H&K MARK 23

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H&K MARK 23
Mark23SuppressedLeft.jpg
サプレッサーとLAMを装着したH&K MARK 23
概要
種類 自動式拳銃
製造国 ドイツの旗 ドイツ
設計・製造 H&K
性能
口径 45
銃身長 149mm
ライフリング 6条ポリゴナル・プロフィール
使用弾薬 .45ACP弾
装弾数 12発
作動方式 ダブルアクション
ティルトバレル式ショートリコイル
全長 245mm
重量 1210g
銃口初速 270m/s
有効射程 50m
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H&K MARK 23は、ドイツ銃器メーカーH&K社が開発した自動式拳銃である。MARK 23は、民生市場向けの製品名で、用市場向けにはMk.23などの製品名で販売されており、アメリカ合衆国ではMk.23 Mod.0の制式名称で採用している。日本では単にソーコム(SOCOM)やソーコムピストル(SOCOM PISTOL)などの通称でも知られる。

歴史[編集]

Mk.23は、SOCOMによる要求を受けてH&K社が開発した拳銃である。SOCOMは、特殊作戦用の新型拳銃について、次のような条件を示した。

  1. 装弾数10発以上、.45口径弾を使用すること
  2. サプレッサーなどを状況に応じて着脱できること
  3. 悪条件下でも性能に支障を来さない耐久性(60,000発以上撃っても壊れないこと。後に30,000発以上に緩和)と耐候性を備えていること

もともとアメリカ特殊部隊では、ベトナム戦争時代にはS&W M39ベースのMk.22を使用していた。1985年M9が採用されると、これをベースにした後継モデルの開発が検討されたものの、スライドの破断事故や、「マンストッピングパワー」の不足による9x19mmパラベラム弾に対する不信感から新型銃の開発が決定した。

H&K社では、SOCOMの要求を満たす特殊作戦用拳銃の開発プロジェクトを1991年から開始した[1]。設計は、並行して開発されていたUSPをベースとして行われ、1992年に海軍地上戦センターにプロトタイプ30丁を納入し、その後USP開発スタッフのヘルムート・ベルデルをチーフデザイナーとして開発が進められた。そして、トライアルの結果、コルト社のソーコム・プロトを破りMk.23がトライアルを勝ち抜き、1996年に制式名称Mk.23 Mod.0として採用された。SOCOMでは採用にあたり次のようなテストを行ったが、いずれの環境下でも整備を行わぬまま6,000発の射撃に成功したとされる[2][1]

  • +P弾(強装弾)30,000発耐久射撃テスト
  • -54°から73°までの動作確認テスト
  • 96時間の塩水噴霧テスト
  • 砂塵および汚泥テスト
  • 96時間の模擬波浪テスト
  • 最も厳しい落下テスト
  • 射撃精度テスト

特徴[編集]

ホールドオープンしたMk.23

Mk.23は、特殊な改造無しでサプレッサーが装着できるように銃口がネジ式になっている(民間用モデルにもネジが切られている)。しかし、Mk.22 ハッシュパピーのようなスライドロックは不可能なため、消音効果は限られている。プロトタイプモデルのフェーズ1にはスライドロックが存在していたが、フェーズ3にて不必要と判断され、オミットされている。また、銃口下部にはAN/PEQ-6と呼ばれるLAM(レーザー・エイミング・モジュール)を取り付けるためのレールが設けられている。AN/PEQ-6は可視レーザー、赤外線レーザー、フラッシュライトの機能を兼ね備え、それぞれを単独または組み合わせて点灯させることができる。

その大きさも特徴の1つである。Mk.23の全長は245mm[3]、重量は1,210g(マガジンを装備した場合は1,576g)で、ベースモデルであるH&K USPに比べ重量も大幅に増量している。射撃精度は非常に高く、アメリカ政府戦闘拳銃に求める最も厳格な基準を満たした性能とされている[2]。また、特殊な反動軽減装置を搭載しており、射手および銃本体に掛かる反動は40%軽減される[2]

2005年にはM9の後継拳銃のトライアルが行われ、先述のMk.23の欠点を改良したH&K HK45が参加していたが、2006年に白紙化されている。

登場作品[編集]

映画[編集]

アイ・アム・レジェンド
主人公、ロバート・ネビル(ウィル・スミス)が使用。
ソルジャー
主人公、トッド(カート・ラッセル)が使用。
ターミネーター4
主人公、ジョン・コナー(クリスチャン・ベール)がサイドアームとして所持。前半のスカイネットの研究開発施設では中破したT-600に襲われた際に本銃で銃撃をするが効かなかった(同作の小説版では頭部の視覚センサーを狙って銃撃するが、小さな視覚センサーには命中できなかった)。中盤の人類抵抗軍基地近郊の河での戦闘では、ハイドロボットの攻撃から自分を庇ったマーカス・ライトに援護射撃を行い、ハイドロボットだけに命中弾を与えて倒す。そして、後半のスカイネットセントラルではカイル・リースが助けを求めるかのように偽装したT-800におびき寄せられた際に銃撃を行うが効かなかったものの、溶鉱炉の底を破って流れ出した銑鉄を浴びたT-800が迫る中、通路上の冷却ガスが通るパイプを銃撃して穴を開け、漏れ出したガスをまともに浴びたT-800の銑鉄を固まらせて動きを封じることに成功する。また、抵抗軍のUH-1パイロットも本銃を所持し、中盤でハイドロボットを銃撃して倒す。
パリより愛をこめて
主人公、チャーリー・ワックス(ジョン・トラボルタ)が前半のチャイニーズ・マフィアのアジトに潜入する際に、サプレッサーを装着して使用。コンビを組んだジェームズ・リースに先行して次々とマフィアの構成員を片付ける。
ブレイド2
ヴァンパイアで構成された精鋭部隊「ブラッドパック」の隊員であるライトハンマーがサイドアームとして所持。前半のヴァンパイアが集うナイトクラブ「苦痛の館」でのリーパーズ(死神族)との戦闘で、メインアームのハンマーで何度殴打しても倒せないリーパーズに爪で攻撃を受けて負傷した直後に本銃で銃撃を行うがこれでも倒すことはできず、逃亡を許すこととなる。

ドラマ[編集]

安堂ロイド〜A.I. knows LOVE?〜
主人公の安堂ロイド(木村拓也)が使用する。
ブレイキング・バッド
マイク・エルマントラウト(ジョナサン・バンクス)が使用。

漫画・アニメ[編集]

ヨルムンガンド
サプレッサー付きのものをレーム、ルツ、ウゴ、マオが使用。

小説[編集]

緋弾のアリア
強襲科の不知火亮が使用。作中ではLAM付きのSOCOMと書かれている。
フルメタル・パニック
メリッサ・マオが使用。
狼花 新宿鮫IX
仙田(ロベルト村上/間野総治)が使用。

ゲーム[編集]

Alliance of Valiant Arms
サブウェポンとして使用可能。
BLACKSHOT
標準装備の補助火器として使用できる。
CRYSIS
アメリカ軍および北朝鮮軍の標準装備。装弾数は20+1発。実際とは異なり、2点バースト射撃が可能。
『Deadpool』
デッドプールがMk.23 Mod.0をモデルにした「DT 1981S」を2丁、初期装備として使用。
GUNSLINGER GIRL
トリエラの担当官、ヒルシャーが第3話まで使用。
Paperman
サブ武器として使用可能。
SOCOM: U.S. Navy SEALs Portable
サブウェポンとして使用可能。
Soldat
サブウェポンとして使用可能。
X operations
高めの威力と高い命中精度を持つハンドガンサプレッサー付きモデルも有り。
恋する乙女と守護の楯
主人公、如月修史が使用。
シークレットゲーム CODE:Revise
主人公、藤田修平が使用。
スプリンターセルコンビクション
サムが使用。
スペシャルフォース
二丁拳銃として使用可能。
ダークセクター
主人公、ヘイデン・テンノとナディア・スーデックが所持(ナディアは未使用)。フラッシュライト装着で、ハーフシルバー仕様となっている。「tekna 9mm」と「tekna burst」の2種類の名称で登場し、後者はロングマガジン装着でバースト射撃仕様となっている(現実には存在しない)。
バイオハザード ダークサイド・クロニクルズ
ジャック・クラウザーが所持。
メタルギアシリーズ
MGS
主人公、ソリッド・スネークが使用(フェーズIIテスト段階のモデル。LAMを標準装備)。
MGS2
主人公、雷電が使用(『MGS』と同様の仕様)。
MPO+
『MGS』と同様モデル。
MGS4
シャドーモセス島で手に入る。『MGS』と同様モデル。

脚注[編集]

  1. ^ a b MARK 23 - Heckler & Koch”. H&K USA. 2014年10月31日閲覧。
  2. ^ a b c MK23 - Navy SEALs”. Force12 Media. 2014年10月31日閲覧。
  3. ^ 参考として、M1911の全長は216mmである

関連項目[編集]

外部リンク[編集]