LMMS

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
LMMS
Lmms logo.png
LMMS 1.0.0.png
LMMS 1.0.0のスクリーンショット
開発元 Tobias Doerffel / Paul Giblock / Danny McRae / Javier Serrano Polo
その他
初版 2004年, 12年前
最新版 1.1.3 / 2015年3月8日
プログラミング言語 C++
対応OS クロスプラットフォーム / Linux, Windows, Mac OS X
プラットフォーム x86, x64
対応言語 16種類
サポート状況 開発中
種別 DAW
ライセンス GNU General Public License
公式サイト lmms.io
テンプレートを表示

LMMS (Linux MultiMedia Studio)Linuxを導入した計算機環境においてFL Studioに類似する機能を提供するDAWである。GPLライセンスの下で配布されるオープンソースソフトウェアでもあり、公式サイトから無料でダウンロードして利用することが可能である。

このソフトには沢山のソフトウェア・シンセサイザーが付属しており、その他SoundFont等の音源を利用できる。打ち込みにはMIDIキーボードあるいはマウスでピアノロールに演奏情報を入力することによって、音楽作品を制作する事ができる。

どのようなジャンルの音楽作品でも制作可能だが、ユーザーインターフェース設計の関係上、同様な音形の繰り返しで構築されるミニマル・ミュージックの制作に適している。公式には、テクノハウス等のクラブ向けダンスミュージックの制作を志向している。

概要[編集]

システム要件[編集]

LMMSはクロスプラットフォームで開発されているため、さまざまなOSで動作可能である。GNU/Linux, OpenBSD, Microsoft Windows、LMMS 1.10からは公式でOS Xのサポートが開始された。

LMMSは最低1GHzで動作するCPU、512MBのRAMと2チャンネルのサウンドカートを最低要件としている{{[1]

特徴[編集]

LMMSはソフトウェア・シンセサイザーとその他のプラグイン、これらのプリセットやサンプルファイル、そしてインポートしたスタンダードMIDIファイルを利用できる。プロジェクトファイルはLMMS専用形式.mmpzの拡張子で保存される。WAV形式、Ogg Vorbis、スタンダードMIDIファイルでエクスポートする事が出来る。

将来的には予定である。更に、ほとんど全ての(インストゥルメントを含む)コントロールを近代的なミキシングデスクのフェーダーを動かし、オートメーション機能を活用する事によって自動化できる。

LMMSはVSTを使うことができるが、Linux上でVSTi、VSTeを利用する際はWine経由で利用可能[2]としている。

新しいヴァージョンが現在活発に開発されており、主に焦点は新しいQt4 GUIにおいてのソフトウェア間の移植に置かれている。この開発は、LMMSをQt4がサポートされるMicrosoft Windowsを含む全てのプラットフォームで動作させる事を可能にする。

今後のアップデート[編集]

2016年8月の時点で、公式LMMS Facebookページによると、バージョン1.2.1はまもなくリリース予定である。単に簡単な発表ではあるが、「準備ができたときLMMS1.2 RC2はリリースされる」[3]という。

プラグイン[編集]

LMMSにはトラッカー・シーケンサープログラム(パターン・チャンネル・サンプル・ソング・エフェクト管理)やそれらのパワフルなシンセサイザーサンプラーも含む計19個のユニークな楽器プラグインが存在する。

楽器プラグイン[編集]

  • BitInvader - 任意の波形を入力可能な波形メモリ音源
  • FreeBoy - GameBoyのAPUの音色を再現する。
  • LB303 - ローランドが発売したモノフォニック・シンセサイザーのTB-303の仕様や音色を再現する。
  • Mallets - 木琴や鉄琴のような音を奏でるシンセサイザー。
  • Monstro
  • Nescaline - ファミリーコンピュータの音色を再現する。
  • OpulenZ - 2つのFM音源をシンセサイズし音色を作れるシンセサイザー。
  • Organic - オルガンの音色に似たシンセサイザー。
  • sfxr - 昔のゲームにありそうなピコピコした音やサウンドエフェクトを作る。
  • SID - SID音源のコモドール64を再現する。
  • Triple-Oscillator - 3つのオシレーターを駆使し、たくさんの音色をシンセサイズできる。
  • Vibed - ブルブルと震える弦の音を再現する。
  • Watsyn
  • ZynAddSubFX - 基本的には倍音加算合成方式のシンセサイザーとして使用する。生楽器の再現に効果を発揮する。

サンプラー[編集]

  • AudioFileProcessor - WAV、Flac、Ogg Vorbisなどの様々な音声ファイルをサンプリングできる。
  • Kicker - キックやバスドラムの音色をシンセサイズする。

標準[編集]

ユーザインタフェース[編集]

LMMSのユーザインタフェースFL Studioに大きく影響を受けている[要出典]。8種類のメインスクリーンにより構成されている。

ビート+ベースラインエディター
ドラムパターンと短いメロディックパートを手早く組み立てることが出来る。
ピアノロール
いわゆるピアノロール入力画面。縦軸に音程、横軸に演奏時間を置き、譜面入力と同様に音符に相当するデータを配置する。データには様々なプロパティを設定できる。
オートメーションエディター
シンセサイザーエフェクターに対しての操作を記録させ、自動化させることができる。
ソングエディタ
このフィールドにビート+ベースラインエディタやピアノロールで作成したパターンやサンプルファイルを配置して曲を完成させる。
FXミキサー
オーディオレベルのバランスを取り、LADSPAプラグインなどによる音響効果を付加する際に使用する。最大で64チャンネルまで扱え、1つのチャンネルにつき、複数のプラグインを連結させることができる。
サイドバー
LADSPAインストゥルメントプラグイン、オーディオサンプルやプリセット、他のLMMSの作業ファイル(MMPファイル等)に素早くアクセスできるほか、ファイルブラウザとしても用いることができる。
コントロールラック
FXミキサーに読み込まれたプラグインを操作するコントローラーを管理することができる。
プロジェクトノート
プロジェクトファイルに関してのメモを記す事ができる。

欠点[編集]

一見すれば商用DAWに近い豊富な機能を備えているように見えるが、実質的な性能はアマチュア水準に留まる。特に付属音源の質感が劣る。付属音源音色(特に、Ogg Vorbisによる圧縮形式で用意されている生音サンプル)の質感が倍音成分の欠落により商用DAWの付属音源と比較すれば大幅に劣っており、内蔵シンセには即戦力と呼ばれるような実用的なプリセットが用意されていない。また、読み込むとLMMS自体が異常終了するようなVSTプラグインも多数存在する。従って、シンセサイザーとエフェクタに関する深い知識無しに商業レベルの音の質感を実現する事は難しい。特に、複数の音色のレイヤによる質感向上は必須である。また、トラックに読み込んだサンプルはカット&ペーストが出来ず、使用範囲の指定しか行えない。従って、波形編集によるエディット音楽作成という面では操作回数が多くなり、作業性で大きく劣る傾向にある。さらに商用DAWと比較して、バグが非常に多く、異常終了が頻繁に発生する。特に高負荷状態が続いた操作時に起きやすい。また、作業復元機能も搭載されてはいるがデフォルトでは無効となっている。従って、設定画面から作業復元機能を使う設定にするか、頻繁にプロジェクトの保存を行った方が良い。その他にも、多くの商用DAWに搭載されている機能で搭載されていない機能が多数存在する(ヒューマナイズ, コードアシスト等)。しかし、個人の音楽の学習・趣味の制作用途であれば、無料であるにも関わらず、現代的な音楽制作に必要な基礎的な機能が揃っており、ユーザインタフェースも整理され、WindowsMacLinuxマルチプラットフォーム対応でもあるため、非常に使い勝手が良いDAWであると評価されている。しかし、本格的に制作を開始する場合、初めから商用DAWで学習した方が同じ環境で学び続けることが出来るため効率的である。

脚注[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]