ジョー・アルコール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
JOE ALCOHOLから転送)
ジョー・アルコール
基本情報
出身地 日本の旗 日本
ジャンル ガレージロック
パンク・ロック
ブルース
活動期間 1988年 -
レーベル VIVID SOUND
公式サイト JOE ALCOHOL OFFICIAL WEB
セックスピストルズ
ニューヨーク・ドールズなど

ジョー・アルコール(JOE ALCOHOL、3月10日 - 2022年令和4年〉1月31日)は日本のロックミュージシャン静岡県三島市出身。

概要[編集]

独特の世界観を持った歌詞と爆音のロックンロールサウンドが特徴。その全ての楽曲の作曲作詞を手がけている。グレッチのシルバージェット(ダブル・カッタウェイ)を愛用し、ラッキーナンバーだと言う"13"と共に彼のトレードマークとなっている。ライブではドラムセットにダイビングするなど過激なパフォーマンスを見せるが、そのパフォーマンスの影響もあり現在両肩と左股関節を故障、2010年2月に大規模な手術を行った。フェイバリット・アーティストにイギー・ポップスティーブ・ベイターズデッドボーイズローズ・オブ・ザ・ニューチャーチ)、ディー・ディー・ラモーンラモーンズ) 、シド・ヴィシャスセックス・ピストルズ) などが良く挙げられているが、中でもジョニー・サンダース(元ニューヨーク・ドールズ)を敬愛しており、数多くのトリビュート盤への参加や追悼ライブなどにも出演した。

来歴[編集]

1988年頃より東京アンダーグラウンド ライブハウスシーンの中で、様々なバンドに置いて活躍。1990年7月ジェットボーイズにベーシストとして加入。1991年アルバム『TEENAGE THUNDER』リリース。その後アメリカツアーなども行う。何枚かのシングル、アルバムなどに参加するも、1993年5月脱退。

JOE ALCOHOL & THE HONG KONG KNIFE 〜 THE HONG KONG KNIFE[編集]

その後自らのバンド"JOE ALCOHOL & THE HONG KONG KNIFE/ジョー・アルコール・アンド・ザ・ホンコンナイフ"結成。数多くのシングルをリリースした後、デビューアルバム『HATE ME MORE...』をキティレコードよりリリース。その後1997年バンド名をTHE HONG KONG KNIFEに改名、ワンマンライブやTV出演など、さらに精力的な活動を行い1998年10月『HEART BREAK JET SALOON』を新宿ロフトのレーベルよりリリース。 その後ギターウルフマッド3らのメンバーとユニットKING ROCKER/キングロッカーに参加、アルバムを2枚リリース。精力的な活動の中、2000年7月キングレコードから『CHERISHED MEMORIES』でメジャーデビュー。タイトルナンバーは、フジテレビ系ゴールデンタイムのアニメGTOのエンディングテーマに抜擢。6月~9月まで3ヶ月間オンエアーされる。2000年11月にはマキシシングル『LOVE ME!!』リリース。このナンバーはアニメ闇の末裔のエンディングテーマに起用される。その後も三枚ものアルバムをリリースするが、2002年12月無期限活動休止となる。2003年12月川崎クラブチッタにて一度だけ再結成。

ソロ活動[編集]

その後はソロとなり数枚のレコーディングに参加。ライブ活動も"JOE ALCOHOL & THE FOURFORTIES/ジョー・アルコール・アンド・ザ・フォーフォーティーズ"として再開。全国各地を廻るライブ活動を始める。2006年8月には以前在籍していた"JET BOYS"の貴重なアルバム『TEENAGE THUNDER』の再発(『TEENAGE THUNDER REVISITED』)に伴い同年12月、リユニオンライブに参加。 2009年7月、初のソロアルバム『GENERATOR THIRTEEN』をVIVID SOUNDよりリリース。このアルバムではゲストプレイヤーを用いながらも、歌は勿論ギターベースドラムまでも一人で録音された作品である。その後全国ツアーを決行。2010年1月17日、発売記念のワンマンライブを下北沢BASEMENT BARにて行ない超満員のオーディエンスに迎えられ大成功。 以後、左股関節の手術治療のため活動休止していたが、2011年3月下北沢GARDENで行われた旧友クラック・ザ・マリアンの再結成ライブに、宮崎のロックバンド"THE BORED"をバックに従え復活。以後弾き語りでの活動を行うが同年10月 自身のブログにてBARE BONESMOSQUITO SPIRALなどのメンバー達と、新バンド"WONDERFUL WORLD/ザ・ワンダフルワールド"の結成を表明。"JOE ALCOHOL & THE WONDERFUL WORLD/ジョー・アルコール・アンド・ザ・ワンダフルワールド"として2012年2月より完全復活。2013年12月にはザ・ワンダフルワールドのメンバーでもあるギタリストのハセシュウジロウと初のアコースティック・アルバム『STRANGE GUITAR BLUES』をリリース。2014年8月には音楽活動25周年を記念した写真集『STILL ALIVE 1998-2013』を発表。ライブもアコースティック、バンド共に精力的に活動。2015年1月、バンド名を"ザ・ワンダフルワールド"へと改め、4月にファーストアルバムをリリース。2016年6月、過去に行った手術でのボルト抜針手術の為、一時活動休止へ。またその記念盤としてソロ初のマキシCD『DEGENERATION BLUES』と写真集『STRANGER IN THE STREET』(松島幹撮影)をリリース。2019年9月には3年振りのCD作品『GLORY DAYS』を発表。2020年持病である特発性大腿骨頭壊死症の手術後、ギターウルフのトオル等とアルバムを制作。その音源は2021年10月13日『RAMBLING JET BLUES』というタイトルで発売された。(2021年11月現在)

THE WONDERFUL WORLD[編集]

2011年3月、手術リハビリを終え復帰した元THE HONG KONG KNIFE/ザ・ホンコンナイフ)のJOE(a.k.a.ALCOHOL)/ジョー・アルコールを中心に、ガレージ界のトップバンドMAD 3の元ドラマーKYOとハードコアパンク界のレジェンドS.D.S.(Societic Death Slaughter)の元ベーシストHIDE、そして現在も精力的に活動中のBAREBONESのギタリストSYUの4人で結成。2012年に渋谷サイクロンで行なわれたデビューライブはソールドアウト。同日ライブレコーディングされた音源『KILL THE MUSIC』を同年6月に発売。これを機に全国的にライブ活動開始。2015年4月10日初のスタジオレコーディング音源『ザ・ワンダフルワールド』発売。同時期にCHAOS & ANARCHYより7インチアナログ盤『DEAD ENDING ROCK E.P.』発売。アルバム発売を記念して渋谷スターラウンジワンマンライブを決行。その日の映像を収めた初の映像作品『ロックン・ロール』をリリース。2017年には下北沢シェルターで昼間にワンマンライブを行う。全国ツアーなど精力的に活動。2019年10月には名古屋の伝説のパンクショップ「エレクトリック」に捧げた2枚目のシングル(アナログ盤)『ELECTRIC E.P.』をリリース。発売を記念して4回目のワンマンライブ下北沢シェルターで行う。ワンマンライブは引き続き2021年に同下北沢シェルターにて2回行われた(2021年11月現在)。

死去[編集]

2022年1月31日、心不全により死去したことを同年2月4日にオフィシャルサイトにて発表された[1][2]

ディスコグラフィー[編集]

シングル[編集]

  1. STARVING SURVIVOR/THE HOWLING ROSE(1988年)
  2. BROKEN SOLDIER/THE HOWLING ROSE(1988年)
  3. DOGS DAY AFTERNOON/THE HOWLING ROSE(1990年)
  4. GET OUT MY GIRL/THE JET BOYS(1992年)
  5. WELCOME TO THE WILD PARTY/THE JET BOYS(1993年)
  6. UNFORTUNATE MOTHER FUCKER EP/JOE ALCOHOL & THE HONG KONG KNIFE(1993年)
  7. JUST ANOTHER NIGHT EP/JOE ALCOHOL & THE HONG KONG KNIFE(1995年)
  8. PERFECT LIFE EP/JOE ALCOHOL & THE HONG KONG KNIFE(1996年)
  9. NOT FOR SALE EP/JOE ALCOHOL & THE HONG KONG KNIFE(1996年)
  10. IN COLD BLOOD EP/KING ROCKER featuring JOE ALCOHOL(1999年)
  11. SPLIT WITH S.D.S./THE HONG KONG KNIFE(1999年)
  12. DECEMBER'S CHILDEREN/THE HONG KONG KNIFE(1999年)
  13. BORN TO LOSE〜SAD VACATION/KING ROCKER feauturing JOE ALCOHOL(2000年)
  14. CHERISHED MEMORIES/THE HONG KONG KNIFE(2000年)
  15. LOVE ME!!/THE HONG KONG KNIFE(2000年)
  16. EDEN/LOVE ME!![SPLIT MAXI CD]/THE HONG KONG KNIFE 〜TO DESTINATION(2001年)
  17. DEAD ENDING ROCK E.P.(2015年)
  18. DEGENERATION BLUES/JOE ALCOHOL(2016年)
  19. ELECTRIC E.P./THE WONDERFUL WORLD(2019年)

アルバム[編集]

  1. TEENAGE THUNDER/THE JET BOYS(1991年)
  2. RADIO THUNDER/THE JET BOYS(1993年)
  3. MIDNIGHT BLUES/JOE ALCOHOL & THE HONG KONG KNIFE(1995年)
  4. HATE ME MORE.../JOE ALCOHOL & THE HONG KONG KNIFE(1996年)
  5. HEARTBREAK JET SALOON〜CD/THE HONG KONG KNIFE(1998年)
  6. HEARTBREAK JET SALOON〜LP/THE HONG KONG KNIFE(1999年)
  7. REAL KOOL KATS〜CD/KING ROCKER(1999年)
  8. REAL KOOL KATS〜LP/KING ROCKER(1999年)
  9. WHO KILLED THE LEGEND!?/KING ROCKER(2000年)
  10. BREAK STATE SURVIVOR〜CD/THE HONG KONG KNIFE(2000年)
  11. BREAK STATE SURVIVOR〜LP/THE HONG KONG KNIFE(2000年)
  12. BLACK LEATHER DISCHORD/THE HONG KONG KNIFE(2001年)
  13. DYNAMITE CANDY/THE HONG KONG KNIFE(2002年)
  14. NASTY MUSIC/THE HONG KONG KNIFE ※海賊盤(2004年)
  15. TEENAGE THUNDER REVISITED〜CD+DVD/THE JET BOYS(2006年)
  16. TEENAGE THUNDER REVISITED〜LP/THE JET BOYS(2007年)
  17. GENERATOR THIRTEEN/JOE ALCOHOL(2009年)
  18. KILL THE MUSIC/JOE ALCOHOL AND THE WONDERFUL WORLD(2012年)
  19. STRANGE GUITAR BLUES/JOE ALCOHOL AND SYUJIRO HASE(2013年)
  20. THE WONDERFUL WORLD/THE WONDERFUL WORLD(2015年)
  21. GLORY DAYS/JOE ALCOHOL(2019年)
  22. OFFICIAL BOOTLEG LIVE/JOE ALCOHOL LIVE AT RED DRAGON(2020年)
  23. RAMBLING JET BLUES(2021年)

ビデオ[編集]

  1. SHINJUKU LOFT BOOTLEG /LOFT PROJECT(1999年)
  2. DECEMBER'S CHILDREN/GOLD DIGGER'S ORGANIZATION(2000年)
  3. TEQUIRA HELLRISER/BOOTLEG(2002年)
  4. ROYAL STRAIGHT FLASH BACK AGAIN DOCUMENT/NO NAME-BOOTLEG(2003年)
  5. JOE ALCOHOL BOOTLEG COLLECTION VOL.1 DVD(2015年)
  6. THE WONDERFUL WORLD/ROCK 'N' ROLL〜LIVE AT STAR LOUNGE 20150606"-THR-DVD-01(2015年)

その他 (オムニバス等)[編集]

  1. UP RISING V.A./THE JET BOYS(1993年)
  2. I WANNA BE STOOGES(Tribute to STOOGES)V.A./JOE ALCOHOL(1996年)
  3. ROCK BACKER FILE V.A./JOE ALCOHOL & THE HONG KONG KNIFE(1996年)
  4. STRANDED IN THE DOLL'S HOUSE(Tribute to N.Y. Dolls)/JOE ALCOHOL & THE HONG KONG KNIFE(1997年)
  5. FUNK CRIB V.A./THE HONG KONG KNIFE(1997年)
  6. HODGE PODGE & BARRAGE FROM JAPAN Vol.3/THE JET BOYS(1997年)
  7. アトミック番長!!〜GARAGE DYNAMITES(1998年)/THE HONG KONG KNIFE(1997年)
  8. アトミック番長!!〜GARAGE DYNAMITES 転校編(1999年)/THE HONG KONG KNIFE(1998年)
  9. TRASH ON DEMAND Vol.3 V.A./JOE ALCOHOL & THE HONG KONG KNIFE(1999年)
  10. FACTORY V.A./THE HONG KONG KNIFE(2000年)
  11. TEENAGE HEAD V.A./THE HONG KONG KNIFE(2000年)
  12. TEENAGE HEAD V.A./ULTRA KING ROCKER(2000年)
  13. TIGER HOLE RANGE V.A./THE HONG KONG KNIFE(2000年)
  14. LET'S GET TOGETHER(Tribute to RYDERS)/THE HONG KONG KNIFE(2002年)
  15. 電撃バップ(Tribute to RAMONES)/THE HONG KONG KNIFE(2002年)
  16. VALLEY OF THE TOKYO DOLLS 〜A TRIBUTE TO JOHNNY THUNDERS/JOE ALCOHOL(2004年)
  17. JOHNNY THUNDERS TRIBUTE PLUGGED IN - PLUGGED OUT!/JOE ALCOHOL(2010年)
  18. BILLY TRIBUTE〜STAY FREE〜Dedicates to "Billy"/JOE ALCOHOL & THE BILLYBOYS(2011年)
  19. SAVE THE VOICE〜AGGRESSIVE DOGS UZI-ONE 救済オムニバスCD(2021年3月19日発売)

写真集[編集]

  1. THE THIRTEEN SUPERSTITION(2000年)
  2. WHAT'S BURNING UP THE KIDS?(2001年)
  3. STILL ALIVE 1988-2013(2014年)
  4. STRANGER IN THE STREET(2016年)

脚注[編集]

  1. ^ お知らせ”. THIR"13"TEEN RECORDS Web (2022年2月4日). 2022年2月5日閲覧。
  2. ^ JOE ALCOHOLが心不全のため死去” (2022年2月4日). 2022年2月5日閲覧。

外部リンク[編集]