LinuC

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LinuC(リナック)
英名 LinuC
実施国 日本の旗 日本
資格種類 民間資格
分野 コンピュータ・情報処理
試験形式 CBT
認定団体 LPI-Japan
認定開始年月日 2018/3/1
等級・称号 レベル1 〜 レベル3
公式サイト https://linuc.org
ウィキプロジェクト ウィキプロジェクト 資格
ウィキポータル ウィキポータル 資格
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LinuC(リナック)とは、2018年4月から提供が始まったLPIC模倣の日本独自のLinux認定、2020年4月に出題範囲の改訂を行い現在の出題範囲となった[1]。このLinuCは、2000年7月の設立以来LinuxをはじめとするオープンテクノロジーのIT技術者の技術力の認定活動を行なっているNPO法人LPI-Japanによって企画・開発・運営されている。

概要[編集]

LinuC(リナック)は、ITエンジニアがクラウドを含むシステム開発・運用・管理の現場においてLinux技術を中心に求められる技術力を問う認定として開発・運用されていて、大きく3つのレベルから構成されている。

  • 仮想環境を含むLinuxシステムの基本操作とシステム管理が行える技術者認定となるLinuCレベル1
  • 仮想環境を含むLinuxのシステム設計、ネットワーク構築において、アーキテクチャに基づいた設計、導入、保守、問題解決ができる技術者の認定となるLinuCレベル2
  • 「OSの混在環境」「セキュリティ」「仮想化/高可用性」という3つの分野の専門家としての認定であるLinuCレベル3

Version10.0について[編集]

LinuC(リナック)は、クラウドの進展などエンジニアを取り巻く環境が大きく変わってきたことを踏まえ、2020年4月にレベル1 とレベル2の出題範囲を大きく改訂した。改訂後のバージョンはVersion10.0(レベル1の改定前はVersion4.0、レベル2はVersion4.5)[2]

なお、改定に伴う新バージョンと旧バージョンの試験の並行配信期間は1年間(2020年4月1日〜2021年3月31日)

Version10.0の試験開発[編集]

LinuCレベル1/レベル2Version10.0の認定試験は、システム開発、カーネル開発、運用管理、教育など、様々な立場からLinuxに関わる45名の方々の協力を受けて開発された。

名前の公表を許可している人たちは、この一覧から確認ができる。

Version10.0と旧バージョンの出題範囲の比較[編集]

テーマ Version10.0 旧バージョン
LinuC-1 仮想化技術 ・仮想マシン/コンテナの概念

・クラウドセキュリティの基礎

(Version10.0で新設)

オープンソースの文化 ・オープンソースの定義や特徴

・コミュニティやエコシステムへの貢献

(Version10.0で新設)

その他

(Version10.0で削除)

アクセシビリティ、ディスククォータ、

プリンタの管理、SQLデータ管理、他

LinuC-2 仮想化技術 ・仮想マシンの実行と管理(KVM)

・コンテナの仕組みとDockerの導入

(Version10.0で新設)

システムアーキテクチャ ・クラウドサービス上のシステム構成

・高可用システム、スケーラビリティ、他

(Version10.0で新設)

その他 ・統合監視ツール(Zabbixなど)

・自動化ツール(Ansible)

(Version10.0で新設)

(Version10.0で削除)

RAID、記憶装置へのアクセス方法、

FTPサーバーの保護、他

認定レベル[編集]

LinuC(リナック)には3段階の認定レベルがあり、求められる技術を習得することで順次ステップアップしていく構成となっている。上位レベルの認定を取得するためには、下位レベルの認定取得が必須となる。

LinuCレベル1 Version10.0[編集]

仮想環境を含むLinuxシステムの基本操作とシステム管理が行える技術者であることが認定され、以下の知識と技術を持つことの裏付けとなります[3]

  • 仮想マシンとコンテナを含むLinuxサーバーの構築と運用・管理ができる
  • クラウドのセキュリティを理解し、安全に運用できる
  • オープンソースの文化を理解し、業務に活用できる


LinuCレベル1の諸条件は以下の通り。

  • 受験の前提条件:なし
  • 認定取得の要件:101試験、102試験の2試験に合格すること(5年以内に2試験合格が必要)
  • 受験費用:1試験あたり15,000円(税抜き)/16,500円(税込)
  • 試験実施方式:CBT(Computer Based Testing)
  • 問題数:約60問
  • 試験時間:90分
  • 合否結果:試験終了と同時

LinuCレベル2 Version10.0[編集]

仮想環境を含むLinuxのシステム設計、ネットワーク構築において、アーキテクチャに基づいた設計、導入、保守、問題解決ができる技術者であることが認定され、以下の知識と技術を持つことの裏付けとなります[4]

  • Linuxシステムの設計、構築、監視、トラブルシューティングができる
  • 仮想マシンやコンテナの仕組みを理解し、その管理と運用ができる
  • セキュリティとシステムアーキテクチャの基本を理解し、サービスの設計、構築、運用・管理ができる


LinuCレベル2の諸条件は以下の通り。

  • 受験の前提条件:なし
  • 認定取得の要件:有意なLinuCレベル1を保有し、201試験と202試験の2試験に合格すること(5年以内に2試験合格が必要)
  • 受験費用:1試験あたり15,000円(税抜き)/16,500円(税込)
  • 試験実施方式:CBT(Computer Based Testing)
  • 問題数:約60問
  • 試験時間:90分
  • 合否結果:試験終了と同時

LinuCレベル3[編集]

LinuCレベル3は専門分野に特化した3つの試験からなり、どれか1つに合格すればLinuCレベル3を取得することができる(認定を取得する上でレベル1やレベル2のように2試験の合格は必要とせず、どれか1試験に合格すれば認定を取得できる)。

LinuCレベル3 300 Mixed Environment[編集]

Linux、Windows、UNIXのOS混在環境のシステム構築ができ、認証統合とリソースの共有ができる専門家としての証明となるレベル。

  • 受験の前提条件:なし
  • 認定取得の要件:有意なLinuCレベル2を保有し、300試験に合格をすること
  • 受験費用:1試験あたり15,000円(税抜き)/16,500円(税込)
  • 試験実施方式:CBT(Computer Based Testing)
  • 問題数:約60問
  • 試験時間:90分
  • 合否結果:試験終了と同時

LinuCレベル3 303 Security[編集]

Linuxサーバを構築・運用するためのセキュリティ知識を持ち、安全性の高いシステム設計やサーバ構築ができる専門家としての証明となるレベル。

  • 受験の前提条件:なし
  • 認定取得の要件:有意なLinuCレベル2を保有し、303試験に合格をすること
  • 受験費用:1試験あたり15,000円(税抜き)/16,500円(税込)
  • 試験実施方式:CBT(Computer Based Testing)
  • 問題数:約60問
  • 試験時間:90分
  • 合否結果:試験終了と同時

LinuCレベル3 304 Virtualization & High Availability[編集]

LinuxとOSSによる仮想化と高可用性技術についての知識を持ち、データセンターやプライベートクラウドの構築・運用などができる専門家としての証明となるレベル。

  • 受験の前提条件:なし
  • 認定取得の要件:有意なLinuCレベル2を保有し、304試験に合格をすること
  • 受験費用:1試験あたり15,000円(税抜き)/16,500円(税込)
  • 試験実施方式:CBT(Computer Based Testing)
  • 問題数:約60問
  • 試験時間:90分
  • 合否結果:試験終了と同時

有意性の期限[編集]

有意性の期限とは、技術の陳腐化が早いIT業界において最新の技術要素を反映した技術力を保持していることを証明するための認定ステータスの概念である。期限内であればACTIVEという認定ステータスであり、期限を超えるとINACTIVEという認定ステータスとなる。INACTIVEとなっても、認定された事実が無効になることはない。

  • 認定日から5年目の日付を過ぎると、認定ステータスがACTIVEからINACTIVEに変更される
  • ACTIVEの認定ステータスを維持するためには、認定日から5年以内に同一レベルの認定の再取得、または上位レベルの認定を取得することが必要
  • 有意性の期限を超えてしまった場合、全てのレベルでINACTIVE表示となり、ACTIVEの認定ステータスに戻すには全ての試験の再受験が必要となる

LPICとの関係[編集]

LPICは、Linux Professional Instituteが提供している世界最大のLinux技術者の認定資格で現在日本ではLinux Professional Institute直下の組織であるLPI日本支部が提供している。LPICは以前はLPI-JapanがLinux Professional Instituteの代理店として提供していたが[5]、LPI-Japanは2018年2月に日本の市場に最適化した新たな認定資格としてLinuCを提供したことから、Linux Professional Instituteは日本支部を設立して、LPICを継続して取り扱うようになった。[6]そのためLPIーJapanは2018年8月にLPICの提供を停止した[7]。LinuCの初期リリースでは、試験範囲がLPICと同一であったため[7]、2018年8月までにLPICを受験していた場合には、 LinuCとして確認・管理を行うことができる[8]。また、2018年9月以降にLPICを受験した場合も、LinuCを半額で受験することができる[8]。LPICと試験範囲も試験番号、レベルも同じで市場に混乱を招いている。また、LPI-Japanは日本の会社でLinux Professional Instituteとは何の関係もない団体。[9]LinuCは日本国内のみの認定資格(事実上ピアソンVUEでの受験のため世界中で受験はできるが、日本以外では全く知られていない)であるのに対し、LPICは世界最大のLinux認定で世界中で認知されている。

「ITSSキャリアフレームワークと認定試験・資格とのマップ」との関係[編集]

LinuC(リナック)は、2018年8月24日付でITSSのキャリアフレームワークと認定試験・資格とのマップ(Ver10r3)に掲載されている。

ITスペシャリスト アプリケーションスペシャリスト ソフトウェアデベロップメント カスタマサービス ITサービスマネジメント
ITSSスキル熟練度 レベル3 LinuC レベル3 LinuC レベル3 LinuC レベル3 LinuC レベル3 LinuC レベル3
ITSSスキル熟練度 レベル2 LinuC レベル2 LinuC レベル2 LinuC レベル2 LinuC レベル2 LinuC レベル2
ITSSスキル熟練度 レベル1 LinuC レベル1 LinuC レベル1 LinuC レベル1 LinuC レベル1 LinuC レベル1

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ LPI-Japan、「Linux技術者認定資格 LinuC(リナック)」を、クラウド時代のすべてのIT 技術者に必須の認定として全面的に見直し、新バージョン「Version 10.0」を発表! ~ 4月1日リリース(3月2日より試験予約開始) ~ |IT資格といえばLPI-Japan | LinuC/OSS-DB/HTML5/OPCEL” (日本語). lpi.or.jp. 2020年10月15日閲覧。
  2. ^ LPI-Japan 理事長が語る2020 年3 月に実施したLinuC レベル1/レベル2バージョン10.0 のリリースとその先 | Linux技術者認定試験 リナック | LPI-Japan” (日本語). linuc.org. 2020年10月15日閲覧。
  3. ^ 【New! Ver10.0】LinuCレベル1 Version 10.0 試験概要 | Linux技術者認定試験 リナック | LPI-Japan” (日本語). linuc.org. 2020年10月15日閲覧。
  4. ^ 【New! Ver10.0】LinuCレベル2 試験概要 | Linux技術者認定試験 リナック | LPI-Japan” (日本語). linuc.org. 2020年10月15日閲覧。
  5. ^ よくあるご質問| IT資格といえば LinuC | Linux技術者認定試験 リナック | LPI-Japan” (日本語). linuc.org. 2020年4月14日閲覧。
  6. ^ オープンソースの資格制度を運用するLPIが日本支部を結成 LPI-Japanとの違いとは?” (日本語). Think IT(シンクイット). 2020年4月30日閲覧。
  7. ^ a b LPI-Japan、日本の市場に最適化した新たなLinux技術者認定試験「LinuC(リナック)」を発表~ IT技術者への要求の変化に対応した、中立・公正・厳正なLinuxスキルの認定を目的に新たな認定試験を3月1日より開始 ~|Linux技術者認定機関 LPI-Japan [エルピーアイジャパン]”. lpi.or.jp. 2018年9月20日閲覧。
  8. ^ a b LPICを過去に受験された皆さまへ【過去の受験履歴の取り扱いのご説明】| IT資格といえば LinuC | Linux技術者認定試験 リナック | LPI-Japan” (日本語). linuc.org. 2020年4月14日閲覧。
  9. ^ よくある質問 - 日本” (日本語). Linux Professional Institute (2018年8月27日). 2020年5月13日閲覧。

外部リンク[編集]