包帯包

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包帯包(ほうたいづつみ)は、大日本帝国陸軍で、包帯材料を包んだ衛生材料の一種である。

概要

日本陸軍の包帯包は、三九年式と大正七年式とがあった。

三九年式包帯包は三角巾1枚、ヴィスコイド紙(セロファン紙)でつつんだ昇汞ガーゼ包(1包2枚)を縦約9cm、横約6cm、厚さ約2cmの大きさに圧縮し、包布でつつみ、両端を裏側に折り、茶木綿糸で縫い、その部分に製造年月日をしるした封緘紙を貼附してあった。 重さは約80gであり、主として戦時に傷者の手当に使用するとされ、戦時には出動当初から各人に支給された。上衣の左裾裏にある物入れ(ポケット)に入れて携行するものとされ、使用法は平時から兵全員に教育された。 戦時には医扱類の入組品とされ、平時にも救急用として使用する。

大正七年式は幅7.0cm、長さ4mの巻軸帯に昇汞ガーゼの幅30cm、長さ40cmの長方形のもの3枚をかさねて9つに折りたたんだものを長軸に一致するよう、かつ長軸方向に3倍にひろげて使用し得るようにぬいつけ、かたく巻いて圧縮し、これをヴィスコイド紙につつみ、蒸気滅菌したのち包布で密包した。 包布の表面には使用法が印刷されていた。 重量は約50g、通常、平時用。

その使用法は、包布を解き、三角巾を取って包帯の準備をし、包紙を破り、ガーゼをつまみ、物に触れないように開き、指の触れないところを傷口に当て、、残りのガーゼをその上に重ね、三角巾で巻く。傷口が2箇所以上の場合は適宜、割り当てるとされた。