設定されている。

前作との違い[編集]

  • 新たな敵「屍霊」「闇霊」「闇人」の登場。
  • 屍人が前作と同様に登場するが存在する成り立ちが異なる。
  • 視界ジャック(幻視)のバリエーション増加(幻視しながらの移動(三上)、過去の出来事を見取る過去視(喜代田)、幻視中の敵を操る感応視(郁子))。
  • 十字ボタン上下での客観ビュー、主観ビューの視点固定切り替え(前作では不可能だった主観ビューのみでの攻略が可能)。
  • シームレスなリストメニューの表示(移動しながらリストメニューを表示できる)。
  • リストメニューから武器の切り替えが一瞬で可能(これにより所持できる武器は2つだけとなった)。
  • 鍵を開けるなどリストメニューで行っていた行動のほとんどが、○ボタンのみでおこせるようになっている。
  • しゃがんだ状態からの走り移動。
  • 武器の種類増加(自動拳銃機関拳銃自動小銃など、前作と比較すると強力な銃火器が登場。また、鈍器の種類も大幅に増加している)。
  • 武器を持たない状態でも攻撃できる(ただし、敵を倒せるのは永井・三沢・阿部のみで、他の人物は両腕で突き飛ばすだけとなっている)。
  • 銃を構えてから×ボタンを押す事で銃床や銃把による打撃が可能。
  • 狙撃銃を構えてから十字ボタン上下で狙撃モードと通常モードの切り替えが可能。但し、狙撃銃を使用出来るのは男性キャラのみで、一般人の一樹・阿部では照準のブレや反動が大きい(三上・藤田は拾う機会が無い)。
  • 一部を除き、敵は倒されると武器を落とす。また、攻撃を受けて落とす事もある。逆にプレイヤーも攻撃を受けて武器を落とす事がある。落とした武器は拾って使用できるが、敵も武器無所持状態では落ちている武器を拾う為、強力な銃器を拾われてしまうと思わぬ強敵を生む事も。
  • 武器は2つまで同時に所持できる。武器を2つ持っている状態で武器を拾うと、装備中の武器をその場に捨てる。
  • 同行者も戦闘に参加し、武器無所持の場合は落ちている武器を拾う(拾えない武器もあり)。同行者は敵同様に銃弾を無限に持ち、どんな銃でも無制限にリロードできる。
  • プレイヤーの攻撃が同行者にも当たるのは前作同様だが、今回は一定回数攻撃を当ててしまうと反撃してくる。この状態はプレイヤーが同行者の攻撃を一撃受けるまで続く。
  • 一部を除き敵味方共に、段差の上で攻撃を受けるとそのまま落下してダメージを受ける。落下のダメージは段差の高さに比例し、一部には落ちると即死する箇所もある(自ら飛び降りた場合でも、着地失敗するほどの高さの場合はダメージを受けるが、転落した場合はよりダメージが大きい)。
  • 発煙筒、狩猟罠、ナットなど、その場で選択して使えるアイテムの所持(特定の人物のみ)。
  • 敵味方共に部位によってダメージが変化する。頭部に攻撃されると三倍にまでダメージが増えて大きく仰け反る。手足を攻撃しても半分のダメージしか通らないが、手を攻撃されると武器を落とす事がある。
  • 自動車を操作するシナリオの登場。敵を轢いて倒したり、ライトを当てる事が出来る他、高所に上る足場にもなる。但し、車内でも銃撃は防げず、またスピードが一定以下の状態で敵に接近されると引きずり出されてしまう。物や敵に何度もぶつかると凹みや擦り傷、血痕がついていき、フロントガラスもヒビが入るが、走行不能になる事は無い。
  • オプション設定の追加(ヒントのON/OFF、字幕のON/OFF、左右方向の首振りの調節など)。
  • 終了条件が選択制となった(前作ではゲーム内の行動で変化)。
  • トライアル(前作のタイムアタック)に特定の条件で取れる称号がつき、やりこみ要素が増えた。
  • 時間のループを扱っていた前作に対し、今回の終了条件はそれぞれが平行世界として扱われる。全てのシナリオの終了条件2を経た歴史の果てが本作のエンディングであり、各シナリオの終了条件1はそこから分岐したパラレルワールドとなっている(シナリオによっては両方の終了条件の展開を包括している場合もある)。
  • 前作は怪異発生からの三日間を描いていたが、本作は主人公達が異界に取り込まれる数時間前から始まり、その後の丸一日の物語となっている。その為、リンクナビゲーターも「○日目」の表記は無く、異界に取り込まれた時点を0:00として時刻の前に±が表示される形式となっている。

難易度とヒントの増加[編集]

前作に比べヒントが増加し、難易度の選択が可能となっている。

  • 難易度をEASY・NORMAL・HARDの3種類から選択可能(初回開始時HARDは選択出来ないが、クリアすることで選択可能になる。また、メモリーカードに前作のクリアデータが保存されていれば、初回からHARDが表示され選択が可能)。
  • 序盤シナリオのチュートリアル表示。
  • 他シナリオの開放に必要な「必要行動」の取得方法をマップ画面上に表示。
  • 終了条件に繋がる小目標の増加と確認。
  • シナリオ開始前のヒント表示(ON/OFF可、OFF時でもスタートメニューから確認可能)。
  • マップ上の現在地表示(ON/OFF可)。
  • 敵接近時のアラートとコントローラーの振動(ON/OFF可)。

これらをオプション画面から変更すれば前作と同様のシステムでプレイが可能となる。

キャッチコピー[編集]

  • 逃げ場なんて、ないよ。(ゲーム)
  • 暗いところにかくれていれば、助かるとでも思ってたのかい?(雑誌)
  • 絶望のサイレンが、再び鳴り響く(チラシ)

あらすじ[編集]

日本近海に位置する離島、夜見島は、独自の因習を守る閉鎖的な島だったが、時代の趨勢に伴い建造物、移住者の増加など、急速な発展を遂げていった。

1976年(昭和56年)8月3日。午前0時、原因不明の海底ケーブル切断による大停電、全島民失踪事件が発生する。それによって島は一夜にして無人島となった。

事件から29年後の、2005年(昭和80年)。島に伝わる因習を調べに来た雑誌編集者や、輸送ヘリコプターのエンジントラブルで島に不時着した自衛官達、ある“少女”への想いから島に足を踏み入れた作家などが夜見島に集う。

8月3日午前0時、突如不気味なサイレンが島に響き渡った。消えた人々が未知の存在・屍人、そして闇人へとすり替わる。過去と今が交錯し、残された人々の生き残りを賭けた絶望的な戦いが始まる。

登場人物[編集]

登場人物の外見はすべて演者の外見をモデルに作成されている。

操作キャラクター[編集]

一樹守(いつき まもる) 男/20歳/雑誌編集者
演 - 斎藤工
メイン主人公の一人。現代(2005年)の人間。1985年(昭和60年)2月23日生まれ。「株式会社 超科学研究社」の社員(社員No.00001044)で超科研アトランティス編集部に所属。ミステリー科学雑誌「アトランティス」の見習い編集者。
過去にガールフレンドであった池田麻衣を自殺未遂に追い込んだことがある。論理的な性格だが、困難に立ち向かう果敢な行動力を持つ。眼鏡を掛けているが視力が低い描写は無く、物語中盤に紛失して以降も問題無く行動している。当初はモンキーレンチや角材や火掻き棒など、その時々で拾った道具を武器にしていたが、中盤からはブライトウィンの忘れ物箱に入っていた9mm拳銃や、鉄塔で手に入れたを使用するようになる。
初めて記者として、29年前に起きた夜見島事件の記事を雑誌に掲載するチャンスを手に入れるが、夜見島の事件に何か他の事件とは異なる違和感を感じ取っていた。図らずも、乗り込んだ翔星丸が夜見島に到着しようとする際、その直感が正しいことが証明される。
異界に飛ばされた後、どこか真理めいたことを言う岸田百合と共に謎を解明しようとするが、彼女に利用され冥界の門を開けてしまう。しかし、そのことも含めて次第に絶望が怒りに替わり、怪異に立ち向かう姿勢が強固なものになっていく。ブライトウィン号の闇霊を殲滅した後は怒りが冷めて一時自暴自棄になるが、永井頼人に発破を掛けられ、母胎の計画を阻止する意志を新たに、共に異界と現世を繋ぐ離島線4号基鉄塔に向かう。最後は木船郁子と共に母胎によって特異点へと飛ばされ、加奈江と化した喜代田章子の援護を得て、木船と協力し母胎を倒した。最後は郁子と共に現実世界に帰還する。
木船郁子(きふね いくこ) 女/18歳/アルバイト
演 - 柳沢なな
ヒロインの一人であり、本編におけるメインヒロイン。現代(2005年)の人間。1986年(昭和61年)11月26日生まれ。若くして第四級海上無線通信士の資格を持っており、夜見島付近の船着場で働いている女性。
ブライトウィン号消失事件唯一の生き残りである木船倫子の娘。"鳩"の因子を受けて生まれたため、幼少の頃から強い精神感応を持つ。そのため、周囲から疎んじられた過去を持ち、他人との交わりを避けるように暮らしていた。
屍人や闇人を操ることが出来る感応視の能力を使用可能。但し、使用中は木船自身にも負担が掛かる為に短時間しか使えず、長く使用すると木船が息切れを起こしてしまう。また、警戒中やプレイヤー発見時の敵、一部のボスクラスの敵には通じない。プレイヤー操作時は不可能だが、同行者の時は時折感応視で闇霊の動きを止める。主な武器は夜見島遊園で拾ったゴルフクラブと鉄塔で拾った9㎜拳銃だが、終盤に市子を倒した場合は日本刀「潮凪」を奪う。
一樹守らの乗る翔星丸で船員として働いている最中、高波によって船が転覆し、怪異に巻き込まれることになる。冥府で一樹が母胎に取り込まれそうになった際に感応視で阻止し、共にその場を逃れる。しかしその力を知った一樹に化け物のように見られていると察し、彼の元を去った。その後は忌み嫌っていた自分の力こそが事態を打破出来ると考え、鉄塔に向かう。途中、足を踏み外して転落しかけたが一樹に助けられ、悪態を吐きながらも彼との間に信頼が芽生える。最後は一樹と共に母胎を倒し、現実世界に帰還した。だが帰還した際朝日を眩しがるように手で顔を覆っており、鳩として覚醒していることが示唆されている。
永井頼人(ながい よりと) 男/21歳/陸上自衛官士長
演 - 蝦名清一
メイン主人公の一人。現代(2005年)の人間。1984年(昭和59年)7月25日生まれ。自衛隊の物資輸送訓練中にヘリトラブルで夜見島に不時着した陸上自衛官。訓練成績は優秀だが、周りに流されやすい。武器は当初三沢から譲られた9mm拳銃だが遊園地で沖田から89式小銃を奪った後は89式小銃が彼の主力武器となる。また9㎜機関拳銃も時々持ってる場合がある。
上官の三沢岳明と共に怪異の原因を探るが、三沢のことを快く思っていなかったこともあり、その行動に疑問を抱く。三沢が岸田百合に銃を突きつけた事で抑えていた感情が爆発し、決別。以後は別行動を取るが、人類の敵とは知らず岸田百合と矢倉市子を助けたり、怪異の真相に迫ろうとしていた三沢を(市子が襲われていると誤解した為に)射殺したりと、良かれと思って取った行動がいずれも裏目に出てしまう。更には、保護した市子が豹変する瞬間を目の当たりにし、彼女を正気に戻そうと奮闘するも失敗して逃げられる。
その後はブライトウィン号内で合流した一樹に発破を掛けて再起を促し、共に異界と現世を繋ぐ夜見島の鉄塔を登ろうとするも、道中で闇人甲式と化していた太田常雄に突き落とされてしまう。地上に落ちた後は顔に迷彩を施し、闇人達に特攻し、周囲の闇霊と闇人を殲滅した後に闇人と化した沖田宏をもTNTを用いて滅する。更にその直後に現れた、闇人甲式となった三沢と、島に上陸した堕慧児を倒すことにも成功する。しかし最終的には、母胎が地上奪還を成就した(黒い太陽が輝き、闇人が蔓延し、人類は滅んでしまった)平行世界に堕とされ、「二度と現世に帰ることができない」、「どうあがいても絶望」な状況に発狂、闇人達に向けて機関銃を乱射するという結末を迎える。
三沢岳明(みさわ たけあき) 男/38歳/陸上自衛官(三等陸佐
演 - ピエール瀧
現代(2005年)の人間。1967年(昭和42年)11月9日生まれ。訓練中ヘリトラブルで夜見島に不時着した陸上自衛官で、永井頼人の上官。スキンヘッド。かなり偏屈な一面があるが、怪異の中でも殆ど動じる事なく冷静さを保ったまま行動する。アジア冬季競技大会バイアスロンで男子第一位の成績を残し、レンジャーの資格も持つ筋金入りの自衛官。狙撃が得意で、怪異に巻き込まれた自衛官のなかで唯一、照準眼鏡を装着した64式7.62mm小銃戦闘防弾チョッキを装備している。また、他のキャラクターでは着地できず倒れてしまう高所から飛び降りても、体勢を崩さず着地する事ができる。
2年前、羽生蛇村の災害救助作業中に四方田春海を救出した際、異界の念に触れて以来、幻覚や悪夢に悩まされることになる[1]。このため、精神高揚剤と思われる薬を服用している。
薬の作用に加え、怪異の極限状態による興奮から徐々に精神に狂気を帯びていき、やがて早くも永井に決別される。しかし一方でその鋭い勘からいち早く岸田百合や矢倉市子の正体に気づくが、それを知らない永井にいずれも妨害され、最期は市子を尋問している最中に事情を誤解した永井に射殺されてしまう。後に闇人零式として復活し、阿部倉司を苦しめ、さらに闇人甲式となって永井と激突する。最期は永井に倒され自分の機関銃を奪われた直後、突如現れた堕慧児に捕食・吸収された。
阿部のシナリオ「苦悶」にて闇人零式として登場し、耐久力が高く、狙撃の精度も非常に高い。永井の「決戦」では甲式に変異した状態で弾数無限の5.56mm軽機関銃MINIMIを携えて、永井の最終シナリオの終了条件1に登場する。ライトの光に怯まず、遠距離からでも銃撃してくる上に、耐久力が非常に高い強敵だが、既に永井によって周囲の闇霊が殲滅されている為に生命力の補給ができず、回復はしない。
喜代田章子(きよた あきこ) 女/29歳/占い師
演 - 岬奈実
現代(2005年)の人間。1976年(昭和51年)8月3日生まれ。「マドモアゼル・夢魅(Yumemi)」という名前の占い師で活動している女性。住所は東京都渋谷区神塚前1-29木吉ビル401号室。2005年(昭和80年)7月30日に更新したばかりの普通一種のゴールド免許証を持っているが、本人曰くペーパードライバー。自身の顧客だった多河柳子とは親しかった。物語の途中で誕生日を迎え阿部に励まされる。
29年前に章子の母が夜見島付近で観覧船から転落した時、"鳩"の因子(元は加奈江であったモノ)に寄生され、それを受けて生まれたため、人や物の記憶を読み取る過去視の能力を持つ。特定の場所に近付くと画面にノイズが走り、その場で視界ジャックを行う事で過去視が使用できる。主に先に進む為のヒントを探るために駆使する。主な武器は崩谷の団地で拾った傘、三上家の物置にあった左官こて等。
ある日、柳子殺害に関して無罪を主張する阿部倉司が訪れ、怪訝に思いながらも真相究明のため阿部と一緒に夜見島へ向かったところで怪異に襲われる。過去視の能力によって加奈江の過去を知るごとに自分の中に眠る加奈江の意識が覚醒していき、サイレンが鳴ってから17時間41分後、完全に加奈江化してしまう。その時点で章子本人の意識は消滅した模様で、加奈江として動き、母胎の元へ向かう。
阿部倉司(あべ そうじ) 男/24歳/フリーター
演 - 中村英司
メイン主人公の一人。現代(2005年)の人間。1981年(昭和56年)6月24日生まれ。殺害された多河柳子と同棲していたために殺人犯として指名手配された男。昔飼っていた犬が死んだ際に幽霊を見たという経験を持つ(本人談)。
粗暴な言動のせいで周囲との諍いが絶えないため、警察に柳子殺害事件の容疑者として追われていた。その時に柳子の友人である喜代田章子の元へ逃げ込み、章子に無実を証明してくれるよう頼む。
怪異の中でも比較的マイペースを貫き、文句を言いながらも章子と共に柳子の死んだ原因を探っていた。章子や三上とのやり取りでは面倒見の良い一面も見せ、怪異の最中に誕生日を迎えた章子に歌[2]とプレゼントを贈ると言った優しい一面も見せた。
手先はかなり器用で狩猟罠の設置と解除が出来る唯一のキャラである。主な武器は貝追崎の砲台跡で拾った木製バットだが、条件を満たせば釘バットを作成して使用可能になる。また、後半からは入手したナットを投げて敵の陽動が可能になる。
章子が加奈江になりつつあった事で、仮眠を取っている最中に彼女とはぐれてしまう。その後は三上の霊やツカサと遭遇しながらも島を彷徨っていたが、前日に食べた夜見アケビによる下痢でトイレに駆け込み、そこで煙草の火の不始末から地下のメタンガスの連鎖爆発を起こしてしまい、期せずして鉄塔を爆破。結果的に異界と現世を繋ぐ道がなくなり、因果律を崩壊し母胎の地上侵攻を不可能にさせた。それにより、怪異の原因である堕慧児や母胎が最初から存在せず、それが元で生まれた(少なくとも阿部が知っている)章子や柳子も居らず、自分の殺人容疑も消滅した平行世界にたどり着く。それを知った深い孤独の中で泣き尽くす彼にツカサのみが寄り添うのだった。
藤田茂(ふじた しげる) 男/52歳/警官(巡査部長
演 - 村上久勝
19年前(1986年)の人間。1933年(昭和8年)12月3日生まれ。夜見島出身の警官で、厄介ごとに首を突っ込んでしまう性格の持ち主。「やんなっちゃうなぁ」が口癖。NN38口径を携行している。
階級は警部補だったが、1986年(昭和61年)5月3日に窃盗犯を誤って逃がした(窃盗犯の「家族に会ってから出頭する」と言う言葉を聞き入れたが、二度と帰ってこなかった)ため、巡査部長に降格させられてしまう。そして、それまで仕事ばかりで家庭を顧みなかったことで、愛していた妻と娘・朝子(あさこ)に愛想を尽かされ、別居状態になった上絶縁状を突きつけられてしまった。
前述の性格が災いし、無人のはずの夜見島に若い女性がいるという噂を聞いて単身夜見島へやって来る。そこで島内を巡回中に、怪異に巻き込まれる。異界でブライトウィン号内にいた矢倉市子を保護し、共に異界からの脱出を目指すが、模倣体としての意識が覚醒しかかっていた彼女によって銃剣で滅多刺しにされ、娘への謝罪の言葉を述べながら絶命する。その後は屍人化し、さらに闇人零式となるが、木船郁子に「藤田茂銘の滅爻樹」を使われ滅される。
矢倉市子(やぐら いちこ) 女/14歳/中学生
演 - 森林恵理奈
19年前(1986年)の人間。1972年(昭和47年)5月10日生まれ。県立亀石野中学校2年4組の生徒(生徒番号 444番)で、セーラー服を着た少女。夜見島沖で座礁したブライトウィン号で目を覚ますが、自分の置かれた状況に関する記憶を失っていた。船内で出会った藤田茂と共に異界からの脱出を目指す。主な武器はブライトウィンで拾ったデッキブラシや体育倉庫裏で拾ったテニスラケット等を使う。拳銃や機関銃も難なく使いこなせるが、操作キャラの時は銃器を拾う機会は基本的に無い。
実は人間ではなく、堕慧児が本物の矢倉市子を真似て作り出した模倣体。堕慧児の分身であるが、当初は不完全だったためか模倣体としての自覚がないまま自分を「本物の矢倉市子」だと思って行動していた。しかし徐々に模倣体としての覚醒が進み、堕慧児に支配されていく。
藤田と合流後は彼の乗ってきたボートを目指すも、貝追崎を通過中に一時的に模倣体(堕慧児)の意識が覚醒し、藤田を殺害。直後に市子の意識に戻るが、その手で藤田を殺した事実と、自分の死の瞬間を思い出してパニックに陥る。その後は藤田の返り血に塗れた姿で、意識の混濁に抗いながら屍人や闇人から逃げ回っていたが、三沢や永井に保護されたのも束の間、崩谷の団地にて闇人乙型に襲われた際に再び覚醒。狂ったような笑い声を上げながら闇人から奪った9mm機関拳銃で闇人を倒して回るようになる。この時点では生前に倫子とのペアで買ったブレスレットを探しまわったりと市子の意識を僅かに残していたものの、やがて堕慧児の支配が進み、模倣体としての完全な覚醒を果たす[3]
鉄塔で遭遇した時はツインテールだった髪が解け、ストレートになり9mm機関拳銃に加えて太田家から持ち出した日本刀「潮凪[4]」で武装している(太田家に鞘だけ残されている)。闇人を次々に倒しながら鉄塔の頂上を目指すも、一樹と木船に遅れを取ってしまい、昇ってきた母胎に弾き飛ばされたあげく鉄塔の崩壊に巻き込まれて転落。顔の形を維持出来なくなる程のダメージを負ったまま潮降浜に辿り着き、三沢を倒した永井の前で力尽きる。同時に堕慧児が異界への侵入を果たした事で模倣体としての役目を終え、堕慧児に吸収された。
ゲーム上の敵としては、永井と一樹のシナリオに登場している。永井のシナリオでは9mm機関拳銃を手に徘徊し、人間か闇人を発見すると即座に銃撃する。いずれのシナリオでも耐久力は非常に高い強敵として立ちはだかる。
三上脩(みかみ しゅう) 男/33歳(4歳)/作家(幼児)
演 - 中泉英雄/幼少期 - 大久保拓真
現代(2005年)の人間。「切なく儚い奇跡を描く至高の恋愛小説!」がキャッチフレーズの幻想的な恋愛小説「人魚の涙」で一躍注目を浴びた盲目の人気作家。普段は弱視用の眼鏡をかけているが、翔星丸転覆の際に無くした模様。
重度の弱視のため、彼のみ他のキャラと違いTPS視点でなく、FPS視点固定でのプレイとなり、視界がぼやけて見えるようになっている。盲導犬のツカサの視点を通じて進むのが基本となる為、彼のみ視界ジャック中でも行動が可能。1972年(昭和47年)7月7日生まれ。武器は靴べら。
29年前、物心つく前に母・三上弥生(みかみ やよい)を亡くし、考古学者の父・隆平と共に夜見島に移住。その後、父が保護・同居することとなった加奈江の美しさと儚げな雰囲気に心惹かれ、一途に彼女を「お姉ちゃん」と呼んで慕っていた。加奈江を怪しんで殺害すべく蜂起した島の人間達から逃げ延び、暁の下で加奈江の最期を看取るが、その影響で視力と記憶を無くす。また、この際に起こった島民消失事件の唯一の生存者となる。
記憶の奥底に残る「想い出の少女」への憧憬から、愛犬ツカサと共に夜見島に向かうが、途中乗り込んだ翔星丸が転覆し、異変に巻き込まれる。現代の夜見島に行った他の人々とは違い、何故か29年前の夜見島にタイムスリップする。島の人間らに襲われ、辛くも逃げ延びるが、今度は赤い津波により異界に飛ばされる。そこで助けられた阿部倉司と共に行動していたが、遊園地にて幼少の頃、加奈江の歌ってくれた歌の聞こえる場所に向かい、冥府の門をくぐってしまい、一樹守の身代わりとして母胎に吸収される。しかし魂までは消滅しておらず、霊体となって喜代田章子や阿部倉司を導く。最終決戦時には一樹が持っていたメダル(幼少期に落としたもの)に誘われて特異点に現れ、それを追って特異点にやってきた加奈江が一樹達の勝利に貢献する事になる。最終的に母胎が倒されたため、三上自身の魂も解放され、加奈江の魂と共に赤い海で深き眠りについた。
加奈江(かなえ) 女/18歳/無職
演 - 高橋真唯
29年前(1976年)の人間。夜見島に流れ着いた謎の美少女。記憶を持たず出自も分からないため、"加奈江"の名を与えられて島で暮らすことになった。容姿は三上脩の母・弥生に似ており、日の光を恐れるなど不可解な言動を取り、そのことで島民達に疑惑の目を向けられ迫害されていく。耐久力が他のキャラよりも低い上、操作中は武器を拾えない為、敵に見つからないように一層注意を払う必要がある(子供三上のシナリオのみ火掻き棒を所持している)。
彼女の正体は母胎が産み出した分裂体=鳩である。当初、脩を生贄にしようと行動していたが、最初に産み出されたために残っていた三上弥生の母性からそれを拒否していた。太田常雄率いる漁師達が蜂起した上に、鳩の意識が覚醒したことで三上隆平を殺害してしまった後、襲い掛かる島民達から脩を守り抜いて逃がすも、その時の日光に身を曝してしまい、溶けていくように消滅したかに見えたが、彼女を構成していた闇霊(鳩の因子)が喜代田章子に寄生し、章子の中に加奈江の意識が眠ることになる。
29年後、異界で覚醒した彼女は、母胎に取り込まれた脩の魂を救うため、特異点まで赴き母胎と対峙し、母胎にダメージを与えるため闇那其を使い自害(その際、章子の肉体も死亡)。この行動により、一樹達に勝機をもたらした。後に母胎が倒されたため、29年の長い時を経てようやく脩との再会を果たし、脩と共に赤い海で深き眠りについた。
須田恭也(すだ きょうや) 男/16歳/異界ジェノサイダー[5]
演 - 篠田光亮
『形見』以外の全てのシナリオをクリアすると出現する隠しシナリオ『殲滅』で操作できる前作の主人公。2年前(2003年)の人間だが、外見年齢は変化がない。
2年前、持ち前の好奇心旺盛さから羽生蛇村で起きた一連の事件に巻き込まれ、怪異の世界に飲み込まれて現実世界から姿を消した。そのため、羽生蛇村で起きた事件の後、現実世界では行方不明者扱いとなっていた。
現在の彼は、人間以外の異形が住まう異界を破壊する定めを背負わされており、本作では闇人を消滅させるため夜見島に召喚される。全てを終わらせ神代美耶子を村から連れ出すと言う約束を果たすため、前作で羽生蛇村の屍人を全滅させた後、異界をさまよい続けているという[6]
操作できるキャラクターの中では最強キャラ。堕辰子の血(赤い水)による不老不死と屍人化しない神代の血の呪いを継いでいるためにどんなに闇人に攻撃されようが死なない上、焔薙(日本刀)を用いた攻撃は正面からの攻撃を無力化する闇人甲式や乙式でさえ、正面からでも倒すことができる。また、使用者の命を代償にあらゆる存在を滅することができる宇理炎を、不老不死ゆえに無制限に使うことも可能で、「煉獄の炎」・「鉄の火」の二種類[7]の攻撃ができる。ただし、背中に背負っている2丁の猟銃は使用することが出来ない。
彼のみの固有アイテムとして、他の人物が持っていないポータブルオーディオプレーヤーを持っており、前作のエンディングで須田が聴いていた曲「THE BUSTER!」が『殲滅』のシナリオ中のBGMとして流れる。
一藤二孝(いちふじ にたか) 男/39歳/陸上自衛官一等陸佐
演 - 藤沢孝史[8]
HARDモードですべてのシナリオをクリアすると出現する隠しシナリオ『形見』で操作できる陸上自衛官で、現代(2005年)の人間。永井頼人や三沢岳明、沖田宏の上官(部隊長)で、ヘリ墜落の際に死亡し、屍人となった。
屍人化した部下の自衛隊員と行動中、同じく屍人の鍋島揉子と出会い、恋に落ちる。しかし復活した闇人達が突如として屍人達を襲い始め、闇人により揉子を奪い去られた一藤は、部下と共に揉子の救出に向かう。必死の救出劇の末、揉子と再会を果たし、彼女や部下と共に団地から脱出する。脱出間際に闇人の銃撃を受けるも、部下に助けられて事なきを得た(その為、部下が途中で倒されるとクリア不可能になる)。が、結局は後に闇霊によって揉子や部下共々滅ぼされ闇人化した。
動きが人間キャラクターに比べてとても緩慢で、しかもライトの電池が切れ掛かっている。

操作不可能なキャラクター[編集]

岸田百合(きしだ ゆり) 女/18歳/無職
演 - 高橋真唯
ヒロインの一人で、本編におけるアンチヒロイン。現代(2005年)の人間。一樹が島で出会った謎の美少女。屍人に追われており、それを一樹が助けたことで行動を共にするようになる。「母がこの島に閉じ込められている」と語り、一樹にその救出に協力するように懇願する。光を嫌うなど、挙動不審な行動をとる。同行者として登場するが、武器を拾う事は無い。
その正体は、母胎の分裂体=鳩で、本物の岸田百合を拉致・監禁して名前と服を奪った。その後、多河柳子を撲殺し、江戸屍仁を唆して船を出させ、彼を利用して冥府の門を開くべく夜見島に戻ってきた。
「母(母胎)を島から助け出す」=男性に冥府の門を開けさせることを目的としているため、冥府の門を江戸に開かせようとするが、逆に屍人化した江戸に襲われてしまう。そこを何も知らない一樹守に救われ、今度は一樹を利用しようとする。しかし百合の不可解な言動に対する不信感を一樹が口にしたため、彼を見限って去っていく。その後、イレギュラーな存在である市子(模倣体)の存在を感じ取ってブライトウィン号に乗り込み、そこで出会った永井を次に利用しようと目論んだ。しかし三沢に阻まれたことで逃走し、夜見島遊園で再会した一樹を懐柔して再び利用。遂に一樹を使って冥府の門を開けさせ、母胎に帰還した。帰還した後は闇霊を産み落としながら鉄塔の頂上を目指すも、阿部によって鉄塔を爆破され、地上奪還の悲願が叶わなくなった上に、特異点にて一樹と木船に倒される。
母胎が自らの頭部を分裂させて作った鳩であり、他の鳩より母胎に忠実である[9]。多河柳子殺害事件の真犯人でもあるが、母胎の命令とはいえ気乗りはしていなかったようで、彼女と会った時に幸せに暮らしていることを喜びつつも「命令には逆らえない」と告げ、殺す前に泣きながら謝罪していた。
本物の百合は、2003年(昭和78年)8月10日に消息を絶ち、現在も行方不明になっている。また、本物は眼鏡をかけており、全く似ていない。
ツカサ・オブ・ジルドール(Tsukasa of Jilldoll) 雌/1歳/犬
三上脩の愛犬であり盲導犬。視界ジャックが使えるようになってから三上はツカサの目を通して、きちんと物を見ることができる。ただし犬の視点ゆえ色彩が無くモノクロで見える。2004年(昭和79年)3月3日生まれ。品種はシェパード血統書付き。
忠犬で、主人の三上がピンチの際は噛み付くなどの攻撃を行ってくれる。そして後に、蒼ノ久の廃材置き場で崩れてきた屋根から三上を庇い、姿を消す。この時点では三上には死んだものと思われていた[10]が実際は生きており、市子が使った阿部のライター(武器庫で阿部が落としたものを市子が見つけたもの)を拾ったりして異界を彷徨っていた。
三上には霊体となってもなお心配されており、彼の導きもあって三上を助けたために彼の匂いがついていた阿部倉司と出会う。最後は阿部と同じく平行世界に飛ばされ、孤独感に打ちひしがれる阿部の心の支えになった。
太田常雄(おおた つねお) 男/60歳/網元
演 - 諏訪部仁
29年前(1976年)の人間。左目に眼帯を着けている。夜見島一の網元で、多くの漁師を従える。戦時中に入手したと思われる二十六年式拳銃を隠し持っており、屍人化後に使用した。穢れから夜見島の封印を守る太田家の人間であるため島の因習を代々守ってきている。
仲間の漁師を従えて加奈江を始末しようとするが、加奈江と三上脩が海に転落した直後の津波で漁師共々異界に飛ばされてしまう。怪異の中、瀕死の状態で藤田茂と再会するが、藤田の目の前で絶命、屍霊に憑かれ屍人化する。藤田と矢倉市子を武器庫に追い詰めるが、模倣体として覚醒しかけた市子の微笑みを見て、恐怖し逃げ去る。後に闇人甲式化し永井を落とすも一樹に「太田常雄銘の滅爻樹」によって滅される。
敵としての登場回数は作中を通して非常に多く、名前が判明している人物の中では唯一生前から敵として登場する。また、作中の登場人物の中では最年長である上に下駄を履いているにも関わらず、生前・屍人・闇人時共に足が速く、動きも機敏である。闇人化後は耐久力・回復速度が他の闇人甲式よりも優れており、頭の突起が生前着ていた服の「甲」になっている。
太田ともえ(おおた ともえ) 女/24歳/無職
演 - 山田麻衣子
29年前(1976年)の人間。太田常雄の娘。プライドが高く、網元の娘であることを誇りに思っている。
父と共に加奈江を始末しようとするが、加奈江と三上脩が海に転落した直後の津波で父共々異界に飛ばされてしまう。「お父様にもらった大事な花の髪飾り」を道中で落としてしまい、探していた所を屍霊に襲われる。そして、その屍霊から逃げている途中で崖から転落してしまい、落ちた先の民家のアンテナに胴を貫かれ絶命・屍人化する。屍人となってからも目抜き大切を片手に、ブライトウィン号や夜見島遊園と、加奈江と同じ顔(分裂体)の岸田百合をどこまでも追ってきた。
闇人乙式化した後は髪飾りを持つ一樹守を、ブラントウィン号や鉄塔まで追ってくる。最後は、敬愛する父を滅せられた後、一樹と木船郁子に「太田ともえ銘の滅爻樹」によって滅される。
屍人・闇人化してからは恐ろしい形相のまま徘徊しているが、これは加奈江を追い込んだ時の鬼気迫る顔のまま死亡し屍人・闇人化してしまったことが原因。ちなみに、生前から闇人になるまでずっと赤い下駄を履いていた。また、闇人時の「都会ってどんなところかな」という発言から、 網元の娘として自覚を持ち余所者を嫌いつつも、本心では都会に憧れを抱いていたことが分かる。
特定の人物を執拗に追跡してくる点やシナリオによっては復活までの時間が異常に早い点、中ボス的存在である点等は前作の恩田姉妹を彷彿とさせる。
多河柳子(たがわ りゅうこ) 女/18歳/飲食店従業員
演 - 高橋真唯
現代(2005年)の人間。阿部倉司の恋人。喜代田章子とは知己の間柄。以前から阿部と口論が絶えないと認識されており、本編開始前に顔が潰れた変死体となって発見された。
ブライトウィン号消失事件唯一の生き残りである木船倫子の娘で、木船郁子とは生き別れた双子の姉妹であり、彼女も郁子と同じ鳩の因子を受けて生まれた。「多河」という姓は偽名で、彼女の働く飲食店店長の名前から取ったものでもあり、本名は木船柳子(きふね りゅうこ)[11]。元々は双子である郁子に似た顔であったが、覚醒して母胎と同じ顔になってしまったことで家族の元から出奔。太陽の光で消滅しかかっていたところを阿部に救われ、鳩としての役割を放棄して彼と一緒に暮らしていくことを決意する。阿部との仲は良好だったが、事件の数日前から情緒不安定に陥り、急に暴れ出す事があったらしく、それが周囲には口論と思われていた。最終的に使命を忘れて人として暮らしていることを母胎に見咎められ、母胎から遣わされた同じ鳩である岸田百合によって撲殺された。
阿部が飛ばされた平行世界には(少なくとも鳩としては)存在せず、彼がその世界に移動すると同時に彼の持っていた写真からも姿を消してしまう。
三上隆平(みかみ りゅうへい) 男/40歳/考古学者
演 - 内野智
29年前(1976年)の人間。三上脩の父親。東京に住んでいたが、妻が亡くなったことを機に夜見島に移住する。
容姿が妻に似ている少女を「加奈江」と名付け、夜見島に住まわせた。太田家が加奈江抹殺のため三上家に乗り込む直前(島民消失事件の直前)、"鳩"の意識が覚醒した加奈江によって刺殺されてしまう。タイムスリップしてきた大人の脩が太田常雄と出会った際、屍霊に憑かれて屍人化し、太田常雄を追って外へ飛び出す。後に闇人甲式化し、喜代田章子の前に度々立ちはだかるが、霊体と化した三上脩の導きを得た章子に「三上脩銘の滅爻樹」で滅された。
ちなみに、前作『SIREN』に登場した竹内多聞の父親である竹内臣人とは友人関係であった。
沖田宏(おきた ひろし) 男/31歳/陸上自衛官(二等陸曹
演 - 笠兼三
現代(2005年)の人間。永井頼人や三沢岳明と共にヘリに乗っていた自衛官。ヘリの墜落時に永井を衝撃から庇ったために死亡。死後すぐに屍人化し、永井と三沢に銃弾を浴びせるが、返り討ちにされ所持していた89式5.56mm小銃を永井に奪われ彼の主力武器になる。その後、再び89式小銃を手に三沢の前に立ちはだかるも再び倒される。母胎復活後、軽トラックを運転し矢倉市子を轢き殺そうとするが、大量の釘を撒かれてパンクさせられ、降車したところを闇霊に襲われた。最後は闇人零式となるが、周囲の闇霊を全滅させられた上、永井によって着火したTNTを口に入れられ木端微塵にされた(滅された)。人間の時は優しく面倒見が良かったことと言動からも分かるように途中から決別し呼び捨てで呼ばれることとなった三沢とは異なり永井からは慕われていたようで、闇人の時ですら「さん」づけで呼ばれ滅されるときは謝辞の言葉を永井から述べられていた。
永井の最初のシナリオ「不時着」でチュートリアル用の敵として登場し、指示に従って倒して武器を奪ったりすることになる。
なお、太田常雄や太田ともえと同じく敵としての登場回数はかなり多く、銃を使用する点や罠を仕掛ける必要がある点は前作の石田徹雄を彷彿とさせる。
江戸屍仁(えど しじん) 男/年齢不明/漁師
演 - 江戸清仁[12]
現代(2005年)の人間。作中で最初に出会う屍人。岸田百合に唆されて共に冥界の門を開こうとするが、途中で死亡してしまい、屍霊に憑かれ屍人化した。屍人化後は百合に執着を見せ、一樹守が百合と出会った際に襲いかかるも返り討ちに遭い、百合に逃げられてしまう。その後の行方は不明。
一樹の最初のシナリオ「遭遇」終了条件1にてチュートリアル的存在として登場する。体力が低いほか武器を持たず、落ちていても拾わない。
船長(本名不詳) 男/年齢不明/漁師
演 ‐キタムラトシヒロ
現代(2005年)の人間。夜見島行きの船「翔星丸」の船長。一樹に夜見島へ連れていくよう依頼されて一度は無下に断るも、その場に現れた三上脩に金を積まれて結局は快諾する。その後、アルバイトの木船、一樹、三上、ツカサ、章子、阿部を船に乗せて夜見島へと向かった。島に辿り着いて直ぐに死亡し、屍人化する。江戸と共に一樹の前に現れ襲い掛かるが逃げられる。その後、ブライトウィンで藤田を襲うが返り討ちに遭う。江戸屍仁同様その後は不明。
ちなみに、作中ではキタムラトシヒロが演じる屍人が複数登場するが、その内の「船長」は頭にタオルを巻き、紫色の服を着ている。
鍋島揉子(なべじま もみこ) 女/37歳/職業不明
演 - 渡邉智美[13]
『形見』の登場人物で29年前(1976年)の人間。怪異に呑まれて屍人化した後に、同じく屍人化していた一藤二孝と運命の出会いをし、屍人同士の恋に落ちる。途中で闇人に捕まり、攫われるが一藤に助けられる。その際に形見のアイロンを奪われ、一藤と共に奪還に向かう。
その正体は夜見島小中学校(矢倉市子のステージ)に出現するアイロンを持った屍人。
漁師たち
29年前、太田家の扇動により蜂起した島の漁師達。全員が灰色の雨具を着ており、懐中電灯と鈍器を所持している。靴べら等の攻撃で気絶することもあるが、すぐに起き上がる。
太田親子と共に加奈江を始末しようとするが、赤い津波に飲み込まれ、異界に飛ばされてしまい、結局全員が死亡し、屍人化してしまった。
なお、29年前の時点でも一人が屍人化しており、タイムスリップした大人の三上に襲い掛かるも逃げられた。

外伝「ブライトウィン号の怪」のキャラクター[編集]

矢倉市子(やぐら いちこ)<本物> 女/14歳/中学生
第一話・第三話の主人公。木船倫子の親友。自身が所属する中学校のテニス部が県大会に出場し、見事準優勝。8月2日の夜、大会の帰りにブライトウィン号に乗る直前、謎の女性に「その船に乗ってはいけない」と忠告されるが乗船し、船ごと怪異に巻き込まれてしまう。
ここで登場するのは本編の矢倉市子とは異なり、本物の矢倉市子その人。普段は大人しい性格であるが、体調の悪い倫子に励ましの手紙を贈ったり、自身を「オンざ眉毛」と呼称したりと明るい一面を見せていた。親友の倫子を助けるために奮闘するが、倫子を逃がす際に海へ転落し死亡した。
彼女の遺体は後に堕慧児のいる場所へ流れ着き、それを見た堕慧児は彼女の姿を真似た模倣体、すなわち本編に登場する矢倉市子を生み出した。
中島一郎(なかじま いちろう) 男/14歳(33歳)/中学生(飲食店従業員)
演 - 山部学[14]
第二話の主人公。両親が離婚した経験から人との距離を置くようにしていたが、同級生の木船倫子と付き合い始め、一線を越えた末に倫子を妊娠させてしまった。
倫子を愛する気持ちに偽りはなかったようで、最期に倫子を命懸けで助け出したが、分裂体に取り込まれた。しかし、分裂体に取り込まれてもなお自我は消滅しておらず、分裂体から倫子を引き離した後、分裂体ともに海に落ちて消滅した。
なお、阿部倉司が飛ばされた並行世界では怪異に巻き込まれておらず、19年後に恋人の倫子によって殺害されたとされる(この事件について書かれた新聞の記事は、柳子が殺された事件の被害者と容疑者を中島と倫子にそのまま入れ替わっている)。
木船倫子(きふね のりこ) 女/当時14歳(33歳)/中学生(無職)
演 - 堀川直美[14]
第四話の主人公。矢倉市子の親友。教師や男子にも物怖じせぬしっかり者で、テニス部ではマネージャーを務めていた。中島一郎との不純異性交遊により、14歳にして妊娠する。
ブライトウィン号消失事件唯一の生存者として新聞に報じられた。後に双子の姉妹を産み、「柳子」「郁子」と名付けた。中学卒業後に上京するが、生活苦のため柳子しか引き取れず、結果として2人を引き離してしまった。自身の元から柳子が失踪した後、彼女の行方を訪ねる手紙を郁子に送っており、2人を引き離したことを後悔していると綴っている。
阿部倉司が飛ばされた世界線では怪異に巻き込まれずに済んだものの、後年に恋人の中島を殺した容疑者となっている(新聞記事でしか語られない為、真相は不明)。
二人の女性
夜見島沖を航行中のブライトウィン号によって海から引き揚げられた身元不明の二人の女性。当初は死体だと思われていたが、正体は母胎の分裂体であった。
引き揚げられる前、片方(以下「鳩1」)が堕慧児の影響を受けたために暴走し、強い殻を作るため船内の人間を次々と取り込んでいく。人間の影響を受けたもう片方(以下「鳩2」)はそれを阻止するため船内で出会った矢倉市子に協力を求めた。鳩1は最終的に消滅するが、彼女を構成していた闇霊("鳩"の因子)が木船倫子の胎内の子達(後の柳子と郁子)に寄生した。鳩2は時空を移動し、乗船前の市子に忠告をすることになる。
作中で市子(模倣体)は百合に対し「生きてたの…?あなた」と言っているが、これは生前の市子の記憶から百合を鳩2と見間違えた為である。

登場する敵[編集]

屍霊(しりょう)[編集]

数億年前に起きた「光の洪水」から虚無の世界へ逃げ遅れ、現実世界の光の届かない海底に留まったことで肉体を失った古代先住者たちの成れの果て。祖は闇霊と同様だが、海底では光を完全に防ぐ事が出来ず性質が劣化し、上位種である闇霊とは異なる存在になってしまった。
古くから肉体を求めて夜見島付近の地上に干渉しており、人間の死体に寄生(憑依)して屍人となるため島民の間では"穢れ"として忌み嫌われていた。姿は黒い霧状で障害物をすり抜けて人間に襲いかかる。実体が無いわけではなくプレイヤー側からの物理攻撃も通用し、自身も噛みつきで攻撃してくる。
当初は異界に蔓延って死者を次々と屍人化させていたが、冥府の門が開かれた後は復活した闇霊に滅ぼされ、屍人化していた死体も全て闇人に取って代わられた。
屍人(しびと)
人間の遺体が屍霊に憑依された存在。倒されても再び別の屍霊が取り憑くことで半永久的に復活する。動作が緩慢であり、人間の首筋に噛み付くなど、バイオハザード等に代表されるゾンビゲームに登場するゾンビと外見や特徴が似ている。簡単な陽動に引っかかったり、目的もなく延々とエリアを徘徊するなど知能は低いとされる一方、扱いに専門の知識が必要な銃火器類を苦もなく使用する、屍人同士での意思疎通をする、視界ジャックを駆使して標的を追跡する、複雑な操作が必要な軽トラを運転する等、一部の個体はむしろ後述する闇人より高い知性を見せる。人語は一応話すことができるが、非常に辿々しく聞き取りにくい。
屍霊の弱点である日光から身を守る為のシェルターとして人間の死体を利用しており、そのシェルターの数を増やすために人間を発見すると即座に襲い掛かってくる。しかし、半ば宿主の生前の記憶に支配されており、無意味に生前の日課を続けている個体も存在する。
前作の屍人とは全く異なる存在であり、屍霊が死体を動かしているに過ぎないため肉体自体に再生能力などは無い。前述の通り、倒されると憑依していた屍霊が死に、別の屍霊が憑くまでただの死体に戻るため、厳密には不死身とは言えない。
素手の屍人
武器を持っていない屍人。攻撃手段は相手に掴み掛かり、噛みつくのみ。近くに武器が落ちている場合は拾う。
日用品を持った屍人
手にした鈍器や刃物で攻撃する屍人。一部の個体は生前の記憶に支配され、夢中で無意味な作業に取り組んでいる。
狙撃手
前作と同様に、猟銃小銃で人間や闇人を狙撃する屍人。前作の狙撃手よりも精度が高いが、武器を奪えるため打撃武器と取り替えることで復活後の戦闘力を弱くできる。
追跡する屍人
特定の人物を執拗に追跡する屍人。視界ジャックを駆使しているらしく、撒くことが不可能。
俊足の屍人
他の屍人と違い、非常に軽快に走る屍人。ごく稀に存在する。
模倣体(もほうたい)
後述する母胎の分裂体を倣し、屍霊の集合体である堕慧児が産み出した存在。分裂体と比べ、屍霊が元になっているため光に対し耐性がある。19年前に死亡した市子の姿を忠実に模した姿をしている。
模倣体としての自我は乏しく、目覚めてしばらくは「矢倉市子」として行動するが徐々に覚醒が進み、崩谷団地にて不完全ながらも模倣体として覚醒。団地中を駆け回って闇人狩りを始め、永井にも襲い掛かった。しかしまだ覚醒が不完全で市子の意識を残しており、倫子のブレスレットを用いた永井に捕まるも、彼を振り解いて逃走。その後、市子の意識は消えて完全な覚醒を果たし、鉄塔にて一樹と木船の前に立ちはだかる。
いずれも9mm機関拳銃を手にしているほか耐久力が非常に高く、たとえ倒されても即座に復活する。また、鉄塔では機関拳銃に加えて太田家から持ち出した日本刀「潮凪」も所持しており、更に戦闘力が増しているが、クレーンでの移動後のみ完全に倒すことが可能。倒すと手にしていた刀「潮凪」を後のシナリオで木船郁子が拾い初期装備として使用する。
意識は堕慧児と共有している模様で、不完全な覚醒の時は堕慧児と市子の両方の台詞を支離滅裂に発する。完全な覚醒後は意識も完全に堕慧児のものと化し、本体に代わって母胎の元に還るべく行動している。劣化種ゆえの凶暴な性質を持っており、屍霊の集合体であるために屍人同様激しく敵対している闇霊・闇人や発見したプレイヤーに対して強い攻撃性を見せる。
最後は鉄塔の崩壊と共に落下し、潮降浜で力尽きた後に三沢共々堕慧児に吸収された。元は堕慧児の目であり、最期は潰れた顔に眼球がめり込んでいた。
皮肉にも三沢は自分が化け物と疑っていた矢倉と共に捕食されるという末路を辿った。
堕慧児(おとしご)
母胎を真似、海底で屍霊達が集まり融合した存在。夜見島の伝承に残る"海の底に潜りし者"。元は無形だったが、母胎が三上弥生から形を得たように19年前に溺死した矢倉市子の死体から形を成した。しかし真の姿は母胎とはかけ離れた巨大な頭部に無数の手足を持つ醜悪な怪物であり、口部から屍霊を排出する。片目から模倣体の市子を生み出したため、片目が無い。
かつて分たれた母胎の元へ還ることを目的としており、地上の奪還には興味は無い。しかし自分達を置いて虚無の世界に逃げた事から、母胎に対し愛憎入り混じった感情を抱いており、屍霊達に闇霊勢を攻撃させている。母胎には自分の劣化種としてしか見られておらず、興味を持たれていない。目的である母胎の元へ還るため、29年前に海底ケーブル切断、19年前にブライトウィン号座礁事件(ブライトウィン号の怪)などの様々な事件を引き起こしている。
母胎の復活を知り異界に侵入し、模倣体としての役目を終えた市子と闇人化した三沢を吸収。その場にいた永井に襲いかかったが、彼の機転で大量の石油と水銀灯によって激しく炎上させられ、完全に撃破された。
母胎と双璧を成すもう一体のラストボスであり、永井の最終シナリオの終了条件2で登場する。無数の脚での攻撃や、転がりによる体当たり(即死攻撃)を繰り出す。

闇霊(やみれい)[編集]

光の洪水に伴い、虚無の世界へ逃れて形を失った地上の古代先住者。祖は屍霊と同様。復活後の母胎から分裂するように産まれる。
光を避けるため、黒い布のようなものを纏っているが、光に対し極端に弱く耐性が無いため、懐中電灯や街灯の光ですら浴び続けてしまえば消滅する。
実体があるように見えるが、人間とは全く異なった身体構造となっている。作中の闇霊は母胎として融合した後に再度分裂したものであり、元の身体を維持出来ずこのような姿になっている。元の姿については、アーカイブ №056『未確認生物の化石』によって分かりそれによるとはっきりとした骨格を持った生物だった模様。
屍霊や屍人とは敵対関係にあるが、これは愛憎入り交じった感情から攻撃を仕掛けてくる堕慧児を母胎が邪魔者と看做している為である。
闇人(やみびと)
人間の死体が闇霊に憑依され、身体構造が変異した存在。肌は真っ白で、血ではなく黒い液体を顔から流しており、光から身を守るために黒い布でできた着物や頭巾を何重にも被っている。
倒しても近くに闇霊がいれば生命力を補給できるほか、時間が経つと自己再生して復活するなど、性質は前作の屍人に似ている。人間の言葉を話し、複雑な道具を扱うことも可能。素手攻撃も可能だが、一方で屍人同様に噛み付きによる攻撃も行う。屍人よりも知能や戦闘能力が高く、単純な陽動には惑わされないが、人間を誘い出そうとしてあからさまに疑わしい発言をすることがある。
最初は人型の状態だが、後に戦闘に特化した異形の形態に変化する。前作と同じように、独自の言葉である屍人文字ならぬ闇人文字を用いる。
唯一、滅爻樹のみが闇人を滅せられる。ただし、生命力の共有による自己再生には限度があり、爆発物などで体をバラバラにすることにより闇人が復活できなくなった場合は滅したことになる。沖田はこの方法で永井によって葬られた。また、須田恭也が持っている神器「宇理炎」や古刀「焔薙」の一撃によっても滅すことが可能である。
闇人零式(やみびとぜろしき)
初期状態の闇人。人間の原型を留めており、生前の記憶や性格を色濃く残している。光源のない闇の中でも活動可能な視力を持つ反面、強い光を浴びると悶絶してしまうのが弱点。
所持している黒い傘も日傘のように光を避けるための役割を持っている[15]。鈍器や銃器などを使って攻撃してくる、撃退しても一定時間後に蘇生するなど、前作の屍人と似た特徴も持つ。
素手の闇人零式
武器を持っていない闇人零式。平手打ち、もしくは噛みついて攻撃する。武器があれば拾う。
日用品を持った闇人零式
鈍器や刃物で武装した闇人零式。黒い朽ちた傘を持っている者が多い。
拳銃・機関拳銃を持った闇人零式
射程が短い銃を持った闇人零式。機関拳銃を持った自衛官の闇人零式にはリロードせずに無制限に撃ち続ける者もいる。
狙撃手
猟銃小銃を持った闇人零式。屍人よりも更に射程が長いが、ライトの光を浴びると大きく怯むため、屍人の狙撃手より対処しやすい。
闇人甲式(やみびとこうしき)
男性の闇人が変化した姿。下半身が巨大な顔に変化し、そこから生えた巨大な人間の指のような形状の四本足で節足動物のように歩行する。
上半身は人型を留めており、噛みつきや素手での殴打で攻撃してくるほか、周囲に黒い霧を発生させるため、近づくと視界を奪われてしまう。正面からの攻撃を無力化するが、背後や側面からの攻撃を受けた際はダメージを受ける。
また、無警戒状態に限り、正面に攻撃すると大ダメージを与える事が出来る。上半身の頭部は単なる突起と化している。
なお、プロデューサーの外山圭一郎は、容姿が「丙」の漢字に似ていることから甲式でなく丙式にしたかったと述べている[16]
闇人乙式(やみびとおつしき)
女性の闇人が変化した姿。下半身は原型を留めているが、頭部は人間の数倍に巨大化しており、腕は鳥の脚のように細く変異して、犬のように四つん這いで素早く行動する。
甲式同様に攻撃力が高く、正面からの攻撃が効かないが、やはり光に弱い。
なお、甲式と乙式も零式同様に身体に黒い布を巻きつけているが、その下の身体は人間の死体が元になったとは思えないほど異様な形に変化しているという。
母胎(ぼたい)
夜見島の伝承に残る「光の洪水」により"地の裏側に逃れし者"、すなわち闇霊たちが永久に近い時間を経てひとつになった姿。そのため白い(何も着ていない)闇霊を生み出す事が出来る。人間(三上弥生)の顔を持つ歪な人魚のような姿で、薄桃色のに覆われている。冥府で最初に姿を見せた時は、頭部など体の一部が欠損しており、岸田百合の帰還・融合によって完全な形となっている。地上に似た異世界「虚無の世界」を作り、そこから現世に自身の分裂体を飛ばして「現世に帰る」という望みを果たそうとしている。今回のサイレンは母胎が霊力を行使する際の鳴き声であり、作中の登場人物が視界ジャックを使えるのは、異界に来た事で母胎の霊力の影響を受けているため。
霊力は凄まじいものであり、29年前の夜見島のレプリカ(のようなもの)を作り出した。その際に霊力が強すぎるあまりに29年前のコピーした夜見島の蒼ノ久にある太田家の家屋を鉄塔に出してしまう。鉄塔に太田家家屋があるのはそのせいである。最初のサイレンの音と共に起こった津波で、それぞれの時代の夜見島から飛ばされたため別々の時代の人間が会うことが出来た。その世界にいた人にはそこにいたモノが忽然と消えたように見えたのが島民消失事件の真相である。三上脩の母親(三上弥生)の水死体が「虚無の世界」に流れ着き、現世に「人間」というものが存在することを知り、これに憑依する(闇人となる)ことで光から身を守りながら現世に戻れると確信し、三上脩の母親を基にした存在として自身の分裂体を作り出し、生贄の男を連れて冥府の門を開けさせることを目的とする。母胎はその男を吸収することでこの世に現れることができる。
堕慧児のことは自分の劣化種としか見ておらず、特に興味は抱いていない。しかし自身の地上奪還を邪魔する所為で敵とも見做している為、闇人と屍人は敵対する格好となっている。
一樹守が門を開けたので、彼が取り込まれるはずだったが、三上脩が身代わりになる。蜘蛛糸の上空、三上を取り込む際に、特異点で加奈江の闇那其を受けてしまったことが敗因となり、一樹と木船によって倒される。
岸田百合が母体に戻る際に体に現れる顔と顔の無い母体が融合する様は大空魔竜ガイキングの大空魔竜を元ネタとしている[17]
本作のラストボスの一つであり、特異点の上部にある海を泳いで移動し、闇霊を無限に産み落とす。主人公が高い岩場の上に立つと上半身を晒して直接攻撃を繰り出して来る。戦闘後半では闇那其を一樹、郁子がそれぞれ入手し、これでダメージを与えると地上に落下する。この状態で接近すると闇那其でとどめを刺すことが可能になり、一樹、郁子の両方で刺すと完全撃破となる。
分裂体(ぶんれつたい)/鳩(はと)
母胎が現世から生贄の人間をつれてくるために産み出した分身。一見すると人間の女性なのだが、闇霊で構成されているため日の光に弱く長時間浴び続けると溶けてしまう。分裂体には母胎から直接産み出されるもの(覚醒鳩)と、覚醒鳩を構成していた闇霊(鳩の因子)が妊婦の子供に寄生することによって生まれるもの(未覚醒鳩)がある。覚醒鳩はみな母胎と同じ顔(三上弥生の顔)をしており、未覚醒鳩も覚醒すると母胎と同じ顔になる。作中に登場する"覚醒鳩"は加奈江と岸田百合の二人で外伝「ブライトウィン号の怪」にも二人登場している。木船郁子・喜代田章子・多河柳子は未覚醒鳩にあたる。また一樹のガールフレンドだった池田麻衣も、鳩の因子を持っていた可能性が示唆されている[18]。これまで母胎は何人もの鳩を飛ばしたが、いずれも死亡したか役目を放棄したかで百合以外は誰も母胎の元に戻ることはなかった。

その他[編集]

漁師
27年前の人間達。島を怪異から守るため、網元である太田の元へ集結した漁師達。武器を手に、「穢れ」とされる加奈江を始末しようとする。三上と加奈江のシナリオにのみ登場。
戦闘力は屍人以下だが、いずれの形で倒しても気絶するだけなので時間を置けば復活する。また、武器を落とすこともない。

登場する武器[編集]

銃器[編集]

9mm拳銃
9mm機関拳銃
89式小銃
64式小銃
64式小銃(狙撃仕様)
5,56mm機関銃MINIMI
二十六年式拳銃
NN38口径
狩猟用狙撃銃

鈍器[編集]

角材
モンキーレンチ
闇人の傘
火掻き棒
鉄パイプ
バール
縄切り
縄切り手鈎
左官用こて
警棒
目抜き大切
ハンマー
金槌
ピッケル
鶴嘴
皮剥き鎌
89式小銃用銃剣
64式小銃用銃剣
テニスラケット
靴べら
魚鈎
手鈎
手斧
アイロン
出刃包丁
官給スコップ
シャベル
フライパン
ゴルフクラブ
デッキブラシ
熊手
トロフィー
木刀
木製バット
釘バット

その他[編集]

懐中電灯、L字型ライト
発煙筒
狩猟罠
ナット
軽トラック
消火器
蛸壺
電球
水銀灯
21.5㎜信号拳銃
潮凪
太田家に代々伝わる古刀。
闇那其
焔薙
神代家に代々伝わる古刀。
宇理炎
古代の祭祀に使用したと推測される呪具。

キーワード[編集]

闇那其(あんなき)
世界が創造される以前にいたという「唯一無二の存在」。詳細な経緯は明かされていないが、『SIREN』の世界ではこの闇那其の死によって世界が誕生したとされる。
容姿、性質共に不明だがこの闇那其の死に際して飛び散った"身"の破片がそれぞれ闇霊とその集合体である母胎、屍霊とその集合体である堕慧児の源になった。また前作『SIREN』の最後の敵・堕辰子もこの闇那其の身から生まれたという。
闇那其の骸は現在異界の大樹「滅爻樹」の根に融合しており、残った爪、牙、骨といった部位が後に"闇那其・痕"と呼ばれて母胎との最終決戦に貢献することとなる。
名前の由来はシュメール神話の神々の一群・アヌンナキ
滅爻樹(めっこうじゅ)
闇人を滅せられる道具。これは夜見島に伝わる聖なる木の枝で、闇人を滅した枝は小さな木に成長する。現世において既に枯れてしまったためか木は存在しないが、子供が生まれると太田家当主が四鳴山に枝を拾いに行きそれに銘をつける。ゲーム中では滅する闇人の銘が付いた滅爻樹を用いることが多いが、基本的に銘は関係していないため、別人の銘が付いた滅爻樹でも問題なく滅することができる[19]
詳細は不明だが、冥界の赤い海から巨大な滅爻樹が生えている。

スタッフ[編集]

  • ディレクター - 外山圭一郎
  • シナリオ - 佐藤直子
  • 音楽 - 蓜島邦明

漫画版[編集]

人魚の記憶
『SIREN2 MANIACS -サイレン2公式完全解析本-』の巻末に掲載された諸星大二郎による読み切り作品。「諸星大二郎的解釈による、もう一つの「SIREN」」と記載されており、サイレンの音と幼い日の記憶に悩まされている、一人の男の話が描かれている。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 作中では、三沢が休憩した際、屍人化した春海に襲われる悪夢を見るシーンがある。
  2. ^ この歌は阿部役の中村英司によるボーカルで本作の初回特典CDに収録されている。
  3. ^ 一樹達に放った言葉から、堕慧児の意識と完全に融合している事が分かる。
  4. ^ SIREN2 公式パーフェクトガイド 42P
  5. ^ メニュー画面での職業名は前作と同じ高校生。
  6. ^ 美耶子は既に生贄にされ死亡していることを目撃はしたが、存在することは未だ信じている模様。
  7. ^ 前者は前作のラストバトルで使用した技。後者は前作のエンディングで羽生田村を焼き尽くした炎で、煉獄の炎よりも広範囲に攻撃できる。
  8. ^ SIREN』シリーズプロデューサー。
  9. ^ 柳子は一目で百合の正体に気付き、「あなた、お母さんに近い」と発言しており、殺されることを悟っていた。
  10. ^ 三上は阿部からツカサのことを訊かれた際、「彼女も思い出になってしまった」と述べていた。
  11. ^ 101個目のアーカイブ「多河柳子が阿部倉司にあてた手紙」の内容より。
  12. ^ 前作でも最初に出会う屍人である石田徹雄を演じている。
  13. ^ 本作のアシスタントプロデューサー。
  14. ^ a b アーカイブNo.078内で登場。演者は『SIREN』シリーズの制作スタッフ。
  15. ^ ニコニコ生放送『SIREN2』10周年生放送(2016/02/09(火) 19:57開場 20:00開演)より引用
  16. ^ ニコニコ生放送『SIREN2』10周年生放送(2016/02/09(火) 19:57開場 20:00開演)より引用
  17. ^ SIREN2 MANIACS サイレン2公式完全解析本
  18. ^ SIREN2 MANIACS サイレン2公式完全解析本 118p~119p 140p
  19. ^ ゲーム中でも、三上隆平の闇人は息子の脩の銘が付いたもので滅されている。
  20. ^ SIREN2 MANIACS サイレン2公式完全解析本 127P
  21. ^ SIREN2 MANIACS サイレン2公式完全解析本 114P
  22. ^ SIREN2 MANIACS サイレン2公式完全解析本 113P

参考文献[編集]

  • SIREN2 MANIACS サイレン2公式完全解析本 2007年4月26日 ホビージャパン ISBN 978-4894255319 - 開発チームの完全監修。付録として101個目のアーカイブ「多河柳子から阿部倉司への手紙」が収録されている。

外部リンク[編集]