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エジプト軍の車両がスエズ運河上の仮設浮橋を渡る。(1973年10月7日

バドル作戦(バドルさくせん、عملية بدر)あるいはバドル計画(バドルけいかく、خطة بدر)は、1973年10月6日スエズ運河を横断してイスラエル軍の各拠点からなる「バー=レブ線」を制圧した、エジプト軍事作戦の名称である。シリア軍ゴラン高原進攻ヘブライ語版と同時に発動されたこの攻撃は、第四次中東戦争(十月戦争、ヨム・キプール戦争)の開始を画するものとなった。

攻撃はイスラエル軍の不意を衝き、10月7日には渡河は完了し、エジプト軍の5個歩兵師団が運河の東岸を占拠していた。歩兵部隊は160キロ(99マイル)長の前線に広がる各橋頭堡に防御陣地を構築した。10月7日の戦闘の小康状態に続いてイスラエル軍の予備機甲戦力が前線に到着し、イスマイリア市に対峙して反撃をしかけた。エジプト軍部隊は対戦車兵器を用いてイスラエル軍機甲戦力の撃退に成功し、再び前進した。10月8日の暮れにはエジプト軍は、運河の東岸全域に沿って縦深およそ15キロ(9.3マイル)の帯状の領域を占拠していた。

運河の横断に加えて、エジプトは紅海地中海においてイスラエルに対する海上封鎖を成功させた。