LIBRIe
LIBRIé(リブリエ)は、かつてソニーから発売されていた電子書籍リーダーである。
概要
2004年4月24日に「EBR-1000EP(ASIN B0001Z8QRI)」として発売された。ディスプレイにE Ink方式の電子ペーパーを使い、液晶ディスプレイと比べて低消費電力で見やすい画面が特徴[1]。
「LIBRIe」は造語で、スペイン語の“Libro”(本)や“Libreria”(書店)を意味する語に、e-Bookの“e”を付け加えたもの[1]。
データの転送は専用ランチャーをインストールしたWindows PCからメモリースティックかUSB接続で行う。インターネット接続機能は搭載されていない。
閲覧可能なファイル形式はソニーが開発した電子ブック規格である BBeB(Broad Band eBook)と、それを用いた電子書籍「BBeBコンテンツ」のみである。BBeBは当時発売されていたソニー製の電子辞書にも採用されていた。
Windows用のプリンタードライバ "Printer for Librie" が無償提供されていた。これを使うことでアプリケーションからプリンターに印刷するのと同じ操作で LIBRIé にデータを転送することが可能となり、印刷可能なデータであれば全て LIBRIé で閲覧できることとなった。動作保証OSはWindows XPのみであり、Windows VistaやWindows 7にも対応していないが、互換モードで動作するとの報告もある。
電子書籍コンテンツが少ないうえレンタルのみであること、実売価格が45000円前後と高価であったこと販売数が伸びず、2007年5月をもって生産を終了した。
電子書籍サイト
「BBeBコンテンツ」は、ソニーと出版社各社の出資により設立した電子書籍の制作・販売会社パブリッシングリンクにより、電子書籍配信サイト 「Timebook Town」が2004年4月1日に開始され[2]、そのサイトにて電子書籍が配信・販売された。
配信形式は閲覧期間を定めたレンタル形式であり、パソコンのブラウザでタイトルを選び、購入決済を行い、マイページからデータをパソコンにインストールしたランチャーソフトにダウンロードする。レンタル期間中であればパソコン上でも閲覧が可能であり、VAIOの公式サイトでも紹介していた。レンタル期間は基本的に60日間で、それを過ぎたデータは閲覧できなくなる。
会員期間中であれば閲覧可能な「Long Timebookサービス」が2005年4月1日より一部の書籍に対して開始された。
配信タイトルはパブリッシングリンクに出資していた講談社・角川書店・新潮社などに限られており、小学館・集英社など一ツ橋グループの出版社の作品は扱われないなど偏りがちだった。しかしながら講談社は1990年代以降に出版した講談社コミックスを積極的にKC Digitalとしてデジタルコミック化し、配信していた。
パブリッシングリンクは携帯コミックの制作・配信事業を行うようになり、2007年に同社から「タイムブックタウン」として分社化され、ソニー全額出資となった。
2008年7月1日に2009年2月28日付けでサイト閉鎖を発表。同日を以て会員情報も削除されたため、電子書籍の閲覧は不可能となっている。
後継サービス
2006年9月、姉妹機ソニー・リーダーがアメリカで発売された。LIBRIé のコンテンツがレンタルで提供されていたのに対し、買い切り方式で提供されるのが特徴。BBeB に加え、PDF、Microsoft Word、EPUB、テキストファイルの閲覧が可能であり、メモリースティックとSDメモリーカードの両方が使える。ヨーロッパでも2008年から発売が開始された。日本では2010年12月に発売された。
関連項目
出典
- ^ a b ソニー、E INK採用の電子書籍端末「LIBRIe」~電子書籍レンタルサービス「Timebook Town」も開始 - PC Watch、2004年3月24日(2021年5月8日閲覧)
- ^ “BBeB (Broad Band e-Book)”. 「マルチメディア・インターネット辞典」Dictionary of MultiMedia. 2012年7月22日閲覧。
外部リンク
- Sony
- LIBRIe(リブリエ) 公式サイト