Ludum Dare

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Jump to navigation Jump to search

Ludum Dare (発音は ルドゥム・ダレー、ラテン語で「ゲームの誕生」を意味し [1]LDLDJAM とも略される) は競技形式のゲームジャムのひとつ。第1回目は 2002年4月に開催され、以後ほぼ定期的に開催されている。参加者は48時間(2日間)で与えられたテーマに沿ったゲームを1本作成する[2]。このイベントのユニークな特徴のひとつとして、参加者どうしがピアレビューによって勝者を決めることがあげられる。

歴史[編集]

もともと Ludum Dare はインターネット掲示板として始まった。最初の『第0回 Ludum Dare』はジェフ・ハウランドによって2002年4月に開催され、18人が参加した。人気があったため競技としての側面が重視されるようになり、その後制限時間が48時間へと延長された[3]。2010年8月に開催された第18回からは、よりカジュアルな競技形式である「ジャム部門」が追加された。2011年ごろから参加者が飛躍的に増加した理由のひとつとして、参加者の中にMinecraft開発者のマルクス・ペルソンがいたことがあげられる[4]。2014年からは参加者があまりにも増えたため、それまでボランティアとしてイベントを運営していたマイク・カスプラザックが専任スタッフとして働くことになった[5]。しかし Ludum Dare に参加費を徴収することは「問題外」[5]という考えから、現在のところ運営資金はもっぱら寄付によって賄われている[6]。2016年4月におこなわれた第35回 Ludum Dare では、一部の参加者が投票システムを不正に操作した疑惑が持ち上がったため、より不正しにくいシステムを開発するまでイベントの開催を延期しようという提案が主催者側からなされた[7]。しかしコミュニティは開催を強く望んだため、2016年8月のイベントはコミュニティ管理者のひとりであるsorceressによって開催され、投票による順位づけは見送られた。そのため2016年8月の回の勝者は不在である[8]

イベントの流れ[編集]

現在、Ludum Dare は年3回開催される。テーマは開始の数週間前からウェブサイト上で募集され、参加者による数回の投票をへて決定されるが、最終的に決定したテーマはイベント開始時まで明らかにされない[9]。各参加者はイベント開始前に掲示板上で簡単な自己紹介をすることがエチケットとされ、ここで自分の開発環境を紹介する人も多い。テーマがアナウンスされた後、参加者は各自作業を開始し、与えらえたテーマに沿ったゲームを作成してインターネット上で公開する。現在の Ludum Dare には「本部門 (ソロ部門)」と「ジャム部門」の2種類の形式がある。本部門とジャム部門は同時期に並行して開催され、テーマも同じものが使われる。本部門ではゲームのプログラムおよびコンテンツ (グラフィックス、サウンド等) はすべて参加者が1人で48時間以内に制作しなければならず、完成した作品にはソースコードの提出が求められる[10]。いっぽうジャム部門は複数人のチームで作業してもよく、ソースコードの公開も要求されない。また競技時間も72時間である。そのためジャム部門が終わるのは本部門の1日後である。なお提出するゲームはコンピュータゲームに限らず、ボードゲームの作成も認められている。開催中には参加者どうしが開発途中のゲームのスクリーンショットを見せ合ったり、ライブ配信をしながら開発を実況してお互いにコメントを述べたりすることも多い[11]。イベント後には開発の様子を記録した早回し動画を動画共有サイトにアップロードする参加者もいる。イベント終了後、参加者には3週間の評価期間が与えられ、その間に各参加者はほかの参加者のゲームを評価しなければならない。完成したゲームは誰でもプレイできるが、投票できるのは自分でもゲームを制作した参加者だけである。評価する項目は「グラフィックス」「サウンド」「楽しさ」「テーマに沿っているか」など複数あり、最終的な勝者は投票の平均点によって決定される[9]。 勝者に送られる賞品や賞金といったものは存在しないが、秀作とされたゲームの中にはその後商品化されたものも多い[12]

Ludum Dare が開催されない月には、よりカジュアルな『Mini Ludum Dare』が開催される。これは参加者の中でも古参のメンバーが任意にテーマを設定し、参加者を募って開催される[11]。制限時間は通常よりも長めであり、参加者どうしによる投票はされない。また、毎年10月には『オクトーバー・チャレンジ』が催される。これは参加者が「ゲームを仕上げて、実際に販売し、最低1ドルを稼ぐ」ことを目標とする[13]。参加者は31日間のあいだに販売したゲームへのリンクを公開する。オクトーバー・チャレンジは競技ではなく、ふだん商用のゲーム開発者でない人々にもゲームを作成するよう奨励する催しである。

これまでの結果[編集]

開催日 テーマ 参加者数 本部門優勝者 ジャム部門優勝者 出典
申し込み数 提出者数 開発者 ゲーム名 開発者 ゲーム名
0† 2002年4月 Indirect interaction (間接操作) 18 Endurion Magnetic Fields
1 2002年7月 Guardian (守護者) 136 46 Hamumu Scarecrow: Heart of Straw
2 2002年11月 Construction/destruction (建設と破壊) 116 49 ShredWheat Sheep Town
3 2003年4月 Preparation – Set it up, let it go (準備 - 設置して始動) 84
4 2004年4月 Infection (伝染) 341 66 randomnine Commies!
5 2004年10月 Random (ランダム) 93 Jolle Random Dungeon Exploration
6 2005年4月 Light and darkness (光と闇) 143 52 Jolle Uplighter
7 2005年12月 Growth (成長) 27 Jolle The People
8 2006年4月 Swarms (大群) 150 66
8.5† 2007年1月 Moon/anti-text (月/アンチ文章)
9 2007年4月 Build the level you play (遊ぶ面を自分で作れ) DrPetter Spatzap aka N/A
10 2007年12月 Chain reaction (連鎖反応) 158 51 Hamumu Short Fuse
10.5 2008年2月 Weird/unexpected/surprise (変/予想外/オドロキ)
11 2008年4月 Minimalist (ミニマリスト) 71 mrfun/SethR Strong AI
12 2008年8月 The tower (塔) 57 Hamumu Rise Of The Owls
13 2008年12月 Roads (道路) 59 increpare Rara Racer
14 2009年4月 Advancing wall of doom (迫りくる死の壁) 123 mrfun/SethR Mind Wall
15 2009年8月 Caverns (洞窟) 144 ChevyRay Beacon
16 2009年12月 Exploration (探検) 121 chuchino Cat Planet
17 2010年4月 Islands (島々) 204 xerus Gaiadi
18 2010年8月 Enemies as weapons (敵を武器として使う) 172 invicticide Fail-Deadly
19 2010年12月 Discovery (発見) 242 deepnight (Sébastien Bénard) Time Pygmy
20 2011年4月 It’s dangerous to go alone! Take this! (ヒトリデハキケンジャ コレヲ サズケヨウ) 288 deepnight (Sébastien Bénard) Appy 1000mg
21 2011年8月 Escape (脱出) 599 Chevy Ray Johnston Flee Buster Ian Brock
Josh Schonstal
Guerin McMurry
Escape [14][15][16]
22 2011年12月 Alone (ひとりぼっち) 891 Pedro Medeiros Frostbite Harry Lee
Jarrel Seah
Midas [17][18][19][20]
23 2012年4月 Tiny world (ミニ世界) 1402 Tyler Glaiel Fracuum TurboDindon Inside My Radio [21][22]
24 2012年8月 Evolution (進化) 1406 Nicolas Cannasse Evoland X-0ut LD24 X0ut [23][24]
25 2012年12月 You are the villain (あなたは悪者) 1327 deepnight (Sébastien Bénard) Atomic Creep Spawner Free Lives Games Ore Chasm [25][26][27]
26 2013年4月 Minimalism (ミニマリズム) 2346 TimTipGames MONO Mark Foster
David Fenn
Leaf Me Alone [28][29]
27 2013年8月 10 seconds (10秒) 2213 Andrew Shouldice Probe Team Graeme Borland NXTWPN10 [30][31]
28 2013年12月 You only get one (いっこだけ) 2064 Daniël Haazen One Take Mark Foster
David Fenn
Andrew Gleeson
Titan Souls [32][33]
29 2014年4月 Beneath the surface (表面の下で) 2497 Daniel Linssen The Sun and Moon Shannon Mason
Richard Lems
Diane de Wilde
ScubaBear [34][35]
30 2014年8月 Connected Worlds (つながった世界) 2538 PixelMind SuperDimensional Kevin Zuhn
Kevin Geisler
Chris Stallman
Devon Scott-Tunkin
Antbassador [36][37]
31 2014年12月 Entire Game on One Screen (ゲーム全体が1画面) 2637 Daniel Linssen birdsong Simon Larsen
Lukas Hansen
Frederik Storm
90 Second Portraits [38]
32 2015年4月 An Unconventional Weapon (普通じゃない武器) 2821 01010111 BED✰HOGG Bogdan Rybak
Igor Puzhevich
Zi Ye
Megan Alcock
The Rock the Paper and the Scissors [39]
33 2015年8月 You are the Monster (お前がモンスターだ) 2725 DragonXVI Writhe: The Thing from the Omega Sector Pietro Ferrantelli
Theophile Loaec
Augustin Grassien
OrikMcFly
Mobs, Inc. [40]
34 2015年12月 Growing/two button controls (成長・2ボタン操作) 2870 vegapomme27 Frank & Stein Big Green Pillow ft Mgaia Slash Quest [41]
35 2016年4月 Shapeshift (形状変化) 2718 Daniel Linssen windowframe Barney Cumming
Dave Lloyd
Jon Murphy
Paul Dal Pozzo
Louis Meyer
Adrian Vaughan
The Maitre D [42]
36 2016年8月 Ancient Tech (古代技術) 1912 優勝者なし

注釈[編集]

  • † — このときの競技時間は24時間だった。

関連項目[編集]

  1. ^ A shocking question!”. Ludum Dare (2010年8月18日). 2013年12月14日閲覧。
  2. ^ About Ludum Dare”. Ludum Dare. 2013年12月14日閲覧。
  3. ^ Boswell, Wendy (2013年9月30日). “Get Your Game On with Ludum Dare: Interview with Mike Kasprzak (Part 1)”. Intel. 2013年12月15日閲覧。
  4. ^ Notch”. Ludum Dare. 2013年12月15日閲覧。
  5. ^ a b Ludum Dare organizer ponders the game jam's future”. Gamasutra (2014年9月16日). 2016年10月16日閲覧。
  6. ^ The Future of Ludum Dare (Part 3) – The Beginning”. Ludum Dare (2014年9月26日). 2016年10月16日閲覧。
  7. ^ http://ludumdare.com/compo/2016/06/08/well-this-is-awkward-2/
  8. ^ http://ludumdare.com/compo/2016/06/09/august-ld-you-decide/
  9. ^ a b Boswell, Wendy (2013年10月4日). “Get Your Game On with Ludum Dare: Interview with Mike Kasprzak (Part 3)”. Intel. 2013年12月15日閲覧。
  10. ^ Rules and Guide”. Ludum Dare. 2014年12月4日閲覧。
  11. ^ a b Boswell, Wendy (2013年10月2日). “Get Your Game On with Ludum Dare: Interview with Mike Kasprzak (Part 2)”. Intel. 2013年12月15日閲覧。
  12. ^ Steam Curator: Ludum Dare”. 2016年10月17日閲覧。
  13. ^ October Challenge 2014”. 2014年11月1日閲覧。
  14. ^ McDaniel, Walter (2011年9月12日). “Ludum Dare 21 results- compo”. Nerd Age. 2014年1月9日閲覧。
  15. ^ Ludum Dare 21 Results- Jam Edition”. Nerd Age (2011年9月13日). 2014年1月9日閲覧。
  16. ^ Ludum Dare 21”. Ludum Dare. 2014年1月9日閲覧。
  17. ^ Kaitila, Christer (2011年12月16日). “KITTEN CHALLENGE”. Ludum Dare. 2013年12月14日閲覧。
  18. ^ Priestman, Chris (2012年1月10日). “Ludum Dare 22 Winners Announced, Next Compo Dated”. The Indie Game Magazine. CV Newton Publishing. 2014年1月9日閲覧。
  19. ^ Ludum Dare 22”. Ludum Dare. 2014年1月9日閲覧。
  20. ^ Midas by Wanderlands”. Ludum Dare. 2014年1月9日閲覧。
  21. ^ Polson, John (2012年5月13日). “Ludum Dare 23: A Winner is You”. Indie Games. UBM Tech. 2014年1月9日閲覧。
  22. ^ Ludum Dare 23”. Ludum Dare. 2014年1月9日閲覧。
  23. ^ Ludum Dare 24: The Winners”. GameConnect. TechConnect (2012年9月18日). 2014年1月9日閲覧。
  24. ^ Ludum Dare 24”. Ludum Dare. 2014年1月9日閲覧。
  25. ^ Savage, Phil (2013年1月8日). “Ludum Dare 25 winners announced - four games that let you revel in villainy”. PC Gamer. Future. 2014年1月9日閲覧。
  26. ^ Atomic Creep Spawner!”. deepnight.net. 2014年1月9日閲覧。
  27. ^ Ludum Dare #25! Ore Chasm”. Free Lives Games. 2014年1月9日閲覧。
  28. ^ Polson, John (2013年5月21日). “Ludum Dare 26 crowns minimalistic MONO, Leaf Me Alone as winners”. Indie Games. UBM Tech. 2014年1月9日閲覧。
  29. ^ Ludum Dare 26”. Ludum Dare. 2014年1月9日閲覧。
  30. ^ Polson, John (2013年9月18日). “2,213 free games ranked for your pleasure: Ludum Dare 27 results”. Indie Games. UBM Tech. 2014年1月9日閲覧。
  31. ^ NXTWPN10”. Graeme Borland. 2014年1月9日閲覧。
  32. ^ LeRay, Lena (2014年1月8日). “Free Games: Ludum Dare 28 results posted”. Indie Games. UBM Tech. 2014年1月9日閲覧。
  33. ^ Ludum Dare 28”. Ludum Dare. 2014年1月9日閲覧。
  34. ^ Ludum Dare 29 Results”. Ludum Dare. 2014年5月19日閲覧。
  35. ^ Polson, John (2014年5月19日). “2,500 games lead to two platformer winners for Ludum Dare 29”. Indie Games. UBM Tech. 2014年5月23日閲覧。
  36. ^ Ludum Dare 30 Results”. Ludum Dare. 2014年9月16日閲覧。
  37. ^ Ludum Dare 30 Results”. Ludum Dare. 2014年9月16日閲覧。
  38. ^ Ludum Dare 31 Results”. Ludum Dare. 2014年12月30日閲覧。
  39. ^ Ludum Dare 32 Results”. Ludum Dare. 2015年5月11日閲覧。
  40. ^ Ludum Dare 33 Results”. Ludum Dare. 2015年9月16日閲覧。
  41. ^ Ludum Dare 34 Results”. Ludum Dare. 2016年1月4日閲覧。
  42. ^ Ludum Dare 34 | Ludum Dare”. ludumdare.com. 2016年5月30日閲覧。

外部リンク[編集]