easy driver

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easy driver
開発元 パナソニック システムネットワークス日本システムウエア
最新版
対応OS Microsoft Windows 7, Vista, XP
種別 マルチメディアオーサリングツール
ライセンス プロプライエタリ
公式サイト [1][2]
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easy driver(イージードライバー)は、パナソニック システムネットワークス日本システムウエアが共同開発・共同販売していたマルチメディアオーサリングツール。企業内の教育訓練を動画マニュアル(ビジュアルマニュアルとも言う)を用いて効率化するため、その制作用ツールとして開発された。編集操作が容易であり、短時間に編集可能であることが特長。一方、修飾機能は最低限のものしか搭載しておらず、プロの制作業者が使用するオーサリングツールとは対極にある。2016年現在、パナソニック側の新規販売は終了しているが、日本システムウエア側は商品として継続しており、既存顧客の有償対応は可能である。

概要[編集]

easy driverの開発経緯は、松下電送システム(現パナソニック システムネットワークスに統合)が2001年、同社の開発リードタイム短縮手段として、日本システムウエアと共同開発した[1]事に始まる。同社新製品の試作機が完成する前に、3D設計モデルなどを用いて製造組立指図書を制作し、組立研修訓練を先に実施することで、開発リードタイム短縮を実現するという企画に基づき開発された。easy driverは、製造業の教育訓練ニーズの変遷に合わせ、3D重視から実写ビデオ重視に軸足を移しているが、当初から現在に至るまで変わらぬ特長として次の3つがある。

極めてシンプルな編集操作[編集]

自社の従業員が自力で制作できる事を目指し、極めてシンプルな編集操作を実現している。プログラム言語などを用いず、マウスによる直感的操作だけで制作編集ができる構成である。バージョンアップの内容の多くは、「編集操作のさらなる容易化」、「編集時間のさらなる短縮化」に充てられ、見栄えを良くする修飾機能は増やされていない。

無料の閲覧専用ソフト[編集]

制作した動画マニュアルを閲覧するには、閲覧専用ソフトを用いる。この閲覧専用ソフトは無料かつインストール不要である(インストールすることも可能)。

活用ノウハウも提供すること[編集]

同社はeasy driverの活用を継続研鑽しており、ツールだけでなくその活用ノウハウも提供できることが特長である。こうした事例は稀であり、e-Meister活動(日立製作所)[2]、easy driver[3]などに限られる。

製品群[編集]

最新版の「easy driver Ver6.1」は、以下の複数モジュール群で構成される。

ED-Designer[編集]

easy driver製品群の核となるマルチメディアオーサリングツール。編集操作は、素材ファイル(動画・静止画・音声・テキスト・OLE・他のeasy driver作品等)をED-Designerへ登録(ドラッグ&ドロップ)したうえで、画面上に配置(ドラッグ&ドロップ)する。これら一連の操作により、素材ファイルはアイコン化されかつ自動的にフローチャート化される。 素材の表示順番変更は、フローチャート上で素材アイコンの配列を変更することで容易に実現できる。またコントロールアイコンと呼ばれる18種類の特殊命令を素材アイコンと組み合わせる事で、画面の切り換えや条件分岐が可能である。 完成した作品を再生閲覧する際には、このフローチャートに基づき、各素材ファイルが指定された位置・大きさ・タイミング・指定時間範囲で再生表示される。すなわち、ED-Designerは「可視化されたインタプリタ言語の一種」とも言える。なおeasy driverは、そのライセンスの管理にアラジン社製HASP(USB型のDRMの一種)を採用している。(ED-Viewerを除く)

ED-Viewer[編集]

閲覧専用ソフトウェア。無償であり、ED-Designerに同梱される。ED-Viewerはインストール不要(インストールも可能)で、コンテンツに添付する事で、再生用パソコン側で即閲覧開始できる。ED-Viewerは Microsoft Windows用と、Internet Explorer用(ActiveX版)がある。

ネットワークライセンス[編集]

easy driverのライセンスを遠隔地で使いまわすためのソフトウェア。アラジン社が提供するネットワークライセンスマネージャー用ソフトをサーバー上で動作させて、ライセンス情報を管理する。

EDD2EDV[編集]

コンテンツをマージ(1ファイル化)するソフトウェア。ED-Designerは一般的に、素材ファイルをリンクしたまま保持するが、これを1ファイル化することで、素材の個別閲覧や改ざんを防いだり、コンテンツをInternet ExplorerPDMシステムで直接再生できる。素材ファイルを個別指定してマージ対象から除外することも可能である。

インターネット対応[編集]

ED-Designerを用いて作成した作品をHTML形式で出力するモジュール。閲覧にはInternet Explorerを用い、ActiveX版ED-Viewerをプラグインして再生する。

NaviControl[編集]

シナリオファイルの画面切替タイミングを、別のアプリケーションから制御可能にするモジュール。

バージョン[編集]

  • easy driver Ver1.0 (2002年4月発表、同年7月発売)
  • easy driver Ver1.1 (2003年2月発売、PNGファイル対応他)
  • easy driver Ver1.5 (2003年4月発売、主に不具合修正)
  • easy driver Ver2.0 (2003年8月発売、再編集機能を強化、英語版同時発売)
  • easy driver Ver2.1 (2003年12月発売、EDD2EDV追加)
  • easy driver Ver3.0 (2004年11月発売、再編集機能を強化)
  • easy driver Ver4.0 (2005年10月発売、営業施策で機能を分割販売)
  • easy driver Ver5.0 (2007年4月発売、パスワード機能追加、他)(2007年7月、英語版追加)
  • easy driver Ver5.2 (2008年11月発売、Windows Vista対応)(2010年5月、Windows 7対応追加)
  • easy driver Ver6.0 (2011年2月発売、再編集機能を強化)(2011年3月、英語版追加)
  • easy driver Ver6.1 (2012年9月発売、64bitOS対応他)(英語版同時発売)

脚注[編集]

  1. ^ IEレビュー(日本IE協会刊)2007年10月号「動画マニュアルによる教育訓練加速」
  2. ^ http://www.hitachi.co.jp/csr/highlight/2007/act0704/index.html
  3. ^ http://panasonic.biz/doc/easydrv/ed_03merit.pdf

外部リンク[編集]