INAX

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株式会社INAX
INAX Corporation
Inax-office.jpg
INAX本社ビル(現:LIXIL常滑本社)
種類 株式会社
市場情報
東証1部 5336
1961年10月2日 - 2001年10月16日
大証1部(廃止) 5336
1970年4月21日 - 2001年10月16日
名証1部 5336
1949年5月 - 2001年10月16日
本社所在地 日本の旗 日本
479-8585
愛知県常滑市鯉江本町五丁目1番地
設立 1924年大正13年)2月1日
(伊奈製陶株式会社)
業種 ガラス・土石製品
事業内容 タイルトイレバスキッチン等製造
代表者 川本隆一(代表取締役社長)
資本金 484億6,885万1,987円
(2010年3月31日時点)
発行済株式総数 2億3,086万5,603株
売上高 連結: 2,826億2,400万円
単独: 2,384億3,200万円
(2010年3月期)
営業利益 連結: 58億6,500万円
単独: 36億7,100万円
(2010年3月期)
純利益 連結: △4億4,000万円
単独: 3億6,800万円
(2010年3月期)
純資産 連結: 1,924億3,400万円
単独: 1,875億5,400万円
(2010年3月31日時点)
総資産 連結: 2,938億9,000万円
単独: 2,705億2,500万円
(2010年3月31日時点)
従業員数 連結: 13,755人、単独: 8,945人
(2010年3月31日時点)
決算期 3月末日
主要株主 LIXILグループ 100%
主要子会社 関連会社参照
関係する人物 大倉和親、伊奈初之丞
外部リンク http://inax.lixil.co.jp/
特記事項:2011年4月1日にトステム株式会社(存続会社)、新日軽株式会社、東洋エクステリア株式会社、(初代)株式会社LIXILと共に合併し(2代目)株式会社LIXILとなり解散。当項目は旧会社のデータ。
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INAX(イナックス)とは、日本の住宅設備のブランド・企業である。

  1. 日本の企業グループ・LIXILグループの株式会社LIXIL(リクシル)が展開する衛生陶器・住宅設備機器・建材ブランド名。
  2. LIXILの前身の一つである株式会社INAXINAX Corporation)は、2011年3月まで上記の事業を展開していた企業。

概要[編集]

法人[編集]

常滑陶工であった伊奈初之丞が、1887年明治20年)頃から陶管の製造を開始する。1921年(大正10年)、大倉和親大倉陶園創業者)の支援により匿名組合伊奈製陶所を創業し、陶管(土管)やタイル等の建設用陶器を製造をする。1924年大正13年)2月、法人化され森村グループのタイルメーカーとして伊奈製陶株式会社が設立される。1945年、衛生陶器の製造を開始して同じ森村グループの東洋陶器株式会社(後のTOTO株式会社)とライバル関係になる。伊奈の名称は、伊奈製陶の前身で帝国ホテルの外壁タイルも製造した伊奈製陶所に由来する。会社設立時、初之丞長男の伊奈長三郎が常務に就任して以後も伊奈家が経営に関わってきた。

1985年昭和60年)4月21日、伊奈製陶株式会社はコーポレートアイデンティティ(CI)を実施して株式会社イナックスに商号変更する。英字社名のINAXの社名はそれまでのinaに未知数などを示すXをつけたものである。同時に企業理念「INAX5」を制定しロゴマークも一新する。(当時は10月20日が決算期日だった)ロゴは2004年(平成16年)に小変更されている(社名左側の図形部分が横長から縦横同じ幅になった)。

2001年平成13年)、アルミサッシなどを手掛ける建材メーカー大手のトステムとの経営統合により、純粋持株会社・株式会社INAXトステムホールディングス(2004年株式会社住生活グループに改称)傘下の事業会社になり、トステムとは住宅設備機器の企画や展開において協業関係になる。2006年(平成18年)1月、トステムとの共同ショールームを岐阜市にオープンする。

2011年4月1日、同じ住生活グループのトステム新日軽東洋エクステリア(TOEX)、LIXIL(統合後と同じ名称ながら、グループ内での営業戦略の立案を行っていた別法人)と合併、サンウエーブ工業の開発・管理業務を統合して新会社「株式会社LIXIL」(リクシル)となり、INAXは同社における製品ブランド名の一つとなる。川本隆一社長は合併時にLIXILの社内カンパニー「金属・建材カンパニー」社長に就任する。

商品[編集]

トイレ、洗面器などの衛生陶器では、TOTOと同社で日本国内シェアの9割程度を押さえる。ただし、シェア比率においてはTOTOに大きく水を空けられているのが現状である。一方、タイルについては世界最大のメーカーであり、内装用建材「エコカラット」などの独自商品も発売している。また、トステムと共通製品を出すユニットバスについても現在20%強のシェア[どこ?]を持ち首位である。

技術面では抗菌に力を入れ、衛生陶器全製品を「ハイパーキラミック」と称する抗菌仕様に変更した。なお、抗菌については2007年(平成19年)にISO規格となり、INAXでも商品展開で強調している。さらに防汚性能を上げるために、「プロガード」と呼ばれるコーティングも導入され、住宅用便器や洗面器を中心に採用を広げている。プロガードは、他社製の物を含め既存便器(他社防汚技術商品を除く)・洗面器などにも加工が可能である。

シャワートイレ一体型便器「サティス」がグッドデザイン金賞を受賞するなど毎年グッドデザイン賞の常連となっている。

2006年(平成18年)4月1日には、住宅用洋風便器に大洗浄6リットルの「ECO6トイレ」を発売[1]。大洗浄8リットルタイプが主力としていたライバルのTOTOに一歩先行していたが、TOTOも2006年(平成18年)8月に「ネオレスト」をモデルチェンジし、6リットル洗浄を実現した。その後、2009年(平成21年)4月1日にINAXが「サティス」で大洗浄5リットル・小洗浄4リットルの「ECO5」を発売すると、TOTOは2010年(平成22年)4月に大洗浄4.8リットルの「GREEN MAX 4.8」シリーズを発売。対するINAXは2011年(平成23年)4月に大洗浄4リットル・小洗浄3.3リットルの「ECO4」を「サティス」「アメージュZ」で実現するなど競争が激しい。

INAXは、環境問題の先進企業としての知名度も高く、日本初の海外も含めたグループ全体でのISO14001取得や、第15回地球環境大賞『環境大臣賞』、第4回日本環境経営大賞『環境経営パール大賞』受賞など社会的にも評価されている。

沿革[編集]

伊奈製陶・INAX時代[編集]

  • 1921年 - 大倉和親が伊奈初之丞の事業を支援し、匿名組合伊奈製陶所を創業。
  • 1924年 - 伊奈製陶株式会社設立。タイル、陶管、テラコッタの製造を開始。
  • 1945年 - 衛生陶器の製造を開始。
  • 1949年 - 名古屋証券取引所に上場。
  • 1958年 - ポリバスの製造を開始。
  • 1967年 - 国内初のシャワートイレ(温水洗浄便座)付便器「サニタリーナ61」を発売。
  • 1968年 - ユニットバスの製造を開始。
  • 1969年 - 「ina」のロゴマークを使用開始。
  • 1974年 - 節水消音便器「カスカディーナ」を発売。
  • 1975年 - システムキッチン製造開始。
  • 1976年 - シャワートイレシートタイプを発売開始。
  • 1977年 - 簡易水洗便器「トイレーナ」発売開始。
  • 1984年 - システムトイレを発売。
  • 1985年4月21日 - 株式会社イナックスに商号変更。
  • 1988年 - 常滑トイレパークを開園。
  • 1990年 - 世界初の自己発電型自動水栓「オートマージュ」を発売。
  • 1993年 - 住宅用外装材「エクセリア」を発売。
  • 1996年 - 水まわりの抗菌計画を進め「キラミック」を展開、同業のジャニス工業と資本・業務提携。
  • 1998年 - 住宅用内装タイル「エコカラット」を発売。
  • 1999年 - 防汚技術「プロガード」加工商品を発売開始。
  • 2001年 - タンクレストイレ「サティス」を発売、グッドデザイン金賞など受賞多数。トステムとの経営統合による持ち株会社・INAXトステムホールディングスを設立し、同社傘下に。
  • 2002年11月1日 - 商号を株式会社INAXに更正。(ローマ字商号の解禁に伴い)
  • 2004年 - 創立80周年。「サティス」をモデルチェンジ、「サティスアステオ」を追加、「SUITEWALL」を発売。INAXトステムホールディングスは住生活グループに商号変更。ロゴマークを小変更(横幅が短くなった)。
  • 2006年 - 住宅用便器に「超節水ECO6(エコシックス)トイレ」を発売。
  • 2009年 - アメリカンスタンダードのアジア部門を買収。
  • 2010年10月1日 - 株式会社INAXCOMを合併。
  • 2011年3月1日 - 株式会社ジャクソンエス・ピー・アイを合併。

LIXIL時代[編集]

  • 2011年4月1日 - 住生活グループ内の再編により、株式会社INAXはトステムに吸収合併され、解散。トステムが、(2代目)株式会社LIXILに商号変更。常滑市のINAX本社は「LIXIL常滑本社」(LIXILのメインの本社・本店は東京)となる。

主な商品[編集]

  • 浴室
  • 洗面化粧台
  • トイレ - トイレ・洗面器などの衛生陶器は陶器部分をすべて抗菌仕様のハイパーキラミックとしている。更に、品番頭に「G」を付けると防汚のための「プロガード」を施した仕様となる(一部品番を除く)。
  • インテリアタイル・外壁
  • 各種水栓

※システムキッチンについては2011年3月末をもって取り扱いを終了し、サンウエーブブランドに移行となった。「レノ」については同年4月以降もサンウエーブブランドの製品として引き続き取り扱う(なお、トステムブランドにおいてもシステムキッチンの取り扱いを終了しており、システムキッチンに関してはサンウエーブブランドに集約された)。

事業所[編集]

筑波工場(茨城県つくば市)

この節は株式会社INAX時代の事業所を示す。

  • 常滑本社
  • 東京本部(東京都中央区日本橋
    • 営業部門支社全国21箇所(統括支社含む)
  • 工場
    • 榎戸工場・総合技術研究所(常滑市、榎戸駅前)…衛生陶器
    • 知多工場(愛知県知多市)…樹脂製品(シャワートイレなど)
    • 半田工場(半田市)…水栓金具
    • 尾道工場(広島県尾道市)…水栓金具
    • 大谷工場(常滑市)…システムキッチン・洗面化粧台
    • 筑波工場(茨城県つくば市)…ユニットバス(東日本向け)
    • 江別工場(北海道江別市)…ユニットバス(北海道向け)
    • 上野緑工場(三重県伊賀市)…ユニットバス(西日本向け)
    • 常滑東工場(知多郡東浦町)…外装湿式タイル、ベルパーチ
    • 久米工場(常滑市)…エクセリア
    • 上野工場(伊賀市、伊賀上野駅前)…内装タイル、大形建材
    • 土浦工場(茨城県かすみがうら市)…ソイルセラミックス
    • 青山工場(伊賀市)…電子部品
    • 鹿島工場(佐賀県鹿島市
  • ショールーム全国54か所(今後、LIXILショールームに順次改装)

認定職業訓練[編集]

企業博物館[編集]

INAXライブミュージアム

関連会社[編集]

  • 九州INAX(佐賀県鹿島市) - 衛生陶器、ユニットバス製造
  • 日本陶業(愛知県常滑市) - 衛生陶器製造(列車便所の製造実績もある)
  • 伊奈精機(滋賀県彦根市) - 水栓金具製造
  • 東濃INAX(愛知県瀬戸市) - 建材製造
  • アーストン(岐阜県大垣市) - 石材加工
  • 蘇州伊奈建材(中国蘇州市) - 建材製造
  • 蘇州伊奈衛生潔具(中国・蘇州市) - 水栓金具製造
  • 台湾INAX(台湾) - 建材製造
  • VINAX(ベトナム) - 衛生陶器製造
  • 祖父江工業(愛知県名古屋市中川区) - 住宅設備機器販売
  • テムズ(東京都台東区) - 建材・住宅設備機器販売
  • ダイナワン(DINAONE、東京都中央区) - 商業施設向けタイル・石材の輸入・販売、タイル販売特約店2社との共同出資。海外の個性的なタイルを多数仕入れている。
  • INAXCOM - 建材販売・モザイクタイル中心
  • ジャクソン エス.ピー.アイ(JAXSON、東京都港区) - 高級浴槽及び浴槽回り品を製造・販売・輸出入

経営統合以前は、INAX出版が書籍出版事業として存在していた。(下記に後述。)

その他[編集]

INAX銀座ショールーム(東京都中央区京橋[2]。同ビル内にギャラリーが置かれている。
  • 東京・銀座ショールームビルおよび大阪ショールームに「INAXギャラリー」を設置し、アートや考現学指向の展示を行っている。また、出版部門「INAX出版」も持っており、INAXギャラリーでの展示内容を「INAXブックレット」として刊行する他、建築関連の書籍を多数発行している(なお、経営統合後は全て「LIXIL」のブランドに変更して運営している。また、TOTOも同様の事業を行っている)。
  • 本社のある常滑市にはトイレパーク、タイル博物館、陶楽工房(INAXライブミュージアム)、また窯のある広場・資料館、といった施設がある。
  • 産業廃棄物となっているおからの再生利用技術も開発している。
  • 2006年(平成18年)9月 - 12月に、INAXギャラリーがある銀座通りにて、国際的な写真家集団マグナム・フォトのメンバーが撮影した東京の情景を、タイルにプリントして展示するというイベント「銀座フォトグラム2006」が行われた。タイルの持つ高い耐久性を生かし、長期にわたって屋外にて写真を展示することを実現した。このタイルはINAX伊賀上野工場が製造を担当し、その仕上がりはマグナム・フォトの厳しい要求にも応えている。
  • 中部国際空港内の一部のトイレは、本社と同じ常滑市にあるにもかかわらず、入札でTOTO製が採用された。
  • 創業家(伊奈家)と豊田家とは婚戚関係にあり、レクサス店など一部の店舗トイレではTOTO製の器具を使用しているものの、トヨタグループのトイレ器具は基本的にINAX製で、INAXの社用車やフォークリフトトヨタを使用している。また、シャワートイレはINAXとトヨタグループのアイシン精機との共同開発製品である。

提供番組(全て過去)[編集]

脚注[編集]

  1. ^ News Release 日本のトイレが変わる!!超節水6リットル洗浄『eco6(エコシックス)』トイレ 4月1日、住宅用主力便器に一挙展開 INAX
  2. ^ のち改装されてINAX:GINZAに改称。2011年の合併によりLIXIL:GINZAに再改称され看板もLIXILのものに変更されている。このビルは伊奈製陶(ina)時代から使用しておりブランド名・マーク変更に合わせて看板もその都度架け替えられている。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]