M8装甲車

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M8 グレイハウンド
2012 Eurosatory musee3.JPG
基礎データ
全長 5.01m[1]
全幅 2.54m[1]
全高 2.64m[1]
重量 7.8t
乗員数 4名[1]
装甲・武装
装甲 19mm
主武装 37mm戦車砲M6[1]
副武装 7.62mm機関銃M1919主砲同軸
12.7mm重機関銃M2
機動力
整地速度 90km/h
不整地速度 48km/h
エンジン Hercules 6気筒ガソリン[1]
110hp/82kW
懸架・駆動 リーフスプリング式
装輪式6×6駆動
行動距離 640km
出力重量比 14.1hp/tonne
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M8軽装甲車:M8 Light Armored Car)は、第二次世界大戦時にアメリカ陸軍が運用した汎用装輪装甲車である[2]。開発・生産はフォード・モーター社が行った。1943年に生産が開始され、1945年の生産終了までに約8,600両が生産された[2]

試作時の名称はT22装甲車。また、イギリス軍によってグレイハウンド(Greyhound)の愛称が付けられているが、イギリス軍はグレイハウンド装甲車は軽すぎて対地雷防御能力が低すぎると判断し、レンドリース法による本格的な導入は見送っている。

本車は制式採用時に、既に搭載武器が時代遅れになっていたという経緯にもかかわらず、大戦後も広く使用され、2000年代になっても一部の国では現役であった[2]

概要[編集]

1941年アメリカ軍の軍需部門は、37mm砲を装備した新型の高速対戦車車両の開発を計画した。この車両は、ダッジ WCジープの車体後部にM3 37mm砲を搭載した対戦車車両の後継とする事が考えられており[2]、3軸6輪の装甲車体に37mm砲と同軸機銃を搭載した砲塔を装備し、前面装甲は12.7mm弾に対抗、側面の装甲は7.62mm弾に対抗可能という要求仕様であった[2]

この要求に対し、スチュードベーカー製のT21フォード製のT22クライスラー製のT23の3種類のよく似た試作車両が開発され、1942年4月にフォード製のT22が制式採用されてM8装甲車と命名された。制式採用された時点で既に、ドイツ軍戦車に対して37mm砲では能力不足である事が明らかであったため、本来予定されていた戦車駆逐大隊での対戦車用途ではなく、偵察戦闘車として運用される事となった。

M8装甲車は3軸6輪の装輪装甲車で、車体前上部にオープントップ式の旋回砲塔を搭載、ここに37mm砲を装備している。砲塔上には更に、ピントルマウントまたはリングマウントを介して12.7mm重機関銃M2を搭載可能である。全長5mほどの小型の車体であり、装輪式のため平地や路上での高速移動が可能であることから、主に偵察などに使用された。ドイツ陸軍装甲車と比べるとシンプルで生産性・整備性に優れたが、車高が低いこともあり、路外踏破性能はそれほど高くなかった。

形式・派生型[編集]

基本形式[編集]

T22
最初の試作型
T22E1
2軸4輪とした試作型。
T22E2
試作車の改良型で、M8装甲車として採用されたものとほぼ同じ状態の車両。
M8
制式採用された主生産型。
M8E1
M8のサスペンション改良型。1943年に2両試作された。

主要派生型[編集]

M20装甲車
M8の砲塔を撤去し兵員室を設けた車両。M8と共に使用された。
T69対空自走砲(T69 MGMC)
M8に4連装12.7mm重機関銃M2を装備した動力旋回式の銃塔を装備した車両。M3ハーフトラックのバリエーションであるM16対空自走砲に比べて総合的に劣ると判断され、試作に終わった。

海外の派生型[編集]

M8 Escarabajo
コロンビア軍で運用されたM8装甲車には"Escarabajo"(甲虫の意)のニックネームが付けられ、暴徒鎮圧用の改造車両[3]M45対空機関銃架を搭載した車両[4]などが運用された。
M8 TOW
37mm砲を撤去したM8装甲車の砲塔上にBGM-71 TOW対戦車ミサイルランチャーを搭載した車両[5]アメリカの企業"Napco"によって改修が行われ、コロンビア軍で採用された[6]

運用国[編集]

鹵獲車両を運用。
戦後、アメリカから供与され陸上自衛隊で使用。
M8装甲車 運用国
イラク戦争時、バグダッド近郊でアメリカ軍に発見されたM8装甲車
国連部隊がコンゴで運用したM8装甲車
コンゴへの派遣部隊で1963年-1964年に運用。

登場作品[編集]

ゲーム[編集]

R.U.S.E.
アメリカ装甲偵察ユニットとして登場。

脚注・出典[編集]

  1. ^ a b c d e f Livesey, Jack (2007). Armoured Fighting Vehicles of World Wars I and II. Southwater. p. 71. ISBN 978-1-84476-370-2. 
  2. ^ a b c d e Zaloga, Steve (2002). M8 Greyhound Light Armored Car. Osprey. ISBN 1-84176-468-X. 
  3. ^ http://www.warwheels.net/m8escarabajoMONTES.html
  4. ^ http://www.warwheels.net/m8greyhoundINDEX.html
  5. ^ https://www.the-blueprints.com/blueprints/tanks/tanks-m/72239/view/m8_greyhound_tow/
  6. ^ https://aw.my.com/en/forum/showthread.php?25817-Vehicle-idea-M8-TOW
  7. ^ M8 Greyhound milik Polisi (Museum exhibit), South Jakarta, Indonesia: Satriamandala Museum, (2014) 
  8. ^ Tom, Cooper (2003年9月2日). “Congo, Part 1; 1960-1963”. Air Combat Information Group. 2013年8月9日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]