NP

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NPは、複雑性クラスのひとつで、Non-deterministic Polynomial time(非決定性多項式時間)の略である(「Non-P」ないしは「Not-P」ではない)。

定義[編集]

NP の定義は次の2つである、ただしこれらはお互い同値であることが証明されている。

  1. 非決定性チューリングマシンによって多項式時間で解くことができる問題。
  2. yes となる証拠が与えられたとき、その証拠が本当に正しいかどうかを多項式時間で判定できる問題。

端的に説明するときは 2番目の定義(多項式時間で検算可能)が用いられることが多い。

なお NP はクラス P 同様、判定問題のクラスであり yes/no で答えることの出来ない問題は NP には属さない。

例として、ハミルトン閉路問題を考えてみよう。これは「与えられたグラフについて、全ての頂点を一度だけ通る閉路が存在するか」という問題であり、この問題に対してyes/noを判定するのは容易ではない(多項式時間で解けるアルゴリズムは知られていない)。しかしyesとなる証拠、すなわち実際の閉路が与えられたならば、「本当に全ての点を一度ずつ通っているか」という検証は多項式時間で可能である。したがって、ハミルトン閉路問題はNPに属する。

誤解されることが多いが、NP は多項式時間で解けない問題のクラスではない(Not P の略ではない)。上記の定義は全てのクラス P の問題にも当てはまるので、クラス P は クラス NP に含まれる。

NPはPよりも大きいと予想されているが、証明されていない。P≠NP予想という。

NPに属する任意の問題と少なくとも同じくらい難しい問題をNP困難であるといい、そのうちNPに属するものをNP完全問題という。これらの概念は正確には多項式時間帰着を使って定義する。

関連項目[編集]

  • 量子コンピュータ(ただし「BQP」という、量子コンピュータの計算複雑性クラスとNPがどういう関係にあるかは、2018年現在、明確ではない。従って、関連項目ではあるが、どういう関連があるのかは2018年の時点では明確ではない)
  • 多項式階層
  • 対話型証明系