MedWatch

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
米国食品医薬品局(FDA)のロゴ

MedWatch(メドウォッチ)は、米国食品医薬品局(FDA)の「安全性情報および有害事象報告プログラム」である。これは、FDA有害事象報告システム英語版(FAERSまたはAERS)と相互連携する。MedWatchは、有害事象または警鐘事象(センチネルイベント)を報告するために使用される。1993年に設立されたこの自主的な報告制度により、前述のような情報を医学界や一般の人々と共有することができる。このシステムには、一般に公開されているデータベースと専門家向けのオンライン分析ツールがある。MedWatchはまた、医療リコールやその他の臨床安全に関する情報をそのプラットフォームを通じて配信している。

歴史[編集]

MedWatchは、医療における有害事象に関するデータを収集するために1993年に設立された。有害事象とは、医薬製品の使用に関連した望ましくない経験のことを言う。MedWatchシステムは、医薬品や医療機器だけでなく、FDAが規制するその他の製品(栄養補助食品化粧品医療食乳児用調製粉乳など)の有害反応や品質問題の報告も収集している。2011年夏時点で、このプログラムに40,000件を超える有害事象が報告された[1]

運用[編集]

医療専門家、消費者、および患者による自主的な報告は、単一の1枚の報告用紙(FDA書式3500[2])を使って行われる。報告は、オンライン[3]、電話、または郵便やファックスでMedWatch書式3500を提出することによって行うことができる。2013年、MedWatchは、医療消費者による報告を容易にするために書式3500Bを導入した[4]。MedWatchシステムは、医療製品の安全上の危険信号を検出することを目的としている。信号が検出された場合、FDAは公衆衛生を保護するために、医療製品に関する安全警告を発したり、製品の回収、撤回、または表示の変更を命じることができる。重要な安全情報は、MedWatchのWebサイト[5]およびMedWatch Eリスト[6]を通じて、医学界および一般の人々に配信される。

MedWatchシステムからの生データは、規制によって義務付けられた製造業者からの副作用報告とともに、公開データベースの一部をなす[7]。データベースを分析するオンラインツール(eHealthMe英語版のツールなど)は、医療消費者と専門家の両方が利用できる[8][9][10][11]。このデータベースは、報道関係者がFDAの医薬品承認実務を調査するために用いられた[12][13]

脚注[編集]

  1. ^ McKee, Jennie. “Using the FDA's MedWatch program”. American Academy of Orthopaedic Surgeons. 2014年1月15日閲覧。
  2. ^ Archived copy”. 2010年3月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月16日閲覧。
  3. ^ MedWatch Voluntary Reporting Form”. www.accessdata.fda.gov. FDA. 2022年4月16日閲覧。
  4. ^ FDA's MedWatch program turns 20: What's new?”. American Pharmacists Association (2013年10月1日). 2017年7月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年1月15日閲覧。
  5. ^ MedWatch: The FDA Safety Information and Adverse Event Reporting Program”. FDA. 2022年4月16日閲覧。
  6. ^ About the MedWatch E-list”. FDA. 2022年4月16日閲覧。
  7. ^ FDA Adverse Event Reporting System (FAERS) Public Dashboard”. FDA. 2022年4月16日閲覧。
  8. ^ eHealthMe - Personalized drug monitoring”. www.ehealthme.com. 2022年4月16日閲覧。
  9. ^ FDAble: Search FDA MedWatch FAERS / AERS Database”. www.fdable.com. 2022年4月16日閲覧。
  10. ^ OpenVigil”. SourceForge. 2022年4月16日閲覧。
  11. ^ OpenVigil free scientific AERS analysis tool (online search engine hosted at Kiel university)”. 2022年4月16日閲覧。
  12. ^ CBS News - Dangerous Drugs”. IRE. 2006年9月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月16日閲覧。
  13. ^ Archived copy”. 2008年11月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年7月4日閲覧。

外部リンク[編集]