Getting Over It with Bennett Foddy

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Getting Over It with Bennett Foddy
ジャンル プラットフォーム・ゲーム[1]
対応機種 Microsoft Windows
macOS
iOS
開発元 ベネット・フォディ英語版
発売元 Humble Bundle(Humble Monthly版)
ベネット・フォディ(Steam版)
人数 シングルプレイヤー
発売日
  • WW 2017年10月6日
(Humble Monthly版)
エンジン Unity
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映像外部リンク
Getting Over It with Bennett Foddy Trailer

Getting Over It with Bennett Foddy』(公式での略称:"Getting Over It")は、ベネット・フォディが開発・発表したコンピュータゲーム(プラットフォーム・ゲーム)である。

システム[編集]

本作は、ディオゲネスという、一言もしゃべらず英語版下半身が何らかの水が詰まった釜にはまった男性を操作し、登山用ハンマー英語版を振るってものにひっかけたり、地面などに振りおろして持ち上げたりジャンプしながら山を登っていくコンピュータゲームである。プレイヤーはマウスまたはタッチパッドを使って、男性の上半身を動かし、ハンマーをどこかに引っ掛けながら急な山道を進んでいく[2]。コントローラでも遊べるが、ジョイスティックの精度の都合上、さらに難易度が上がる。また、iOS版は、画面フリックでハンマーを操作することができる。[3] プレイ中、フォディ本人の声で哲学的な話題のナレーションが入り、特にプレイヤーが失敗したときは、失望や忍耐に関する名言が引用される[4]

ゲームが進むにつれて難易度は上昇する。チェックポイントがないため、一度落ちると場合によっては最初からやり直す羽目になる[5]

頂上に上るとゲーム終了となり、今までのゲームプレイを録画したか否かを問うメッセージが表示される。

開発[編集]

QWOP』の作者として知られるベネット・フォディは、子どものころから難しいゲームについて興味を抱いていた。フォディがオーストラリアに住んでいた1980年代から90年代の間は、『ジェットセットウィリー英語版』などの外国から輸入されたゲームしか遊べなかった。これらのゲームの多くは、セーブシステムが不十分だったため、キャラクターが死亡した場合は最初からやり直す必要があった。

1990年代、アメリカおよび日本製のゲームはセーブシステムやチェックポイントを導入するようになり、キャラクターが途中で死亡しても最初からやり直す必要がなくなった。フォディはセーブシステム等の導入について、「ある地点まで送り戻しが少しずつ減っていく要素は、いまやこのブティックのものになってしまった。ある世代の人はその感覚を持っているし、すべての人にそれがあてはまるだろう。しかし、このようなシステムは正統からはずれたものである」とGamasutraとのインタビュー述べている[6]

その後、フォディは『DARK SOULS』シリーズといった高難易度ゲームの再来を目の当たりにした。 さらに2017年8月に発売された『Hellblade: Senua's Sacrifice英語版』というセーブシステムがあるゲームにおいても、プレイヤーが何度も死亡した場合はセーブデータを消去されるシステムが導入されたことで他のプレイヤーが挑戦しやすくなり、あえて難しいゲームデザインにすることで新たな興味を引き寄せることが証明された。 フォディは「強い支持を受けているデザインの正統性の誤りが証明されたときに、新たなる道が開けるため、とてつもなく興奮させられます」と述べ、本作もまた新しいゲーム開発への道を開ける作品だと考えている[6]。 そして、フォディは、2002年にチェコのゲームデザイナーJazzuoが発表した『Sexy Hiking』にインスピレーションを受け、ある種の人を痛めつけるために本作を開発した[7]。 フォディはHumble Bundleとパートナー契約を結び、2017年10月6日に、その月のHumble Monthly[注 1]の一環として本作を発表した。

2017年12月6日、本作はフォディの手によってSteamでの配信が行われたと同時に[8][2]iOS版も配信された[9]

反響[編集]

本作はHumble Monthlyで配信された時点から反響を集め、2017年12月6日の時点で、Humble Monthly版は270万人以上のプレイヤーがプレイした[10]。 動画投稿サイトには本作のプレイに苦戦するユーザーの動画が多数投稿された[11]。 2017年12月22日時点のSteam版のレビューには「悪意の塊」「人にプレゼントして相手の発狂っぷりを楽しむゲーム」といった言葉が並んだと同時に、全体的な評価は非常に良好とされた[12]。 また、その難易度の高さから、 PC Gamer のオースティン・ウッドをはじめとする批評家たちの支持も集めた[7]Rock, Paper, Shotgun英語版は2017年のベストPCゲームの一つとして本作を挙げたほか[13]GameSpotは2017年に発売されたゲームの中で一番奇怪なものになるだろうと評した[14]

本作は日本でも反響を呼んでおり、日本のゲーム実況者の間では「壺」と呼ばれているほか[3]、IGNは本作の主人公を「壺おじさん」と呼び[15]、ファミ通は本作を「壺男ゲー」と紹介した[16]。 ねとらぼのRitsuko Kawaiは「操作説明もなく始まり、失敗を重ねながらも前に進み続ける様子が人生のようだ」と述べ、本作の本質を「不可能と思える苦難を乗り越える喜び」とした[12]4Gamer.netのgingerは、クリア不可能ではないものの操作性が難しいうえに道のりが理不尽なまでに険しいため、かなり人を選びそうなゲームとしつつも、ただのクソゲーではなく、不思議とやめられない魅力があると評した[17]

受賞歴[編集]

受賞年 部門 結果 脚注
2018 IGF Competition Awards英語版 Seumas McNally Grand Prize 未決定 [18]
Excellence in Design 未決定
Nuovo Award 未決定

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ Humble Bundleの月額購入サービスで、スタッフが選んだゲームが複数収録されている

出典[編集]

  1. ^ Usher, William (2017年12月31日). “5 Biggest Breakout Hits Of 2017”. Cinema Blend. 2018年1月14日閲覧。
  2. ^ a b Rogers, Tim (2017年10月6日). “Getting Over It Is A Game About Using A Sledgehammer To Climb A Mountain”. Kotaku. https://kotaku.com/getting-over-it-is-a-game-about-using-a-sledgehammer-to-1819219469 2017年10月9日閲覧。 
  3. ^ a b KiDD (2017年12月31日). “【新作アプリレビュー】壺で話題のゲームがiPhoneで遊べるぞ『Getting Over It』!”. App Bank. 2018年1月14日閲覧。
  4. ^ Purchese, Robert (2017年12月7日). “The new game from the creator of QWOP is as brutal as it is brilliant”. EuroGamer. 2017年12月28日閲覧。
  5. ^ Frank, Allegra (2017年12月8日). “Getting Over It is frustrating the hell out of streamers”. Polygon. 2017年12月24日閲覧。
  6. ^ a b Wiltshire, Alex (2018年1月5日). “Designer Interview: The aesthetics of frustration in Getting Over It”. Gamasutra. 2018年1月6日閲覧。
  7. ^ a b Wood, Austin (2017年9月27日). “Getting Over It is a brutal new game from the maker of QWOP” (英語). PC Gamer. http://www.pcgamer.com/getting-over-it-is-a-hellacious-new-game-from-the-maker-of-qwop/ 2017年10月14日閲覧。 
  8. ^ Hester, Blake (2017年9月28日). “'Getting Over It' is the Next Ultra-Hard Game From 'QWOP' Creator Bennett Foddy”. Rolling Stone. https://www.rollingstone.com/glixel/news/next-game-from-gwop-creator-exclusive-to-humble-bundle-w506014 2017年10月9日閲覧。 
  9. ^ Nelson, Jared (2017年12月6日). “'QWOP' Developer's New Game 'Getting Over It with Bennett Foddy' Arrives on iOS thanks in Part to Zach Gage | TouchArcade”. Touch Arcade. http://toucharcade.com/2017/12/06/getting-over-it-with-bennett-foddy-released-on-ios/ 2017年12月8日閲覧。 
  10. ^ Wood, Austin (2017年12月6日). “QWOP successor Getting Over It is now available on Steam”. PC Gamer. 2017年12月29日閲覧。
  11. ^ Minoru Umise (2017年11月14日). “下半身が釜の男が山を登るアクション『Getting Over It with Bennett Foddy』すでにSteam版発売前から海外をイライラの渦に巻き込む”. AUTOMATON. アクティブゲーミングメディア. 2018年1月14日閲覧。
  12. ^ a b Ritsuko Kawai (2017年12月22日). “「悪意の塊」「人にプレゼントして相手の発狂っぷりを楽しむゲーム」 “世界一難しいゲーム”作者の新作がもはや哲学の域”. 2018年1月12日閲覧。
  13. ^ RPS (2017年12月25日). “Best PC games of 2017”. Rock, Paper, Shotgun. 2018年1月2日閲覧。
  14. ^ Pereira, Chris (2017年11月14日). “Naked Man In A Pot Climbs Mountain With Sledgehammer In What Might Be 2017's Weirdest Game”. GameSpot. 2018年1月2日閲覧。
  15. ^ 千葉芳樹 (2018年1月4日). “IGF 2018のファイナリストが発表!壺おじさんのゲームが3部門に名を連ねる”. IGN. 2018年1月14日閲覧。
  16. ^ あの壺男ゲーの快進撃もありうる? インディーゲーム賞IGFの今年度ファイナリスト作品を全紹介”. ファミ通. エンターブレイン. 2018年1月14日閲覧。
  17. ^ ginger. “インディーズゲームの小部屋:Room#514「Getting Over It with Bennett Foddy」”. 4Gamer.net. Aetas. 2018年1月13日閲覧。
  18. ^ Faller, Patrick (2018年1月5日). “Independent Games Festival Awards Nominees Announced”. GameSpot. 2018年1月6日閲覧。

外部リンク[編集]