FV101 スコーピオン

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FV101 スコーピオン偵察戦闘車
性能諸元
全長 4.388 m[1]
車体長 4.388 m[1]→4.794 m[2]
全幅 2.184 m[1]
全高 2.096 m[1]
重量 7,960 kg[1]→8,073 kg[2]
懸架方式 トーションバー
速度 87 km/h (整地)[1]
6.44 km/h (水上)[1]
行動距離 644 km[1]
主砲 L23A1 76mmカノン砲×1
弾薬搭載量 40発)
副武装 L37A1 7.62mm同軸機銃×1
(弾薬搭載量 3,000発)
エンジン ジャガーJ60 No.1 Mk.100B
ガソリンエンジン[1]
→カミンズBTA 5.9Lディーゼルエンジン
195馬力
乗員 3名(車長兼装填手、砲手、操縦手)
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FV101 スコーピオン英語: Scorpion)は、イギリスアルヴィス社が開発した偵察戦闘車軽戦車空挺戦車[1][2]

CVR(T)ファミリーの端緒を切って、1972年よりイギリス陸軍への引き渡しが開始された。1989年1月1日の時点で既に1,200両以上が製造されており[2]、最終的には3,000輌以上が製造された。

80km/h以上の最高速度を発揮でき、「世界最速の量産戦車」としてギネス世界記録を保持している。

概要[編集]

1950年代後半、イギリス陸軍は、戦車を補完して偵察火力支援および対戦車任務を遂行する装甲戦闘車両としてAVR(Armoured Vehicle, Reconnaissance)計画に着手した。これに応じて、1960年代前半、戦闘車両研究開発部(FVRDE)は、装輪式のCVR(W)と装軌式のCVR(T)を策定した。その後、試作が繰り返され、1970年5月、アルヴィス社が2,000両の生産契約を受注した。最初の量産モデルは1972年に完成した[1]

輸送などを考慮した小型・軽量の戦車であり、装甲アルミニウムで前面は14.5mm弾、それ以外は7.62mm弾に耐えられるように設計されている。回転砲塔に搭載された76mm砲は、FV601 サラディン装甲車の搭載砲L5A1の軽量化モデルである[1]

1980年代には輸出向けに主砲をコッカリル 90mm低圧砲に変更したスコーピオン90が開発された。火力は向上したが、重量増加のため機動性は若干低下している。他にも、後期に輸出された車両にはディーゼルエンジンの搭載や射撃統制装置の大幅な改修を受けた車両が存在する。

1982年フォークランド紛争に投入された後、1988年には他のCVR(T)シリーズと同様、耐用年数延長プログラム(LEP)により、ジャガー J60 4.2Lガソリンエンジンからカミンズ製BTA 5.9Lディーゼルエンジンへの換装が行われた。その後、1991年の湾岸戦争でも実戦で使用された。

イギリス陸軍では1994年に全車退役した。しかし海外ではまだ現役で使用されている所がある。

運用国[編集]

運用国(青色が現役 赤色が退役済)

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l Christopher F. Foss, ed (1976). Jane's World Armoured Fighting Vehicles. TBS The Book Service Ltd. pp. 145-150. ISBN 978-0354010221 
  2. ^ a b c d Christopher F. Foss, ed (2002). Jane's Armour & Artillery 2002/2003. Janes Information Group. ISBN 978-0710624253 

関連項目[編集]