緑の日々

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
CITY NIGHTSから転送)

緑の日々」(みどりのひび)は、小田和正作詞・作曲による、オフコースの曲。1984年9月21日に通算27枚目のシングルとして発売された。後に小田自身によるセルフ・カヴァーが1993年3月25日に通算10枚目のシングルとして発売された。

オリジナル[編集]

緑の日々
オフコースシングル
初出アルバム『The Best Year of My Life
B面 CITY NIGHTS
リリース
規格 7"シングルレコード
ジャンル ポップス
ロック
レーベル EXPRESS ⁄ FUNHOUSE
07FA-1011
作詞・作曲 小田和正(緑の日々)
JIMMY COMPTON, PHILIP H.RHODES, KAZUMASA ODA / KAZUMASA ODA (CITY NIGHTS)
プロデュース オフコース
チャート最高順位
  • 週間14位(オリコン
  • 1984年10月度月間17位(オリコン)
  • 1984年度年間158位(オリコン)
  • 登場回数8回(オリコン)
オフコース シングル 年表
  • 緑の日々
  • (1984年 (1984)
  • call
  • (1985年 (1985)
The Best Year of My Life 収録曲
SIDE A
  1. 恋びとたちのように
  2. 夏の日
  3. 僕等の世界に
  4. 君が、嘘を、ついた
SIDE B
  1. 緑の日々
  2. 愛を切り裂いて
  3. 愛よりも
  4. 気をつけて
  5. ふたりで生きている
テンプレートを表示

解説[編集]

「緑の日々」は、アルバムオフコースThe Best Year of My Life[注 1]からのシングル・カット曲で、アルバム収録曲と同内容。シングル・リリース当時、小田の演出でプロモーション・フィルムが制作され、『ロッキー』と『天国から来たチャンピオン』をあわせたようなストーリーで、メンバーの清水仁が元世界チャンピオンのボクサーを演じた。共演は清水の恋人役に高樹沙耶、店のボーイに扮した天国の神様役に武田鉄矢がそれぞれ出演。さらに、ボクシング・ジムでの清水の練習シーンにはトレーナー役としてエディ・タウンゼントも出演し、11分を超える作品となった。カメラマンは、後に小田の第1回映画監督作品『いつか どこかで』にも携わる西浦清。小田は「この時は、(清水)仁が1か月くらい、ボクシング・ジムに通ってね。俺はボクシングが好きで、トレーナー役に、エディ・タウンゼントさんに出てもらった。仁は、自分からジムに通いたいって言いだしたんだ。あいつ、やるとなると徹底的にやるんだ。この時は、北海道に行って撮影したり、そのうちなんだか、どんどんエスカレートして、車がぶつかるスタント・シーンをやろう、とか。そんなふうに、一つの曲からエピソードを膨らませて作った」[1]とインタビューで答えている。この曲は後に小田がエンディングに新たな歌詞を追加してセルフ・カヴァーし、シングルとしてリリース、後にセルフ・カヴァー・アルバム小田和正LOOKING BACK[注 2]に収録した。

「CITY NIGHTS」はアルバム『over[注 3]収録曲「哀しいくらい」の改作で、同曲のメロディーに新たに英語詞をつけた作品。作詞を担当したJIMMY COMPTONは当時のスタッフの知り合いで、全曲英語詞のアルバム『Back Streets of Tokyo[注 4]リリースよりも以前の1983年3月、アメリカのキャピトル・レコードとの契約を目指して9曲ほど制作されたデモ・テープのうちの一曲。以前からアルバムのミックス・ダウンでアメリカを訪れた際、オフコースはアメリカのレコード会社とコンタクトが取れないかと努力していた。当時、東芝EMIからキャピトル・レーベルの作品がリリースされていた関係で、ロスアンゼルス滞在時には、そのオフィスを表敬訪問した。小田は「現地のプロデューサーに会った。その人の家に行ったりして、急に海外が近づいたような気がした。でも、今思えば、それはただの社交辞令だったんだよ。もちろん、日本でアメリカの音楽を追っ掛けていても、それがアメリカでのニーズになるわけないのは知ってたよ。だけど、もし可能なら向こうでやりたい、というのはあったんだ」[2]とインタビューで答えている。さらにジョージ・マーティンとも会ったという。小田は「ロンドンのエアー・スタジオってところで会った。あの人は、スター・プロデューサーって感じじゃなくて、いい意味でビジネスライクで、エンジニア気質の、そんな人だった。もし機会あったら、オフコースやりたい、みたいな、そんなことも言ってくれたけど、“ともかく、日本語ではダメだ”と。“ビートルズは、幸いなことに英語だった。だからアメリカに行けたんだ”。その時、ジョージ・マーティンは日本のプロジェクトに興味を持っていた。やりたいという意向もあった。しかし、結局は実現しなかったな」「でもやるからには、“何とか英語の詞を”って、そう思った。東京戻って、スタッフの知り合いのジミーってイギリス人と組んで、10曲くらい、英語の詞を書いたな。デモ・テープ作って、そいつと一緒にキャピトル行って、前から知り合ってた人間に、聴かせたんだ」[2]という。しかし、このデモ・テープはレコード会社に受け入れられず、オフコースの全米進出は一旦頓挫した。小田は「ボロクソ言われたんだ。ジミーは、落ち込んじゃって。事務所の連中とかメンバーは、ハワイに社員旅行で、俺ら、ロスからハワイで合流することになって。みんな、期待してたんだよ。アメリカで契約取れたかなぁ、みたいにさ。でも、俺はしまいに、そのジミーって奴と空港からホテルへ向かう車の中で、喧嘩になっちゃってさ。でも、ジミーから、俺は色々と、わからなかった英語の発音とか、教えてもらった。いい奴だったんだよ。でも、アメリカは、そんなに甘くはなかったよな」[2]と振り返っている。結局この時のデモ・テープのレコーディングの中から「CITY NIGHTS」のみがリリースされた。

ジャケット撮影は夏の真っ最中に行われたため、秋物を着ているメンバーも、まわりのスタッフも汗だくだったという。また、小田がかけている眼鏡は度が入っていないという。アナログ盤のEPレコードの初回盤は、ライトグリーンのクリアビニール仕様でリリースされた。

収録曲[編集]

SIDE A[編集]

  1. 緑の日々
    作詞・作曲:小田和正

SIDE B[編集]

  1. CITY NIGHTS
    作詞:JIMMY COMPTON, PHILIP H.RHODES, KAZUMASA ODA 作曲:KAZUMASA ODA
    アルバム未収録曲

クレジット[編集]

小田和正のセルフ・カヴァー[編集]

緑の日々
小田和正シングル
初出アルバム『LOOKING BACK』/『あの日 あの時
B面 緑の日々(オリジナルカラオケ)
リリース
規格 8cmCDシングル
ジャンル J-POP
レーベル Little Tokyo ⁄ FUNHOUSE
FHDL-1008
作詞・作曲 小田和正
プロデュース 小田和正
チャート最高順位
  • 週間19位(オリコン
  • 登場回数7回(オリコン)
小田和正 シングル 年表
  • 緑の日々
  • (1993年 (1993)
LOOKING BACK 収録曲
  1. 君との思い出
  2. 昨日 見た夢
  3. もっと近くに
  4. 緑の日々
  5. Yes-No
  6. 風に吹かれて
  7. 愛を止めないで
  8. 夏の終り
  9. やさしさにさようなら
  10. 秋の気配
  11. 僕の贈りもの
テンプレートを表示

解説[編集]

小田和正による「緑の日々」のセルフ・カヴァーは当初シングルのみでリリースされた、1984年に制作されたオフコース時代の楽曲のセルフ・カヴァー。この曲はTBC ブライダル・キャンペーン・ソング(出演:古柴香織)に使用され、後にセルフ・カヴァー・アルバム『LOOKING BACK[注 2]及びオールタイム・ベストあの日 あの時』Disc 1に収録された。

収録曲[編集]

  1. 緑の日々
    作詞・作曲・編曲:小田和正
    TBC ブライダルキャンペーンソング
  2. 緑の日々(オリジナルカラオケ)

参加ミュージシャン[編集]

  • CHIAKI YOSHIIKE - Ba.
  • KEIICHI HIDAKA - Gt.
  • HIDEKI MOCHIZUKI - Syn. & Dr. Prog.
  • & K.ODA

香港におけるカヴァー[編集]

緑の日々


脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ The Best Year of My Life1984年6月21日発売 FUNHOUSE LP:28FB-2002
  2. ^ a b LOOKING BACK1996年2月1日発売 Little Tokyo ⁄ FUNHOUSE CD:FHCL-2003
  3. ^ オフコース『over1981年12月1日発売 EXPRESS ⁄ TOSHIBA EMI LP:ETP-90150
  4. ^ オフコース『Back Streets of Tokyo1985年8月1日発売 FUNHOUSE LP:28FB-2020

出典[編集]

  1. ^ 『YES-NO 小田和正ヒストリー』株式会社角川書店、1998年、209-236頁。ISBN 4-04-883529-7。"映画は人生最大の「企画」"。 
  2. ^ a b c 『YES-NO 小田和正ヒストリー』株式会社角川書店、1998年、147-178頁。ISBN 4-04-883529-7。"ザ・ベスト・イヤー・オブ・マイ・ライフ〜四人のオフコース〜"。 

外部リンク[編集]

UNIVERSAL MUSIC
SonyMusic