貴金属比

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。116.91.227.181 (会話) による 2021年1月4日 (月) 09:19個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (第n貴金属比とその逆数の差がnである事を明確化)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

数学において、貴金属比(ききんぞくひ、英語: metallic ratio)とは、

n は自然数)

で表されるのことである。

線分a : b が第n貴金属比であるとは、

が成り立つことを意味する。

貴金属数(ききんぞくすう、英語: metallic number)という。第n貴金属数 Mn は、逆数との自然数 n である正の実数、つまり

n は自然数)

で特徴付けられる。

貴金属数

貴金属数
n n貴金属数 小数展開 オンライン整数列大辞典 別名
0 1
1 1.6180339887… A001622 黄金数
2 2.4142135623… A014176 白銀数
3 3.3027756377… A098316 青銅数
4 4.2360679774… A098317
5 5.1925824035… A098318
6 6.1622776601… A176398
7 7.1400549446… A176439
8 8.1231056256… A176458
9 9.1097722286… A176522
n

自然数 n に対して、n 貴金属数は、二次方程式 x2nx − 1 = 0 の正の解であり、

である。

貴金属数の累乗

連分数表示

貴金属数の連分数表示は

である。

数列の商の極限

黄金数(第1貴金属数)が、フィボナッチ数列の隣接2項の商の極限で表されるように、一般に第 n 貴金属数にも、隣接2項の商の極限となる数列が存在する。

数列 {Mk} を、漸化式

で定義すると、この一般項は、第 n 貴金属数を μ として、

で表される。このとき、この数列の隣接2項の商は、k → ∞ のときに μ に収束する。すなわち、

が成り立つ。

青銅比

青銅比(せいどうひ、英語: bronze ratio)は、

である。近似値は 1 : 3.303。貴金属比の一つ(第3貴金属比)。

青銅比において

は、二次方程式 x2 − 3x − 1 = 0 の正の解であり、これを青銅数(せいどうすう、英語: bronze number)という。

青銅数を連分数で表すと

となる。

関連項目