監視社会
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監視社会(かんししゃかい)とは、警察や軍隊、憲兵などにより過剰な監視が生じた社会のことを指す。
ソビエト連邦、北朝鮮では、党や軍が一方的に国民を統制、監視しているため、監視国家といわれる。また中国は党や軍だけでなく、2億台以上もの監視カメラにて市民生活を監視し、かつスマホ情報等を収集し国民一人ひとりを格付けする監視社会といわれる[1]。自由主義国家においても、街頭や公共施設における多くの監視カメラの設置や、警察のシンパサイザーであり市民による相互監視組織とも言える防犯ボランティアの活動など、漠然とした犯罪不安を背景とした治安意識の過剰な高まりが、監視社会化の懸念として論じられている[2]。
資本の企業経営手法としての「相互監視システム」は、社内各部門のプロジェクト・課題・進捗状況などをあえて公開・発表させる、更にお互いのチェック・意見交換で、部門間の競争を引き出し、迅速・多大・確実な業績を上げる手法である[3]。
仮に、上記を「正の相互監視システム」とするならば「負の相互監視システム」とでも呼ぶべきが、社内の人・モノ・カネの流れをあえてオープンにし、一個人に任せない手法である。 使用者側は労働者に対して常に互いに「見られていること」を意識させ、もって組織内の不正・不利を容易に抑止することが可能になる。例を挙げれば、労働者のタイムカード・勤務表・スケジュールの半公開(各人のそれを互いに見られる状態にする)、資材・備品を共有スペースに置く、外回り・出張を2人1組で行わせる、二列縦隊による行動[4]などがある。
脚注
- ^ 「監視社会=暗黒」の図式で中国を語る日本、重要な視点が抜け落ちている:朝日新聞GLOBE+
- ^ 久保大『治安はほんとうに悪化しているのか』 公人社 2006 ISBN 4-86162-025-2 pp.240-251.
- ^ 第91錠 「相互監視システムで現業を回す」 | 経営コラム | 事業繁栄のための経営セミナー・社長セミナー/日本経営合理化協会
- ^ “(学校生活編)技術不足の生徒には補講、文化祭前に化粧講習会、上級生から下級生に伝える「しきたり」…人をつくる”. 産経新聞 2020年11月11日閲覧。
参考文献
- デイヴィッド・ライアン『監視社会』清土社 2002年
- デイヴィッド・ライアン『監視スタディーズ――「見ること」「見られること」の社会理論』岩波書店 2011年