地球環境変動観測ミッション

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水循環変動観測衛星「しずく」(GCOM-W)
所属 JAXA
公式ページ 水循環変動観測衛星「しずく」(GCOM-W)
日本の旗 日本
状態 運用中
目的 地球観測
設計寿命 5年
打上げ場所 種子島宇宙センター
打上げ機 H-IIAロケット 21号機
打上げ日時 2012年5月18日
1時39分(JST
軌道投入日 2012年5月18日
本体寸法 4.9 m x 3.0 m x 5.1 m
質量 1,900 kg
軌道要素
周回対象 地球
軌道 太陽同期準回帰軌道
高度 (h) 約700 km
軌道傾斜角 (i) 98度
降交点通過
地方時
13:30±00:15
搭載機器
AMSR2 高性能マイクロ波放射計2
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気候変動観測衛星「しきさい」(GCOM-C)
所属 JAXA
主製造業者 NEC
公式ページ 気候変動観測衛星「しきさい」(GCOM-C)
日本の旗 日本
国際標識番号 2017-082A
状態 運用中
目的 地球観測
設計寿命 5年
打上げ場所 種子島宇宙センター
打上げ機 H-IIAロケット 37号機
打上げ日時 2017年12月23日
10時26分22秒(JST
軌道投入日 2017年12月23日
本体寸法 2.5 m x 2.5 m x 4.6 m
質量 2060 kg (推薬含む)
発生電力 4,000 W以上
軌道要素
周回対象 地球
軌道 太陽同期準回帰軌道
高度 (h) 798km
軌道傾斜角 (i) 98.6度
降交点通過
地方時
10:30±00:15
搭載機器
SGLI 多波長光学放射計
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地球環境変動観測ミッションGCOM : Global Change Observation Mission、ジーコム)は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が進めている、人工衛星を利用した地球環境の変動を長期的に観測する計画。国際プロジェクトの全球地球観測システム(GEOSS)10年計画に沿い、10~15年程度の期間、全地球上の降水積雪量水蒸気量、エアロゾル植生などの物理データを観測し、そのデータを気候変動予測や気象予測、水や食料資源管理などに利用し、その有効性を実証することを目的としている。 2012年5月18日に最初の観測衛星「しずく(GCOM-W1)」が打ち上げられ、2017年12月23日に2機目の観測衛星「しきさい (CGOM-C1)」が打ち上げられた。

背景および位置づけ[編集]

GCOMは、日本の国としての政策、国際的な地球観測計画、そしてJAXAの地球観測衛星の開発方針が複雑に絡んで誕生したミッションである。

2003年9月1日、総務大臣文部科学大臣国土交通大臣により「宇宙開発計画に関する長期的な計画」が発表され、今後10年間にJAXAの果たすべき役割の一つとして地球観測計画が挙げられた。また、内閣府総合科学技術会議において2004年に「我が国における宇宙開発利用の基本戦略」および「地球観測の推進戦略」が掲げられた。国際的な動きとしては、2005年2月に第3回地球観測サミットが開催され、「全球地球観測システム(GEOSS)10年実施計画」が承認された。

これらの動きを受けて、2005年6月、JAXAを管轄する文部科学省・宇宙開発委員会・地球観測特別部会が具体的な地球観測衛星計画である「わが国の地球観測における衛星開発計画およびデータ利用の進め方について」の報告書をまとめた。この報告書に基づいてJAXAがかつてのGCOM(後述の#旧GCOMについてを参照)を大きく修正させて誕生したのが、現在の「地球環境変動観測ミッション(GCOM)」である。

GCOMは、日本の第3期科学技術基本計画における国家基幹技術の一つである海洋地球観測探査システムの一部として位置づけされている。

ミッション概要[編集]

衛星打ち上げスケジュール

GCOMとは、JAXAが推進する地球観測計画であり、2種類の衛星を5年おきに3回打ち上げ、計6機の衛星を用いて10~15年の長期にわたり地球上の陸地・海洋のさまざまな物理データを継続的に観測する、大規模なミッションである。衛星1機あたりのコストを200億円以下に抑えつつ故障に強い設計にすることで、ミッションの継続性を強く意識している。国際的な地球観測計画であるGEOSS10年計画における「気候変動」と「水資源管理」の分野において日本として貢献することを目的としている。

衛星システムは、水循環変動観測衛星(GCOM-W)シリーズと、気候変動観測衛星(GCOM-C)シリーズに分かれる。前者は高性能マイクロ波放射計AMSR2を、後者は多波長光学イメージャSGLIを搭載し、地球上の大気(エアロゾル水蒸気)、海洋(海面温度・海色)、陸地(植生・土壌水分)、雪氷(海氷、雪氷被覆深度)を総合的に観測する。

観測した1次データはJAXA内の地球観測研究センター(EORC)に集約され、GCOM専用のデータ処理・研究解析システムを使用してより高次のデータに加工された後に、全世界の研究者に提供される。日本の保有する他の地球観測衛星のデータとあわせて、地球環境変動観測・災害監視・資源探査のために利用される。

2008年7月時点で明らかになっているのはGCOM第1期までであり、2期以降の計画の詳細は未定である。

観測対象
衛星 大気圏 雪氷圏 陸圏 海洋圏
GCOM-W 雲水量
水蒸気量
降水量
海氷密接度
積雪深度
土壌水分 海上風速
海面水温
GCOM-C 雲特性
エアロゾル特性
雪氷分布
雪氷面特性
雪氷面温度
地表温度
地上部バイオマス
植物生産
植物生産
海色
海面水温

衛星システム[編集]

衛星は3期に分かれて打ち上げられ、それぞれ5年の観測を行い、各期の間は1年程度重複させて観測する。前期の衛星が寿命を超えて運用が可能な場合は、安全に運用可能な状態である限り前期と次期の衛星の両方の衛星で観測を行い、観測頻度を上げる予定である。

万一衛星の打ち上げに失敗したり、予定運用期間中に衛星に重大なトラブルが生じた場合は、直ちに次期衛星の開発に着手し、欠測期間を最小限にする予定である。

衛星バスにおいては可能な限りの冗長設計がなされており、太陽電池パネルや内部の電源系は完全に二重化され、片方が故障しても観測が継続できるようになっている。衛星バスはGCOM-W1とC1では約80%が共通の設計であり、開発費用の縮減を図っている。観測機器においても、重量的な余力は多機能化ではなく信頼性向上に振り向けており、無理な軽量化は行われていない。

GCOM-W1[編集]

水循環変動観測衛星 しずく(GCOM-W1)は、大気や土壌中の水分量や温度を観測することが出来る高性能マイクロ波放射計AMSR2を搭載し、降水量、水蒸気量、海洋上の風速や水温、陸域の水分量、積雪深度を観測する。

質量は約1,900 kg、設計寿命は5年。高度約700 kmの極軌道に投入される。昇交点通過地方太陽時は13時30分±15分の午後軌道。これはAMSR-Eを搭載した既存のAqua衛星のデータと整合性を取るためである。衛星の開発費は200億円。2011年度にH-IIAロケット21号機にて打ち上げられる予定であったが、相乗りする韓国の多目的実用衛星3号の製造遅れにより、2012年度に延期され、同年5月18日に打ち上げられた。

GCOM-C1[編集]

気候変動観測衛星 しきさい(GCOM-C1)は、地球表面や大気の色や温度を観測することが出来る可視~熱赤外多波長光学センサSGLIを搭載し、雲・エアロゾル、海色、植生、雪氷等を全地球規模で長期間継続的に観測することで、将来の気温上昇量の正確な予測に必要となる放射収支、および炭素循環の変動メカニズムの解明に貢献する。

質量は約2,020 kg、設計寿命は5年。高度798 km, 傾斜角98.6度の極軌道。降交点通過地方太陽時は10時30分±15分の午前軌道。これは、同種の他の衛星で午前軌道を取るものが無いためである。衛星の開発費は180億円の予定。2017年12月23日にH-IIAロケット37号機により超低高度衛星技術試験機つばめと共に打ち上げられた[1]

GCOM 2期以降[編集]

2008年7月時点では公開されている情報は少ない。衛星搭載センサ類に関しては、必要に応じてAMSR2・SGLIに改良を施したものが搭載される予定である。GCOM-W1は追加で他のセンサが搭載可能な設計になっており、GCOM-W2以降では、みどりIIに搭載されたSeaWinds(米国製)のようなマイクロ波散乱計の搭載も検討されている。

地上システム[編集]

地上システムは、追跡管制システム(衛星バスの管理)とミッション運用系システム(観測機器の管理)、解析研究系システム(観測データの解析)の3つに分かれる。

GCOM-W1/C1では、追跡管制システムとミッション運用系システムを一元管理し、運用費用の縮減と信頼性の向上を図っている。地上システム全体としてはいぶき全球降水観測計画GPM/DPRで開発しているシステムを活用して、短期間に確実なシステム開発を行う予定。

GCOM-C1はW1と比べて1次観測データ量が200倍、生成する標準プロダクト(解析済みデータ)も3倍以上となるため、解析研究系システムに多くの予算が割り当てられている。

観測機器[編集]

AMSR2[編集]

高性能マイクロ波放射計2型(AMSR2, Advanced Microwave Scanning Radiometer 2)は、みどりIIに搭載されたAMSR(口径2.0m)およびアメリカの衛星Aquaに搭載されたAMSR-E(口径1.6m)の改良型である。軌道上で口径2.0mの大型反射鏡を展開し、これを1.5秒で1回転させることで、地上を1450kmの円弧状にスキャンして測定していく。AMSRやAMSR-Eより信頼性は向上し、寿命も3年から5年に伸ばされている。技術的な変更点は少ないものの、較正精度を向上させることによって測定誤差を低減している。

マイクロ波の測定チャンネルとして、7.3 GHz帯と89.0 GHz帯が新設されている。7.3 GHz帯は6.925 GHz帯のチャンネルの冗長用および補正用として、89.0 GHz帯は降水量と海氷密接度の測定用として用いられる。対して、AMSRにはあった50.3 GHz帯および52.8GHz帯のチャンネルが削られている。これらは気温の情報を得るために用いられていた。89.0 GHz帯はAMSR-Eでも用意されていたが、部品故障により観測精度が低下していた。

AMSRシリーズは、2008年7月時点で同等の性能を持っているセンサは他には無く、世界最高性能を持つマイクロ波センサである。

AMSR2 観測周波数
物理量\周波数(GHz) 6.925/
7.3
10.65 18.7 23.8 36.5 89.0 備考
積算水蒸気量        
積算雲水量        
降水量    
海上水温      
海上風速      
海氷密接度   89 GHzは雲の無い状態で使用
積雪量    
土壌水分量  

※ ◎は、その物理量の観測に最重要の周波数帯を示す。

SGLI[編集]

多波長光学放射計(SGLI, Second-generation Global Imager)は, みどりIIに搭載されたGLI (Global Imager)の後継センサである。みどりIIの機械走査のGLIセンサが大型化・複雑化しすぎた反省から、2系統の簡素な観測装置に分割し、かつ、観測対象チャンネルを絞り込むことによって、信頼性とサバイバビリティの向上を図っている。

SGLIは, GLIに比べ, 地表面分解能が高いこと(1 km → 250 m), 陸上エアロゾル等を観測するための偏光・多方向観測機能を持つこと等の改善を行っている[2]。一方, SGLIで観測出来るチャンネル数は19と、GLIの36チャンネルから大幅に減少している。これはGCOMで求められている観測に必要なものに絞り込んでいるためである。

SGLIは「可視・近赤外放射計部」(VNR: Visible and Near Infrared Radiometer) と「赤外走査放射計部」(IRS: InfraRed Scanning radiometer)の2つの放射計から構成される。前者のSGLI-VNRはもも1号のMESSR、ふよう1号のOPS/VNIR、みどりのAVNIR、だいちのAVNIR-2センサの技術を継承している。

SGLI-VNRは, 直下方向を観測する非偏光観測センサ(NPサブユニット; 11チャンネル)と、+45°方向~-45°方向の範囲で切り替え、多方向観測ができる偏光観測センサ(PLサブユニット; 2チャンネル)から構成されている。検出器にはCCDを用いており、機械走査が不要な電子走査方式(プッシュブルーム方式)の放射計である。非偏光観測センサ(NP)は観測方向の異なる3 本の鏡筒で構成され, それぞれが画角24°で, あわせて合計70°(約1,150 km)の走査幅をもつ。陸域・沿岸では250 mの分解能、外洋域では1 kmの分解能で観測する。偏光観測センサ(PL)は、673.5 nm 用と868.5 nm 用の2 本の鏡筒を用いて、0°, +60°, -60°の3つの方向の偏光面について偏光観測を行う。また、衛星進行方向に対して前後45°の範囲内で任意の角度に設定が可能なチルト機構が実装されている。約1,150km の幅を1 km の分解能で観測する。[2]

SGLI-IRSは、地上から受けた光を短波長赤外(SWIR:1.05μm~2.21μm、4 チャンネル)と熱赤外(TIR:10.8μm、12.0μm、2 チャンネル)に分光し、各々の検出器へ導入する。IRS の走査方式は、走査鏡による機械走査方式(ウイスクブルーム方式)である。0.74 秒間に1 回、地表面を走査し、1 回の走査で観測幅80°(約1,400km)を観測する。[2]

観測幅はSGLI-VNRで1,150 km、SGLI-IRSで1,400 kmであり、日本付近(緯度 35度)において2 日に1回の観測が可能である。全チャンネルで機械走査であったGLIセンサの1,600 kmから後退しているものの、分解能250 mの高分解能で観測できるチャンネル帯は増えている。SGLI-VNRに新たに追加された偏光観測機能により, エアロゾルの粒子の大きさが判別できるため、エアロゾルの発生源が推測可能になる。

SGLI 観測チャンネル[2]
機器 チャンネル 中心波長 バンド幅 飽和輝度 分解能 観測対象
SGLI-
VNR
非偏光
観測
VN1 379.9 nm 10.6 nm 240 ~ 241 W/(m2 sr um) 250 m 陸上エアロゾル・大気補正・海色・雪氷
VN2 412.3 nm 10.3 nm 305~318 W/(m2 sr um) 植生・陸上エアロゾル・大気補正・海上エアロゾル・光合成有効放射量・雪氷
VN3 443.3 nm 10.1 nm 457 ~ 467 W/(m2 sr um) 植生・海上エアロゾル・大気補正・光合成有効放射量・海色・雪氷
VN4 490.0 nm 10.3 nm 147 ~ 150 W/(m2 sr um) 海色(クロロフィル濃度・懸濁物質濃度)
VN5 529.7 nm 19.1 nm 361 ~ 364 W/(m2 sr um) 光合成有効放射量・海色(クロロフィル濃度)
VN6 566.1 nm 19.8 nm 95 ~ 96 W/(m2 sr um) 海色(クロロフィル濃度・懸濁物質濃度・有色溶存有機物)
VN7 672.3 nm 22 nm 69 ~ 70 W/(m2 sr um) 植生・陸上エアロゾル・大気補正・海色
VN8 672.4 nm 21.9 nm 213 ~ 217 W/(m2 sr um)
VN9 763.1 nm 11.4 nm 351 ~ 359 W/(m2 sr um) 1000 m 水雲幾何学的厚さ
VN10 867.1 nm 20.9 nm 37 ~ 38 W/(m2 sr um) 250 m 植生・陸上エアロゾル・大気補正・海色・雪氷
VN11 867.4 nm 20.8 nm 305 ~ 306 W/(m2 sr um)
偏光
観測
P1 672.2 nm 20.6 nm 295, 315, 293 W/(m2 sr um) 1000 m 植生・陸上エアロゾル・大気補正・海色
P2 866.3 nm 20.3 nm 396, 424, 400 W/(m2 sr um) 植生・陸上エアロゾル・大気補正・海色・雪氷
SGLI-
IRS
近赤外
(SWIR)
SW1 1050 nm 21.1 nm 289.2 W/(m2 sr um) 1000 m 水雲光学的厚さ・粒径
SW2 1390 nm 20.1 nm 118.9 W/(m2 sr um) 雪氷面上雲検知
SW3 1630 nm 195 nm 50.6 W/(m2 sr um) 250 m
SW4 2210 nm 50.4 nm 21.7 W/(m2 sr um) 1000 m 水雲光学的厚さ・粒径
熱赤外
(TIR)
T1 10.785 μm 0.756 μm 340 W/(m2 sr um) 250 m 地表・海面・雪氷面温度・火災検知・植生水ストレス等
T2 11.975 μm 0.759 μm 340 W/(m2 sr um)


旧GCOMについて[編集]

1998年、当時の宇宙開発事業団(現在は宇宙航空研究開発機構=JAXAに統合)内部でADEOS-II(みどりII)やALOS(だいち)に続く地球観測衛星の研究が着手され、1999年8月には文部科学省宇宙開発委員会で地球観測変動観測ミッション(GCOM)の推進とオゾン観測センサODUSの研究開発が了承された。地球環境観測を扱う科学者コミュニティにおいても観測要求条件の検討がなされ、2000年1月にGCOMミッションの第一弾として、オゾン・温室効果ガス観測衛星(GCOM-A1)気候変動観測衛星(GCOM-B1)が提案された。環境庁においても、温室効果ガスをより精密に測定するため、みどりIIに搭載されたILAS-IIの後継センサであるSOFISの開発研究が進められた。

2000年4月、NASDAはH-IIロケット8号機故障による運輸多目的衛星MTSAT-1の打ち上げ失敗の余波を受けて、GCOMとODUSの研究を一本化し、GCOM-A1、GCOM-B1衛星のセンサとして、GLI後継センサ(陸上エアロゾル・植生や、陸上・海洋観測全般を行う可視~熱赤外多波長光学センサ)、AMSR後継センサ(陸地・海洋上の水蒸気量や水分量、温度を観測するためのマイクロ波放射計)、新規開発のOPUSセンサ(オゾン・大気汚染物質の観測を行う紫外線分光計)の3つの開発に絞った。同時に海外からのセンサ提供も募集し、同年12月に欧州宇宙機関(ESA)開発のSWIFT(成層圏での大気汚染物質の移動を観測するためのセンサ)の搭載が決定された。

同年12月の宇宙開発事業団評価委員会第3回地球観測部会評価報告書において、GCOMの具体的目標として以下のものがあげられた。

  1. 地球観測の観測手法や成果物に関する世界標準を構築するようなリーダーシップを取る。
  2. 相互バックアップや不慮の事故に対するリスクの緩和のため、観測結果の成果物を他の宇宙機関や既存の計画との整合性を取る。
  3. 他の機関や研究者グループとの機関間・国際間協力を組織的に行うためのガイドラインを取りまとめる。

また、GCOM-A1とB1の衛星コンフィギュレーションについて、以下のように記載されている。

GCOM-A1
J-IIロケット(後にGXロケットに改称)で打ち上げられる1トンクラスの衛星。温室効果ガスを観測するSOFISセンサ、オゾンを観測するODUSセンサを搭載(この報告書ではまだOPUSではなくODUSとなっており、ESA提供のSWIFTセンサへの言及はない)。オゾン層保護のためにフロン等の排出規制を定めたモントリオール議定書、および、二酸化炭素排出量規制を定めた京都議定書に寄与することを目的とする。
GCOM-B1
H-IIAロケットで打ち上げられる2トンクラスの衛星。多波長光学センサGLIと2つのマイクロ波放射計(AMSRと海上風散乱計)を搭載。

GCOM-A1とB1でかなり異なる衛星を使用することから、ミッション間の共通性を高めるためB1を分割して、3つの1トンクラスの衛星に分けてる事も提案されている。同時に、B1の二つのマイクロ波センサでの同時観測というメリットが失われることも指摘している。

しかし、予算上の強い制約とミッションの重点化のため、GCOM-A1は2002年6~10月にかけて略称無しの「温室効果ガス観測技術衛星」と呼ばれはじめ、その後「GOSAT」という呼称に改められた。GOSATの主目的は京都議定書で定められた第1約束期間(2008年~2012年)における温室効果ガスの地域ごとの排出量の観測に特化され、GCOMからは独立したプロジェクトとなった。GOSATには当初SOFIS・OPUS・SWIFTの3種類のセンサが搭載される予定だったが、2003年、地上付近の二酸化炭素の分布をより精密に測定するため、SOFISセンサに変わって環境省が新規に開発する別方式のTANSO-FTSセンサが搭載されることになった。ミッションの重点化のため、オゾン観測用のOPUSセンサと、OPUSと同時に観測しなければ効果を発揮出来ないSWIFTセンサの搭載は中止された。 GOSATはいぶきという名称で、2009年に打ち上げられた。

一方のGCOM-B1は、JAXAの地球観測衛星のロードマップからその名称が消えた。

2005年6月、宇宙開発委員会地球観測特別部会で「我が国の地球観測における衛星開発計画及びデータ利用の進め方について」の報告書がまとめられ、国際協力、観測データの活用、および国産衛星・センサによる日本の貢献という観点からその後の日本の地球観測衛星計画の方針が定められた。この報告書上に記されているADEOS-II後継機1および後継機2が現在のGCOM-W1およびGCOM-C1へつながる計画となった。

脚注[編集]

参考資料[編集]

GCOM-C1に関する資料
旧GCOMに関する資料

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

地球環境変動観測ミッション「GCOM」 (JAXA)