東京ドームシティアトラクションズ
東京ドームシティアトラクションズ(とうきょうドームシティアトラクションズ)は、東京ドームシティ内にある都市型遊園地。
旧称は後楽園ゆうえんち(こうらくえんゆうえんち)。株式会社東京ドームが運営している。
概説
1955年7月9日に、後楽園ゆうえんちとして開場(場合によっては「後楽園遊園地」などと表記される場合もあるが、実際は「後楽園ゆうえんち」が正しい)。その後、施設のリニューアルを繰り返してきたが、2003年5月1日にゆうえんち北側部分の再開発によるショッピングセンターと日帰り入浴施設および新設アトラクション等で構成した複合施設「ラクーア」の開業に合わせ、それに先立つ2003年4月17日に遊園地全体をフリーゲート化(入場無料化)し、同時に東京ドームシティアトラクションズという現在の名称に変更した。ラクーア開業による新規アトラクションの導入により、大人指向のアミューズメントパークへ変貌を遂げた。
「ラクーア」側と「バイキングゾーン」「パラシュートゾーン」側(東京ドーム側)は都道434号で隔てられており、アトラクションズの来場者は通常、都道434号直下に設置された地下通路で往来する(フリーゲート化後は施設外の横断歩道経由で往来することも可能)。
古くよりスーパー戦隊シリーズのヒーローショーを売り物にしており、毎週土曜・日曜と祝日に開催している(野外劇場時代途中に週休二日制が定着するまでは日曜・祝日のみ。春冬の長期休暇時は毎日公演)。劇場への入場時にレッドと握手ができることからテレビCMでスーパー戦隊の歴代レッドが発する「後楽園ゆうえんちで僕と握手!」のキャッチコピーは有名で(当初は「後楽園ゆうえんちへ応援に行こう!」や「後楽園ゆうえんちで待ってるぞ!」であった)、現在でも「東京ドームシティで〜」とキャッチコピーを変えて使われている[1]。ただしコロナ禍以降は握手が出来なくなったため、「僕と握手!」の箇所のみ別の台詞に言い換えている。
2000年代までは最新作までの5年間のスーパー戦隊過去作や仮面ライダーシリーズ・メタルヒーローシリーズのヒーローが登場するショーも夏や正月(スーパーヒーロー大集合)に行われていた。さらにシリーズの期間中2回は変身前の役者が出演する「素顔の戦士」公演を実施している(1992年秋のジュウレンジャーショーから。ジェットマン以前も公演の回によって変身前の演者が予告なしでサプライズ出演することも稀にあった)。スーパー戦隊シリーズでは、後楽園ゆうえんち時代から番組のロケを園内で行うことも多い。
また、当地で開催されたハロウィンの仮装イベントが、現在では「コスプレフェスタ」「レイヤーズパラダイス」などの名称で現在も開催、これが後に各地の遊園地・テーマパークで行われているコスプレイベントの元祖となっている。2019年には当地で世界コスプレサミットが開催された。
2010年から2011年1月にかけてアトラクションに起因する人身事故を相次いで起こし、この2011年1月末から長期間営業を休止することとなった(→#事件・事故)。その後社内安全対策の確立を受け、同年6月1日から一部のアトラクションで営業を再開した[2]。
アトラクション一覧
「スピニングコースター舞姫」の事故を受け2011年1月31日以降、全アトラクションが営業を休止していたが、同年4月2日より「シアターGロッソ」が再開した。また同年6月1日より安全対策を確立したとして、タワーランド内アトラクションとサンダードルフィンを除く10種類のアトラクションに限り再開した[2]。タワーランドは大屋根が撤去完了後、一部のアトラクションが同年10月14日に営業再開した。
以下カッコ内はアトラクション合言葉・挨拶
ラクーアゾーン
旧称はコースターランド。2003年5月1日のラクーア開業に伴い、名称変更された。
- 靴を脱いで入るお化け屋敷。演出にチームラボの映像技術が使われている。
- 期間限定で、ストーリーの変更と恐怖の演出が向上された特別バージョンが開催される。
- 2018年夏は「超・怨霊座敷」、2019年夏は「怨み針の女」を実施。16時までは“ノーマルver.”、17時からは“ハードver.”となる。ハードver.は各種パスポート利用不可。
- 2019年秋に開催された「お化け屋敷の深夜巡回」は、同園内で開催された「和ハロウィーン」の企画による特別バージョン。営業終了後のお化け屋敷に巡回に入った警備員が戻って来なくなった為、暗闇の中を懐中電灯の灯りを頼りに探しに行くという設定。15時までは通常の怨霊座敷、16時から深夜巡回となる。深夜巡回は各種パスポート利用不可。
- ザ・ダイブ(レッツダイブ、ナイスダイブ)
- ヴィーナスラグーン(アニマル)
- ウォーターシンフォニー
- 指定時間になると、音楽に合わせて動く噴水。夜になるとイルミネーションが輝く。
クリスマス時期は特別バージョン。
バイキングゾーン
旧称はタワーランド。2012年3月16日より新たに2機種のアトラクションが開業し、名称変更された。この際に長年存在した大屋根を撤去している。
- スーパーバイキング ソラブネ(ヨーソロ)
- フリフリグランプリ
- キッズハッカー
- さがみ湖リゾート プレジャーフォレスト、リナワールドおよび大森山ゆうえんちアニパにある「ジャンピングスター」とは同型機である。
- ブンブンビー(ブンブンぶっとびー)
- わんぱくバスの後継として2014年5月1日開業。
パラシュートゾーン
- スカイフラワー
- 後楽園球場時代から唯一残るアトラクションで、同園内で最古。
- コズミックトラベラー(2021年3月20日開業予定)
- ウォーターキャノン(レッツキャノン)
- フラッシュラッシュ
- ちゃぷちゃぷクリーク
- レーザーミッション ~秘密金庫へ潜入せよ!~
- ホッピンどらっぴー
ジオポリスゾーン
スプラッシュガーデンゾーン
- ピクシーカップ
- パワータワー(ハイパワー)
- コロッコ
- マジカルミスト
スキップパス
次のアトラクションでは少ない待ち時間で乗れる時間指定の「スキップパス」が数量限定で販売されている。 ※スキップパスとは別にアトラクションチケットも必要
- サンダードルフィン - 700円
- バックダーン - 600円
- お化け屋敷「怨霊座敷」 - 1200円(1枚につき4名まで)
- ビッグ・オー - 1200円(1枚につき4名まで)※特定日のみの販売
過去に存在していたアトラクション
「後楽園ゆうえんち」時代以前
コースターランド
- ラクーアへの再開発工事に際しては2000年春にエリアの一部が閉鎖され、残りのエリアは2001年5月までスターランドとして営業をしていた(☆が付いているものはスターランドまで現存)。
- 2WAYジェットコースター
- ツインハリケーン☆
- トップスピン
- サーカストレイン
- エンタープライズ
- スーパーシャトル
- レインボー
- ラブエクスプレス
- ラクーア再開発に伴い、東京サマーランドに移設され、現在も運営されている。
- 大観覧車
- ティーカップ☆
- 大メリーゴーランド
- 小メリーゴーランド
- 豆汽車
- 楳図かずおのお化け屋敷☆
- 13日の金曜日
- 映画『13日の金曜日』をモチーフにした、ウォークスルータイプのお化け屋敷。
- 荒俣宏の幻鳥迷宮
- バルーン
- スーパーテレコンバット☆
- キディスイング☆
- ローター
- ドン・チャックステージ
- ヒーローショー以外のキャラクターショーなどはここで行っていた。
- 野外ステージ
- 当初は様々なイベントを行っていたが、1971年秋からはヒーローショー専用となり、集客力の多さから1972年~73年に敷地はそのまま「野外劇場」に改築された。ステージの前に水が張った堀があるのが特徴。
- 野外劇場
- 「野外ステージ」の後継施設。2000年春の閉鎖まで長らくヒーローショー専用劇場として親しまれた。舞台の高所から中央左右に大きく開いた奈落まで飛び降りたり、舞台後方に走っているジェットコースターから戦隊シリーズのレッドをはじめとしたヒーローが立ち上がって舞台上にいる敵キャラクターに光線を放つ演出が特徴。場内には売店もあった。
タワーランド
- 後楽園タワー
- タワーハッカーの前身である展望アトラクション。タワーハッカーへの改装時に支柱だけ残された。
- フライングカーペット
- トラバンド
パラシュートランド
- ウルトラツイスター
- ブーメラン
- スカイサイクル
「東京ドームシティアトラクションズ」時代以降
ラクーア
タワーランド→バイキングゾーン
- 2011年1月の事故に伴い撤去
- アストロジェット
- わんぱくバス
- カルーセル
- ラクーア建設に伴いコースターランドから移設
パラシュートランド→パラシュートゾーン
- リニアゲイル
- スカイトリップ
- リトルティーカップ
- キディライド
- ラクーア再開発に伴いコースターランドから移設
- ふわふわ
- キッズプレイス
- 2011年1月の事故に伴い終了・撤去
- スカイシアター
- ラクーア再開発に伴い解体された「野外劇場」の後継施設。奈落などの設備は野外劇場のものが踏襲された。コースターの演出は無くなったが、照明設備のある柱を利用してワイヤーで吊られる演出が行われていた。当初は再開発が終わるまでの仮設だったため、消防法により2003年春に一旦解体。施設名改称時に改装して再オープンした。シアターGロッソへの移転に伴い2009年春に終了・撤去され、跡地にスプラッシュガーデンが開業。
ジオポリス
事件・事故
- 2002年1月1日 - タワーランドエリア内にあるアトラクション「スピニングコースター舞姫」にて、ブレーキ不良により追突事故が発生。1人が負傷[3]。
- 2010年5月頃 - タワーランドエリア内にあるアトラクション「スピニングコースター舞姫」にて、アトラクションの一部の部品が落下して女性従業員に当たり、軽傷を負う事故が発生[4]。
- 2010年11月29日 - タワーランドエリア内にあるアトラクション「タワーハッカー」にて女性従業員がアトラクション点検中にワイヤーに右手を挟まれ指3本を切断する事故が発生した[5]。この影響により、「タワーハッカー」が一時休止となった。
- 2010年12月5日 - ラクーアエリア内にあるジェットコースター「サンダードルフィン」にてアトラクション走行中、コースターの一部の部品が外れてしまい園内を歩いていた当時9歳の少女に当たり、軽傷を負った[6]。この影響により「サンダードルフィン」は2013年7月末まで営業休止となったが、8月から再開された。
- 2011年1月30日 - タワーランドエリア内にあるアトラクション「スピニングコースター舞姫」にて、当時34歳の男性客がアトラクション乗車中、約8メートルの高さから振り落とされ落下し、死亡する事故が発生[7]。東京ドームシティアトラクションズ内での事故が相次いだ為、当面遊園地全体の運営を停止すると発表された他、同時に東京ドームシティアトラクションズの公式ウェブサイトも閉鎖された[8]。この影響により、以下のイベントの中止・会場変更が発生した[9][10]。
- シアターGロッソで行われていた「天装戦隊ゴセイジャー」ショーは1月30日の公演を以って打ち切られ、2011年2月6日から3月6日にかけGロッソで行われるはずだった「ゴセイジャー素顔の戦士ショー」は中止が決定し、東京ドームグループがスポンサーを務めているテレビ朝日系「ゴセイジャー」の最終回並びに、「海賊戦隊ゴーカイジャー」の第1話から第4話までのCMについてはPT扱いで「ゴセイジャー」ショー中止に関するお詫びを放送した[注 1]。第5話でのCM完全自粛[注 2]を経て、第6話と第7話はPTで他の東京ドームグループの施設のCM[注 3]を放送していたが、第8話からは東京ドームグループ自体も通常のスポンサーとして復帰している。また「ゴーカイジャー」ショーの3月分の公演は震災等の影響もあって中止になったが、4月以降は公演を行った。
- バレンタインイベント「Happy Valentine」は中止。
- 2月5日・6日に開催予定だった「コスプレフェスタ」は開催中止。10月15日・16日開催分から再開。
- 2月5日にラクーアで行われる予定だった松下優也のシングル「Paradise」の発売記念イベントが、ラゾーナ川崎プラザに変更。
- 2月6日にラクーアで行われる予定だった渡り廊下走り隊7のシングル「バレンタイン・キッス」の発売記念イベントの会場が、パレットタウンのパレットプラザに変更。
- 3月1日から31日まで例年開催の卒業記念イベント「卒業生いらっしゃい2011」は中止。
- 3月20日・21日に開催予定だった「NEWレイヤーズパラダイス」は開催中止。2012年3月17日・18日開催分から再開。
- 4月5日開催予定であった「さよなら絶望放送」の公開録音イベント"座・さよなら絶望放送"は会場をメルパルクホールに変更。
- 2011年3月11日に東日本大震災が発生したが既に休園中であったため、他のレジャー施設と異なり来場者に対する被害・影響は生じなかった。
- 2018年9月15日 - 午前3時ごろ、ジオポリスエリアで遊戯施設の入れ替え工事をしていた作業員7人が体調不良を訴え、うち1人が入院した。東京消防庁は現場で一酸化炭素を検出しており、作業員らは一酸化炭素中毒になったとみられる。
- 2020年は新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、3月1日から5月31日までは遊園地全体が休園となったり、多くのイベントが中止となった。中止事項が多いことを考慮し、ここでの記載は省略する。
CM
- 嘗ては、4:3だったが、後にレターボックスを経て、16:9映像になった。映像素材は1992年のジュウレンジャーショーのCMまではフィルムだったが、1993年のダイレンジャーショーのCM以降はVTRとなった。
CMナレーター
アクセス
鉄道
バス
- 東京ドームシティ
- 春日駅前
舞台となった作品
- 映画
脚注
注釈
- ^ 但し、東京ドームグループのCMが札幌後楽園ホテル(2011年4月以降は東京ドームホテル札幌)や熱海後楽園ホテルなどに差し替えられている地域は除く。
- ^ 東北地方太平洋沖地震の発生を受けたもので、ACジャパンのCMへ差し替え。
- ^ テレビ朝日などは熱海後楽園ホテル、朝日放送などは東京ドームホテル。
出典
- ^ この握手はダイナマンの公演途中から実施。上記フレーズでは「僕」となっているが、スーパー戦隊では2020年現在一人称が「僕」のレッドは存在せず、全員「俺」である。なお、Gロッソになるまで長らく関東ローカルであり、札幌・熱海・大阪・城島など関連施設がある地域の系列局はそのテレビCMに、近くに関連施設がない地域の系列局あるいは大阪・城島など施設が閉鎖された後は東京ドームホテル(開業する前の1990年代まではグループの企業CM)のテレビCMに差し替えて対応していた。
- ^ a b 「東京ドームシティ アトラクションズ」営業再開について (PDF) - 東京ドームのニュースリリース、2011年5月27日(2011年5月29日閲覧)
- ^ “02年にも追突事故 昨年5月は部品落下 東京ドーム”. 産経新聞. (2011年2月1日) 2011年2月8日閲覧。
- ^ “バー確認、統一指導せず 警視庁、きょう家宅捜索”. 産経新聞. (2011年2月1日) 2011年2月8日閲覧。
- ^ “遊具点検中に指切断=女性従業員、ドームシティ—東京”. 朝日新聞. (2010年11月29日) 2011年2月8日閲覧。
- ^ “遊園地でボルト落下、女児軽傷=運転中ジェットコースターから—東京ドーム”. 朝日新聞. (2010年12月5日) 2011年2月8日閲覧。
- ^ “コースター転落事故:34歳男性が死亡…安全バー不完全?”. 毎日新聞. (2011年1月30日). オリジナルの2011年1月31日時点におけるアーカイブ。 2011年2月8日閲覧。
- ^ “「スピニングコースター舞姫」事故の件” (PDF). 東京ドーム・東京ドームシティアトラクションズ (2011年1月30日). 2011年2月8日閲覧。
- ^ “「スピニングコースター舞姫」事故に伴う休園及びイベント開催中止のお知らせ”. 東京ドームシティ アトラクションズ (2011年2月7日). 2011年2月8日閲覧。
- ^ “コスプレフェスタ TDC開催延期に関するお知らせ”. 東京ドームシティ アトラクションズコスプレフェスタ実行委員会 (2011年1月30日). 2011年2月8日閲覧。
関連項目
- 東京ドーム (企業)
- 城島高原パーク - 旧:「城島後楽園ゆうえんち」。現在は東京ドームグループから離脱。
- 読売ジャイアンツ
- 東映
- スーパー戦隊シリーズ - 『秘密戦隊ゴレンジャー』後半からスーツアクターはTVシリーズ同様に大野剣友会から代わりJAC(現・JAE)が担当している。
- バンダイ
- 徳間書店
- ドン・チャック - 後楽園ゆうえんち時代からのマスコットキャラクターで、東京ドームシティになって以降も現役である。
- UFO大戦争 戦え! レッドタイガー
- 仮面ライダーシリーズ - 元々は『仮面ライダー』の人気により特設ステージでショーを開始されたのが始まりだと言われている。
- 新・仮面ライダー#テレビマガジン - 後楽園ゆうえんちのパンフレット(「ショッカー基地・後楽園ゆうえんち それ行け!!仮面ライダー」について触れてある)
- ウルトラマン・ウルトラセブン モーレツ大怪獣戦
- ロボット8ちゃん - 第27話「ドラキュラはトマトジュースがお好き」の回でロケーションが行われ、ヤキソーラがホットドッグ売りを担当していた
- 神谷明 - 「後楽園ゆうえんち(東京ドームシティ)で、僕と握手!」のCMナレーション
- なりた洋 - 野外劇場・スカイシアターのヒーローショーで長きにわたり司会を務めた人物。
- ローラーコースター - 「ジェットコースター」の名称が初めて使われたのは後楽園ゆうえんちであった。
- 五味弘文 - 長年にわたりお化け屋敷のプロデュースを手がけた人物。
外部リンク
- 東京ドームシティアトラクションズ
- シアターGロッソ
- 株式会社東京ドーム 公式サイト
- 東京ドームシティアトラクションズ (@at_raku) - X(旧Twitter)
- 東京ドームシティアトラクションズ (TokyoDomeCityAttractions) - Facebook
- 東京ドームシティアトラクションズ (@tokyodomecityattractions) - Instagram
- 東京ドームシティアトラクションズ - YouTubeチャンネル
- 東京ドームシティアトラクションズ - いこーよ
- "東京ドームシティアトラクションズ". TripAdvisor. 2020年11月2日閲覧。
座標: 北緯35度42分18.8秒 東経139度45分14.4秒 / 北緯35.705222度 東経139.754000度