MERSコロナウイルス

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MERSコロナウイルス
MERS-CoV electron micrograph1.jpg
分類(ウイルス)
: 第4群(1本鎖RNA + 鎖)
: ニドウイルス目
Nidovirales
: コロナウイルス科
Coronaviridae
亜科 : コロナウイルス亜科
Coronavirinae
: ベータコロナウイルス属
Betacoronavirus
: MERSコロナウイルス
Middle East respiratory syndrome coronavirus

MERSコロナウイルス(マーズコロナウイルス、: Middle East respiratory syndrome coronavirus, MERS-CoV)は中東呼吸器症候群 (Middle East respiratory syndrome, MERS) の病原体であり、SARSコロナウイルスに似たコロナウイルス(ベータ型)で、2012年イギリスロンドンで確認された[1][2]

2015年6月16日現在の合計では、1293人感染(韓国180人を含む)、458人死亡[3]。感染地域は2015年5月に韓国、中国に広がった(#2015年 韓国参照)。

概要[編集]

World MERS outbreak.svg

2015年6月現在、中東地域及び韓国で感染拡大中の新型コロナウイルスである。肺炎(異型であるので診断に注意が必要)を主症状としており、死亡率が40-50%前後と非常に高い。2002-03年に流行したSARS(サーズ)コロナウイルスとは類似しているものの異なる種類であり、SARSの死亡率は約9%前後であった。

2015年6月現在、感染者は1200人を越えており、死亡者は450人近くに上っている[4]。感染国は、サウジアラビア、韓国、UAE、ヨルダン、カタール、オマーン、イラン、クウェート、イエメン、レバノン。旅行者による一時的な感染国は、アメリカ、イギリス、フランス、イタリア、オランダ、ギリシャ、チュニジア、エジプト、アルジェリア、マレーシア、フィリピン、スペイン、トルコ、オーストリア(他に感染後にドイツに移送された感染者が2人)。感染地域は広がりつつあるが、持続的なヒト・ヒト感染の証拠はなく、ヒト・ヒト感染は一過性に過ぎないと見られている。

多くの患者で通常の肺炎が見られない[5][6][7]。また(肺に近い)下気道に感染しやすいところ(受容体)があり、症状が少ないまま突然肺炎になりやすい[8][9][10][11]

本ウイルスは遺伝子解析からヤマコウモリが起源とされているが[12][13][14]、現在の中間宿主[15][16][17]、感染方法は全く不明である。潜伏期間は2.5-14日間とされている[18][19][20][21][22][23]が、14日間の隔離期間の終了後に症状が現れるケースもいくらか出てきている[24]

自然宿主が動物である(人獣共通感染症)ことはほぼ間違いなく、ヤマコウモリまたはラクダ[25][26][27]が疑われているので、上記感染確認地域ではできる限り動物(ラクダに限らず)にさわったりせず、手洗いを励行することも感染予防に大事である。

2013年6月末現在、ヒトヒト感染での空気感染例はなく、濃厚接触感染が存在するとされている。パンデミックフェーズは3相当(宣言されてはいない。WHOは誤解を生む「パンデミック・フェーズ[28]の代わりになる警報基準を2013年6月に発表した)[29]。サウジアラビアのバチンの集団感染例がある。ラクダ商人の38歳男性が肺炎で死亡した。彼は病気のラクダを扱っていた。彼の母、娘、いとこの合計3人がMERSに感染し、2人が死亡している。

歴史[編集]

  • 2012年9月に初めて報告された(感染者の入院は6月13日、死亡は6月24日。サウジアラビアジェッダ[30][31][32][33][34][35]
  • 2013年5月、国際ウイルス分類委員会が[36]、病原体名を「Middle East respiratory syndrome coronavirus (MERS-CoV)」と命名[37]、WHOの決定を受けて[38]、厚生労働省はウイルスの名称をMERS(マーズ)コロナウイルスと名付け、感染症名を中東呼吸器症候群 (MERS) と決定した[39][40][41]
  • 2013年5月下旬、WHOのチャン事務局長は、年次総会の締めくくりとなるスピーチで「現在私にとって最大の懸念は新型コロナウイルスである。一つの国だけで対処できるものではなく、全世界への脅威の一つである。」[42][43][44]とした。治療方法、感染方法(つまり感染防止方法も)、宿主が全く分かっていないからである[45]。2013年7月17日WHO緊急委員会[46]は評価会合を開き、「感染拡大が懸念される状況ではないが、十分な警戒が必要である」との暫定的な評価をまとめた[47][48][49]
  • 2013年7月にラマダン、2013年10月にハッジ(大規模なメッカ[50]巡礼)があり、感染拡大が憂慮されていたが、特に異変はなかった[51][52][53][54][55]
  • 2015年、韓国で、密接接触者の定義を狭くしたためにMERSの初期対応に失敗し、感染が広まった[56]

消毒[編集]

消毒用エタノールイソプロパノール次亜塩素酸ナトリウムが推奨されている[57]

予防[編集]

石鹸による手洗い、マスクの装着、ドアノブやスイッチやハンドルなどの人の触る所の消毒などが予防となる。洗っていない手で、目や鼻や口などの粘膜に触らないようにする必要がある[58]。また、ウイルスの付着しやすいマスクの表面には触らないよう注意する必要がある。

また、病人との接触は控えた方が良い[58]。MERSでは無いが、シンガポールでのSARSの例では、病院における医療従事者・家族・見舞い客への感染が多かった[59]。また、公共交通機関においても密接接触(2m以内での接触[60])が危険となる。北京でのSARSの例では、地下鉄での感染が疑われており[61]、SARSでは中国や台湾で公共交通機関の消毒が行われていた[62][63]ほか、台湾の一部の路線でマスク着用義務が行われた[64]。航空機などではサーモグラフィーによる体表温度スクリーニングが行われているが、韓国でのMERSの例では、MERS初期の発熱で38度以上の体温となることはそれほど多くなく、37.5度以上の体温上昇すらも起こらない場合のあることが確認されており[65]、限界がある。家庭内でも密接接触による感染が起こりうるため、マスクをして2m以上距離を保つことが望ましい[66]

空気清浄機は、電気集塵のものではなく、HEPAフィルターやULPAフィルターのものが望ましい[67][68]。また、風量の多い方が空気中のウイルスの量を減らす効果が大きい[68]。ウイルス除去の可能な空気清浄機が無い場合には、換気を良好にして密室とならないようにする必要がある。

また、病人の排泄物からの感染に気をつける必要がある。香港でのSARSの例では、スーパースプレッダーによって、ホテルや団地でも密接接触の範囲を越えた大きな感染が起きている(メトロポールホテル9階、アモイガーデンE棟)[69]。アモイガーデンE棟での大きな感染の原因は、団地の下水施設に問題があり、排泄物の粒子が逆流したことと見られている[70]ため、下水の匂いがする場所には近づかない方が良い。また、メトロポールホテル9階での大きな感染の原因は、病人のトイレを清掃した器具で部屋の掃除をしたこととされる[71]ため、清掃器具の消毒に気をつける必要がある。フランスのMERS院内感染の例でも、排泄物等を経由した感染の可能性が報告されている[72]

また、歯磨きによって口腔内の細菌を減らすことは、症状の類似する細菌性肺炎やウイルス細菌混合性肺炎の予防となる[73]

感染者一人当たりの再生産数(感染させた人数)の平均を一人未満にしなければ流行は収束しないため、感染者に対する接触者追跡調査(コンタクトトレーシング)及び接触者の隔離が行われている。感染者に接触した可能性があり、MERS類似の症状が出た場合には、最寄りの保健所に電話相談する必要がある。なお、症状が無くともMERSに感染しているというケースも現れており[74]無症候性キャリアへの対策が必要になる可能性がある。

2015年6月京都府立大学大学院教授の塚本康浩らのグループが、MERSコロナウイルスに強く結合する抗体をダチョウの卵を使って大量精製することに成功[75]。共同で研究を進めているアメリカ陸軍感染症医学研究所が検証を進め2015年6月の段階で韓国、米国に配布、スプレー剤として大量生産を開始した[75]。抗体によって覆われたウイルスは人の細胞に侵入できなくなり、感染予防に大きな効果があり、抗体を使ったスプレー剤はマスクやドアノブ、手などに噴射すれば感染予防になる[75]

診断[編集]

診断には下気道の検体を使うことが強く推奨されているほか、鼻咽頭と中咽頭の検体も使われており[76]、その検体を使ってPCR検査が行われる。国立感染研究所ではLAMP法も導入された[77]

米国CDCでは、血清を使ったウイルス抗体検査(ELISA法、IFA法、中和抗体測定法)も同時に行われている[78]

治療[編集]

治療法は確立していないため、対症療法となる。肺炎に対する抗炎症薬、下痢による脱水に対する補水、急性呼吸窮迫症候群 (ARDS) に対する人工呼吸敗血症性ショックに対する輸液及び昇圧剤などが中心となる。また、二次感染の防止のために、抗生物質の投与が行われている。

致死率の高さにサイトカイン・ストーム(高サイトカイン血症)の関与が疑われている[79][80]

動物実験において、リバビリン(抗ウイルス薬の一つ)とインターフェロンα2b(サイトカインの一種)の組み合わせが肺炎の発症を抑制するという報告がある[81]。しかし、既に急性呼吸窮迫症候群となっていたエジプトでの5人の重症患者では、これらの組み合わせの投与での治療に失敗している[82]。また、HIV薬のロピナビルや回復期患者の血漿、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体に効果がある可能性がある[83]。WHOでは、2013年にMERS治療の選択肢としての回復期血漿や高い中和抗体の使用を議論するための招集を行ったものの、未だに臨床試験に基づくエビデンスは出ていない[84]。WHO の Blood Regulators Network は、MERS治療のための血清・血漿の収集・使用の方針書を公開している[85]

セリンプロテアーゼ阻害剤の「カモスタット英語版」が、培養細胞レベルで、コロナウイルスの活性化に使われるTMPRSS2英語版を阻害し、MERSコロナウイルスの細胞内への侵入を防ぐことが見つかっている[86]

なお、日本に備蓄されている抗RNAウイルス薬のファビピラビル(商品名アビガン)は、ウイルス性肺炎の主要原因の一部であるインフルエンザウイルスRSウイルスには対しては効果がある[87][88][89]ものの、MERSコロナウイルスに対しては情報が無いため効果は不明である[90]

流行事例[編集]

2012年-現在 中東[編集]

2012年9月、60歳のサウジアラビア男性患者が急性肺炎および腎不全により死亡した。オランダのエラスムス医学センターが遺伝子解析を行い、新型コロナウイルスと確定した[91][92][93]

同年9月、サウジアラビアに滞在していた49歳のカタール人男性患者からもコロナウイルス遺伝子が検出された[94][95]

  • 資料によってカウントする国が異なるため、注意が必要である。
  • サウジの感染者38人中23人以上がAl-Ahsa地域(カタールから約50km)の感染者の関係者である。
  • 6月3日までの集計で、欧州の11人の感染者のうち、5人が欧州域内での感染である。
  • イギリスの1号患者(2012年9月)はカタール人男性で、発症数日前にサウジアラビアに旅行した後発症し、カタールのドーハの病院からロンドンへ緊急輸送された(これをカタール、サウジ、イギリスのどこに入れるべきか問題である。今のところイギリスとして数える場合とサウジアラビアとして数える場合の2通りがある。)(2013年6月28日死亡)。
  • イギリスの2号患者(60歳男性)はサウジアラビアまたはパキスタンで感染した疑いがある。
  • ドイツの1号患者(45歳男性)はカタールで感染したと見られる。
  • フランスの1号患者は4/9~4/17の間にドバイを訪問し、帰国後4/22にMERSを発症。フランス・リールの病院で2号患者と同室。
  • イタリアの1号患者(45歳男性、非イタリア人、トスカナ地方、ホテル勤務、5月31日発表)は40日間ヨルダンに滞在し、帰国時には咳と疲労感があり、その後確認[96]。イタリア在住の孫(2歳女児)と同僚(43歳女性)も感染確認されている。

2013年 イギリス[編集]

大規模感染の恐れについて、世界保健機関も注意を呼びかけている[97]

2015年-現在 韓国[編集]

東アジアにおけるMERSの流行(2015年)
日付 2015年5月 -
場所 韓国中国
死傷者
報告された 感染者数 / 死者数 / 退院者数
(2015年7月2日現在)
合計: 184 / 33 / 102
韓国の旗 韓国 – 183 / 33 / 102
中華人民共和国の旗 中国 – 1 / 0 / 0
報告された 二次 / 三次 / 四次 / 経路不明感染者数
(括弧内は再生産数、
2015年6月25日現在)
30 (30) / 124 (4.13) / 21 (0.17) / 5[98]
2015 MERS in South Korea.svg

2015年5月4日、バーレーンに半月間滞在した68歳の韓国人男性がMERSに感染とは知らずに韓国に帰国し、11日に発症、複数の病院(忠清南道牙山市屯浦面のソウル医院、京畿道平沢市の平沢聖母病院、ソウル特別市江東区千戸洞の365ヨルリン医院)で受診を行い[99][100]、20日にMERSと確定し、韓国は中央防疫対策本部を設置した[101]。他の病院では小規模な感染であったが、平沢聖母病院では大きな感染が起こり[100]、韓国内で感染が広がっている。

最初の感染者が入院した平沢聖母病院8階8104号室は、一つの病室を二つに分割したために排気口が存在しなかった[102]。当初、韓国防疫当局は密接接触者(2m以内)のみを監視対象としていたが、8階の滞在者に感染が広がってしまった[102]。原因は不明だが、エアコンによるエアロゾル形態のウイルスの拡散が疑われている[102][103]

5月26日、上記感染者に接触し、隔離対象であるはずの家族が、アシアナ航空723便(OZ723、機材はHL7789[104]、乗員乗客166名[105])で香港へと飛んだ。香港国際空港到着時に発熱があり咳をしていたため、検疫官が「MERS患者と接触したか、MERS患者がいる病院に訪問したかどうか」などを尋ねたが、すべてを否定した[106]。空港からバスで沙頭角中国語版を経由して広東省深圳市恵州市へと移動した[107][108][109]。その後恵州市で隔離され、中国国内でも航空機やバスの同乗者を含めた接触者追跡調査(コンタクトトレーシング)及び隔離が始まっている[107][108][109]。29日、感染が確認された。なお、感染者を載せたアシアナ航空機は、28日まで消毒しないままフライトを行っており、27日には名古屋の中部国際空港、中国の大連長沙でも発着している[110][111]

6月2日の報道では、韓国で25人が感染していて(死者2人を含む)、これは中東地域以外での最大感染者数であり、3次感染者も出始めている[112]。韓国では臨時休業を行う学校が増え、6月4日には1000校を越えた[113]。感染者との接触の可能性がある人の自己隔離が行われているが、自己隔離を無視してゴルフ場へ出かける人も現れており、韓国人の市民意識の低さが問題となっている[114]

6月5日、韓国保健福祉部長官は、不安解消のために大きな感染の起きた平沢聖母病院の名前を公開し、病院訪問者に対し相談窓口を設けた[115]。同日、全羅北道淳昌郡の村で、自己隔離を守らずに平沢市から帰ってきて多くの村民と接した感染疑い患者がMERS陽性と確認され、その村全体が危険地域に指定され、出入りが禁じられ隔離されることとなった[116]。なお、この患者と接触したとされ、淳昌郡で自宅隔離を要求された医師夫婦は6月6日韓国からフィリピンへ出国し、翌7日に帰国した。2人は保健当局から隔離の通知を受けたことさえなくて、メディアで初めて患者と接触したことを知ったと主張した[117]

6月6日、京畿道富川市は、京畿道保健環境研究院の予備検査で非隔離対象者にMERS陽性反応が出たと発表し、現在韓国国立保健環境研究院で疫学調査を行っている[118]

台湾では、ソウルを感染症警戒地域に指定し、住民に対し、現地医療機関への出入りの自粛を求めている[119]。ベトナムでは、住民に対し、感染地域への旅行の自粛を求めている[120]。ロシア[121]、UAE[122]、香港、マカオ[123]も渡航自粛を勧告した。

6月14日、釜山広域市で初めての死者が出た[124]。同日、隔離対象者の1人が12日に隔離室のを破壊し、病院から逃げ出したことも明らかにした。この対象者はのち、MERS陽性と認定された[125]。また、この患者は潜伏期間内の6月5日から6月8日までに家族・友人9人とともに済州島西帰浦で旅行したことも判明したため、現地のホテル・観光地の職員や患者が利用した航空会社の社員に対して隔離措置を取らざるを得ない[126]

6月15日、韓国政府は日本人を含む外国人が隔離対象者に含まれていることを発表した[127]

6月20日、大邱において、MERS患者が発症後の6月13日に利用した公衆浴場の利用者の追跡調査(コンタクトトレーシング)が進んでいるが、6月20日時点で、監視カメラで確認された266人のうち103人の身元が判明していない[128]

6月22日、隔離解除後に発症する患者が現れるので、潜伏期間の設定に疑問を呈する意見も出てきた[129]。また、当日から韓国に入国した外国人は自動的に韓国政府の支援を得る「外来観光客対象MERS補償保険」の適用を受けることになった。その内容とは「韓国に入国した外国人が20日以内にMERS陽性反応が出れば500万ウォン(約55万円)の治療補償金、感染が確定してから20日以内に死亡すれば最大1億ウォン(約1100万円)の補償金を受け取れる」というものである[130]

韓国では、MERSの流行に便乗して、消毒作用の無い偽造消毒薬の流通が起きており(偽造ラベルの印刷を依頼された印刷所が警察に通報して発覚)、韓国警察がインターネット上で販売された偽造消毒薬の回収を行っている[131][132]

なお、韓国政府はMERS患者の周辺にいた感染可能性のある人物の追跡を諦め、「自己申告」に頼ることを決定。これにより見かけ上、隔離対象者は減ったが、感染の経路や実際の感染者数が不明確となっている[133]

受け入れ病院[編集]

MERSは日本では2015年より二類感染症となっている[134]ため、特定感染症指定医療機関、第一種感染症指定医療機関及び第二種感染症指定医療機関でのみ受け入れ可能となっている。厚生労働省は、二次感染を抑えるために、原則としてMERS患者の陰圧室への入院を求めている[135]

韓国では、伝染病隔離指定病院で受け入れているが、全部で17ヶ所105床しか存在しない[136]。現在韓国では、陰圧室の無い医療機関もMERS疑い患者の診療病院に指定されてしまっている[137]。また、現在韓国ではレベルDの防護服を使用しているが、着脱のルールが守られておらず、防護服を着た看護師にも感染が起こっている[138]。防護服の数も足りていない[138]

出典・注[編集]

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  1. ^ "Acute respiratory illness associated with a new virus identified in the UK" HPA, 23 September 2012
  2. ^ "Novel coronavirus infection in the United Kingdom" WHO, Sep 23, 2012
  3. ^ Middle Middle East respiratory syndrome coronavirus (MERS-CoV) – United Arab Emirates WHO Disease outbreak news 6 June 2015
  4. ^ Middle East Respiratory Syndrome coronavirus (MERS-CoV) – Saudi Arabia WHO 2015年6月11日
  5. ^ 同じくコロナウイルスが原因のSARSが非典型肺炎Atypical Pneumoniaとされている。
  6. ^ Dr. Ziad Menish supported that argument with the fact that in many cases of pneumonia, the bacterial or viral cause is never found. MERS cases likely around globe, found in Saudi because country tests: official By Helen Branswell, The Canadian Press May 31, 2013
  7. ^ メニシュ・サウジアラビア保健副大臣は、多くのMERSが見逃されていると考えている。
  8. ^ 「新型コロナウイルスMERS-CoVはどこから侵入するのか」 新型インフルエンザウォッチング日記。2013-06-08 11:38:22
  9. ^ Subject: PRO/AH> MERS-CoV - Eastern Mediterranean (21): receptor identification ProMED 2013-06-05 12:58:40, Archive Number: 20130605.1756082, Posted by Bart Haagmans, Erasmus Medical Center
  10. ^ 腎臓病を伴うという報道があるが、主な発生場所が腎臓病の透析病室であるため数が多いのかもしれない。
  11. ^ 2013年6月27日にWHOは、鼻咽頭スワブではなく下気道からの試料採取を強く勧告している。
  12. ^ "Human Betacoronavirus 2c EMC/2012–related Viruses in Bats, Ghana and Europe" EID, Volume 19, Number 3—March 2013
  13. ^ Middle East Respiratory Syndrome Coronavirus in Bats, Saudi Arabia Emerging Infectious Diseases, Volume 19, Number 11—November 2013
  14. ^ サウジアラビアではコウモリの捕獲と検査が続けられているが、2013年7月中旬現在、感染は発見されていなかった。2013年7月にアフリカのコウモリ由来であるとの説が有力学術誌 (EID) に掲載された。2013年8月EIDに人間からのMERS遺伝子と100%一致するサウジアラビアのコウモリが発見された発表された。発見した場所は最初の感染者の住居から5kmの地点である。
  15. ^ 話を聞けたすべての患者についてコウモリとの接触歴が見つからないため、人間とコウモリとの間に感染をつなぐ中間的な動物があると考えられている。
  16. ^ 2013年8月にラクダが宿主の有力候補として浮かび上がったが、FAO(国連食糧農業機関)は断定するのは時期尚早だとしている。
  17. ^ Too early to draw conclusions on source of Middle Eastern Respiratory Syndrome infections in humans FAO 9 August 2013
  18. ^ 新しい研究では9-12日。6月7日のCDCの指針では「発症から14日以内にアラビア半島かその近隣諸国に滞在したもの」。6月19日のNEJMでは平均5.2日(95%信頼区間は1.9-14.7日)。2013年6月27日のWHO勧告では、潜伏期間は不確定であるとして、よりいっそう長い期間のコンタクトトレーシング(患者との接触者に対する観察)を求めている。
  19. ^ Interim surveillance recommendations for human infection with Middle East respiratory syndrome coronavirus WHO June 27, 2013
  20. ^ HAN•00348 - 06/7/2013 - Notice to Health Care Providers: Updated Guidelines for Evaluation of Severe Respiratory Illness Associated with Middle East Respiratory Syndrome Coronavirus (MERS-CoV)
  21. ^ ヤマコウモリ (Taphosouz perforatus) による感染が確定したわけではない。資料は空港の税関で常温で48時間止め置かれ、ほとんど遺伝子は残らなかった。Questions raised about MERS-CoV bat report Filed Under:MERS-CoV Robert Roos | News Editor | CIDRAP News Aug 30, 2013
  22. ^ "Hospital Outbreak of Middle East Respiratory Syndrome Coronavirus" New England Journal of Medicine, June 19, 2013
  23. ^ もし、接触感染や空気感染があった場合には、感染が拡大しやすい潜伏期間であり、水際検疫では防ぎきれない可能性が高い(水際検疫は予防手段として有効性はあるが、「偽の安心」を生む弊害と職員への負担が大きいとされる)。日本への旅行者、帰国者、医療ツーリズムなどによる感染(単発的だと考えられるが)があり得る。サウジアラビアの800人を始めとして、中東地域には約1万人の邦人が滞在しているうえに、ドバイなどへの観光客多数(日本からの直行・直帰とは限らない)、メッカへの巡礼者(日本には日本人イスラム教徒1万人、外国人イスラム教徒10万人、観光客多数。メッカ巡礼はイスラム教徒しかできない)石油タンカーや飛行機などの乗員などが存在する。また中東からの移民が多いヨーロッパ経由などの感染も考えられる。
  24. ^ 潜伏期間14日以降にもMERS発症 韓国対応に疑問の声 テレ朝NEWS 2015年6月17日
  25. ^ サウジの集団感染例、アブダビの感染例 (37M) はラクダとの接触がある。
  26. ^ サウジアラビアのバチンの集団感染例がある。ラクダ商人の38歳男性が肺炎で死亡した。彼は病気のラクダを扱っていた。彼の母、娘、いとこの合計3人がMERSに感染し、2人が死亡している。
  27. ^ Mers may have come from camels Gulf News, Sep 15, 2013
  28. ^ 最大の問題は、症状や社会への脅威がどのようなものであれ数カ国にわたる感染があればパンデミックになることであった。この基準をそのまま適用すると、単なる普通のインフルエンザ(それでも死者は高齢者を中心に世界中で毎年数十万人と推定されているので)が市民生活が完全にストップするような厳重警戒体制を必要とするパンデミックになってしまう。例えば2009年H1N1新型インフルエンザの流行では、県内でたった一人感染者が検出されただけで県内全学校を休校にするなどという対策案が作られた。そういうことがありWHOのチャン事務総長は「マイルド(おだやかな)パンデミック」という表現をした。日本の風疹も感染者が1万人を超え急拡大しており輸出例もあるところから、最上級のパンデミックとなるという矛盾が生じている。WHOは2013年7月にMERSに関する緊急会合を開き「季節性インフルエンザを超える可能性があるか」を基準として、MERSについて緊急宣言を出すかどうか検討した。大目に見ても数万人の死者が予想されているわけではないので、逆に脅威を過小評価した可能性がある。もっともSARS並の感染拡大が予想された場合、その範囲で収束する保障がないので、再評価で安全側に<判断して警戒宣言を出す余地も残している。
  29. ^ 2012年11月のリヤドでの集団感染例は謎の一つである。28人の大家族が一緒に生活している中で4人の男性だけが感染して死亡したが、残りの24人は陰性であった。感染した4人は生物を扱う仕事をしていないし、食物はスーパーで買っている。
  30. ^ "Novel coronavirus - Saudi Arabia: human isolate" ProMED-mail 2012-09-20 15:51:26, Posted by Dr. Ali Mohamed Zaki on Sat 15 Sep 2012
  31. ^ Isolation of a Novel Coronavirus from a Man with Pneumonia in Saudi Arabia New England Journal of Medicine, 2012; 367:1814-1820, November 8, 2012, Advance online edition Oct 17, 2012
  32. ^ 2012年4月にヨルダンで二人が感染したことが(発症者は11人いる)後から確認された。それ以前にも、現在でも中東地域で原因不明の呼吸器不全症候群の流行がいくつか発生している。
  33. ^ 2011年8月18日に最も近い先祖(正確に言えば、知られていたコウモリのコロナウイルスとMERSウイルスの進化の分岐点の日付。原論文がancestorという言葉を使った)がいたとしているが、この日付は昔の試料の再検査から確定したものではなく、遺伝子の変化速度から推定した不確定なものである。元のNEJM論文では「推定の95%信頼区間は、2009年月11月1日から2012年6月14日まで」としている。
  34. ^ "We estimated that the date of the most recent common ancestor of MERS-CoV was August 18, 2011 (95% highest posterior density [HPD, intervals for nucleotide sequences], November 1, 2009, to April 14, 2012). The date of the divergence of the Al-Hasa lineage was December 6, 2012 (95% HPD, July 18, 2012, to February 3, 2013), and the date of the most recent common ancestor of the Al-Hasa lineage was April 2, 2013 (95% HPD, February 7, 2013, to April 21, 2013)" June 19, 2013 DOI: 10.1056/NEJMoa1306742
  35. ^ We are also aware of a small number of other cases of serious respiratory illness in the Middle East in the past three months, one of whom was treated in the UK but has since died. (HPA Sep 23, 2012)
  36. ^ The Coronavirus Study Group of the International Committee on Taxonomy of Viruses
  37. ^ Middle East Respiratory Syndrome Coronavirus (MERS-CoV); Announcement of the Coronavirus Study Group Journal of Virology, Published ahead of print 15 May 2013, doi: 10.1128/JVI.01244-13
  38. ^ Naming of the Novel Coronavirus WHO, 28 May 2013
  39. ^ アラビア半島諸国で発生が報告されている新種のコロナウイルスによる感染症の呼称について 厚生労働省 2013年5月24日
  40. ^ MERSと決定されるまではNovel Coronavirus、NCoV、SARS-like virus、HCoV、HCoV-EMC、Saudi SARS、新型コロナウイルスなどの名称が約10ヶ月間使われていた。
  41. ^ MERSには「脳梁膨大部に拡散低下を伴う急性脳炎・脳症」という意味もあるが、全く異なる。
  42. ^ “Looking at the overall global situation, my greatest concern right now is the novel coronavirus. We understand too little about this virus when viewed against the magnitude of its potential threat. Any new disease that is emerging faster than our understanding is never under control.” “These are alarm bells and we must respond. The novel coronavirus is not a problem that any single affected country can keep to itself or manage all by itself. The novel coronavirus is a threat to the entire world.”
  43. ^ Sixty-sixth World Health Assembly closes with concern over new global health threat WHO Press-Release, 27 May 2013
  44. ^ WHO Director-General praises the World Health Assembly for its work Closing remarks at the Sixty-sixth World Health Assembly, Geneva, Switzerland 27 May 2013
  45. ^ 人工呼吸、点滴、2次感染防止のための陰圧隔離、2次細菌感染を防止するための抗生物質の投与などがされている。論文によればいろいろな抗ウイルス薬の効果はなかったとされる。また簡易血清検査キットも作成され、ごく一部(日本では各県にある衛生研究所、アメリカでは2013年6月15日現在40州の中央公衆衛生機関。サウジアラビアでは重症肺炎患者全員の検査をしていると発表している。)に配布されている。ワクチン作成も遅れている。
  46. ^ WHOの法律であるIHR(国際保健規則)によって設けられた正式委員会であり、感染症の流行拡大に対応するための方針を決定するWHO内部の専門家委員会である。SARS流行初期以来の設置である。サウジアラビア政府に対して情報を公開するように政治的な圧力をかけるより(失敗しそうであった)、当事者のサウジアラビアのメミシュ保健副大臣(医学博士)を含む専門家会合を開く方が有効であるという判断だったと見られている。
  47. ^ 9月に再評価する予定である。
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  50. ^ 流行の中心地の一つである港町ジェッダから約50kmである。
  51. ^ 2012年10月のハッジ(約400万人)での感染拡大は報告されていない。
  52. ^ シリアには200万人の戦争避難民がおり(近い将来に1,000万人になるという国連の予想もある。各国の死活的利害関係が複雑に絡みあい、近い将来の解決の見通しはないという。)、シリアパレスチナイラクエジプトヨルダンなど中東地域には大勢の衛生状態劣悪の人々が生活しているため、いったん感染力が強くなれば爆発して世界中に急拡大するおそれがある。死亡率が高く、潜伏期間が長く、治療方法や感染拡大防止方法、迅速な診断方法が今のところ発見されていないため、世界文明維持・人類生存への脅威にもなる恐れもある。もっともSARSなどの経験から、コロナウイルスの流行は隔離を徹底すればある程度で自然に収まる可能性(「経験則」)も指摘されている
  53. ^ "The belief that a virus has a greater chance of destroying life on earth, than do nuclear weapons, is not solely science fiction. Many biologists and biochemists have come to the same conclusion" Virus not Nuclear Weapons Will Destroy Life on Earth The Guadian Express, June 3, 2013.
  54. ^ 「シリアのアサド政権、イラン、ロシア、ヒズボラなど」対「反政府軍、イスラエル、アメリカ、サウジ、カタール、トルコ、イギリスなど」という対立の構図ができている。(シリア騒乱
  55. ^ 2013年6月19日のNEJMなどでは、SARSとの類似が指摘されている。SARSでは、広東省河源市のL医師(死亡)、シンガポールの女性EM(生存)などの「スーパー・スプレッダー」と呼ばれる少数の人間が感染を急拡大させたとされる。類似性を考えると、突然の感染急拡大もあり得る。また香港ではマンション外部の壊れた下水管から地域全体に広がった例もある。
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  91. ^ 発見者のザキ博士がエラスムス医学センター (EMC) にウイルスを政府の許可なく直接送付し、その結果を独自にProMED(世界中の感染症情報を提供する有力民間機関)を通して情報公開したとして、サウジアラビア政府が非難している(当時ハッジ(メッカ巡礼)を控えていたために、影響を考慮したという見方がある。)。ザキ博士は公表直後、病院を解任されエジプトに帰国させられ大学教授となった。センターがウイルスに対して特許を申請したため、対策が3ヶ月以上遅れたとサウジ政府とWHO関係者から非難されている(センターは強く否定しているが、その中で留保条件をつけている。EMCのウイルス譲渡契約書類の原文はどこからも公開されていない。サウジ政府も情報公開が進んでいないとして非難されている。サウジ政府がGenBankに遺伝子を登録したのは、WHO調査団が帰国後の6月12日になってからである。)。上記記事に「ロンドンで確認」とあるのは、2012年9月のエラスムス医学センターの確認情報が遅れたという事情からである。(ProMEDが9月20日、イギリスHPAの発表が9月23日、EMCによるNEJMの掲載が10月17日である(投稿日は不明)。mBioの掲載は11月20日(投稿日は10月24日)。GenBankの掲載は9月27日。)「失われた3ヶ月」というのは7月に発見されてからNEJMに掲載されるまでの期間を指す。例えばコッホ研究所のバーガー所長は「(このような重大な)院内感染について専門家が雑誌を通じて初めて知るのはきわめて異例なことだ。」とする。「HCoV-EMC」という命名があるのも、最初に学術誌 (NEJM) に発表されたときの名称からである。
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文献・資料[編集]

日本[編集]

WHO(邦訳含む)[編集]

韓国[編集]

米国[編集]

欧州[編集]

その他[編集]

関連項目[編集]