松岡和子
松岡 和子(まつおか かずこ 1942年4月17日- )は、日本の翻訳家、演劇評論家[1]。元東京医科歯科大学教授。国際演劇評論家協会会員。テレビドラマや映画の英語翻訳家だった額田やえ子は義理の従姉にあたる。
イギリス文学戯曲の他、小説や評論の翻訳を手がける。第2回湯浅芳子賞受賞。シェイクスピア全作の新訳に取り組んでおり[1]、彩の国さいたま芸術劇場での彩の国シェイクスピア・シリーズ企画委員のひとり。
来歴
旧満州新京生まれ[1]。東京都立豊多摩高等学校、東京女子大学英文科卒業、東京大学大学院修士課程修了。1982年から東京医科歯科大学教養部英語助教授、教授となったが、1997年翻訳に専念するため退任した。2020年、文化庁長官表彰[2]。
著書
- 『ドラマ仕掛けの空間』(創樹社 1986年)
- 『すべての季節のシェイクスピア』(筑摩書房 1993年)
- 『シェイクスピア「もの」語り』(新潮選書 2004年)
- 改題『「もの」で読む入門シェイクスピア』(ちくま文庫 2012年)
- 『深読みシェイクスピア』(新潮選書 2011年/新潮文庫、2016年)
共著
- 『東京芝居 小劇場お楽しみガイド』(川本三郎、TBSブリタニカ 1987年)
- 『快読シェイクスピア』(河合隼雄対談、新潮社 1999年/新潮文庫 2001年、決定版2018年/ちくま文庫 2011年)
- 『絵本シェイクスピア劇場』(安野光雅画、講談社 1998年)
翻訳
- リラン『余白のあるカンヴァス』(朝日新聞社 1976年)
- マリリン・フレンチ『背く女 女の生き方を変える本』(パシフィカ 1979年)
- ジェフリー・マイヤーズ『絵画と文学』(白水社「白水叢書」 1980年)
- 『オキーフ画集』(小学館 1982年)
- ノーマ・クライン『マンハッタン式家族あわせ』(河出書房新社 1983年)
- キャリル・チャーチル『クラウド9』劇書房 1983年)
- レイマンド・フィッツサイモンズ『エドマンド・キーン』(劇書房、1985年)
- トム・ストッパード『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』(劇書房 1985年)
- ノラ・エフロン『ハートバーン』(河出書房新社 1986年)
- ロナルド・ハーウッド『ドレッサー』(劇書房 1988年)
- タマ・ジャノウィッツ『ニューヨークの奴隷たち』(河出書房新社 1988年)
- ジュディス・クランツ『プリンセス・デイジー』(徳間文庫 1988年)
- ジャン・コクトー、ルイ=フェルディナン・セリーヌ、ウィリアム・バロウズ、ノーマン・メイラー、アレン・ギンズバーグ、イヴリン・ウォー
- 『ライターズ・アット・ワーク』(小野寺健、高坂和彦ほか共訳 ペヨトル工房 1989年)
- ポール・ラドニック『あそぶが勝ちよ』(白水社 1991年、白水Uブックス 1995年)
- ジョセフ・ラブ『夜を泳ぐ』(リブロポート 1991年)
- ポール・ラドニック『くたばれハムレット』(白水社 1992年)
- テネシー・ウィリアムズ『ガラスの動物園』(劇書房 1993年)
- キャロリン・アンソニー編『ファミリー・ポートレイト 記憶の扉をひらく一枚の写真』(前沢浩子共訳、早川書房 1994年)
ちくま文庫版「シェイクスピア全集」
- ハムレット(1996年)
- ロミオとジュリエット(1996年)
- マクベス(1996年)
- 夏の夜の夢・間違いの喜劇(1997年)
- リア王(1997年)
- 十二夜(1998年)
- リチャード三世(1999年)
- テンペスト(2000年)
- ウィンザーの陽気な女房たち(2001年)
- ヴェニスの商人(2002年)
- ペリクリーズ(2003年)
- タイタス・アンドロニカス(2004年)
- オセロー(2006年)
- コリオレイナス(2007年)
- お気に召すまま(2007年)
- 恋の骨折り損(2008年)
- から騒ぎ(2008年)
- 冬物語(2009年)
- ヘンリー六世 全三部(2009年)
- じゃじゃ馬馴らし(2010年)
- アントニーとクレオパトラ(2011年8月)
- シンベリン(2012年4月)
- トロイラスとクレシダ(2012年8月)
- ヘンリー四世 第一部、第二部(2013年4月)
- ジュリアス・シーザー(2014年7月)
- リチャード二世(2015年3月)
- ヴェローナの二紳士(2015年8月)
- 尺には尺を(2016年)
- アテネのタイモン(2017年10月)
- ヘンリー五世(2019年1月)
- ヘンリー八世(2019年12月)
- ジョン王(2020年6月)
社会的活動
脚注
- ^ a b c 『芸術新潮』 2016, p. 87.
- ^ 令和二年度文化庁長官表彰名簿
参考文献
外部リンク
- 松岡和子HomePage - ウェイバックマシン(2000年7月11日アーカイブ分)