LRC (ファイルフォーマット)

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LyRiCsとは、音楽と歌詞を同期させるファイルフォーマット。LyRiCSの略としてLRCと呼ばれることがある。拡張子は「.lrc」。

書き方[編集]

このように書かれる[1]

[00:05.00]一行目の歌詞
[00:12.00]二行目の歌詞
[00:21.00]三行目の歌詞
……
[mm:ss.xx]最後の歌詞

作成方法[編集]

メモ帳などのテキストエディタに歌詞および表示時間を入力し、拡張子を.lrcとして保存する。

一般的な書式[編集]

mm=分、ss=秒、xx=1/100秒の書式で入力する。

例えば、曲の開始から16秒後に、「ありがとう」という歌詞を表示させたい場合は、

[00:16.00]ありがとう

と表記しておくと、開始16秒後になると "ありがとう" と表示される。(ダブルクォーテーションは表示されない。)

また、同じ歌詞を複数回表示させたい場合、下のように作成する。

[00:05.00][00.26.80]ありがとう
[00:14.35]またあした
[00:39.87]はじめまして

この場合、曲の開始から5秒後と26.8秒後に、 "ありがとう" という歌詞が表示される。

保存方法[編集]

LRCファイルは、同期したい音楽ファイル名と、同じファイル名にして保存する[1]

例「music」フォルダー内に「rink」フォルダーがあり、「sound01.mp3」という音声の、歌詞ファイルを作った場合。

music
  ├rink
    ├sound01.mp3
    ├sound01.lrc

上記のように、音楽ファイルと同名で同じ場所に保存する必要がある。

主な対応機種[編集]

  • ネットワークウォークマン
    • NW-A16
    • NW-A17
    • NW-A25
    • NW-A25HN
    • NW-A26HN
    • NW-A27HN
    • NW-A35
    • NW-A35HN
    • NW-A36HN
    • NW-A37HN
    • NW-A45
    • NW-A45HN
    • NW-A46HN
    • NW-A47
    • NW-A845
    • NW-A846
    • NW-A847
    • NW-A855
    • NW-A856
    • NW-A857
    • NW-A865
    • NW-A866
    • NW-A867
    • NW-E052
    • NW-E052K
    • NW-E053
    • NW-E053K
    • NW-E062
    • NW-E062K
    • NW-E063
    • NW-E063K
    • NW-E083
    • NW-E083K
    • NW-F805
    • NW-F805BT
    • NW-F805K
    • NW-F806
    • NW-F806K
    • NW-F807
    • NW-F885
    • NW-F886
    • NW-F887
    • NW-S13
    • NW-S13K
    • NW-S14
    • NW-S14K
    • NW-S15
    • NW-S15K
    • NW-S644
    • NW-S644K
    • NW-S645
    • NW-S645K
    • NW-S744
    • NW-S744K
    • NW-S745
    • NW-S745K
    • NW-S746
    • NW-S754
    • NW-S754K
    • NW-S755
    • NW-S755K
    • NW-S756
    • NW-S764
    • NW-S764BT
    • NW-S764K
    • NW-S765
    • NW-S765K
    • NW-S766
    • NW-S774
    • NW-S774BT
    • NW-S774K
    • NW-S775
    • NW-S775K
    • NW-S784
    • NW-S784K
    • NW-S785
    • NW-S785K
    • NW-S786
    • NW-WM1A
    • NW-WM1Z
    • NW-Z1050
    • NW-Z1060
    • NW-Z1070
    • NW-ZX1
    • NW-ZX2
    • NW-ZX100
    • NW-ZX300
  • ソフトウェア
    • VLCメディアプレーヤー
    • Poweramp
    • BlackPlayer Music Player (Android)
    • MiXplorer (Android)
    • Medoly (Android)
    • Kodi + CU LRC Lyrocsプラグイン
    • MiniLyrics
    • Windows Media Player + FRUITY(フルーティ) (Windows) ※UTF8は文字化け。※[mm:ss.00]書式、[mm:ss:00]形式は可。
    • Widnows Media Player + 歌詞表示(SWEETY) (Windows) ※UTF8は文字化け。※[mm:ss.00]書式は不可。[mm:ss:00]形式は可。

表示方法の違い[編集]

LRCファイルを読み込ませる機種 (音楽ファイルを再生する端末) によって、表示される内容が異なる場合がある。

  1. 文字コード非対応の場合
  2. 半角スペースを読み込まない場合

1の場合の対処法[編集]

もう一度LRCファイルを開き、別の文字コードで保存する。[2]

2の場合の対処法[編集]

LRCファイルを下のように作成して保存した際に (2行目には、最後に半角スペースが入力されていることに注意) 、半角スペースが読み込まれず、曲の開始から5秒後から19秒後まで "ありがとう" と表示される場合がある。

[00:05.00]ありがとう
[00:13.00] 
[00:19.00]はじめまして

そのような場合は、2行目の半角スペースを全角スペースに変更して保存することで、曲の開始の5秒後から13秒後まで "ありがとう" と表示され、その後曲の開始から19秒後までは何も表示されなくなる。

日本での歴史[編集]

Gucchi's Lyrics Plug-In[編集]

1999年頃
おそらくWinAMPのプラグインGucchi's Lyrics Plug-Inで使われたのが始まり。ただしそのヘルプファイルに、

このファイルフォーマットについて
これはぐっちそふとが他の歌詞表示・編集ソフトの歌詞ファイルフォーマットを参考に勝手に作ったフォーマットで、他のソフトウェアと互換性があるとは限りません。

とあり、英語版WikipediaのLRCのSimple formatを参考にしたと推測される。 ただし独自性が多分に盛り込まれていた。

  • 秒と10ミリ秒の区切りが.ではなく:になっている。[mm:ss:xx]
  • カラオケ形式という拡張
カラオケ形式になる条件は、1行で異なる2カ所以上にタイムタグのある行が1つでもあればカラオケ形式となります。
  • その他の情報を@で表す
その他の情報は行頭に@のある行に書き込みます。

タイムタグ仕様書[編集]

2000年頃
Gucchi's Lyrics Plug-Inの仕様をベースにタイムタグ仕様書がまとめられる。

RhythmicaLyrics[編集]

2006年~
カラオケタグの入力が劇的にやりやすくなる。 ニコカラ等に派生する。

ウォークマン[編集]

2010年~
歌詞ピタという同期歌詞表示機能が搭載される。これは専用データをダウンロードする形式であったが、音楽ファイルと同名のlrcファイルを置けば、同じように同期表示できる仕様だった。
秒と10ミリ秒の区切りが、:と.のどちらにも対応しているのは、日本と海外の仕様を両取りした形か。

かしこみ[編集]

2010年~
ウォークマンの歌詞ピタのデータソース。ユーザーによる同期歌詞投稿も可能。
歌詞ピタサービス自体は2018年7月31日をもってサービス終了。 ただし2021年現在もプチリリとして、日本語の同期歌詞が多数の音楽配信サービスなどに用いられている。

脚注[編集]

  1. ^ a b 同期テキスト(lrc形式ファイル)の作成・転送・表示方法”. ソニー. 2018年4月15日閲覧。
  2. ^ “『歌詞同期ファイルの作り方』” (日本語). 歌詞同期ファイル置き場(ラブライブ!、ラブライブ!サンシャイン!!). https://ameblo.jp/snski276/entry-12146396230.html 2018年9月22日閲覧。 

外部リンク[編集]