iOS 15
iOS 15(アイオーエス フィフティーン)は、Appleが開発しているモバイルオペレーティングシステムiOSの15番目のメジャーリリースである。 開発者向けベータ版は2021年6月8日(日本時間)に配信され、パブリック・ベータ版は同年7月1日(日本時間)に配信され、正式リリース版は日本時間2021年9月21日午前2時に配信された。
概要[編集]
2021年6月7日、COVID-19感染拡大防止の観点からオンラインで開催されたWWDC 2021で発表された[2]。
対応端末はiPhone 6s/6s Plus・iPhone SE (第1世代)以降のiPhoneと、iPod touch (第7世代)。iOS 13およびiOS 14でサポートされたモデルに引き続き対応[3]。
バージョン | ビルド | 配信日 | 注釈 |
---|---|---|---|
15.0 | 19A341 | 一 | iPhone 13シリーズ初期出荷分プリインストールのみ |
19A346 | 2021年9月20日 | 初回リリース | |
15.0.1 | 19A348 | 2021年10月1日 | バグ修正[4] |
15.0.2 | 19A404 | 2021年10月11日 | バグ修正、セキュリティアップデート[5] |
15.1 | 19B74 | 2021年10月25日 | SharePlay機能追加。 翻訳(Appとシステム全体)が繁体字に対応。 新型コロナウイルスワクチンの接種証明書がWallet対応(日本は現在対象外)。 その他バグ修正。[6]、リリースノート[7] |
15.1.1 [注釈 1] | 19B81 | 2021年11月17日 | iPhone 12, 13シリーズで通話が途切れることのある問題を修正[8] |
15.2 | 19C56, 19C57 | 2021年12月13日 | セキュリティアップデート[9]、リリースノート[10]、SIMカードとeSIMのデュアルSIMで利用時に緊急通報できない問題の解消[11] |
15.2.1 | 19C63 | 2022年1月13日 | バグ修正 |
15.3 | 19D50 | 2022年1月27日 | バグ修正、セキュリティアップデート |
15.3.1 | 19D52 | 2021年2月11日 | バグ修正、セキュリティアップデート |
15.4 | 19E241 | 2022年3月14日 | iPhone 12, 13シリーズでFace IDがマスク着用に対応 |
15.4.1 | 19E258 | 2022年3月31日 | バグ修正、セキュリティアップデート[12] |
15.5 | 19F77 | 2022年5月16日 | バグ修正、セキュリティアップデート[13] |
- ^ iPhone 12、iPhone 12 mini、iPhone 12 Pro、iPhone 12 Pro Max、iPhone 13、iPhone 13 mini、iPhone 13 Pro および iPhone 13 Pro Maxのみ
注:灰色は過去のバージョン(ベータ版を含む)、薄緑は現在のバージョン、水色は現行よりも新しいベータ版、青は最新のベータ版。
新機能[編集]
[編集]
iOS 15では、FaceTime通話中の他のユーザーに音楽を聴いたり、映画を見たり、画面を共有したりすることができる機能「SharePlay」が導入された[14][15][16][注釈 1]。
FaceTime[編集]
iOS 15では、FaceTimeにグリッド表示とポートレートモードが追加された。また、空間オーディオや雑音を減らす機能も追加された。Appleは、新たに追加されたリンクとカレンダーイベントにより、WindowsやAndroid端末のウェブブラウザからFaceTimeの通話に参加することが可能になった[17][18]。
集中モード[編集]
「集中モード」は、通知を後回しにしてフィルタリングするためのもので、睡眠時や仕事中など、さまざまな場面で集中モードを有効にすることができる。有効にしている間に表示されるAppや通知は、利用者が個別に選択できる。また、集中モードを有効にすると、仕事などに関連するウィジェットやAppを表示することができる[19]。
テキストの認識表示[編集]
カメラApp、または写真Appから画像にあるテキストや物などをスキャンし、情報を摘出できるようになった[20]。また、表示されているランドマークや花などを直接調べることが可能になった[21]。
Safari[編集]
Safariは再設計され、「タブグループ」機能が追加された。これにより、タブを整理したり、タブグループ全体を共有することが可能になった。これまでmacOSのSafariで使用できたブラウザの拡張機能は、iPhoneとiPadの両方で初めて利用できるようになった。また、新しいスタートページが追加された[22]。
マップ[編集]
マップAppでは、ランドマークや交通信号機、バスレーン、自転車レーン、横断歩道などの都市の3Dモデルがより繊細になり、拡張現実を使用したナビゲーションにはARが使われている[23]。また、特定の公共交通機関のリアルタイムの時刻表をピン留めすることが可能になった[19]。
天気[編集]
天気 Appは、ユーザインタフェースが一新され、新しいアニメーションやフルスクリーンでの天気図が表示されるようになった[20]。
ウォレット[編集]
ウォレット Appは、米国の一部の州で発行された運転免許証などの身分証明証を追加できるようになった。この情報は暗号化され、Apple Payと同じくSecure Element内に保存される。自宅やアパート、ホテル、オフィスなどのデジタルキーに対応した[21]。
またこのバージョンより[注釈 2]、SMART Health Cardの仕様に基づいた、検証可能なCOVID-19のワクチン予防接種または検査結果の記録をウォレットAppにダウンロード可能になるとの発表がされた[24]。
通知センター[編集]
通知センターのユーザインタフェースが新しくなり、アイコンが大きく表示される仕様になった。新たに「通知要約」機能が追加され、特定の時間に緊急性がない通知をまとめて表示することができる[21]。
メッセージ[編集]
メッセージAppでは、一部のユーザインタフェースが再設計された。これによって、複数の画像を送受信する際、スワイプやタップなどのジェスチャー操作で画像をすり替えたり、選択なった。また、新たなMemojiが追加された。
その他[編集]
- 「探す」ネットワークがAirPods ProとAirPods Maxに対応
- 「iCloud+」が登場
- 「あなたと共有」機能が追加
- 翻訳Appがライブ翻訳に対応
- Appのデータ追跡情報が一目で確認できるように
- 「メールプライバシー保護」機能追加
- Siriが端末上のみで処理が可能に
- 「AppStore」や「探す」や「Game Center」「睡眠」などのウィジェットが新たに追加。
- Safariのピンチ操作がiOS14から大変更されタブが縮んでしまう操作が加わった。iOS14での軌道には一度アップデートすると戻せない。
対応端末[編集]
iOS 13およびiOS 14に対応したすべての端末が、iOS 15にも対応している。以下は、iOS 15に対応している端末の一覧である[3]。
脚注[編集]
注釈[編集]
- ^ iOS15の配信当初はこの機能が利用できなかったが、iOS15.1から使用可能になった。
- ^ 2021年11月7日現在、iOS15.1にてカリフォルニア州のワクチンパスポートがダウンロード可能となっている。
出典[編集]
- ^ “iOSとiPadOS - 利用できる機能” (日本語). Apple(日本). 2021年9月20日閲覧。
- ^ Johnson, Allison (2021年6月7日). “Apple previews iOS 15 at WWDC 2021” (英語). The Verge. 2021年6月8日閲覧。
- ^ a b Faulkner, Cameron (2021年6月7日). “Here are the devices that can run iOS 15, iPadOS 15, macOS Monterey, and watchOS 8”. The Verge 2021年6月7日閲覧。
- ^ “About the security content of iOS 15.0.1 and iPadOS 15.0.1” (日本語). Apple Support. 2021年11月18日閲覧。
- ^ “About the security content of iOS 15.0.2 and iPadOS 15.0.2” (日本語). Apple Support. 2021年10月12日閲覧。
- ^ “About the security content of iOS 15.1 and iPadOS 15.1” (日本語). Apple Support. 2021年10月27日閲覧。
- ^ “iOS & iPadOS 15.1 Release Notes”. developer.apple.com. 2021年10月27日閲覧。
- ^ “「iOS 15.1.1」提供開始。iPhone 12/13で音声通話が途切れるバグを修正” (日本語). PHILE WEB. 2021年11月18日閲覧。
- ^ “iOS 15.2 および iPadOS 15.2 のセキュリティコンテンツについて” (日本語). Apple Support. 2021年12月17日閲覧。
- ^ “iOS & iPadOS 15.2 Release Notes”. developer.apple.com. 2021年12月17日閲覧。
- ^ 株式会社インプレス (2021年12月16日). “「iPhoneの技適不適合等リスト」問題、iOS 15.2で解消” (日本語). ケータイ Watch. 2021年12月20日閲覧。
- ^ “About the security content of iOS 15.4.1 and iPadOS 15.4.1” (日本語). Apple Support. 2022年4月1日閲覧。
- ^ “About the security content of iOS 15.5 and iPadOS 15.5” (日本語). Apple Support. 2022年5月17日閲覧。
- ^ “Apple just revealed iOS 15, the future of iPhone” (英語). インデペンデント (2021年6月7日). 2021年6月8日閲覧。
- ^ Clark, Mitchell (2021年6月7日). “Apple is building video and music sharing into FaceTime” (英語). The Verge. 2021年6月8日閲覧。
- ^ “iOS15”. 2021年9月21日閲覧。
- ^ Kastrenakes, Jacob (2021年6月7日). “FaceTime is coming to Android and Windows via the web” (英語). The Verge. 2021年6月8日閲覧。
- ^ a b “Apple「iOS15」、ビデオ通話アプリに新機能 Zoom対抗” (日本語). 日本経済新聞 (2021年6月8日). 2021年6月8日閲覧。
- ^ a b “Appleが発表したiOS15の注目すべき新機能10選” (日本語). Lifehacker. mediagene (2021年6月8日). 2021年6月8日閲覧。
- ^ a b Inc, mediagene (2021年6月8日). “iOS 15 の新機能まとめ:iPhoneが使いやすくなる機能満載 #WWDC21” (日本語). ギズモード・ジャパン. 2021年6月8日閲覧。
- ^ a b c d “iOS 15が、つながりを保ち集中できる、探索できる、パワフルな新機能を提供” (日本語). Apple Newsroom (日本). Apple Japan. 2021年6月8日閲覧。
- ^ “Safari、アドレスバーやツールバーをタブにまとめて一行にしたのは英断だわ! #WWDC21” (日本語). ギズモード・ジャパン. mediagene (2021年6月8日). 2021年6月8日閲覧。
- ^ Porter, Jon (2021年6月7日). “You’ll soon be able to use your iPhone as ID at the airport” (英語). The Verge. 2021年6月8日閲覧。
- ^ “検証可能な医療記録に関するアップデート - ニュース - Apple Developer” (日本語). developer.apple.com. 2021年9月23日閲覧。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]