コンフォートデルグロ

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ComfortDelGro Corporation Limited
種類
公開
市場情報 SGX: C52
業種 陸上交通
車両検査
車両修理
屋外広告
保険代理店
設立 2003年3月29日 (21年前) (2003-03-29)
本社 205 Braddell Road, Singapore 579701
事業地域
Singapore, Worldwide
主要人物
Lim Jit Poh (Chairman)
Yang Ban Seng (CEO)
製品 交通関係のサービスを7カ国で展開
売上高 増加 S$3.75 billion SGD (December 2015)
利益
増加 S$327 million SGD (December 2015)
従業員数
20,275 (Q42012)
子会社 ComfortDelGro Australia
CityFleet Networks
Irish Citylink
Metroline
Adventure Travel
SBS Transit
Scottish Citylink
Moove Media
ウェブサイト comfortdelgro.com

コンフォートデルグロ(ComfortDelGro SGX: C52)は世界で2番目に大きな交通会社で、約46,200台[1]を運行している。2003年シンガポールコンフォートグループデルグロ・コーポレーションが統合し誕生した。

本部はシンガポールにあり、シンガポールの他に中国イギリスアイルランドオーストラリアベトナムマレーシアでも企業活動を行なっている[1]。2007年ではそれら他国での収入が約50%に達する。グループとしては今後5年間で海外での収入を70%まで引き上げることを目標としている。

コンフォートデルグロは世界中に子会社を所有している。SBSトランジットはシンガポールに2つある路線バス運行会社の1つ、VICOM Limitedは車両点検、テスト会社、ComfortDelGro Driving Centreはバイク、自動車の教習所、Metroline (イギリス), Vinataxi (ベトナム)など、交通に関する会社を所有しており、その他にもオーストラリアや中国にも子会社を所有している。

シンガポール[編集]

バス・鉄道[編集]

SBSトランジットの子会社ComfortDelgro Engineeringが改造したボルボ Super Olympian demonstrator
SBSトランジットのボルボ B9TL

コンフォートデルグロはSBSトランジットの株式を持ち、SBSトランジット自体もシンガポール証券取引所に上場(SGX: S61)している。SBSトランジットはシンガポール最大の路線バス運行会社で2,800台のバスを242のルートで走らせている。 マス・ラピッド・トランジット(MRT)では北東線ダウンタウン線(2014年開業)、ライト・ラピッド・トランジット(LRT)ではセンカン線プンゴル線を運行している。 ComfortDelGro Busというチャーターバスもあり、これはシンガポールで最大のチャーターバス会社で200社以上の顧客を持つ。また、マレー半島へのツアーサービスも行なっている。

SBSトランジットの1日平均の輸送人員[2]
2011 2012
バス 鉄道 バス 鉄道
1 2,499,764 479,488 2,502,579 513,232
2 2,407,956 462,422 2,656,166 516,881
3 2,525,379 473,044 2,599,039 512,857
4 2,529,607 473,819 2,588,379 507,860
5 2,488,470 471,687 2,606,904 515,012
6 2,427,359 482,303 2,505,754 519,545
7 2,609,269 502,146 2,670,787 531,032
8 2,555,034 489,654 2,643,235 527,838
9 2,577,544 497,396 2,607,288 530,928
10 2,520,090 501,584 2,610,997 532,144
11 2,474,271 495,914 2,551,998 534,455
12 2,305,976 479,318 2,410,283 538,196

タクシー[編集]

コンフォートタクシー
シティキャブ

シンガポール内で走っているコンフォートタクシー、シティーキャブがコンフォートデルグロであり、15,000台以上を運行する国内最大のタクシー会社である。 ComfortDelGro taxi booking system(コンフォートデルグロ・タクシー予約システム)はタクシー内の子機(in-vehicle Mobile Data Terminals (MDTs))をGSMのパケットデータ通信(GPRS)で繋いでおり、予約からピックアップまでがスムーズに行われている。今日では年間約2000万人がこの予約サービスを使っている。

レンタカー[編集]

ComfortDelGro Rent-A-Carは1,200台以上の車両でレンタカー、カーリースを行なっている。

車両工場・検査・教習所[編集]

ComfortDelGro Engineeringは毎月15,000台を超えるタクシー、3,000台以上の自家用車、2,000台以上の商用車を検査をしている。また、シンガポールの保険会社17社の代理店もしている。 VICOM Limitedは事故車の検査、査定をするセンターを7箇所持つ。 ComfortDelGro Driving Centreは日本の調布自動車学校と提携しているバイク、自動車の教習所。また、タクシーやバスなどの自社の養成機関としても使用している。

屋外広告[編集]

Moove Media2005年に旧コンフォートグループ系のComfort Adsと旧デルグロ・コーポレーション系のSBS Transit Advertisingを統合し設立された。2,800台以上のバス、15,000台以上のタクシー、14の駅などがMoove Mediaの扱っている広告スペースである。

論争[編集]

2012年にコンフォートデルグロのタクシーがフェラーリと事故を起こしタクシー運転手を含む3人が死亡し、2人が重症を負った[3]。ニュースはすべてのヒュンダイ・ソナタのタクシーにエアバッグがついていないことを明らかにした[4]

海外[編集]

バス[編集]

所有するメトロラインがロンドンで運行するEnviro400

中国[編集]

中国ではジョイントベンチャー企業の上海申新バスが上海で460台の路線バスを18のルートで運行おり、瀋陽康福德高安運バス(運行権は瀋陽安運グループ)は300台以上のバスを運行している。また、 Shenyang ComfortDelGro Bus Co, Ltdは省営のShenyang Passenger Transport Groupから20以上のバスルートを取得し、運行している。

イギリス[編集]

イギリスではいくつかの会社を所有しており、ロンドンではロンドンバスを運行するメトロラインアームチェアソープス(Thorps)をロンドン交通局ロンドンバス部の許可のもと運営している。2005年にアームチェアを取得してから、ロンドンを拠点とするバス会社との協力体制が強化された。2006年にはステージコーチグループ(Stagecoach Group)とジョイントベンチャーを設立し、イングランドスコットランド間をスコティッシュ・シティリンクメガバスのブランドで運行している。

アイルランド[編集]

シティリンク・アイルランドを運営おり、ダブリンゴールウェイリムリックコーク間のバス運行をしている。

オーストラリア[編集]

2005年ComfortDelGro Cabcharge Pty Ltd.ニューサウスウェールズ州に拠点を置くオーストラリア最大のバス会社ウエストバスグループを取得し、オーストラリア市場に参入した。ComfortDelGro Cabcharge Pty Ltd.の株式49%はCabcharge Australia Limitedが保有している。2006年にはニューサウスウェールズ州で路線バスを運行するHolroyd Bus Lines Pty Ltd.を取得し、2007年7月にはニューキャッスル州とニューサウスウェールズ州で運行するToronto Bus Servicesを取得した。2008年11月にビクトリア州のオーストラリアで4番目に大きいバス会社Kefford Groupを取得した。

タクシー[編集]

中国では8,800台近くのタクシーを運行している。運行している都市は北京上海瀋陽市成都市蘇州市煙台市衡陽市廈門市南寧市南京市吉林市

イギリスではロンドンコンピューターキャブコンピューターキャブ(エジンバラ)コンピューターキャブ(アバディーン)を所有し、4,000台近くのタクシーをComCab、DataCab、Call-A-Cab、Local Taxisのブランドで運行している。コンフォートデルグロはエディンバラのハイヤー会社、Onward Travel Limitedも所有しており、エジンバラ空港から高級空港ハイヤーサービス認定を受けている。2007年にはバーミンガムのタクシー、ハイヤー会社を買収し、コンピューターキャブ(バーミンガム)へと社名を変更した。

ベトナムではホーチミンベトナムタクシーを所有し967台のタクシーを運行している。また、州営であったSaigon General Service Corporation (Savico)とComfortDelGro Savico Taxiを設立し、300台以上を運行し、タクシーのコールセンター、修理工場を運営している。

レンタカー・カーリース・車両検査工場[編集]

中国では北京でBeijing ComfortDelGro Yin Jian Auto Servicesが900台以上の車両、成都ではSichuan ComfortDelGro Car Servicingがレンタカー、カーリースをおこなっている。 2004年にはChengdu Jitong Integrated Vehicle InspectionBeijing Tian Long Da Tian Vehicle Inspectionを取得し、自動車部品の販売、車両検査センターの運営を行なっている。

マレーシアではクアラルンプールCityLimo Leasing (M) Sdn Bhd、Pantas Rent-A-Car Sdn BhdDynaDrive Rent-A-Car Sdn Bhd.が460台の車両でレンタカー、カーリースを行なっている。

カーディーラー[編集]

中国の蘇州市ではSuzhou Auto Hiring Companyとジョイントベンチャーを組み、230以上の店舗でトヨタ車の販売を行なっており2007年には1,004台を売上、トヨタディーラー世界一(Toyota's Number One Dealer award)を受賞した。

脚注[編集]

外部リンク[編集]