KTM・クロスボウ

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KTM・クロスボウ
KTM X-Bow
KTMX-Bow.jpg
乗車定員 2人
エンジン VWグループ製2L直4ターボ
駆動方式 MR
変速機 6速MT
サスペンション (前)プッシュロッド式ダブルウィッシュボーン
(後)ダブルウイッシュボーン
全長 3,738mm
全幅 1,915mm
全高 1,202mm
ホイールベース 2,430mm
車両重量 790kg
-自動車のスペック表-

クロスボウX-Bow )は、オーストリアオートバイメーカーであるKTMが初めて製造したスポーツカーである。イタリアのレーシングカーコンストラクターであるダラーラザルツブルクのキスカデザイン、ドイツのアウディなどと共同で開発された。 ダラーラ社によるレーシングスペックのカーボンモノコックシャシーを持ち、センターロック式のホイール、ブレンボ製ブレーキを採用している。時速200kmで193kgのダウンフォースを発生する。 コースに合わせて選択できる複数のサスペンションやレースタイヤなどが用意されている。

カーボンモノコック構造が良く分かるコックピット
多くの風洞実験により強大なダウンフォースを発生するデザイン

解説[編集]

クロスボウは2007年のジュネーブショーで発表され、翌2008年より市販開始。初年度の販売台数は全世界で250台。 フォルクスワーゲングループから供給されたインタークーラー付きターボチャージャー1,984cc直噴TFSIエンジンを搭載。最大出力240PS/5,500rpm、最大トルク310Nm/2,200 - 5,400rpmを発生する[1]。車重は最軽量のモデルで790kg[2]

エンジンの始動はスマートエントリーに対応しているが、その後の操作は一般的な自動車と比べると独特で多少手間がかかる。助手席側にある差し込み口に入れての始動も可能。 デジタル式のセンターメーター(同社のRC8Rからの流用品)が搭載されており、速度やエンジンの回転数だけでなく、車両にかかる横Gなどが表示できる。またレースモードに切り替えると、周回ラップなどレースで重要な情報を表示できる。 公道走行が可能な一方で、風防が低いため風がほとんど顔に当たる、雨用の簡易幌などもオプションでも提供されない(駐車時に雨を防ぐカバーは存在する)、トランクスペース、エアコン、オーディオがないなど、走る以外の装備は殆ど無く、4輪のオートバイと考えて良い車両である。

シートベルトは標準で4点式、ハンドルは左が基本だが右も選択できる。 シートは固定でステアリングとペダルをスライドしてポジションを合わせるフォーミュラ式の構造を採用している。またサスペンションアームは、クラッシュ時に折れてホイールが外れて衝撃を分散させるフォーミュラーカー同様の構造を持つ。 当初KTMでは年産500台を計画していたが、想定以上の受注を抱えたため、グラーツ近郊に新たな工場を建設し、年産1,000台体制をとることになった[3]

(参考)X-Bowの組み立て工場内の動画 https://www.youtube.com/watch?v=3xfcWWN4vUo

当初日本国内においては1995年から株式会社ズームが統括代理店契約を行っていたが、日本での販売数が年間数台〜10台程度と伸びなかった事などから、現在はVTホールディングスグループの「エスシーアイ株式会社」も窓口をつとめるようになった。

屋根がないことや、オーディオやエアコンがないことなどから、公道を走ることはできても実用に適さない車両であったため日本国内での販売実績は乏しく、走行されている車両は累計100台にも満たないされ、存在自体も一般に認知されていないことから相当のレア車とされる。自動車販売ディーラーですら展示車がない店舗がほとんどで、車体自体を見かけることもほとんど無い。 鍵のデザインについても、生産台数が少なかったこともあり最近までモジュールとして使用したドイツのアウディ製のイグニッションキーをそのまま使用していた。 そのため鍵に刻印されたロゴマークなどもドイツのアウディのものが刻印されており、メーカーとしてのKTMのロゴマークすら刻印されていなかった。

グレード[編集]

X-Bow GT
X-Bow GTのコックピット

2008年の発売以来、「ストリート」、「クラブスポーツ」、「スーパーライト」、「GT4」、「ROC」の計5グレードで展開していたが、2011年モデルより、ベースグレード比60PSアップの限定車として「R」を設定。これに伴い、「スーパーライト」、「GT4」、「ROC」については廃止された。

  • ストリート
クロスボウの標準仕様グレード。
  • クラブスポーツ
サーキット走行向けに最適化されたグレード。
公道走行時には一部のパーツを外す必要がある。
  • R
新型エンジン(最大出力300PS、最大トルク400Nm)を得たハイパワーグレード。
  • R ロードパッケージ
80台限定。
  • GT
フロント&サイドスクリーンを装備した快適仕様のモデル。エンジンはトルク重視のセッティング。

受賞歴[編集]

脚注[編集]

  1. ^ TFSI Technology from Audi”. KTM. 2009年3月2日閲覧。
  2. ^ KTM X-Bow Street Technical data”. KTM. 2011年1月25日閲覧。
  3. ^ KTM X-Bow gets own factory”. Autocar.co.uk (2007年9月21日). 2009年3月2日閲覧。
  4. ^ KTM X-Bow receives Top Gear's “Sports Car of the Year” award”. 4wheelnews.com (2008年12月15日). 2009年3月2日閲覧。

参考文献[編集]

  • 二玄社『CARGRAPHIC』KTM X-BOW RODE INPRESSIONより

外部リンク[編集]