ダン・エイクロイド

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ダン・エイクロイド
Dan Aykroyd
Dan Aykroyd
2009年
本名 Daniel Edward Aykroyd
別名義 Elwood Blues
生年月日 (1952-07-01) 1952年7月1日(71歳)
出生地 カナダの旗 カナダ オンタリオ州オタワ
民族 カナダ系アメリカ人
ジャンル 俳優
コメディアン
脚本家
ミュージシャン
活動期間 1971年 -
配偶者 ドナ・ディクソン(1983年 - )
主な作品
1941
ブルース・ブラザース』シリーズ
大逆転
ゴーストバスターズ』シリーズ
スパイ・ライク・アス
ドライビング Miss デイジー
マイ・ガール
チャーリー
コーンヘッズ
恋するリベラーチェ
ジェームス・ブラウン 最高の魂を持つ男
 
受賞
ゴールデンラズベリー賞
最低助演男優賞
1986年ボールズ・ボールズ2/成金ゴルフマッチ
1991年絶叫屋敷へいらっしゃい
その他の賞
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ダニエル・エドワード・“ダン”・エイクロイド(Daniel Edward "Dan" Aykroyd[- éikrɔid][1][2], 1952年7月1日 - )は、カナダ出身のコメディアン俳優脚本家ミュージシャン。姓は「アイクロイド」との日本語表記もあり[3]

来歴[編集]

ハウス・オブ・ブルース ボストン店

カナダの首都オタワに生まれ、ケベックで育つ。13歳のころから様々なアルバイトをしつつ、中学から高校時代にビートルズからジャズ、ブルースと音楽に夢中、いくつかのバンドに参加する。オタワのカールトン大学社会学犯罪学を学ぶが中退。アスペルガー症候群であると診断されている。[4]

コメディ劇団「セカンド・シティ・ワークショップ」のトロント支部に在籍、同劇団のシカゴ本部に在籍していたジョン・ベルーシと知り合い、親友となる。1975年からNBCテレビの「サタデー・ナイト・ライブ」(SNL)にオリジナルメンバーとして参加し、『コーンヘッズ』などの名キャラや、スタートレックのドクター レナード・マッコイジミー・カーター等の著名人の物まねで人気を博す。

ミュージシャンとしてベルーシと共に結成したブルース・ブラザーズでは、弟のエルウッド・ブルース役でバックボーカルとブルース・ハープを担当。SNLへの出演で人気に火が付き、カバーアルバムの大ヒット、映画『ブルース・ブラザース』(1980年)の公開へとつながる。このバンドは、ティーンエイジャーの頃からブルースR&Bに傾倒し、バンド活動をしていた本人の構想を実現したものである。

1977年の『ダン・アイクロイドのひと目惚れ』で俳優として映画デビュー。ベルーシやエディ・マーフィチェビー・チェイスなどアクの強い人とコンビを組むことが多く、存在が地味だが、『ブルースブラザーズ』、『ゴーストバスターズ』、『スパイ・ライク・アス』などの名作コメディ映画の脚本を手懸ける才人としても知られる。

1982年に良き相棒であり親友であったベルーシを失った後はやや精彩を欠いたが、『ゴーストバスターズ』で主人公3人組の1人を演じ、コメディ俳優としての本来の持ち味を発揮。1985年にはUSAフォー・アフリカに参加し、ウィ・アー・ザ・ワールドのコーラスを担当。

コメディ以外の映画でも活躍し、1989年には『ドライビング Miss デイジー』でジェシカ・タンディの息子役を演じてアカデミー助演男優賞にノミネートされ、俳優としての新境地を拓いた。1991年の『マイ・ガール』ではヒロインの父親役を好演。また、ラジー賞にも数回ノミネートされ、2度の受賞歴がある。

実業家としてはニューヨークのハードロックカフェ、ライブレストランチェーン「ハウス・オブ・ブルース (House of Blues」、クリスタルヘッド・ウォッカ (Crystal Head Vodkaなどの事業に共同経営者として出資して成功している。また、ベルーシの未亡人ジュディスと共にブルース・ブラザーズ関連のブランド管理会社を設立している。

エピソード[編集]

  • 右目は緑、左目は茶色という虹彩異色症
  • エイクロイドの作品には、彼の趣味や嗜好であるR&Bバイク自動車警察が活かされているが、心霊UFOなどの超自然現象にも非常に造詣が深く、それは『ゴーストバスターズ』に反映されている。
  • 一時期、キャリー・フィッシャーと婚約していた[5][6]
  • 『Doctor Detroit』で競演したドナ・ディクソンと1983年に結婚、娘が3人いる。
  • 1981年に『ブルース・ブラザース』のプロモーションでベルーシと共に来日も果たした。その際には、ベルーシと共に吉祥寺のライブハウスも訪れている[7]。1990年代半ばにフジテレビのマスコット・キャラクターとして登場し、「またお会いしましたね」のフレーズで日本のテレビCMにも出演した。

フィルモグラフィ[編集]

映画[編集]

日本語吹替は主に玄田哲章がつとめている。

公開年 邦題
原題
役名 備考 吹き替え
1977 ダン・アイクロイドのひと目惚れ
Love at First Sight
ロイ
1978 モンティ・パイソンの ザ・ラットルズ
The Rutles: All You Need Is Cash
ブライアン テレビ映画 玄田哲章(東京12チャンネル版)
1979 1941
1941
フランク・トゥリー軍曹 内海賢二(TBS版)
横島亘(ソフト版)
1980 ブルース・ブラザース
The Blues Brothers
エルウッド・ブルース 兼脚本 小野ヤスシ(フジテレビ旧録版版)
ブラザー・コーン(フジテレビ新録版)
横島亘(BD版)
1981 ネイバーズ
Neighbors
ヴィク
1983 ダン・アイクロイドのDr.デトロイトを探せ!
Doctor Detroit
クリフォード / Dr.デトロイト
トワイライトゾーン/超次元の体験
Twilight Zone: The Movie
乗客 / 救急車のドライバー
大逆転
Trading Places
ルイス・ウィンソープ3世 広川太一郎(日本テレビ版)
安原義人(フジテレビ版)
牛山茂(テレビ朝日版)
古川登志夫(機内上映版)
1984 インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説
Indiana Jones and the Temple of Doom
ウェバー カメオ出演 加藤正之(日本テレビ版)
大塚明夫(ソフト版1)
古田信幸(テレビ朝日版)
志村知幸(ソフト版2)
ゴーストバスターズ
Ghostbusters
レイモンド・スタンツ博士 兼脚本 堀勝之祐(フジテレビ版)
広川太一郎(テレビ朝日版)
玄田哲章(ソフト版)
1985 眠れぬ夜のために
Into the Night
ハーブ 大川透
スパイ・ライク・アス
Spies Like Us
オースティン 兼脚本 橋本功
1987 ドラグネット 正義一直線
Dragnet
ジョー・フライアデイ 兼脚本 広川太一郎(テレビ朝日版)
1988 カウチ・トリップ
The Couch Trip
ジョン・W・バーンズ・ジュアニ
結婚の条件
She's Having a Baby
ローマン・クレイグ クレジットなし
大混乱
The Great Outdoors
ローマン・クレイグ 田中信夫
ボールズ・ボールズ2/成金ゴルフマッチ
Caddyshack II
トム・エヴェレット
花嫁はエイリアン
My Stepmother Is an Alien
スティーヴン・ミルズ 玄田哲章(日本テレビ版)
1989 ゴーストバスターズ2
Ghostbusters II
レイモンド・スタンツ博士 兼脚本 玄田哲章(ソフト版)
村山明(フジテレビ版)
安原義人(テレビ朝日版)
堀勝之祐(機内上映版)
ドライビング Miss デイジー
Driving Miss Daisy
ブーリー・ワサン 菅生隆之(VHS版)
津嘉山正種(NHK版)
不明(機内上映版1)
玄田哲章(機内上映版2)
1990 キャノンズ
Loose Cannons
エリス・フィールディング 江原正士
ハーレーダビッドソン&クレイジーライダー
Masters of Menace
ジョニー・ルイス
1991 絶叫屋敷へいらっしゃい
Nothing But Trouble
アルヴィン“J・P” ヴァルケンハイザー判事 / ボーボー 兼監督・脚本 内海賢二
マイ・ガール
My Girl
ハリー・サルテンファス 青野武(ソフト版)
玄田哲章(テレビ朝日版)
江原正士(機内上映版)
1992 ディス・イズ・マイ・ライフ
This Is My Life
アーノルド・モス 納谷六朗
スニーカーズ
Sneakers
マザー 安西正弘(ソフト版)
玄田哲章(日本テレビ版)
チャーリー
Chaplin
マック・セネット 玄田哲章
1993 コーンヘッズ
Coneheads
ベルダー(ドナルド・R・デ・チコ) 兼脚本 池田勝
1994 マイ・ガール2
My Girl 2
ハリー・サルテンファス 青野武(VHS版)
玄田哲章(テレビ朝日版)
ノース 小さな旅人
North
パ・テックス 有本欽隆
1995 トミーボーイ
Tommy Boy
ザリンスキー
キャスパー
Casper
レイモンド・スタンツ博士 カメオ出演 梅津秀行(DVD・BD版)
大川透(VHS版)
不明(日本テレビ版)
ジョン・キャンディの大進撃
Canadian Bacon
オンタリオ州の警官 カメオ出演 大滝進矢
レインボー
Rainbow
ワイアット・ハンプトン
1996 スティーブ・マーティンのSGT.ビルコ/史上最狂のギャンブル大作戦
Sgt. Bilko
ジョン・T・ホール大佐 玄田哲章
あやしい奴ら
Getting Away with Murder
ジャック・ランバート
ダンク・ブラザース/脱線ファンにご用心
Celtic Pride
ジミー
フィーリング・ミネソタ
Feeling Minnesota
ベン 稲葉実
元大統領危機一発/プレジデント・クライシス
My Fellow Americans
ウィリアム・ヘイニー大統領
1997 アロー
The Arrow
クロフォード・ゴードン テレビ映画
ポイント・ブランク
Grosse Pointe Blank
グローサー 玄田哲章
1998 ブルース・ブラザース2000
Blues Brothers 2000
エルウッド・ブルース 兼製作・脚本
アンツ
Antz
チップ 声の出演 島香裕
2000 しあわせの選択
Stardom
バリー・レヴィン
恋は負けない
Loser
ポールの父 玄田哲章
2001 パール・ハーバー
Pearl Harbor
サーマン 菅生隆之(ソフト版)
佐々木梅治(テレビ朝日版)
エボリューション
Evolution
ルイス州知事 玄田哲章(ソフト版)
菅生隆之(日本テレビ版)
スコルピオンの恋まじない
The Curse of the Jade Scorpion
クリス・マグルーダー 屋良有作
クモ男の復讐
Earth vs. the Spider
ジャック・グリロ テレビ映画
The Frank Truth - ドキュメンタリー N/A
2002 ノット・ア・ガール
Crossroads
ピート・ワグナー 小山武宏(ソフト版)
TBA(機内上映版)
夢見る頃を過ぎても
Unconditional Love
マックス 土師孝也
2004 50回目のファースト・キス
50 First Dates
キーツ博士 佐々木梅治
クランク家のちょっと素敵なクリスマス
Christmas with the Kranks
ヴィク 稲葉実
2007 チャックとラリー おかしな偽装結婚!?
I Now Pronounce You Chuck & Larry
タッカー署長
2008 エージェント・オブ・ウォー
War, Inc.
副大統領 広田みのる
2010 ヨギ&ブーブー わんぱく大作戦
Yogi Bear
ヨギ 声の出演 茶風林
2012 俺たちスーパー・ポリティシャン めざせ下院議員!
The Campaign
ウェイド・モッチ (吹き替え版なし)
2013 恋するリベラーチェ
Behind the Candelabra
シーモア・ヘラー
2014 オズ めざせ! エメラルドの国へ
Legends of Oz: Dorothy's Return
かかし 声の出演 三木眞一郎
タミー/Tammy
Tammy
ドン 日本劇場未公開
ジェームス・ブラウン 最高の魂を持つ男
Get on Up
ベン・バート 玄田哲章
2015 ピクセル
Pixels
司会者
2016 ゴーストバスターズ
Ghostbusters
タクシードライバー カメオ出演
兼製作総指揮
2019 ゾンビランド:ダブルタップ
Zombieland: Double Tap
本人役
2021 ゴーストバスターズ/アフターライフ
Ghostbusters: Afterlife
レイモンド・スタンツ博士 兼製作総指揮 玄田哲章
2023 Zombie Town レン・カーヴァー N/A
2024 ゴーストバスターズ/フローズン・サマー
Ghostbusters: Frozen Empire
レイモンド・スタンツ博士 兼製作総指揮 玄田哲章

テレビ[編集]

放映年 邦題
原題
役名 備考 吹き替え
1991 ハリウッド・ナイトメア
Tales from the Crypt
ロバート・ゼメキス監督の一編
1996-2000 PSI FACTOR 超常現象特捜隊
Psi Factor: Chronicles of the Paranormal
本人(ホスト) 計88話出演
1997-1998 Soul Man マイク・ウェバー 計25話出演 N/A
2011 ディフェンダーズ 闘う弁護士
The Defenders
マックス・ハンター判事 計2話出演
2017-2023 ワーキングママ
Workin' Moms
ケイトの父 計4話出演
2021 ザ・シンプソンズ
The Simpsons
Postage Stamp Fellow 声の出演
第32シーズン第11話「ある父親の物語」

脚注[編集]

  1. ^ 大塚高信(編) 編『固有名詞英語発音辞典』三省堂、2009年。ISBN 978-4385151960 
  2. ^ Dan Aykroyd の発音”. 発音辞書 Forvo. 2012年10月18日閲覧。
  3. ^ ダン・アイクロイドの ひと目惚れ”. allcinema. 2017年5月16日閲覧。
  4. ^ [1]
  5. ^ Knight, Richard Jr. (2008年12月19日). “Carrie Fisher's razorlike wit dissects her various realities”. Chicago Tribune. オリジナルの2018年4月11日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20180411174335/http://articles.chicagotribune.com/2008-12-19/entertainment/0812170618_1_daughter-of-debbie-reynolds-star-wars-bra 2018年4月11日閲覧。 
  6. ^ ロバート・ヒルバーン 著、奥田祐士 訳『ポール・サイモン 音楽と人生を語る』DU BOOKS、2020年3月25日、315頁。ISBN 978-4866471174 
  7. ^ http://bluespower-a.jugem.jp/?eid=18

関連文献[編集]

外部リンク[編集]