EVO2 (路面電車車両)

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EVO2
チェコ・レールデイズ2012に展示されたEVO2(試作車)(2012年撮影)
基本情報
製造所 アライアンスTW
製造年 2012年 -
主要諸元
軌間 1,435 mm
最高速度 65.0 km/h
車両定員 161人(着席46人)
車両重量 27.5 t
全長 21,650 mm
全幅 2,560 mm
床面高さ 350 - 500 mm
(低床率100 %)
主電動機 TAM 1020C(誘導電動機
主電動機出力 65 kw
出力 390 kw
制御方式 VVVFインバータ制御IGBT素子)
備考 主要数値は[1][2][3][4]に基づく。
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EVO2は、チェコのコンソーシアムであるアライアンスTWが展開する路面電車車両。車内全体の床上高さが低い超低床電車である[1][2][3][4]

概要[編集]

複数の企業によって構成されるチェコのコンソーシアムであるアライアンスTWが展開する、片運転台式の2車体連接車がEVO2である。車内全体の床上高さを最大500 mmに抑え、高低差を緩やかな傾斜で繋ぐ事で車内の段差を無くしている他、各地の路面電車に残存する旧型電車と比較して騒音が抑制されている[1][4][5]

アライアンスTWはEVO2の世界的な展開を目標としており、標準軌(1,435 mm)に加えてロシア連邦等の路面電車で用いられる1,524 mm軌間にも対応可能な設計となっている。また、車体を増結したEVO3(3車体連接車)、EVO4(4車体連接車)もラインナップに加えている。各編成の主要諸元は以下の通り[1][4]

形式 全長 重量 定員 出力
着席 最大
EVO2 21,650mm 27.5t 46人 161人 390kw
EVO3 29,600mm 37.5t 63人 233人 520kw
EVO4 42,000mm 55.0t 92人 322人 650kw

運用[編集]

試作車はチェコリベレツ路面電車リベレツ市電)を運営するリベレツ=ヤブロネツ・ナド・ニソウ公共交通会社へ向けて2012年に製造され、同年9月25日から営業運転を開始した。2021年の時点で同市電向け車両の増備は行われていないものの、2010年代後半以降チェコの各都市へ向けて多数の量産車の製造が実施され、旧型電車の置き換えに用いられている。2021年時点で運用に就く、もしくは運用に就く予定の車両は以下の通り[2][3]

EVO2 導入都市一覧
導入国 都市 導入車両数 備考・参考
チェコ ブルノ
(ブルノ市電)
41両(予定) タトラK2の置き換え用[6]
プルゼニ
(プルゼニ市電)
14両(予定) シュコダ03Tの置き換え用[7]
モスト
リトヴィーノフチェコ語版
(モスト・リトヴィーノフ市電)
3両
リベレツ
(リベレツ市電)
1両 試作車

脚注[編集]

注釈[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c d Karol Wach (2013年6月25日). “EVO2 w Libercu”. Infotram. 2019年3月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年2月22日閲覧。
  2. ^ a b c Ledová tramvaj už brázdí liberecké koleje”. Liberec (2021年9月25日). 2021年2月22日閲覧。
  3. ^ a b c EVO2 tram fleets expand”. Pragoimex (2020年5月11日). 2021年2月22日閲覧。
  4. ^ a b c d Low-floor tramcar EVO1” (PDF) (英語). Pragoimex. 2021年2月22日閲覧。
  5. ^ Barrier-free Tramcar EVO1”. Pragoimex. 2021年2月22日閲覧。
  6. ^ Dopravní podnik města Brna, a.s.”. Pragoimex. 2021年2月22日閲覧。
  7. ^ Plzeňské městské dopravní podniky, a.s.”. Pragoimex. 2021年2月22日閲覧。