Google Earth

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Google Earth
Google Earth icon.svg
作者 Google
開発元 Google
初版 2001年6月11日(18年前) (2001-06-11
最新版 9.2.52 / 2019年7月14日
プログラミング言語 C++
対応OS Windows 7以降
macOS X10.8以降
Linux Kernel 2.4以降
Android 4.1以降
iOS 10.0以降
種別 仮想地球
ライセンス フリーウェア
公式サイト www.google.co.jp/earth/
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Google Earth(グーグルアース)は、Googleインターネットを前提として開発したバーチャル地球儀システムである。世界中の衛星写真を、まるで地球儀を回しているかのように閲覧することができる。クライアント・ソフトウェアは2005年6月28日から無料配布が開始された。

概要[編集]

このバーチャル地球儀システムのアイデア自体はGoogleが生み出したものではなく、メディアアート作品の制作会社であるART+COMが、1994年に商業目的でTerravisionとしてアイデアを考案・システムを開発し、特許まで取得していたものである。1994年に、ART+COMで、ATMによる専用回線と当時世界最高の性能を叩き出していたCGワークステーションであるSGI Onyxを用いてTerravisionの開発を行っていたエンジニアがGoogleに移籍し、インターネットパソコンを用いてGoogle Earthの開発を開始した経緯がある。この際に、GoogleがART+COMに対して特許料を支払わずに勝手に商業展開を行ったため、ART+COMからTerravisionに関する特許権侵害による訴訟を起こされている[1]。従って、一般人の間でも広く活用されているシステムとなったが、特許権に関する深刻な問題を抱えたまま開発・運用が継続されている。

Google Earthは、地域により異なるが基本的には地球全域はEarthsat社の衛星写真を用いている。北米の一部では、パブリック・ドメインな衛星写真(例:NIMA (National Imagery and Mapping Agency)、ニュージャージー州など)を用い、その他の領域においては衛星写真販売各社(DigitalGlobeBluesky など)の衛星写真を用いている。ごく一部の地域ではチャーター機による航空写真を用いている。

先行してベータ版として公開されていた Google マップ自体は、Keyhole社を買収して開始されたサービスである。このため、Google Earthから直接アクセスできる Google Earth BBSも、Keyhole.comドメインとなっている。当初は Google マップと同じだった地点の画像も、Google Earthでは細かく見えるよう、画像が差し替えられている部分がある。

地球全土の解像度や色彩は、一様ではなく、画像が撮影された時期もまちまちである。

標準的な解像度は 15m であるが、大都市や興味深い施設などでは、解像度 1m の高解像度画像が使われている。極めて限られた地域では、解像度 60cm, 30cm, 15cm の画像が使われており(例:マサチューセッツ州ケンブリッジ "Cambridge, Ma.")、この場合は車の車種や、木々が落とす枝の影さえ判別できるほどである。なお、アメリカの治安機密に触れる場所については、モザイクが掛けられていることがある。

日本近辺では当初東京都横浜市などの大都市部が高解像度であった。台湾台北北朝鮮寧辺核施設近辺も高解像度であった。

2005年8月にニューオリンズ近辺で発生したハリケーン・カトリーナ被害のため、該当地域を閲覧するためのサーバが特別に用意され、起動時にどのサーバを閲覧するかを選択できるようになっていた。

2005年8月16日に、世界的に高解像度地域が増え、日本近辺では大阪市名古屋市札幌市神戸市広島市などの主要都市が次第に高解像度となった。

台湾の各都市、韓国ソウルその他の都市、北朝鮮の平壌中国上海が高解像度となった。世界の主要都市や核施設なども見ることが可能である。カトリーナパキスタン地震、日本では東日本大震災による津波の被害状況の衛星写真も確認することができる。

2006年1月10日にMac OS Xに対応したバージョンが公開された。

2006年2月にアメリカでは、Google Earthと連携したカーナビフォルクスワーゲンより発表された。

2008年10月27日、iPhoneiPod touchなどのiOSに対応したGoogle Earth for iPhoneを公開した。2010年2月22日には同社が提供するAndroid 2.1以上に対応したバージョンを公開した。

2010年4月27日に、Google マップ上でGoogle Earthの3DCGを表示できるプラグインが公開された(Google Earth単体に比べ、機能面が制限されている)。

Google Earth 4 ベータ版 (Ver.4.0.2080) のアップデートにより日本語に対応した。また、日本のスポット情報が提供されるようになったほか、簡単な3Dポリゴン表示も利用できるようになった。

Google Earth 5では、海中を表示したり、航空写真を時代をさかのぼって表示したり、ツアーを録画することが可能である。火星を表示するモードも利用できる。

Google Earth 6からは、検索機能の強化、Google+との統合、樹木の3D表示、航空画像のシームレスな表示などの機能が追加された。またストリートビューレイヤから廃止され、Google マップのようにペグマンをドラッグして、シームレスにストリートビューに切り替わるように変更された。

2017年7月11日に公開されたGoogle Earth 7.3.0よりpro版に一本化された。

特徴[編集]

  • 設定や地域によるが、大抵の山がポリゴンになっており、画面を傾けると立体的な表示となる。Google Earth 5からは、海中を立体的に表示することも可能になっている。
  • カーソル地点の標高がすぐに表示される。
  • Google Earth 4 ベータ版になり、世界の主要都市に加え、日本国内の主要都市も3Dビルディングにより再現できる。また、Google SketchUp により自分で作成した3Dを表示することもできる。
  • 星座などが表示できるSky機能。
  • 月や火星の探査。
  • ゲームパッドまたはキーボードマウスで操作できるフライトシミュレータモードを内蔵(F-16SR-22の2機種を操縦できる)。フライトシミュレータはイースター・エッグではなく、仕様として実装されている(#外部リンク参照)。

バージョン履歴[編集]

バージョン履歴
バージョン リリース日 変更点
1.0 2001年7月
1.4 2002年1月
1.6 2003年2月
1.7.2 2003年10月
2.2 2004年8月
3.0 2005年6月
  • GoogleがKeyhole, Inc.を買収した後にリリースされた最初のバージョン
4.0 2006年6月
4.1 2007年5月
4.2 2007年8月
  • Google Skyを導入
  • フライト シミュレータを追加
4.3 2008年4月
  • Google ストリートビューを追加
5.0 2009年5月
  • Google Oceanを導入
  • 過去のイメージを追加
5.1 2009年11月
5.2 2010年7月
6.0 2011年3月
  • 樹木の3D表示を追加
6.1 2011年10月
6.2 2012年4月
7.0 2012年12月
  • 3D画像データをサポート
  • ツアー機能の導入
7.1 2013年4月
7.3 2017年7月
  • Google Earth Proが標準バージョンになる[2]
9.0 2017年4月
  • 再設計されたバージョン。Google ChromeとAndroidのみ利用可能。

Google Earth Pro[編集]

タイムラインで示したKMLとGoogle Earthの履歴

研究機関・教育機関向けのプロスペック版だったが、2015年1月より、無料のライセンスキーを取得し一般向けに利用可能となった。

WindowsmacOS X10.8以降、Linuxで利用可能。

  • より高速なデータ転送を保証
  • 無料版・プラス版より高解像度領域が広い
  • 高度な検索機能。ホテルやレストランなどを直接検索可能
  • より詳細なレイヤー情報、交通情報等
  • スケッチや都市計画の青写真を取り込み可能な、より高度なオーバーレイ機能
  • 2,500データまでのCSVインポート機能
  • サードパーティーによるアドオンデータをサポート

Google Earth Plus[編集]

2008年12月に廃止された[3]

有料版の「Plus」では、次のような機能が付加されていた。

  • GPSアダプタを持っている場合、モバイルPCで自分の位置をGoogle Earthで確認できる
  • より高精度な印刷が可能となる(無料版の印刷解像度は、ディスプレイの標準的な解像度である72dpiのみ)
  • 電子メールによるカスタマーサポートが得られる(英語)
  • annotation(注釈機能):写真やスケッチを kml(kmz) で共有できる
  • CSVファイルからのインポート・エクスポート機能が利用できる

料金は年間20米ドルで、クレジットカード決済のみ。

Chrome向けWebアプリ[編集]

2017年4月18日に公開された[4]。Web版「Google Earth」は、Webブラウザーで3DCGを表示するための標準API“WebGL”で実装されており、現在地へ移動する機能や、任意の場所を検索する機能はもちろん、毎週追加されるバーチャルツアー“Voyager”、クリックするとランダムでどこかへ連れて行ってくれる“I'm feeling lucky”、その場所の歴史や情報、写真などを閲覧できるナレッジカード、2Dビューと3Dビューの切り替え、共有といった機能を利用することができる。

Google Earth プラグイン[編集]

ウェブブラウザ上でGoogle Earthを動作させるプラグイン。2017年1月11日に廃止された[5]

操作と表示[編集]

基本的なインターフェースは、マウスのドラッグで移動し、画面下のコンソールパネルで拡大縮小、回転、ティルト(傾き)を調整するが、ダブルクリックや右ボタンドラッグ、ホイール操作にも動作が割り付けられており、慣れればマウスだけでもかなりの操作が可能となる。Altキーを押しながらの操作は、たいていの場合「緩やかに」という指定になる。

基本的には、画像データはPC上に置かず、すべてインターネット経由で Googleのサーバから転送する。回線速度が遅いユーザーは、高解像度領域を表示した時に特に表示が遅くなってしまう。転送された画像データは、メモリハードディスクにそれぞれキャッシュするようになっている。

描画エンジンにはOpenGLDirectXを選択することができる。

多彩なオプションが用意されており、カスタマイズができる。国境線(北米などでは州境)を線で表示できるほか、多様なオプション表示(ホテルなどの商業施設、空港などの公共交通施設など)が選択可能である。

Bentley Systems (USA) の主力製品である3次元CAD:MicroStation によりGoogle Earthへ3Dモデルをエクスポートできるようになった。それらのモデルに word, excel, pdfなどのファイルやモデルに関するCADデータなどのリンクを設定し、Google Earth上で情報共有できるようである。

Fly to機能[編集]

地名や座標を入力するための Fly to というテキストボックスがある。

地名などを検索する機能があるが、予想通りの動作をしないことがある(例えば "Fuji, Japan" と入力すると、北海道・斜里岳付近に移動する)ため、日本人にとっては使いにくいものとなってしまっている。綴りのミスも散見される。(例:香川県丸亀市→Maragume)(最新バージョンでは、ほとんど入力通りの動作をする)

地図が手元にあり、座標が分かっていれば、

  • 22.311344,114.204941(10進法表現)
  • 18d20'39.05N,66d45'10.51W(60進法、度・分・秒表現)
  • 69 00 22 S 39 35 24 E(同じく60進法表現)

のような指定法も可能である。

Google マップの座標を Google Earth で閲覧するためには、URLの一部をコピーして、Google Earthの「Fly to」に貼り付ける方法が手っ取り早い。具体的には、URL中の"ll="に続く数字(例:"34.914551,-117.882271")をコピーし、Fly to に貼り付ける。

2019年現在[いつ?]、日本語による住所検索に対応している。指定された住所を入力すればその付近へ移動する。

地点の保存と公開[編集]

Google Earthでは、Placemarkを置いてその上でセーブ操作を行うと、KMLファイルまたはKMZファイル(KMLファイルをZIP形式圧縮したもの)をローカルに保存できる。

これをWebページにアップロードして、ユーザーにダウンロードさせるという手法が取れる。Google Earthがインストールされていれば、拡張子 .kml と .kmz ファイルは Google Earthに関連づけがなされるため、非常に便利である。

地点を連続して移動する「ツアー」機能がある。

三次元モデル作成ツール[編集]

2013年以降は、建物やその他オブジェクト類の3Dモデル制作がコンピュータによって自動化されている。そのため現在は、手作業による制作物の公開はできなくなっている。 それまで提供されていた制作ツールは以下となる。

  • SketchUpは、2006年にGoogleが買収後、Google Earthと連携して建物の三次元モデルを作成する機能を備えた。2017年現在も利用可能である。
  • Google ビルディング メーカーは、ウェブブラウザ上でGoogle Earth用の三次元モデルを作成するウェブサイト。2013年にサービス終了し、現在は利用不可となっている。

バイナリは無料版と共通であり、インストール先のディレクトリ名が plus になっているため、混乱するユーザーも散見されるが、課金の手続きを踏まなければPlus版にはならない。閲覧にとどめ、付加機能を利用しないのであれば、無料のまま使い続けることができる。

テレビ番組での使用例[編集]

Google Earthの知名度と解像度の高さ、画像データの豊富さからニュース映像で衛星写真として取り上げたり、バラエティ番組で目的地を紹介する際の映像として取り上げるケースもある[6]

問題点[編集]

  • 1994年にメディアアート作品の制作会社であるART+COMが開発して展示を行った、Terravisionと呼ばれるバーチャル地球儀システムに関する特許権侵害により、2014年にART+COMから訴訟を起こされている[1]。元々、ART+COMでTerravisionの開発に参加していたエンジニアがGoogleに移籍し、Google Earthの開発を開始した経緯がある。
  • 2005年8月18日に韓国のとある掲示板からの抗議により、日本海の英語名が「Sea of Japan (East Sea)」から「East Sea (Sea of Japan)」と変更され、日本側から抗議が Google に殺到した。結局、朝鮮半島側の海を「East Sea」とし、日本側の海を「Sea of Japan」と表示することで決着した。
  • 各国の秘密事項である軍施設・政府施設(議事堂大統領府など)・原子力発電所など、本来秘匿すべき重要施設の衛星写真も容易に見ることができるため、テロリストがこれらの重要施設を攻撃し、またはそれらを準備する際の資料として転用される可能性があるとして、インドタイオランダ韓国などが非難を行った。NATO軍ガイレンキルヒェン航空基地など一部の重要施設にはモザイク処理やぼかしなどをかけて隠蔽されている。イスラエルの高解像度画像については法的に公表が差し控えられている。
  • 2008年3月6日には、アメリカ合衆国国防総省の依頼に応じ、米軍基地の一部の画像を削除した[7]
  • Google Earth並びにGoogle マップに組み込まれている Google ストリートビューでは、撮影チームが景色の撮影を行うことで、車のナンバープレートさえ読み取れるほどの解像度の映像を提供しているが、撮影が許可無く私道で行われたりする場合もあり、個人のプライバシーを侵し、犯罪にも利用されかねないとして問題視する声もあり、アメリカペンシルベニア州の住民がストリートビューで自宅内部を勝手に公開されたとして、Googleを相手に裁判を行っている。その中で Googleが答弁として「現代では完全なプライバシーなどは存在しない」と反論[8]、非難を浴びた。プライバシー保護団体がGoogle Earthを使って、Google幹部の車のナンバーや自宅、さらには通勤ルートを特定することに成功している[9]

脚注[編集]

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  1. ^ a b ART+COM SUES GOOGLE” (英語). ART+COM Studios (2014年2月20日). 2019年5月10日閲覧。
  2. ^ Google Earth プロを更新する”. 2018年4月23日閲覧。
  3. ^ 無料になったグーグルアースProをとことん活用しよう”. 節約社長 (2015年5月22日). 2019年5月10日閲覧。
  4. ^ 「Google Earth」の最新版が登場、「Google Chrome」で動作するWebアプリに” (2017年4月19日). 2019年5月10日閲覧。
  5. ^ “Google Earth API”が2017年1月11日にとうとう廃止” (2016年12月14日). 2019年5月10日閲覧。
  6. ^ 例:ニッポン旅×旅ショーで、旅先を紹介する際に Google Earthの画像を用いている
  7. ^ グーグル・アース、米軍基地画像の一部削除…国防総省要請[リンク切れ]」。2008年3月8日 読売新聞
  8. ^ グーグルが裁判で反論、現代社会に完全なプライバシーなどは存在しない”. Technobahn. 2009年2月14日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2019年5月10日閲覧。
  9. ^ google exec (PDF)” (英語). National Legal and Policy Center. 2008年12月3日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2019年5月10日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]