マイクロ

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マイクロ: micro、記号: μ)は国際単位系 (SI) における接頭辞の一つで、基礎となる単位の 10−6倍(= 百万分の一、0.000 001倍)の量であることを示す。したがって、マイクロはミリの0.001倍、ナノの1000倍である。

ex)

•1 マイクロメートル = 0.000 001 メートル = 0.001 ミリメートル = 1000 ナノメートル

•1 マイクロ秒 = 0.000 001 = 0.001 ミリ秒 = 1000 ナノ秒

•1 マイクログラム = 0.000 001 グラム = 0.001 ミリグラム = 1000 ナノグラム

SI接頭語
接頭語 記号 10n 十進数表記 漢数字表記 short scale メートル法への導入年 国際単位系における制定年
クエタ (quetta) Q 1030 1000000000000000000000000000000 nonillion 2022年
ロナ (ronna) R 1027 1000000000000000000000000000 𥝱 octillion 2022年
ヨタ (yotta) Y 1024 1000000000000000000000000 𥝱 septillion 1991年
ゼタ (zetta) Z 1021 1000000000000000000000 sextillion 1991年
エクサ (exa) E 1018 1000000000000000000 quintillion 1975年
ペタ (peta) P 1015 1000000000000000 quadrillion 1975年
テラ (tera) T 1012 1000000000000 trillion 1960年
ギガ (giga) G 109 1000000000 billion 1960年
メガ (mega) M 106 1000000 million 1874年 1960年
キロ (kilo) k 103 1000 thousand 1795年 1960年
ヘクト (hecto) h 102 100 hundred 1795年 1960年
デカ (deca) da 101 10 ten 1795年 1960年
    100 1 one  
デシ (deci) d 10−1 0.1 tenth 1795年 1960年
センチ (centi) c 10−2 0.01 hundredth 1795年 1960年
ミリ (milli) m 10−3 0.001 thousandth 1795年 1960年
マイクロ (micro) μ 10−6 0.000001 millionth 1874年 1960年
ナノ (nano) n 10−9 0.000000001 billionth 1960年
ピコ (pico) p 10−12 0.000000000001 trillionth 1960年
フェムト (femto) f 10−15 0.000000000000001 須臾 quadrillionth 1964年
アト (atto) a 10−18 0.000000000000000001 刹那 quintillionth 1964年
ゼプト (zepto) z 10−21 0.000000000000000000001 清浄 sextillionth 1991年
ヨクト (yocto) y 10−24 0.000000000000000000000001 septillionth 1991年
ロント (ronto) r 10−27 0.000000000000000000000000001 octillionth 2022年
クエクト (quecto) q 10−30 0.000000000000000000000000000001 nonillionth 2022年

概要

マイクロは、ギリシャ語で「小さい」という意味の μικρός (mikros) に由来する。1874年英国科学振興協会 (BA) がCGS単位系の電磁気の単位の標準化を行う際に、その一部としてメガとともに新たに導入された。CGS単位系で電磁気の単位を組み立てると、その示す値が非常に大きくまたは小さくなるため、それまであった接頭辞だけでは足りず、新たな接頭辞を導入する必要があった。1960年の第11回国際度量衡総会 (CGPM) でSIが制定される際、正式に承認された。

表記

国際単位系(SI)の規定では、単位記号と同様にSI接頭辞立体ローマン体)で表記することが必須(mandatory)であると定められている[1]。したがって、しばしば、µ を斜体として「µ」(例えば、µm)と書かれることがあるが誤りである。

マイクロを表す記号として、ユニコードの通常のギリシャ文字領域に存在するミュー「μ」(U+03BC)を用いることは、環境によっては「μ」のように、斜体で表示されるので、避けなければならない[2][3]

ギリシャ文字ミュー「μ」に代えて、互換性のためにLatin-1領域に存在するU+00B5「µ: micro sign」があり、こちらを使用するのが良い[4]。この欧文特殊文字の文字コードは0xB5であり、16進数でB5は10進数では181になるため、Altキーを押しながら181と入力することで表示される。これが使用できない場合はラテン文字の"u"(小文字のユー)で代用されることもある。

単位以外

接頭辞とは関係なく、大きさが(非常に)小さいものについて「マイクロ」を冠する言葉がいくつかある。この場合は「ミクロ」と発音することがある。

脚注

出典

  1. ^ The International System of Units (SI) 9th ed. Text in English 2.3.1 Base units  p.130 欄外注
  2. ^ 物理量・数値・単位と分率の表記についての提言 岩本振武、ぶんせき、2017年8月号、5・1 ギリシャ文字の字体、pp.343-344
  3. ^ ただし環境によってはµとμが同じ字形で表示される。
  4. ^ Unicode 6.1.0 ch07.pdf p225