By My Side

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By My Side
来生たかおスタジオ・アルバム
リリース
録音 1978年5月17日 - 8月19日
ポリドールスタジオ、ポリドール伊豆スタジオ〈リミックス〉)
ジャンル ニューミュージック
時間
レーベル キティレコード
プロデュース 多賀英典
来生たかお アルバム 年表
ジグザグ
(1977年)
By My Side
(1978年)
Natural Menu
(1979年)
『By My Side』収録のシングル
  1. 「片隅にひとり」
    リリース: 1978年10月1日
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By My Side』(バイ マイ サイド)は、1978年にリリースされた来生たかおの3枚目のオリジナルアルバム(LP規格品番:MKF-1035〉/CT〈規格品番:CKG-1038〉)である。

概要[編集]

※原則的に、来生たかおは“来生”に省略、来生えつこは“来生えつこ”と表記。

本アルバムまでは、来生が歌手デビューする前に姉弟で書き溜めていた楽曲も収録されており、来生えつこは、歌詞に関するディレクターからの提案等もまだなく、その内容は割と自由だったと語っている[1] 。また、レコード会社から期待されていた『浅い夢』『ジグザグ』がセールス的に振るわなかったため、本作からは周辺も“まぁ、ゆっくりやろう”という空気になったという[2]

ジャケットには、コーデュロイのジャケットにハンチング帽で葉巻を吹かした来生自身のポートレートが使われており、銀座まで行って誂えたというそのコスチュームはギルバート・オサリバンの初期のスタイルを意識したものである[3]

復刻盤[編集]

パッケージの体裁[編集]

アルバムタイトル[編集]

※初出のジャケット表記“By My Side”以外のもの

ジャケット
  • 1986年版CD・1991年版CD:“BY MY SIDE”
ケースの側面部
  • LP:“By My Side”“ここへおいでよ”の併記
  • CT:?
  • 1986年版CD・1991年版CD・1995年版CD・2007年版CD:“BY MY SIDE”
  • LP:“By My Side”“ここへおいでよ”の併記
  • 1986年版CD:“バイ・マイ・サイド”“BY MY SIDE”の併記
  • 1991年版CD:“バイ・マイ・サイド”
  • 1995年版CD:“BY MY SIDE”

“ここへおいでよ”というフレーズはメインタイトルとして扱われることもあったが、CD化以降、表記自体が用いられていない。

CD-BOX『来生たかお大全集』では“BY MY SIDE”と紹介されるなど、各種ディスコグラフィーによっても表記は片仮名やアルファベットになっている。

ディスクジャケット[編集]

  • 1986年版CD:ジュエルケースにブックレットを挿入
  • 1991年版CD:ジュエルケースに1986年版CDのものを基調としたブックレットを挿入
  • 1995年版CD:ジュエルケースに2つ折りのカード(及び、LP版のものを基調とした歌詞カード、既出オリジナル・アルバムのディスコグラフィー)を挿入
  • 2007年版CD:ジュエルケースに2つ折りのカード(及び、LP版のものを基調とした歌詞カード)を挿入(及び厚紙製ケース付き)

帯のコピー[編集]

  • LP:やさしさをありったけ 君にあげるよ きっと……… 来生たかお待望のサード・アルバム(前半部分は収録曲「涙嫌い」の一節)
  • LP:来生たかおフェア 確かな音楽活動と優しさに裏打ちされた来生たかおの世界を、今あなたのライブラリーに! 作曲家来生の評価を確立させた珠玉の名曲揃い!
  • 1986年版CD:“CDオリジナル・セレクション”“10th anniversary -since 1976-”との記載あり(帯はシール仕様)
  • 1991年版CD:記載なし
  • 1995年版CD:絶妙のコンビネーションを誇る来生姉弟の魅力満載、サードアルバム。 「片隅にひとり」、「オレンジ通り五番街(振り向いてアベニュー)」収録。(“20th anniversary”の記載あり)

収録曲[編集]

全作詞:来生えつこ 全作曲:来生たかお

SIDE 1[編集]

  1. 片隅にひとり(3:32)
    • 編曲:星勝
    • 第5弾オリジナル・シングル(1978年10月1日リリース)で、ジャケット写真は本アルバムと同じものが使用されている。
    • 来生えつこは、曲調通り歌謡曲を意識し、虚無感が漂う泥臭い都会の風情を描いたという。また、前川清等、ムード歌謡の歌手が歌っても良いと語っている[4]
  2. 僕のユーモレスク(3:28)
  3. ふたり(3:50)
    • 編曲:鈴木茂
    • 永井美智子とのデュエット曲で、初めからデュエットを想定して作られたという[6]
    • 実際にリリースされた姉弟作品の中で、初めて歌詞の中に“愛”という文字が入っているが、来生えつこによれば、それまで気恥ずかしさから意図的に“愛”という言葉の使用を避けていた(“恋”で代替していた)という[1]
  4. プリズムストーリー(2:38)
  5. 窓を開けますか(6:30)

SIDE 2[編集]

  1. 振り向くならせめて(3:28)
    • 編曲:井上鑑
    • 第5弾オリジナル・シングル「片隅にひとり」(1978年10月1日リリース)のB面にも収録されている。
  2. 涙嫌い(3:59)
    • 編曲:松任谷正隆
    • 井上純一がシングル(1983年)としてカヴァーし、倉橋ルイ子が来生作品のみで構成したアルバム『THANKS』(1983年12月1日リリース)でカヴァーしている。
    • 来生えつこによる同名小説(祥伝社/1997年)も書かれている。
  3. ひとくち助言(2:43)
    • 編曲:鈴木茂
    • 楽曲自体は、前アルバム『ジグザグ』制作時に既に作られており、不意に思い付いたタイトルを含め、歌詞は手直しもなくスムーズに完成したという[8]
  4. 官能少女(3:26)
    • 編曲:松井忠重
    • “少女”と“女”の間を擦り抜ける女の子に翻弄される男の子が描かれた歌詞は、来生えつこ自身、良い出来と述べている。歌詞に登場する“魚座”は、文字数、語感、“浮気っぽい雰囲気”ということで選ばれた。来生えつこ自身の星座でもある[9]
    • フジテレビ系アニメ『みゆき』において来生の楽曲が挿入歌として使用されており、この曲もその中の1つである。
  5. オレンジ通り五番街(振り向いてアベニュー)(3:45)

参加ミュージシャン[編集]

記載なし

参加スタッフ[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b CD-BOX『Times Go By』(2001年3月)付属冊子の対談“来生たかお×来生えつこ”
  2. ^ テレビ朝日系音楽番組『Music & Talk あの曲この人』第3回(1995年)
  3. ^ 日本テレビ系音楽番組『FAN』(1995年)
  4. ^ キティサークル公認ファンクラブ「TAKAO CLUB OSAKA」の会報『I Will...』No.22(1990年8月)
  5. ^ 『I Will...』No.45(1994年6月)
  6. ^ 『I Will...』No.24(1990年12月)
  7. ^ ファンクラブ「TAKAO CLUB」の会報『égalité』vol.16
  8. ^ 『I Will...』No.29(1991年10月)
  9. ^ 『I Will...』No.30(1991年12月)