CodeWarrior

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CodeWarrior(コードウォーリア)は、メトロワークスが開発した統合開発環境である。日本では1994年から株式会社ビー・ユー・ジー(現在のビー・ユー・ジーDMG森精機)が総代理店業務を開始した。1996年にメトロワークスの日本法人であるメトロワークス株式会社が設立されたが、ビー・ユー・ジーは引き続き、CodeWarriorの代理店業務を続けた。

CodeWarriorがMacintosh用の開発ツールの市場を席巻したきっかけは、モトローラ68000 (68K) シリーズからPowerPCへのMPUの移行であった。Appleの純正開発ツールである「MPW」や、68K時代には圧倒的なシェアを持っていたシマンテックの「THINK C英語版」のPowerPCへの移行が遅れ、いち早くPowerPCの対応を行ったCodeWarriorがMacintoshの開発ツールとして市場を独占するようになった。言語としてはCC++PascalおよびJavaをサポートしていた。

その後、CodeWarriorは対応プラットホームを増やし、Macintosh以外に、WindowsSolarisLinuxJavaPalmMagicCapBeOSPlayStationPlayStation 2ドリームキャストNINTENDO64ニンテンドーゲームキューブニンテンドーDSWiiなどの開発を行えるようになった。また組み込み機器の開発も可能で、68000PowerPCColdfireStarCoreMIPSSuperH (SH)V850などのCPUをサポートした。

Macintosh版は、Mac OS Xの時代になってもしばらくは、Carbonの開発環境として影響力を残し、Classic Mac OSから開発が続けられているソフトウェアのほとんどはCodeWarriorを利用して開発されていた。しかし、Mac OS Xでの開発の主流は、無料の純正開発環境であるXcodeを用いたCocoaフレームワークでの開発に移行していった。CodeWarriorもCocoaへの対応をおこなったが、MacintoshのIA-32移行への対応を行わず、2005年に開発を終了した。アップルではCodeWarriorからXcodeへ移植するためのドキュメントを用意した[1]

現在は半導体メーカーであるフリースケール・セミコンダクタが自社の半導体用の開発ツールとして開発・販売を行っている。

名称の起源[編集]

1990年代、アップルは、Apple Developer Group(現在のApple Developer Connection)の活動の一環として、Macintoshのサンプルソースコードなどを含めたCD-ROMの配布を行っていた。これらのCD-ROMでは、その初期に、ソースコードの記述に関するギミックを、有名な映画のタイトルにもじって副題として付けていた。例(「The Hexorcist(ザ ヘクゾシスト)」「Lord of the Files」「Gorillas in the Disc」など)。

これらシリーズのなかで、vol.9にて「Code Warrior」が登場する。これは映画作品マッドマックス2(原題、Mad Max2:The Road Warrior)にちなんで付けられた。(ただし、最初の「Code Warrior」という言葉は、1987年に、Tech III Inc.が「Code of the Code Warriors」というドキュメントで使っている)。この後にも、この副題は、さらにさまざまなものが発表されるが、Metrowerksはこれを製品名として使用した。

Core Warriorのパッケージは、「Blood, Sweat and Code」(血と汗とコード)というキャッチフレーズとともに、シマンテックのTHINK Cと競争していた。

脚注[編集]

  1. ^ Apple Inc. (2005年8月11日). “XcodeへのCodeWarriorプロジェクトの移植に関する概論”. 2008年4月24日閲覧。

外部リンク[編集]