hills パン工場

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hills パン工場(ヒルズ パンこうじょう)は、大阪府大阪市西区にあるライブハウス。かつては、ベーカリーカフェとライブハウスの複合施設であった。関西唯一のメジャー・レコード会社、株式会社ギザ(GIZA studio)が運営している[1]。オープン当初はGIZA studioおよびビーインググループ所属アーティスト専用のライブハウス[2]であったが、現在は主にインディーズバンドや新人アーティストなどが出演している。

概要[編集]

大阪市西区北堀江1-3-17のGIZA studio本社ビル「HORIE HILLS(ホリエ ヒルズ)」(旧GIZA HILLS)にて運営されている。ベーカリーカフェのオープンは2002年3月。ライブハウスのオープンは2003年3月20日。

地下2階に、オールスタンディングで約200人収容(着席で100席)の「hills パン工場・ライブハウス」があり、小松未歩を除く全てのGIZA studio所属アーティストが出演している[2][3]。なお、ライブハウスのオープン前である2001年12月15日に、世界初のインターネットライブ『GIZA studio R&B PARTY at the Hillsパン工場 [堀江] vol.1』 が開催[4]され、ライブハウスに客を入れずに倉木麻衣愛内里菜中村由利三好真美松田明子松永安未がパフォーマンスを行い、その模様をパシフィコ横浜の大型シアターおよび大阪・東京・札幌の街頭テレビへインターネット中継された。

地上1階から地上2階は、かつては株式会社スプーンフルが運営するベーカリーカフェ「hills パン工場 cafe」となっており、パンの製造も同ビル地下1階で行い、ガラスのショーケースにパンを並べた、NYベーカリースタイルのカフェであった。2007年11月16日に「人と環境にやさしく美味しいパン」をコンセプトとし、有機食材、マイバッグ、簡単包装、エコ製品導入したスタイルでリニューアル。2013年9月29日に閉店[5]。なお、2005年2月から2008年9月の間、2号店として、テイクアウトのみのベーカリーショップ「hillsパン工場」本町三休橋店(大阪市中央区本町)も存在した。

ベーカリーカフェ「hills パン工場 cafe」閉店後の跡地は、シフォンケーキ専門店[6][7][8]を経てファッション雑貨販売店[9]となっていたが、地下2階のライブハウスは「hills パン工場・ライブハウス」の名称のまま運営している。

2020年3月3日より、2019年新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を避けるため[10]、それ以前に開催を告知していたライブについては、中止、無期延期、無観客配信ライブに変更し開催、のいずれかの対応をとり、新たなライブについては開催を自粛している。

THURSDAY LIVE・SATURDAY LIVE[編集]

GIZA studio所属のミュージシャン等によるライブコンサートで、R&Bロックポップス等、毎週決まったテーマに沿った洋楽のカバーを中心に演奏される。事前に予告のない大物ゲストが飛び入り参加することもある。

SATURDAY LIVEの前身となるTHURSDAY LIVEはライブハウスのオープンにあわせ2003年3月20日より開始され、第1回目公演の「ROCK NIGHT」では出演はWAGで、シークレットゲストの稲葉浩志B'z)がオープニングアクトとして初めてのソロライブを披露した[11][12]。2003年3月27日、第2回目公演の「R&B NIGHT」では出演は滴草由実で、シークレットゲストとして坂井泉水ZARD)が飛び入り参加で登場している[13][14]。また、外部では、DAIGO☆STARDUST(後にビーイング入りを果たす)、奥村愛子(2007年10月)、Fayray(2003年から2004年)、初音(2005年3月25日[15])が出演したことがあり、2005年8月11日にFEEL SO BADの活動再開ライブを、2006年2月11日にZYYGの一夜限りの再結成ライブを行った。

西日本地区では2003年7月17日より(東日本地区は2005年5月より)2007年3月29日までの間、「フレッツ・スクウェア」にて、ライブ配信されていた[16]

「フレッツ・スクウェア」によるライブ配信の終了直後となる2007年4月7日以降は「SATURDAY LIVE」として開催を毎週土曜日に変更し、新たに、Being GIZA VERMILLIONオフィシャルポータルサイト「BGV.jp」にて、ライブ配信されていた。

2009年4月以降は「SATURDAY LIVE」が不定期開催に変更された。

2018年3月20日に、ライブハウスの15周年記念ライブ「TUESDAY LIVE〜15周年祝わNIGHT〜」が開催。

メイン・ゲストとしての出演回数については、第1位が竹井詩織里、第2位が滴草由実、第3位が宇徳敬子の順となっている。バンドメンバーの出演回数は、第1位が大楠雄蔵OOMSensation)、第2位が大橋雅人FEEL SO BAD)、第3位が岩井勇一郎New Cinema 蜥蜴三枝夕夏 IN db)となっている(データについては後述の『THURSDAY LIVE -TRACKS OF THREE YEARS-』参照)。

THURSDAY LIVEのルーツについては、1995年1月15日から1997年12月28日にかけて大阪・西心斎橋アメリカ村)のクラブ「Grand Cafe」で行われていた『SUNDAY BLUES LIVE』にあるとされる[17]近藤房之助らを中心とした関西のブルースシンガーに加え、後にTHURSDAY LIVEの主要バンドメンバーとなる大賀好修(Rumble Fish・Steel and Glass・nothin' but loveOOM・Sensation)や麻井寛史the★tambourinesWAR-ED・Sensation)などが新人として参加していた。

書籍[編集]

  • THURSDAY LIVE BOOK STAFF編『THURSDAY LIVE -TRACKS OF THREE YEARS-』、株式会社ジェイロックマガジン社、2006年8月1日。(ISBN 4-916019-45-8 C0073、JRZ-8024)
    THURSDAY LIVEの詳細な公演記録とセットリストが収録されている。

CD[編集]

  • CCP presents hills パン工場 cafe vol.1 (2002年12月22日、TCR-12)
    hill's パン工場cafeで流れている曲
  • CCP presents hills パン工場 cafe vol.2 (2005年3月1日、TCR-19)
    hill's パン工場cafeで流れている曲

DVD[編集]

  • GIZA studio R&B PARTY at the Hillsパン工場 [堀江] vol.1 (2002年2月14日、BMBD-7005)
    2001年12月15日にhillsパン工場からパシフィコ横浜へのインターネット中継として開催された世界初のインターネットライブを収録
  • Rock Me Baby 近藤房之助 LIVE hills パン工場 2004 (2004年5月23日、ONBD-7035)
    2003年10月16日と2004年2月12日にhillsパン工場で開催されたTHURSDAY LIVEを収録
  • 復活!F.S.B NIGHT LIVE at hills パン工場 (2005年12月14日、ONBD-7059)
    2005年8月11日にhillsパン工場で開催されたTHURSDAY LIVEを収録

脚注[編集]

  1. ^ 「関西唯一のメジャー・レコード会社、GIZA studioが開いた直営のライヴ・ハウス“hills パン工場”」、hills パン工場 THURSDAY LIVE1周年記念NIGHT - Music Freak Magazine
  2. ^ a b 2013年1月9日 19:07 のツイート 「ライブハウスhillsパン工場はオープン当初はGIZA/ビーイング所属アーティスト専用のライブハウスでした。そのため、大物新人問わずあらゆる所属アーティストが一度はあのステージに登場しています。唯一、出演が実現しなかったアーティスト、それは小松未歩さんでした。」 livehillspankojyo (@livehillspan) - X(旧Twitter)
  3. ^ 2011年9月16日 22:26 のツイート 「小松さん、hillsパン工場一度もないんですよ〜。それだけは間違いなく断言出来ます。」 斉田才(斉藤信久) (@saidasai) - X(旧Twitter)
  4. ^ 『GIZA studio R&B PARTY at the Hillsパン工場 [堀江] vol.1』 は、Net.Liferium2001(ネットライフリウム2001)のイベントとして開催。
  5. ^ 2013年9月25日 21:44 のツイート 「今週一杯で、パン屋のhillsパン工場は閉店なのだ。11年半続いた。ライブハウスのhillsパン工場は続く。show must go on(。-_-。)」 斉田才(斉藤信久) (@saidasai) - X(旧Twitter)
  6. ^ シフォンケーキ専門店「シンフォニーシフォン北堀江店」の HORIE HILLS(「hills パン工場 cafe」跡地)での営業期間は 2014年5月18日~2016年8月28日。
  7. ^ 2014年4月18日 2:51 のツイート 「1Fのパン屋だったhillsパン工場閉店から半年、いよいよ新しいお店がオープンします。今度のお店は、なんとシフォンケーキ専門店、その名も「シフォンシンフォニー」。」 livehillspankojyo (@livehillspan) - X(旧Twitter)
  8. ^ 2016年8月31日 0:51 のツイート 「hillsパン工場の一階にあったシフォンケーキ屋さんもついに移転してしまった。この夏が終わった感ありありやなぁ(>_<)…。」 斉田才(斉藤信久) (@saidasai) - X(旧Twitter)
  9. ^ ファッション雑貨販売店「CHANORA」の HORIE HILLS(「hills パン工場 cafe」跡地)での営業期間は 2016年12月11日~2020年2月29日。
  10. ^ 2020年2月、大阪市内では、都島区と北区のライブハウスにて、新型コロナウイルスの集団感染事案が立て続けに発生していた。
  11. ^ 2014年3月20日 3:31 のツイート 「本日3/20 木曜日は、11年前2003年3月20日にhillsパン工場がオープンした日。こけら落としに出演したのは、WAG、そして稲葉浩志(B'z)でした。」 livehillspankojyo (@livehillspan) - X(旧Twitter)
  12. ^ 2014年6月8日 11:35 のツイート 「一生モノのライブってのは、後から効いてくるもんなんだ。いいかい?稲葉浩志が初めてソロライブを披露した場所は、ここhillsパン工場なんだ。11年前の3月20日、hillsパン工場が生まれた日。その事実だけはどうしたって変えようがないんだψ(`∇´)ψ」 斉田才(斉藤信久) (@saidasai) - X(旧Twitter)
  13. ^ 「滴草は客席にいるひとりの細身の女性をステージに呼び出す。なんと坂井泉水だ。」「2曲の洋楽を歌い、『これからレコーディングに戻ります』と言い、再び客席を通って去っていった。」 - 別冊宝島1474 音楽誌が書かないJポップ批評50 ZARD&アーリー90'sグラフィティ(2007年10月19日発行 ISBN 978-4-7966-5946-8
  14. ^ 2013年1月9日 19:02 のツイート 「ライブハウスhillsパン工場,2003年3月27日に行われた滴草由美のR&B NIGHT。スペシャルゲストに登場したのはZARD坂井泉水、たった2曲、カヴァー曲のみのお披露目でしたが、伝説的な一夜となりました。」 livehillspankojyo (@livehillspan) - X(旧Twitter)
  15. ^ LITTLECATの卒業生・在校生とCAT MUSIC COLLEGE専門学生と高等部学生との初共演イベントCAT NIGHT
  16. ^ 「フレッツ・スクウェア」における人気ライブハウスコンサートのブロードバンドライブ配信の実施について ~「THURSDAY LIVE at hillsパン工場」を独占ライブ配信~ - 西日本電信電話株式会社
  17. ^ 斉田才、『THURSDAY LIVE -TRACKS OF THREE YEARS-』18頁参照

外部リンク[編集]