ポリゴン・ピクチュアズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
POLYGON PICTURESから転送)
株式会社ポリゴン・ピクチュアズ
Polygon Pictures Inc.
種類 株式会社
略称 ポリゴン、PPI
本社所在地 日本の旗 日本
106-0047
東京都港区南麻布3丁目20番1号
Daiwa麻布テラス1階
設立 1983年7月22日
業種 情報・通信業
法人番号 4010401066486 ウィキデータを編集
事業内容 映画、TVシリーズ、ゲーム、ライブ・展示会、WEB・スマートデバイスなど、各種メディア用コンテンツの企画・デザイン・映像制作・ライセンス
代表者 代表取締役社長 塩田周三
資本金 1億円
純利益 4395万6000円(2019年12月31日時点)[1]
総資産 27億5644万8000円(2019年12月31日時点)[1]
従業員数 約300名(プロジェクト契約者含む)
主要株主 株式会社ポリゴン・ピクチュアズ・ホールディングス
キングレコード株式会社
関係する人物 安宅洋一(取締役副社長)
守屋秀樹(取締役副社長)
林信明(取締役)
島田寛志(取締役)
外部リンク www.ppi.co.jp ウィキデータを編集
テンプレートを表示

株式会社ポリゴン・ピクチュアズ: Polygon Pictures Inc.)は、日本3DCGアニメ制作会社

略歴・概要[編集]

1983年7月22日、河原敏文により設立。当時は東京都港区南青山に本社を置き、1986年に中央区京橋に移転、1987年には品川区東品川に移転した。

河原が社長を務めていた頃は「企画型プロダクション」と称し、日本のCG業界にあって独自の存在感を示していた。1984年から1987年にかけてはパイオニアLDCと共同でレーザーディスクの映像作品『映像の先駆者』シリーズを企画・制作。広告デザイン、テレビ番組のオープニングCG、3DCGの研究開発等を手がける。1993年、テレビCMに登場した恐竜キャラクター「マイケル」とCGキャラクター初のタレント契約を結ぶ。1995年、資生堂の整髪剤「HGスーパーハード」のテレビCMに登場するイワトビペンギンのキャラクター「ロッキー×ホッパー」を生み出した。

1997年3月12日、ソニー・コンピュータエンタテインメントナムコ(後のバンダイナムコエンターテインメント)から出資を得て、3社合弁による3DCG制作会社、株式会社ドリーム・ピクチュアズ・スタジオ(DPS)を江東区有明お台場)に設立し、総制作費80億円のフルCG映画の企画に取り組んだが、1999年、映画は完成することなくDPSも解散。その後、DPSの跡地はポリゴン・ピクチュアズが本社として使用していたが長くは続かず、業務を縮小して2002年に本社を新宿区大久保に移転した。

2003年6月、塩田周三が代表取締役社長に就任。塩田が帰国子女で英語が堪能であるため、アメリカテレビシリーズなどの受託案件が多く、再び規模を拡大して、2006年に本社を再び港区の現在地に移転。スタッフの大半はプロジェクトごとの契約になっている。また、塩田は2004年・2005年度にSIGGRAPHの審査員を務めた。

2004年に公開された押井守監督作品『イノセンス』の3DCGパートにも関わっている。押井作品のCGパートは、以前はオムニバス・ジャパンが担当していたが、最近は[いつ?]ポリゴン・ピクチュアズが担当することが多くなっている。

塩田の就任以降、大規模な制作や巨大プロジェクトを意識しており[2]、2012年にマレーシアのアニメスタジオであるSILVER ANTと合弁会社「SILVER ANT PPI SDN.BHD.」を設立。大規模な作業量に対応するための分業体制を拡充するなどしている[3]

2011年、アマナグループの連結子会社となる。4月22日にアマナHDが株式45.17%を取得し資本業務提携を開始[4]。6月30日には株式を追加取得し、所有割合を64.48%に引き上げ連結子会社化[5]。これは2014年末まで継続し、2014年12月29日にアマナはキングレコードとポリゴン・ピクチュアズ・ホールディングスへ株式を譲渡した[6]

2012年にポリゴン・ピクチュアズが映像制作を担当するハズブロ・スタジオ製作によるフルCGテレビシリーズ『超ロボット生命体 トランスフォーマー プライム』が第39回デイタイム・エミー賞 アニメーション番組特別部門最優秀賞を受賞、同社担当プロデューサー陣も受賞者としてクレジットされる。

2013年、第40回アニー賞にてポリゴン・ピクチュアズ制作のフルCGテレビシリーズ『トロン:ライジング』(ディズニーXD放送)が4部門で受賞&ノミネート、フルCGテレビシリーズ『スター・ウォーズ:クローン・ウォーズ』(カートゥーン ネットワーク放送)が4部門でノミネートを果たした。

2014年、設立30周年記念作品として『シドニアの騎士』(弐瓶勉)のアニメーション制作を担当[7]。日本のテレビアニメーションに本格的に参入。

2016年、ポリゴン・ピクチュアズがアニメーション制作を担当した『山賊の娘ローニャ』が第4回国際エミー賞キッズアワード アニメーション部門 最優秀作品賞を受賞。

2017年の第44回デイタイム・エミー賞では、ポリゴン・ピクチュアズがアニメーション制作を手がけた『Lost in Oz: Extended Adventure』が主要部門である子供向けアニメーション番組部門 最優秀賞を含む3冠を達成した。

2019年、ポリゴン・ピクチュアズがアニメーション制作を手がけた『スター・ウォーズ レジスタンス』が第45回 サターン賞 TVアニメーションシリーズ部門を受賞。

2021年、新たなビジネス拠点としてインド・ムンバイの衛星都市であるターネ市に、CG映像制作でも特に技術的知識、経験を必要とするリグ工程に特化した100%子会社「Polygon Studios India Private Limited」を設立[8]

同社の社風として「徹底した工程管理」を行ない、品質や納期の両立、社員の過重労働防止などに力を入れており、旧来からこれらの問題に直面していたアニメ業界に新風を巻き起こしている、と報じられている[9]

歴代社長[編集]

氏名 在任期間
河原敏文 1983年 - 1999年
笹沼泰助 1999年 - 2003年
塩田周三 2003年 -

制作作品[編集]

1980・1990年代[編集]

タイトル カテゴリー 備考
1984年 映像の先駆者シリーズ -1987年
1993年 スーパーパワーリーグパッケージ用CG ゲーム
1994年 スーパーパワーリーグ2パッケージ用CG ゲーム
1995年 資生堂 HGスーパーハード CMシリーズ CM -1997年
1997年 イワトビペンギン ロッキー×ホッパーシリーズ オリジナルキャラクター -1998年
1998年 ポリゴン家族
1999年 クロコタイヤ

2000年代[編集]

タイトル カテゴリー 備考
2000年 デジタル所さん テレビ -2001年、日本テレビ
2001年 いないいないばあっ!「つみきでどうぶつ」 -2010年、NHK教育テレビ
SHOWBIZ COUNTDOWN -2010年、テレビ愛知/テレビ東京
2002年 鬼武者2 ゲーム
ウルトラマンコスモス2~THE BLUE PLANET~ 映画 映画
ミニモニ。じゃムービー お菓子な大冒険
劇場版サルゲッチュ 黄金のピポサル・ウッキーバトル
2003年 ウルトラマンコスモスVSウルトラマンジャスティス~THE FINAL BATTLE~
Jリーグ ウイニングイレブンタクティクス ゲーム コナミ
げんきげんきノンタン「まいごはだ~れ?」「だいすきABC」「コロコロことばいえるかな?」 DVD 日本コロムビアDVD
いないいないばあっ!「のりものダンボール」 テレビ -2006年、NHK教育テレビ
2004年 イノセンス 映画 映画、Production I.G押井守監督作品
資生堂 オードレシピ薬用しろはだ水CM「美白の妖精」篇 CM
フォーラムエンジニアリング テクノアーティストCM「ピアノ」篇
バンダイ PSPルミネスCM「サイレントフィーバー」篇
ダークチャペル「東京ジョイポリス」アトラクション アトラクション
げんきげんきノンタン「はっぱっぱカルタだれのこえ?」「はみがき しゅこしゅこ」「うたおう!クリスマス」 DVD 日本コロムビアDVD
2005年 ギャラクシーエクスプレス999「エプソン 品川アクアスタジアム」アトラクション アトラクション
ヤマトホームコンビニエンスCM「新引越らくらくパック」篇 /「新単身引越サービス」篇 CM
零 -刺青ノ聲- ゲーム テクモ
めざめの方舟 イベント 愛・地球博パビリオン、押井守監修
2006年 SAMUROID ZERO オリジナル映像
戦国自衛隊・関ヶ原の戦い テレビ 日本テレビ
文化シヤッター エア・キーパー大間迅CM「バグズ・アタック」篇 CM
わかさ生活 ブルーベリーアイCMシリーズ
DEAD OR ALIVE 4「ハヤテ」篇「エレナ」篇エンディングムービー ゲーム テクモ
DEAD OR ALIVE XTREME 2
KOF MAXIMUM IMPACT 2 SNKプレイモア
げんきげんきノンタン「がんばるもん」「いたいのとんでけ~☆」 DVD 日本コロムビアDVD
2007年 BUMP OF CHICKEN 花の名 PV PV
BONEHEADS
プーさんといっしょ テレビ
いないいないばあっ!「ことちゃんアニメ」 -2010年、NHK教育テレビ
2008年 GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊2.0 映画 映画、Production I.G、押井守監督作品
スカイ・クロラ The Sky Crawlers
ストリートファイターIV A NEWS BEGINNING ゲーム カプコン
スター・ウォーズ:クローン・ウォーズ テレビ -2015年
カートゥーン ネットワーク
NHK教育テレビ
2009年 モンスターファームラグーン ゲーム テクモ
バイオハザード5 カプコン
CHEMISTRY Period PV PV
げんきげんきノンタン「でかでかありがとう」 DVD 日本コロムビアDVD
ホッタラケの島 〜遥と魔法の鏡〜 映画 映画、Production I.G

2010年代[編集]

タイトル カテゴリー 備考
2010年 彼岸島 映画
METROID Other M ゲーム 任天堂
いないいないばあっ!「このくもなあに?」 テレビ -2014年、NHK教育テレビ、アニメーション制作
HANABEAM by HIFANA PV PV
2011年 今夜もドル箱S テレビ テレビ東京
NISSAN×dwarf 「PLUG,OUR NeW WORLD」 THE PLANET ZERO Movie Theater イベント
マイブリッジの糸 映画
2012年 超ロボット生命体 トランスフォーマー プライム テレビ・配信 -2013年、ハズブロ、テレビ愛知/テレビ東京系、アニメーション制作
トロン:ライジング 配信 ディズニーXD、アニメーション制作
ストリートファイター X 鉄拳 ゲーム カプコン、ゲーム内映像制作
ロリポップチェーンソー 角川ゲームス
恐竜ドミニオン -2014年、Androidアプリゲーム、コロプラ
デジタリアル ライブステージ「東京ジョイポリス」プロジェクションマッピング ライブ映像
“Caretta Illumination 2012”「リュミエの森」 イベント カレッタ汐留 プロジェクションマッピング
きいろいゾウ 映画 アニメーションパート制作
2013年 げんきげんきノンタン「スプーン たん たん たん」 DVD 日本コロムビアDVD、製作
爆獣合神ジグルハゼル PV アニマックス
戦国かぶき道 ゲーム -2014年、Androidアプリゲーム、コロプラ
2014年 シドニアの騎士 テレビ・配信 製作
株式会社ポリゴン・ピクチュアズ設立30周年記念作品
スターチャイルドムービングロゴ
パワーパフガールズ:ダンスパンツにご用心! MV ミュージックビデオ制作
いないいないばあっ!「クレヨンちゃん」 テレビ 2014年-、NHK教育テレビ
Sacred3 ゲーム Deep Silver
山賊の娘ローニャ テレビ アニメーション制作
シーフ ゲーム Square Enix & Eidos-Montréal
ツムツム[要曖昧さ回避] 配信 2014年-、ディズニー・チャンネル、アニメーション制作
2015年 劇場版 シドニアの騎士 映画 製作
シドニアの騎士 第九惑星戦役 テレビ
トランスフォーマー アドベンチャー 配信 ハズブロ、アニメーション制作
げんきげんきノンタン「おばけむら めいろ」 DVD 日本コロムビアDVD、製作
ロッキー×ホッパーLINEスタンプ 2015年-、製作
劇場版3部作『亜人-衝動-』『亜人-衝突-』『亜人-衝戟-』 映画 -2016年、製作
2016年 ストリートファイターV ゲーム カプコン
ストリートファイターV 「A Shadow Falls」
TVシリーズ『亜人』 テレビ 製作
angela×fripSide僕は僕であって MV アニメ「亜人」第2クールオープニングテーマ
おやつのもりのパンクー 2016年-
グレゴリーホラーショー
Hop Step Sing! MV 2016年-、講談社
Lost in OZ 配信 2016年-、Amazonプライム、アニメーション制作
2017年 エリサとオールドノートン 書籍
週刊 鉄腕アトムを作ろう!
GODZILLA 怪獣惑星[10] 映画 アニメーション制作、東宝
Airtone キャラクターデザイン、アミューズメントメディア総合学院
妖屋敷 CAセガジョイポリス
BLAME! 映画 アニメーション制作
ピングー in ザ・シティ テレビ -2018年、アニメーション制作
レイヤードストーリーズ ゼロ -2018年、バンダイナムコエンターテインメント
2018年 蒼天の拳 REGENESIS アニメーション制作
GODZILLA 決戦機動増殖都市 映画 アニメーション制作、東宝
陰陽師 PV PV制作、NetEase
GODZILLA 星を喰う者 映画 アニメーション制作、東宝
スター・ウォーズ レジスタンス 配信 アニメーション制作、ルーカスフィルム
ベイマックス&モチ アニメーション制作、ウォルト・ディズニー・ジャパン
2019年 Levius -レビウス- テレビ・配信 製作
HUMAN LOST 人間失格 映画 アニメーション制作
モンソニ! in XFLAG PARK 2019 ライブ ライブシーンアニメーション制作

2020年代[編集]

タイトル カテゴリー 備考
2020年 空挺ドラゴンズ テレビ・配信 製作
SHOW BY ROCK!! ましゅまいれっしゅ!! テレビ CGパート制作
トランスフォーマー:ウォー・フォー・サイバトロン・トリロジー 第1章: シージ 配信 アニメーション制作
トランスフォーマー:ウォー・フォー・サイバトロン・トリロジー 第2章: アースライズ
パンダのシズカ 配信 -2023年、Apple TV+、アニメーション制作
モンソニ!LIVE ウタノチカラ ライブ映像 ライブ映像制作
げんきげんきノンタン「きらきら シャンシャン おほしさま☆」 プラネタリウム 製作
2021年 シドニアの騎士 あいつむぐほし 映画 製作
POKÉTOON「プリンのうた」 配信 映像プロデュース
パシフィック・リム: 暗黒の大陸 -2022年、アニメーション制作
トランスフォーマー:ウォー・フォー・サイバトロン・トリロジー 最終章: キングダム
ドラゴンクエストけしケシ! ゲーム 世界観ムービー制作協力
新すばらしきこのせかい ゲーム内カットシーン制作
2022年 エスタブライフ グレイトエスケープ テレビ 製作
ラブ、デス&ロボット VOLUME3「死者の声」 配信 アニメーション制作
永久少年 Eternal Boys テレビ 製作(原作)
モンソニ!LIVE Feel Summer!! ライブ映像 ライブ映像制作
2023年 大雪海のカイナ テレビ 製作
大雪海のカイナ ほしのけんじゃ 映画
永久少年 Eternal Boys NEXT STAGE
MECH CADETS 配信
2024年 アイドルマスター シャイニーカラーズ[11] テレビ アニメーション制作
BLOODY ESCAPE -地獄の逃走劇- 映画 製作

みんなのうた[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b 株式会社ポリゴン・ピクチュアズ 第37期決算公告
  2. ^ 「日本にフルCGアニメは根付くのか?」第8回:塩田周三(プロデューサー/ポリゴン・ピクチュアズ代表取締役)
  3. ^ ポリゴン・ピクチュアズがマレーシアのシルバー・アント社と合弁会社設立の契約締結
  4. ^ アマナホールディングス、ポリゴン・ピクチュアズと資本業務提携
  5. ^ アマナホールディングス<2402>、CG製作会社のポリゴン・ピクチュアズを子会社化
  6. ^ アマナ<2402>、CGキャラクター開発のポリゴン・ピクチュアズを譲渡
  7. ^ つま先立ち”で、グルーヴをキープせよ。CGアニメ界からの提言, https://wired.jp/series/wired-audi-innovation-award/34_shuzo-john-shiota/ 
  8. ^ ポリゴン・ピクチュアズ、新たなビジネス拠点としてインドに100%子会社を設立 CGWORLD.jp 2021年8月4日。
  9. ^ [ポリゴン・ピクチュアズ]アニメ業界に新風 驚異の工程管理で質とスピードを両立 マイナビニュース 2015年11月23日。
  10. ^ ゴジラが虚淵玄の脚本で劇場アニメ化、制作はポリゴン・ピクチュアズ - 映画ナタリー” (2016年8月19日). 2016年8月19日閲覧。
  11. ^ "Staff&Cast". アニメ「アイドルマスター シャイニーカラーズ」公式サイト. バンダイナムコエンターテインメント. 2023年3月19日閲覧

外部リンク[編集]