Lose Your Marbles

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

Lose Your Marbles』(ルーズ・ユア・マーブルス)は、SegaSoftによって開発及び公開され、1997年8月19日Microsoft Windows用にリリースされたパズルゲームである。Lite版がMicrosoft Plus! 98に収録されていた。

モード[編集]

Lite版は練習モードと1人用プレイのモードから成る。練習モードは対戦ではなくただ1人で制限時間内にひたすらマーブルを消していくモードで、1人用プレイはコンピュータと対戦するモードとなっている。

ルール[編集]

  • このゲームは、ボードに置かれたマーブルを操作して消していくゲームである。
  • ボードは縦15行、横5列の大きさとなっている。
  • 操作はカーソルの左右への移動、カーソルのある列のマーブルの上下への移動、及び中央の行のマーブルの右方向への移動が可能である。
    • マーブルの上下への移動については、マーブルが中央の行から外れるような移動や、マーブルがボードの外に出るような移動はできない。
    • 中央の行のマーブルの右方向への移動については、その最も右側の列のマーブルは最も左側の列に移動する。
  • マーブルについては、基本的には赤・橙・緑・青・黒の5色があり、難易度1では5列5行、難易度2では5列7行、難易度3では5列9行が初期配置される。
  • 中央の行で同色のマーブルを3個以上隣接させるとそのマーブルが消える[1]。その際、対戦であればマーブルを相手に送りつけることができる。
    • 列の最も上のマーブルを消した場合[2]はその列の残りのマーブルが上へ1マス移動し、それ以外のマーブルを消した場合にはその列の消えたマーブルより上のマーブルが下へ1マス移動する。それを利用して2組以上のマーブルを連続して消すことも可能であり、その場合は連続消去数に応じた数をボーナスしてマーブルが対戦相手に送られる(詳細は後述)。
    • マーブルが初期配置された数しかない列のマーブルを消した際には、上または下のマーブルの数の少ない方に新たなマーブルが発生し、これにより各列のマーブルの数は常に初期配置数以上に維持される。
  • ゲーム開始時に、ボーナスマーブルが5色のうち1色をランダムに選んで決められ、ボードの外側にその色と数字が「×」で繋いだ形式で表示される。
    • ボーナスマーブルの数字はゲーム開始時には1となっており、ボーナスマーブルの色を3個消しまたは4個消しするごとに1ずつ増える。よってその数字はその消した回数+1を表すことになる[3]
    • マーブルを5個消しすると、ボーナスマーブルの色は5個消しした色に更新されて数字は1に戻り、それまでに溜めたボーナスマーブルの数字に応じた数のマーブルが対戦相手に送られる(詳細は後述)。
  • 対戦の場合、ボード全部がいっぱいになると負けである。
    • 一方のボードの大部分がマーブルで埋まり、もう少しで負けになるピンチに陥ると、BGMが速く再生されるようになる。
    • 1人用プレイでは、対戦終了時にどれかキーを押すと続行する。コンピュータに負けた場合は、続けるかどうかを選択する画面となる。
    • 2戦目以降の対戦では、両者の勝ち数が画線法(タリーマーク)によって表される。

対戦相手に送られるマーブルの数及び送られ方[編集]

この表では、対戦の場合にマーブルを消した際に、その消し方により送られるマーブルの数及びその送られ方を示す。練習モードの場合は、そのプレイにおける送られる数の累計が数字で表示される。

マーブルの消し方 送られるマーブルの数 送られ方 備考
3個消し(ボーナスマーブル以外) 1 ボードの上または下から転がる形で送られる。
3個消し(ボーナスマーブル) 3
4個消し(ボーナスマーブル以外) 2
4個消し(ボーナスマーブル) 4
5個消し 合計3×(ボーナスマーブルの数字+1) この場合の具体的な送られ方は、まず前の色のボーナスマーブルを対戦相手に送る演出があり、それが溜めた数字に1を加えた数字[4]に変わり、1秒ごとにその数字が減ると同時に3個ずつ出現し、0になったら数字が消えるというものである。合計数は3×(ボーナスマーブルの色を3個消しまたは4個消しした回数+2)とも表現でき、ボーナスマーブルの色を1回も消していなくても最低6個(演出として送られる数字は2)は保証されることになる。また相手のボードに既に5個消しによる数字を送っているときに更に5個消しをした場合は、その数字が加算される。
2連鎖[5]目のボーナス 2 送られる数を表す数字が対戦相手に送られる演出があった上で、新たなマーブルが(ボードの上または下から転がるのではなく)既にあるマーブルの上または下に接するように直接出現する形で送られる。
3連鎖目のボーナス 4
4連鎖目のボーナス 8
5連鎖目のボーナス 16
6連鎖目のボーナス 32 練習モードのマーブルの数字は32増え、数字が送られる演出も32だが、対戦で実際に送られる数としては、連鎖前の相手のボードのマーブルの数が難易度1の初期状態と同じあるいはそれに近い場合でも、5連鎖目で相手のボードがかなり埋まる関係上か、32個よりは少なくなり、多くの場合は相手のボードが1マスから数マスだけ空く形になる(場合によっては完全に埋まって勝負が決まる)。
7連鎖目のボーナス 64 練習モードのマーブルの数字は64増え、数字が送られる演出も64だが、対戦で実際に送られる数としては、相手のボードが空いていればわずかな空きスペースに1個だけ送られることが多い。
8連鎖目以降のボーナス (備考参照) 内部的には倍々の扱い(8連鎖目は128、9連鎖目は256など)で、練習モードのマーブルの数字はその数通り増えるが、数字が送られる演出の上では99と表示される。対戦で実際に送られる数としては、相手のボードが空いていればわずかな空きスペースに1個だけ送られることが多い。

フルバージョンについて[編集]

  • フルバージョンでは、2人用ネットワークプレイも搭載されている。
  • Lite版では、練習モード・1人用プレイともレベル1しかないが、フルバージョンではそれより上のレベルがレベル5まである。
    • レベルが上がると対戦時の背景やBGMも変わり、また基本的な赤・橙・緑・青・黒の5色のマーブル以外に、次のような特殊なマーブルが出現する。これらの特殊なマーブルは5個消ししてもボーナスマーブルの更新や溜めたボーナスマーブルの数字による攻撃はない。
      • 銀色のマーブルは、消すと相手にそれと同じ数の灰色のマーブルを送ることができる。
      • 赤くて光るマーブルは、消すとマーブルの配置が簡単に大連鎖ができるものに変わる。

その他[編集]

英語の「lose one's marbles」の慣用句としての元々の意味は、気が狂う、正気を失う、ぼけるなどといった意味である。

脚注[編集]

  1. ^ マーブルの上下への移動のほか、中央の行のマーブルの右方向への移動の際に、最も右側のマーブルが最も左側に移動することによっても、マーブルの消滅が起こりうる。ただし後者の場合は3個消しのみ起こりうる。
  2. ^ ルールと初期配置数の関係上、難易度3では起こりえない。
  3. ^ 表示上の上限は99までだが、内部的にはそれ以上もカウントされている。
  4. ^ これも表示上の上限は99までだが、内部的にはそれ以上も扱っている。
  5. ^ マーブルが消えた際に自動的に残りの上または下のマーブルが移動することによる連続消去。ここでは便宜的にぷよぷよ用語からの転用で連鎖と呼んでいるが、正式な用語は不明。

関連項目[編集]