Mz 3

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Mz 3
Ant Nebula.jpg
星座 じょうぎ座
視等級 (V) 13.8[1]
視直径 >50″ × 12″[2]
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α) 16h 17m 13s[3]
赤緯 (Dec, δ) -51° 59′ 10.31″[3]
距離 ~8,000 光年 (~2,500 パーセク)[2]
絶対等級 (MV) 1.8
別名称
別名称
ESO 225-9[3], Ant Nebula[3], Chamber of Horrors[
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Mz 3(Menzel 3)は、じょうぎ座の方角にある双極性星雲で、明るい核と、lobes, columns, rays, chakramと名付けられた外側への4種類の高速の流れによって構成されている。その様子は、「2つの球状で双極のlobes、2つの外側の大きな繊維状の砂時計型のcolumns、2つの円錐形のrays、そして平面放射状に広がる楕円形のchakram」と記述されている[4][5]。Mz3は3種類の入れ子状に対になった双極性のローブとその赤道面上の楕円形で構成される複雑なシステムである[6]。全てのローブは対称軸を持つが、各々の形態や開口角はかなり異なる[6]。特異な惑星状星雲で、中央に共生星を持つと考える研究者もいる[5]。研究により、中心部の濃い星雲ガスは、外側のローブとは異なる起源を持つことが示唆されている[5]。この仮説を説明するモデルは、中央のガスの濃い部分を形成した巨大伴星と惑星状星雲にイオン化した光子を供給する白色矮星からなる[5]

形がアリの頭部及び胸部に似ているため、しばしばAnt Nebulaと呼ばれる。

特徴[編集]

Mz 3は、約50 km/sの速度で拡張し、軸は平面から約30°の角度を向いている。より研究が進んでいるM2-9と比較されることがあり、どちらも良く似た進化史を持っている。どちらも点状の明るい核と細くくびれた双極の星雲を持ち、驚くほど似た空間依存のスペクトルを示す。この類似性のため、これらの違いは特筆すべきである。最も大きな違いは、恐らく近赤外線放射である。またMz 3からは水素分子の放射はないが、M2-9は近い赤外線付近に明るい水素放射がある。Mz 3の水素放射の欠如は、このような放射と惑星状星雲の双極構造の強い関係性からのものである。さらに、Mz 3の極のローブは、M 2-9と比べるとよりまだらで丸い。そして、Mz 3では、M2-9で観測されているような極のローブの一時的な変動が起きている証拠が見つかっていない(Doyle et al. 2000)。(Smith 2003)

チャクラム[編集]

Mz 3の形態的な特徴の中で、最も風変わりなものの1つは、暗くて大きく周縁部の明るい、星雲の核を中心とした楕円形のチャクラムである(2004年に初めて記載された)。楕円平面は、他の構造が共有する鏡映対称面に近いものの、これらは相殺する。この構造の運動学は、研究が行われた既知の惑星状星雲の中で、唯一のものである。他の全てのMz 3の構造とは異なり、核から放射方向の速度の増加がみられない。従って、その動きは放射状であるものの、これは単なる赤道面状の流れではない。全ての運動学的な性質は、他の全てのMz 3の構造と同様に対称性があり、核に対して非常に秩序立って並んでいる。従って、この構造は歴史的に中心の恒星の進化と関連付けられてきた(Santander-Garcia et al. 2004)。

この星雲は、地球から約8000光年離れており、13.8等級である。

歴史[編集]

Mz 3は、1922年にドナルド・メンゼルによって発見された[2]Menzel 1922

1997年7月20日には、ワシントン大学のBruce Balickとライデン大学のVincent Ickeにより、ハッブル宇宙望遠鏡を用いて観測された。また、1998年6月30日には、ジェット推進研究所のRaghvendra SahaiとJohn Traugerにより、ハッブル宇宙望遠鏡を用いて写真が撮影された。

脚注[編集]

  1. ^ 8,000 ly distance × sin( >50″ diameter_angle / 2 ) = 1.0 ly. radius
  2. ^ 13.8[1] apparent magnitude - 5 * (log10(2,500 pc distance) - 1) = 1.8 absolute magnitude
  3. ^ Mz 3 has several components with varying degrees of collimation. It also has an unusual spectrum. Together, these entitle it to the nickname of “The Chamber of Horrors" of planetary nebulae as given by Evans in 1959.[2][4]

出典[編集]

座標: 星図 16h 17m 13.35s, −51° 59′ 10.4″

外部リンク[編集]