Firth

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

Firth は、低地スコットランド語及び英語において、スコットランドイングランドにおける様々な沿岸域を表現するために用いられる単語である。スコットランドの主要地域では、この言葉は大規模な湾だけでなく、海峡にも用いられている。北部諸島では、おおむね小規模な入江に対して使用されるのが通例である。フィヨルド "fjord" は言語学的に同系統(両者ともゲルマン祖語fertuz から来ている)であるが、英語においては狭い意味合いで用いられている。"Firth" と呼称されている水域は、東海岸と国土の南西で一般的な傾向があるが、ローン湾 "Firth of Lorn"英語版 は例外といえる。ハイランド地方沿岸にも幾多の河口や海峡、入江など同様の水域が存在するが、"Firth" が用いられることはない(例えば ミンチ海峡  (the Minchトリドーン湾 (Loch Torridon)。その代わりにほとんどが "Loch" と呼ばれている。

"Firth" は一般的に氷河時代における氷蝕の跡で、またほとんどが大規模河川に関係している。これは潮汐によって海水の遡上が繰り返された結果、河床が侵食されて大規模な河口に拡大したところだ。水域の境界はやや曖昧である。クライド湾 "Firth of Clyde"ダンバートンまで至る河口部を含むと見なされることがあるが、英国陸地測量部英語版が刊行する地図ではポート・グラスゴー英語版から河川に切り替わると描画されている。しかも、地元ではグリーノックからゲア湖英語版との合流点にまで延びる砂州の先端部 Tail of the Bank を境界とみなす意見や、さらに西のゴウロック英語版を境とする向きもある。 しかしながら、例外が幾つか存在する。例えば、スコットランド東岸のクロマーティ湾 "Cromarty Firth"英語版 は、比較的幅の狭い海への出口を備えた大きな湖 "Loch" と見なすことができ、また、ソルウェー湾 "Solway Firth"マレー湾 "Moray Firth"は、極めて大規模な湾である。また、ペントランド海峡 "Pentland Firth"は、湾や入江ではなく明らかに海峡である。

スコットランドの "Firth"[編集]

スコットランド西海岸の "Firth"(北から南へ)[編集]

ローン湾と周辺の水域
ダンフリーズの南でソルウェー湾に注ぎこむニス川英語版の河口

スコットランド東海岸の "Firth"(北から南へ)[編集]

クロマーティ湾の入り口、奥に石油リグを望む。
タイ湾のファイフ側海岸から望むダンディー

以下の "Firth" は北海に接続しているか、あるいはその一部である。

スコットランド北海岸の "Firth"[編集]

ペントランド海峡 "Pentland Firth" と周囲の陸地

北部諸島の "Firth"[編集]

ラウジー島英語版Saviskaill 湾の断崖、ウェストレー海峡 "Westray Firth" を通してウェストレー島英語版を望む

北部諸島は15世紀からノルウェーの領土となっていたため、ノルド語起源の地名が数多く残っている。特にシェトランド諸島において、"Firth" は比較的小規模な入江や海峡を表すために使われるが、"geo" や "voe"、"wick" を用いるのが一般的である。オークレー諸島では、"wick" が普通である。

スコットランドの同様な海域[編集]

エリボール湖

スコットランド・ゲール語において、linne はこれまでに挙げたほとんどの "Firth" に対して用いられていた。また、スリート海峡 (Sound of Sleatや "Crowlin Sound"、クイリン海峡 (Cuillin Sound)ジュラ海峡 (Sound of Juraラッセイ海峡 (Sound of Raasay、そしてリニ湖 (Loch Linnhe の一部が該当する。

次に挙げるスコットランドの水域は、"Firth" と同等ではあるが、名称にこの語は使用されていない:

また、北部諸島 (イギリス)では、用語 "firth" と "sound" は、往々にして曖昧に入れ違えて用いられる。例えば、ブルーモール海峡 (Bluemull Sound は、シェトランド諸島内の "Firth" とほとんど変わりがない。

イングランドの "Firth"[編集]

スコットランド沿岸以外の "Firth"[編集]

大きな湾の南東部にあるテムズ湾 "The Firth of Thames"

関連項目[編集]

参照[編集]

  1. ^ Anderson、Joseph (Ed.) (1893) Orkneyinga Saga. Translated by Jon A. Hjaltalin & Gilbert Goudie. Edinburgh. James Thin and Mercat Press (1990年再版). ISBN 0-901824-25-9