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AITalk

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

AITalk(エーアイトーク)とは、株式会社エーアイが提供する音声合成エンジンである。正式名はAITalk®

概説

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人の声で合成する技術である「コーパスベース音声合成方式」と、最新の深層学習技術を活用した「DNN音声合成方式」を、利用シーンに合わせて選択することで、さらなる人間らしさ・豊かな音声を追求した高品質音声合成エンジン。15名以上の日本語話者や関西弁話者の製品に加え、40言語以上の外国語にも対応した製品・サービスもある[1]

バージョン

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AITalk
2007年4月提供開始。2010年6月のVer.3.2までバージョンアップが続けられた。この時点で基本的な機能は既に備わっており、文章をそのまま読み上げ、出力することが可能。Ver.3.0では、日本語解析処理の改良に伴い、より自然な発音が可能となった。
AITalk II
2012年6月提供開始[2]。ルビ機能が追加され、ルビを振ることによって表記と違う発音をさせることが可能になった。また、抑揚の調整が可能となった。入力した文章全体に対しての適用となる。
AITalk 3
2013年6月提供開始[3]。アクセント句(フレーズ)単位での調整が可能となった。この範囲変更には、AITalk IIで実装された抑揚調整機能も含まれる。2013年11月には、エーアイ社のHP限定で出力できるデモ版として、関西風話者が追加され、その後「かんたん! AITalk II Plus」の追加パックとして提供されていた。ただし長い間AITalkの話者としてはβ版扱いでの提供となっていた。
AITalk 4
2015年6月提供開始[4]。感情表現が可能となり、喜・怒・悲の3種類に対して、個別にパラメータを設定することができる。ただし、AITalk 4標準の話者では、喜のみが2人・完全対応が2人のみと非常に限られている。2017年8月には「AITalk 4.1」にアップデートされ、感情表現完全対応話者が1人増加した他、長らくβ版であった関西風の話者2人が製品版へ昇格した。
AITalk 5.0
2020年4月提供開始[5]。従来型の「コーパスベース音声合成方式」に加え、ディープラーニングを活用した「DNN音声合成方式」を、利用シーンに合わせ選択することができる。
また、エーアイ自社の個人向けブランドとして「A.I.VOICE」(エーアイボイス、略称アイボス)シリーズのリリース(2021年2月22日)が発表されている。当シリーズでは波形合成のみの実装となるが、新たに別のライブラリの口調を模倣できるボイスフュージョンが実装される。また、個人・法人問わず参入費用を最小に抑えることができる参入プラン「A.I.VOICE Junior」が創設された。2022年10月12日には法人向けサービス「A.I.VOICE Biz」の展開が始まった。
AITalk 6
2023年10月発表[6]。AITalk5による「DNN音声合成方式」の検証や新たな学習を踏まえて品質改善を行い、より自然な音声合成を実現している。当エンジンを搭載し、DNN音声合成方式にも対応した「A.I.VOICE 2」シリーズが2023年12月22日からWindowsに加え、macOSでも展開されることが発表された[7]

音声合成デモンストレーション

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2023年11月現在、エーアイの音声合成デモンストレーションページにて、下記音源の試用ができる。

  • 日本語(女性)
    • 波形接続方式(感情表現あり)、DNN方式対応 : のぞみ、かほ
    • 波形接続方式のみ対応:しおり(感情表現あり)、ゆみこ、かのん、つばさ、あかり、ななこ
  • 日本語(男性)
    • 波形接続方式(感情表現あり)、DNN方式対応 : せいじ、たいち 、けんた
    • 波形接続方式のみ対応:おさむ
  • 日本語(子供)
    • 波形接続方式のみ対応:あんず、ちひろ、こうたろう、ゆうと
  • 日本語(男性・関西弁風)
    • 波形接続方式のみ対応:やまと
  • 日本語(女性・関西弁風)
    • 波形接続方式のみ対応:みやび

使用製品

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ソフトウェア

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VOICEROIDシリーズ
発売元はAH-Software
ギャラ子talk
発売元はヤマハ。「ギャラ子 NEO」に同梱されている。
音街ウナTalk Ex
発売元はインターネット
ガイノイドTalk 鳴花ヒメ・ミコト
ガイノイドTalk flower
以上2作の発売元はガイノイド。
A.I.VOICEシリーズ
  • 琴葉茜・葵(日本語、英語、中国語)
  • 伊織弓鶴
  • 羽ノ華
  • 栗田まろん
  • 紅桜ショウガ
A.I.VOICEアナウンス部
  • 結城香
  • 潮崎かずき
  • 日ノ出賢
  • 風見壮一
以上の発売元はエーアイ。
  • 結月ゆかり
  • 紲星あかり
以上の発売元はVOCALOMAKETS。
発売元はメカニカルガール。
発売元はインターネット
  • 咲ちゃん
発売元はついなちゃんプロジェクト。
  • 紡乃世詞音
発売元はKADOKAWA
発売元はヤマハ。
  • ユニティちゃん
ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン
A.I.VOICE Junior
A.I.VOICE Juniorは発売時Juniorの表記が外されA.I.VOICEとして販売される。
  • タンゲコトエ
  • 式狼縁・式大元
  • RIA
  • 来果
  • 青山龍星
  • 夜語トバリ
  • カキョウヨサリ

その他製品

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クマ・トモ
Pepper
#コンパス 戦闘摂理解析システム
全国瞬時警報システム(J-ALERT)
CommU

ウェブサービス

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AITalk CustomVoice

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2012年提供開始。AITalkの特徴である、少ない収録時間でオリジナル音声合成辞書を作成するサービスをより高品質に、より手頃な価格にしたサービス[8]

株式会社エーアイ

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株式会社エーアイ
AI,Inc.
種類 株式会社
機関設計 監査等委員会設置会社
市場情報
東証スタンダード 4388
2018年6月27日上場
本社所在地 日本の旗 日本
113-0024
東京都文京区西片1-15-15 KDX春日ビル10F
設立 2003年4月1日
業種 情報・通信業
法人番号 8010001127602
事業内容 音声関連技術の研究開発及び関連するサービス・ソリューションの企画・提供
代表者 代表取締役社長 廣飯伸一
資本金 1億円
(2025年3月現在)
発行済株式総数 7,004,298株[9]
売上高 連結:14億8603万7000円
(2025年3月期)[9]
営業利益 連結:1億903万5000円
(2025年3月期)[9]
経常利益 連結:1億3018万5000円
(2025年3月期)[9]
純利益 連結:△1803万9000円
(2025年3月期)[9]
純資産 連結:25億1804万8000円
(2025年3月31日現在)[9]
総資産 連結:29億6021万4000円
(2025年3月31日現在)[9]
従業員数 連結:110人
(2025年3月31日現在)[9]
決算期 3月31日
会計監査人 監査法人A&Aパートナーズ[10]
主要子会社 株式会社スーパーワン
株式会社Lapis Live
外部リンク https://www.ai-j.jp/
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株式会社エーアイは、東京都文京区に本社を置く音声合成技術を主な製品・サービスとして提供する企業。代表取締役社長は廣飯 伸一。 代表的な製品・サービスには「A.I.VOICE」シリーズをはじめとした製品に搭載されている音声合成エンジン「AITalk」や、吸収合併したコエステ株式会社から継承した音声合成ウェブサービスの「コエステーション」「CoeAvatar」などがある。

概要

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国際電気通信基礎技術研究所(ATR)研究成果展開業務に従事していた吉田大介が音声技術コーパスの技術に着目し、研究成果の事業部隊を作る目的として2003年4月に設立[11]

沿革

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  • 2003年(平成15年)4月 - 東京都文京区小石川に会社設立[12]
  • 2008年(平成20年)2月 - 本社を東京都港区芝に移転。
  • 2009年(平成21年)9月 - 本社を東京都文京区西片に移転。
  • 2011年(平成23年)4月 - 本社を東京都文京区本郷に移転。
  • 2014年(平成26年)9月 - 本社を東京都文京区西片に移転。
  • 2018年(平成30年)
    • 5月 - 東京証券取引所がマザーズ市場への上場を承認[13]
    • 6月 - 東京証券取引所マザーズ市場に上場。
  • 2023年(令和5年) 6月 - グローリー株式会社が保有していた株式会社フュートレックの株式を、株式公開買い付け(TOB)の実施により取得[14]
  • 2024年(令和6年)
    • 1月 - 株式会社フュートレックと経営統合に関する基本合意書を締結。
    • 4月 - 株式会社Lapis Liveの株式を取得し子会社化[15]
    • 9月 - 完全子会社の株式会社ATR-Trekを吸収合併[16]
    • 10月 - 株式会社フュートレックと経営統合。
  • 2025年(令和7年)
    • 12月 - 東京証券取引所スタンダード市場に市場変更[17]

事業所

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過去の事業所

脚注

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  1. ^ 音声合成 AITalk® とは?
  2. ^ 音声合成のエーアイが、新製品AITalk ® Ⅱを6月より販売開始 新製品販売開始を記念して特別価格キャンペーンを開催
  3. ^ 音声合成のエーアイが、新製品AITalk ®3を6月3日より販売開始 新製品販売開始を記念して声の職人50%OFFキャンペーンも開催
  4. ^ 感情表現対応!AITalk®利用の読み上げソフト 「VOICEROID2」6/9より新発売~声優・榊原ゆいゲストの4/25AHS公式生放送で詳細大公開~
  5. ^ エーアイ、次世代音声合成「AITalk5.0」紹介ページを新規公開
  6. ^ エーアイ、進化した新世代DNN音声合成エンジン「AITalk6」を発表。品質が向上し、自然で豊かな表現が可能に。”. エーアイ (2023年10月12日). 2023年11月11日閲覧。
  7. ^ エーアイ、「AITalk6」が搭載された個人向け「A.I.VOICEⓇ2」2023年12月22日発売決定~第1弾は「琴葉 茜・葵」「伊織 弓鶴」「結月ゆかり」「紲星あかり」”. エーアイ (2023年10月12日). 2023年11月11日閲覧。
  8. ^ 音声合成のエーアイが、オリジナル音声合成辞書作成サービスAITalk(R)CustomVoiceの提供を開始
  9. ^ a b c d e f g h 2025年3月期有価証券報告書エーアイ
  10. ^ 会計監査人の異動に関するお知らせエーアイ 2025年5月14日
  11. ^ 「巻頭インタビュー 音声合成ソフト、読み上げ、人工・電子音声の開発と販売 さまざまな感情を伝える自然な「音声合成技術」を社会に提供! 株式会社エーアイ 代表取締役 吉田大介」『近代中小企業 : kinchu』第52巻第4号、中小企業経営研究会、2017年4月、4-5頁、全国書誌番号:01010159 
  12. ^ 株式会社 エーアイ 沿革”. エーアイ. 2025年11月23日閲覧。
  13. ^ “音声合成のエーアイ 東京証券取引所マザーズ市場への上場承認に関するお知らせ” (PDF) (Press release). エーアイ. 23 May 2018. 2025年11月23日閲覧.
  14. ^ “フュートレック&エーアイ、日本発「音声連合」が挑む難所”. 会社四季報オンライン (東洋経済新報社). (2024年1月29日). https://shikiho.toyokeizai.net/news/0/728905 2025年11月24日閲覧。 
  15. ^ エーアイ、Vライバー事務所のLapis Liveを買収”. 日本M&Aセンター (2025年7月18日). 2025年11月24日閲覧。
  16. ^ エーアイ、完全子会社のATR-Trekを吸収合併”. 日本M&Aセンター (2025年3月26日). 2025年11月24日閲覧。
  17. ^ 東京証券取引所スタンダード市場への市場区分変更承認に関するお知らせエーアイ 2025年11月28日

外部リンク

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